梁川駅から綱之上御前山 2019-12/3

2019.12.03(火) 日帰り

遅く起きた朝は見事な好天。洗濯物を干し終わると時刻は午前十時台。しばしの黙考の末出かけることにした。あまりにも出立が遅いので、そんなに遠くへは行けない。 甲斐郡内、上野原と大月には「御前山」がたくさんあって、紛らわしいのでそれぞれ冠名が付いている。私は斧窪御前山に登ったことがあるだけなので、機会があれば他の御前山も訪れてみたい。それで今日は隣にある綱之上御前山に登ってみることにした。中央本線の梁川駅から程近い位置にある低山なので、こんなに遅い出発(しかも日照時間が短い季節)の日はちょうどよい。 「山梨東部の山 登山詳細図/東編」に記載のルートは西の尾根の末端から登るようになっているが、Yamapの記録を検索してみると、梁川駅の北側から取り付いて登っているパーティの記事が判りやすかった。目印の火の見櫓は駅のホームから目視できる。目指す綱之上御前山に至る稜線は見上げるとすぐそこに連なっている。午後一時になろうかという時刻に梁川駅を出発。晴天で心地よい。 火の見櫓のある敷地内に入ると、大月市消防団の倉庫があって、その左側に古びた石段がある。登りきるとやや廃れた風情の神社に行き着いた。南面の倉岳山方面が望める筈の高台だが、潅木の遮蔽でそれも適わず、少し陰気な雰囲気の境内だった。小休止してから、社殿の右側から裏手に廻ると、尾根に登る道が明瞭に続いていた。 尾根を緩やかにジグザグに切られた踏路が登っていく。途中で石仏のある祠、そしてもう少し登ったところにお地蔵さんが一体、静かに佇んでいる。このままこの支尾根を順調に、そして道形に登り続けるのかと思っていると…。 尾根の勾配は急になったまま、踏路は唐突に消失した。右手に向かってトラバースしていくと、沢の方に向かって下降気味になっている。仕方ないので尾根を直登することにした。足元の土は柔らかく、難渋して木の枝を摑みながら、予想以上に厳しい登りを強いられた。尾根に辿り着くまで状況は変わらないが、距離はさほどでもない。 ようやく尾根に乗る。そして登ってきた斜面を見てみるが、とても下降できそうな場所とは思えない。消防団倉庫からのルートはお地蔵さんの箇所で終わっていると見ていいのかもしれない。 平坦な尾根道は心地好く、樹間から僅かに権現山の山稜が窺える。途中、右方向に下っていく山道があり、少々気になるがあまりゆっくりと探索している時間はない。 常緑樹の道を過ぎて唐突に明るくなると標高490m圏の瘤を見上げる、尾根が顕著に分かれている箇所だった。扇山の姿が確認できて、今更のように、自分がどの辺の山を歩いていたかを認識する。小ピークで小休止して、急激に下降すると細い岩の鞍部に達する。その細尾根を、巨木が見事に倒れて立ち塞がっている。慎重に斜面の通過場所をみつけて、倒木をくぐる。鞍部を過ぎれば、あとは山頂に向かって登り続けるだけである。 綱之上御前山は寺山の名でも呼ばれているようで、山頂には複数の手製山名標が散見していた。潅木で扇山、倉岳山方面は見えないけど、北面の眺望が素晴らしい。手前の山が色づいて大きい。コモアしおつニュータウンの背後にこんもりと四方津御前山が鎮座している。 誰も居ないのどかな山頂で、カップ麺を作り食す。遅い昼食を摂るために、山に登ってきたような気分である。ここから、尾根は幾重にも分岐して、御春山から四方津駅に、あるいは周回するようにして大田峠を経て、犬目や斧窪御前山に行くこともできるが、今日はここまで。藪がやさしい冬場に、なんどか訪れてみたいなと思う。 同じ道を引き返し、標高490mの瘤を下ったところに、明瞭な下山道を確認していた。道標さえあれば完全な登山道という感じで、やがて右手の山腹に構造物が現われた。踏路が石段に合流し、階上の社殿に登り返す。古びた、こじんまりした社殿には金精神が祀られていた。なんという神社なのか、廃れた木札の文字は解読できない。 参道となった山道は尾根上を順調に下っていく。やがて唐突に明るくなると、送電駒橋線が横切っている。40号鉄塔で小休止。送電線の彼方に端整な山容の斧窪御前山を眺める。陽は未だ高いのに、色温度はずいぶん低くなっているようで、順調に下山できていることにほっとする。 三角点のある標高284.5m点の盛り上がる手前で、道はきれいに二手に分かれていた。左はおそらく全昌寺に降りていく道だろうと察せられる。右手を選び、尾根からターンするようにして踏路は下っていた。程無く梁川駅を眼下にして、墓地の手前で沢を渡る木橋を越えると、綱之上の集落に帰着した。 車道に出て、この明瞭な登山道の入口を確認する。山梨県の看板「相模川水系、水無沢」から舗装された斜面を登るだけである。簡易な道標でもあれば、と改めて思った。それほど歩き易い道であった。 梁川駅に戻ると、数分後に高尾行きのアナウンス。慌てて跨線橋を上り、ホームに急いだ。中央本線沿線は久しぶりだったが、存外に満足の山行。累計二時間で晩秋の散策は終了した。

梁川駅のホームから見る取付きの火の見櫓。綱之上御前山に至る尾根がすぐそこに見える。

梁川駅のホームから見る取付きの火の見櫓。綱之上御前山に至る尾根がすぐそこに見える。

梁川駅のホームから見る取付きの火の見櫓。綱之上御前山に至る尾根がすぐそこに見える。

消防団倉庫左の石段を登ると神社。名称は確認出来なかった。右手裏から明瞭な山道。

消防団倉庫左の石段を登ると神社。名称は確認出来なかった。右手裏から明瞭な山道。

消防団倉庫左の石段を登ると神社。名称は確認出来なかった。右手裏から明瞭な山道。

石仏のある祠、お地蔵さんのポイントまでは尾根をジグザグに登る歩き易い道が続くが、その後は不明瞭に。しょうがないので尾根直登。かなりの急勾配だった。

石仏のある祠、お地蔵さんのポイントまでは尾根をジグザグに登る歩き易い道が続くが、その後は不明瞭に。しょうがないので尾根直登。かなりの急勾配だった。

石仏のある祠、お地蔵さんのポイントまでは尾根をジグザグに登る歩き易い道が続くが、その後は不明瞭に。しょうがないので尾根直登。かなりの急勾配だった。

ようやく尾根に乗る。乗ってみると、下降できそうな場所は見当たらない。消防団倉庫からのルートはお地蔵さんまでという感じ?

ようやく尾根に乗る。乗ってみると、下降できそうな場所は見当たらない。消防団倉庫からのルートはお地蔵さんまでという感じ?

ようやく尾根に乗る。乗ってみると、下降できそうな場所は見当たらない。消防団倉庫からのルートはお地蔵さんまでという感じ?

気持ちのよい尾根道。途中尾根が分岐するところもあり気になるがとりあえず山頂を目指す。

気持ちのよい尾根道。途中尾根が分岐するところもあり気になるがとりあえず山頂を目指す。

気持ちのよい尾根道。途中尾根が分岐するところもあり気になるがとりあえず山頂を目指す。

標高490mの瘤で小休止。綱之上御前山がようやく姿を現わす。最近はお買い物ばかりで使用のラタトスク(クレッタルムーセン)とパチリ。

標高490mの瘤で小休止。綱之上御前山がようやく姿を現わす。最近はお買い物ばかりで使用のラタトスク(クレッタルムーセン)とパチリ。

標高490mの瘤で小休止。綱之上御前山がようやく姿を現わす。最近はお買い物ばかりで使用のラタトスク(クレッタルムーセン)とパチリ。

岩尾根鞍部にすごい倒木などもあり、ややアクロバティックな行程を経て山頂に到着。綱之上御前山は潅木で扇山、倉岳山方面こそ見えないけど、北面の眺望が素晴らしい。

岩尾根鞍部にすごい倒木などもあり、ややアクロバティックな行程を経て山頂に到着。綱之上御前山は潅木で扇山、倉岳山方面こそ見えないけど、北面の眺望が素晴らしい。

岩尾根鞍部にすごい倒木などもあり、ややアクロバティックな行程を経て山頂に到着。綱之上御前山は潅木で扇山、倉岳山方面こそ見えないけど、北面の眺望が素晴らしい。

手前の御春(おはんな)山が色づいて大きい。コモアしおつの背後にこんもりと四方津御前山。とてもかわいい。

手前の御春(おはんな)山が色づいて大きい。コモアしおつの背後にこんもりと四方津御前山。とてもかわいい。

手前の御春(おはんな)山が色づいて大きい。コモアしおつの背後にこんもりと四方津御前山。とてもかわいい。

標高490m点から南面の道を下る。道標さえあれば完全な登山道という感じ。山腹の金精神の神社から参道となり、送電駒橋線をくぐる。40号鉄塔から眺める斧窪御前山。

標高490m点から南面の道を下る。道標さえあれば完全な登山道という感じ。山腹の金精神の神社から参道となり、送電駒橋線をくぐる。40号鉄塔から眺める斧窪御前山。

標高490m点から南面の道を下る。道標さえあれば完全な登山道という感じ。山腹の金精神の神社から参道となり、送電駒橋線をくぐる。40号鉄塔から眺める斧窪御前山。

梁川駅のホームから見る取付きの火の見櫓。綱之上御前山に至る尾根がすぐそこに見える。

消防団倉庫左の石段を登ると神社。名称は確認出来なかった。右手裏から明瞭な山道。

石仏のある祠、お地蔵さんのポイントまでは尾根をジグザグに登る歩き易い道が続くが、その後は不明瞭に。しょうがないので尾根直登。かなりの急勾配だった。

ようやく尾根に乗る。乗ってみると、下降できそうな場所は見当たらない。消防団倉庫からのルートはお地蔵さんまでという感じ?

気持ちのよい尾根道。途中尾根が分岐するところもあり気になるがとりあえず山頂を目指す。

標高490mの瘤で小休止。綱之上御前山がようやく姿を現わす。最近はお買い物ばかりで使用のラタトスク(クレッタルムーセン)とパチリ。

岩尾根鞍部にすごい倒木などもあり、ややアクロバティックな行程を経て山頂に到着。綱之上御前山は潅木で扇山、倉岳山方面こそ見えないけど、北面の眺望が素晴らしい。

手前の御春(おはんな)山が色づいて大きい。コモアしおつの背後にこんもりと四方津御前山。とてもかわいい。

標高490m点から南面の道を下る。道標さえあれば完全な登山道という感じ。山腹の金精神の神社から参道となり、送電駒橋線をくぐる。40号鉄塔から眺める斧窪御前山。