活動データ
タイム
14:52
距離
41.9km
のぼり
3485m
くだり
3491m
活動詳細
すべて見るhttps://youtu.be/m1O5CtmbrAQ 袈裟切りチョップである!! かの破壊王 橋本真也を破壊王たらしめた必殺技のひとつなのです。 さて、ほんで何がどーなって袈裟切りチョップであるのかをダラダラ掘り下げて参りましょう。 何を隠そう、僕は20年ぐらい前に屋久島を訪れ宮之浦岳に登ったことがあります。その際、淀川の登山口から宮之浦岳に登り、トロッコ道を荒川まで下りるという、若者にありがちな体力まかせなコースどりをしました(当時は地名とかなんやらよーわからんままに登っとりました)。プロレス的には”地獄突き”でしょうか?! 今回、幸運にもまた屋久島へ行くにあたって、僕が考えたのは20年前の自分がビックリしてまうようなことをすることです。 なんちゅーても、あれから約20年を経て令和の世を生きる僕は、“普通のオッサンはまずトライしようと考えない距離を、好きこのんで寝ないで走ったり歩いたりするオッサン”にクラスチェンジ済みなのです。 当時と同んなしように、登って下りてきてもそんなに面白い話ではありません。 そこでこれですっ!!屋久島袈裟切りチョップです。屋久島の頸動脈あたりから斜め下方向へズバッと切り込んでやろうやないかいっ、なのです、そーなんです。 主にweb上の情報を収集し散らかした結果、やはり世の中にはクレイジーな同志がいらっしゃることがわかってきました。 http://gonextpeak.com/post-2328/ https://blog.goo.ne.jp/nora-nora2010/e/fa433d1c2762c51ac285156f0829ec94 中には12時間あれば袈裟斬りいけるとおっしゃる猛者もおられ、“じゃあ僕もガンガって日帰りでチョップをかませそうだ!!”と思えてきました。 しかしながら、実行に移すにあたって、解決すべき問題がいくつもありました。大きな問題と僕なりの解決策(?!)が、以下の6点です。 ①この師走の平日に一緒に走ってくれる人などいるわけない →一人でいくしかないっ、保険加入、登山届提出、メシぎょーさん持つ等、緊急事態に対する最低限の対策をしとく ②レンタカーとかタクシー代しゃれならんですよ →すごく頑張って走ったり歩いたりする ③冬至近く日没時刻が早く、すぐ暗くなる →活動開始時刻を極力早く設定する ④僕、寝袋とかテント持ってへん、しかも夜に山で寝るのがオバケとか超常現象的にめっちゃ怖い →夜中に走ったり歩くのはそんなに怖くないので、山の中で寝ることは考えず無泊で連続的に行動する、ツェルトだけは持っとく ⑤雨降ったらきっとエグいことになる →とにかく晴れることを祈る、車運転してるときに道をゆずりまくる等、善行(?!)を積んで神さんにアピールする。 ⑥12月に入ってから登っていらっしゃる方々の宮之浦岳登頂ログを見せてもらっていると、積雪があり、アイゼン等冬山装備でのぞんでいらっしゃる方がおられた。しかし、僕はその手のアイテムを持っていない。 →僕の靴で上がれるレベルの雪量になっていることを祈る、やはり神さんに(善行)アピールする。その上で行けるとこまで行って、あかんかったらスッパリ諦めて引き返す。 これらを含め、その他諸々を考慮して、宮之浦 深夜発 栗生 最終バス乗車 プランでいくことにしました。 県道の舗装路を使えば、夜間であっても白谷雲水峡までまず迷わずたどり着けます。また、そっから先も、縄文杉あたりまでは整備が行き届いた道があり、折からの満月の月光で夜中でも走り易いことが見込まれます。 シリアスなトラブルさえなければ、夜明けまでにトロッコ道の終点に到達して、以降も充分闘えると考えられました。 っで、おおよそプラン通りに事を運べました。その過程で起こったこと、感じたことをつらつらとまたダラダラと列挙してみましょう。 ・夜間の白谷雲水峡なめてた ライトを頼る杉峠への登りで、公家・武家杉あたりで迷った。きっと明るい日中であればなんてことないとこなんやろけど。予備知識が少ない道の夜間一人走りのリスクを改めて認識した。 ・トロッコ道の楠川分かれへんで迷う。上と同様。暗くて見通しがきかないことに加え、ちょっとした降雨があった。あの状況では地図とコンパスだけではリカバーむずかったと思う。仮にスマートフォンがトラブって、GPS情報が獲られなくなったら、進行を諦め明るくなるのを待たざるを得ない状況やったと思う。 ・トロッコ道から先の登山道は木製のデッキや階段が見られ、整備が行き届いていた。暗い中、この手の人工物を確認できると、道を誤っていないと確信できて心強かった。 自然林エリアが人の歩行により荒れることを回避する意味合いなんやろなぁ、と思った。 ・縄文杉を20年ぶりぐらいに見たが相変わらずでかかった。 ・平石やら坊主岩付近で微弱ながらdocomoの電波が拾えた。 ・平石過ぎてからの開けた笹原エリア付近で西からの霧を伴う強風がエゲツなかった。 ガッスガスで見通しがサッパリきかんかった。 ルート上の笹が湿っていて、あっという間に靴と下半身がビッチャンコになった。 GPS情報を参照するに宮之浦岳ピークまで1kmないはずやのに、そこへ近づいていってる実感がなく、全然つかへんやんっ、としか感じられなかった。 サブくて泣いた。 雪がとけてなくなっていたことだけは良かった、ホンマに。 ・宮之浦岳山頂の200m下からピークがまったく見えへん豪快なガスりぷりを前にして、山登りってこうゆうもんやんと開きなおれた。 ・宮之浦岳山頂のかげが覗える距離までつめると、断続的に雲が切れて日光が差すタイミングがあった。すげーワクワク感!! ・山頂に到達後、メシ食ったり、写真とったりゴソゴソしていると晴れた!!やった!! 嬉しくて泣いた。20年前に山頂で撮った写真を思いだして泣いた。 ・日が上り、角度的に下方を見下ろす形ながらブロッケン現象が起こった!!これご褒美やで、と思った。 ・ビッチャンコの下半身は乾いてきたが、手袋を外していたため、手がチンチンに冷えてえらいことになった。最終的に口の中に手を突っ込んで温め、わしゃタコかと思った。 ・山頂に居合わせた山岳ガイドの方に三岳参りの祠の位置を教えていただいた。おかげ様でおまいりすることができました、ありがとうございました。 ・永田岳への道中はうってかわって快適そのもので、今までのん何やったん的にニコニコランニングやった!! ・永田岳付近では霧のベース、そして霧がそこから生まれ、間もなく霧散する様子がよく見てとれた。あの霧同様、僕はどっから来て何処に行くのか、よぉわからんなぁ、と唐突に思春期的思考をめぐらせるオッサンになった。 ・鹿ノ沢小屋を経て辿った花山歩道が興味深かった。一気に高度を下げる中で、三重県の台高、紀北エリアの山中を思い起こさせる植生、雰囲気を終始感じていた。 ほどよい間隔で配置される目印テープ、重要なポイントに張られる通せんぼロープ等、わかってはるなぁ、という絶妙な整備によるサポートがなされていた。 ・登山道から林道へ出たあたりのタイミングで、GPSログを押さえていたアプリケーションが落ちていることに気づいた!! 12時間以上、そして35km以上のログがブッ飛んだかもしれない、という軌跡マニアにとっては、突然後頭部を思いっきりどつかれた(後ろからラリアットを叩き込まれた)ような衝撃的な出来事に暫く立ちすくんで動けなくなった。 幸いにもアプリケーションが落ちるまでのデータがスマートフォンのメモリーに残っていた! しかし、あの状態でスマホンが再起動とか電源落ちとかしてたらどないなってたかわからん。対策を要する。 ・最終盤に差し掛かり、仮に最終バスに乗れなんだときのことがめっちゃ心配になってきた。タクシー呼ぶとして、バス運賃1900円ぐらいの距離のタクシー代が想像できんし、それっくらいやったらバス停でビバークよな、とか思ってた。 そう考えるとけっこうええペースで走れて余裕でバスに間に合った。よかったよかった。 ・なんだかんだいって、20台の時以上に体力まかせやった。 ・どーじゃい、屋久島!!キいたやろワシの袈裟斬りチョップ!! えっ!?なんですと、痛くも痒くもない?!ローリング袈裟斬り、脳天唐竹割、フライイングクロスチョップ、もっともっと打ち込んでこいっですて?! ギャフーン、ゴメンナサイ、勘弁して下さい、とかなんとか。
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