三峰山・平倉峰

　昨年５月にも歩いた三峰、平倉峰。あの美しいブナ林の稜線が霧氷で飾られる姿を期待してはいたが、その頂上を望んでも、三重県側からは雪も、霧氷も全くその気配がない。そもそも、ここ二、三日の暖かさと春のような雨で、霧氷どころではなかったろう。この週末もよく似た天気かと決めつけて、山行きも考えていなかったのだけれど、思いの外晴れて季節風も吹きそうな天候だったので、思い立って出かけてきたものだ。そんなこんなで時間も遅くなり、あまり期待はしていなかったのだが、さすがに奈良県側の日の当たりにくいような所々には霧氷が残っている。 　風も穏やかで八丁平はいつものようにのどかだし、三峰から平倉峰への稜線は日がさして尾根の木々の霧氷は風に散らされ、輝いて舞い落ちてくる。おまけに今日は大気が澄みわたり、御嶽、北アルプスなどの雪を冠った山々がくっきりと望まれる。思いもかけず心休まる山歩きに恵まれることになった。実はここ数日仕事でストレスフルだったのだが、そう、良いこともあるさ。