国見岳、御在所岳（ロープウェイ利用）

　つれあいが、しばらく前に新しくなった御在所岳ロープウェイに乗ってみたいというので、割引切符を買い置いて、この日に休みも合わせてあった。あいにく天気は雨模様かと思われたが、直前の予報ではどうにか持ちそうだ。当初の計画は、御在所から国見、根の平峠、神崎川源流に遊んで上水晶谷を登り返すルートを考えてあったが、天気に思案をしていたら、出発も遅くなり、帰りの時刻にも縛られていたので、結局国見岳、キノコ岩あたりを越えたところで折り返し、国見峠からガレ沢を辿るルートで御在所山頂を訪れた。ロープウェイ終点の朝陽台から始めたルートログは、ここまでとなっている。 　朝、麓から眺める鈴鹿の山々は低く雲が垂れ込めている。結局一日中ガスった天気で、見通しはせいぜい数十メートル。一瞬、霧の間に北方の山々や藤内壁が見えることもあったが、すぐに隠れてしまう。ただ眺望にこそ恵まれなかったが、静かな初冬の雑木林は心地良く、上水晶谷からのガレ沢歩きも楽しく、それなりに満たされた山行となった。これといって季節的な見栄えのするものの無い時期には、それだからこそ目に入るものや、感じる空気感というものがある。そんなしみじみとした山歩きを愉しむ一日だった。