活動データ
タイム
09:43
距離
20.4km
のぼり
1504m
くだり
1506m
活動詳細
すべて見るくつろぎの時 娘の口から「世の中不公平だよ」との言葉が。 ギクリとしながらも平静を保ち、どうしたの?と私。 ○○の大会で優勝した人、絶対音感が有るんだって!私にはそんなもん無いし、世の中絶対不公平だ!との事。 大丈夫!とっさんにもそんなもん無いし!と私が。 でも、なんのフォローにもなって無い。 振り返り考えて見ると、絶対と名の付くものには縁がない家系?無くてもどうにか生きていられるし、不便さは微塵も感じない。平気!平気!と気休めにもならない言葉を吐き強がるが、どうせなら無いより有ったほうがいい!絶対に。 4年前の12月半ば、登山で体力がついて来たなと感じ始めた頃の話し。 地図上から奥多摩や奥秩父の2000峰を赤ペンで消して行くと、まだ到達してない山がいくつかあり、その中の一つ「和名倉山」の名に惹かれて情報を探してみた。 和名倉山には、いくつかのアクセス方法が有るが、一番届きそうなのが一ノ瀬高原に有る三ノ瀬からの登山。 交通の利便性を考えての事だが、何より稜線が平らで起伏が少なく楽に歩けるなとの軽い判断。 今みたいに色々と知識を蓄えず思いつきと経験から行動をしていた頃は、自分の無知さ加減を全く理解せずに地図は平面でしか無く、等高線にどんな違いがあるのかさえ考えず、分かろうともしていなかった。 その頃にはコースタイムで歩く事だけを考え、必死に歩き通したことが今になり懐かしくも恥ずかしく思う。 それから何度とはなく訪ねた事のある東仙波、今回その先の稜線を歩き埼玉県の名峰「和名倉山」へ久し振りに山友と辿ることに。 夜来の雨が登山道をも強く濡らしていた。 こんな日に限って!と一応は愚痴を言うが皆足取りが軽い。何しろ4年振りの和名倉山登山なのだ! 和名倉山へのルートは上級者向けらしく、登山道も殆ど整備されておらず不明瞭で、しかもロングコース! それを物語る様に山の神土(やまのかんど)の分岐から、いきなりの深い笹原を胸まで浸かり進むが、触れるだけでも激しく飛び散る水滴に皆一様に戸惑い、笹原の海に溺れ酷くもがく様は、何とかしてよ!埼玉県!と強く言いたくもなる。 笹原を超え稜線に出て直ぐの独立峰リンノ峰を北側に巻き、まづは西仙波へ向かう。 西仙波の山頂は、手前にアズマシャクナゲの木が密集し、そのトンネルを抜けた先に有るが、それを示すものは手描きの山名が記された看板のみで、無造作に灌木に括られていた。周囲を探しても三角点は見当たらなかったが、GPSでは確かにここが山頂を示している。 ここでコーヒータイム。 このルート一番の癒しの場は西仙波からの景観で何よりもお勧めの眺め。 山頂の先直ぐの岩稜帯を滑落に注意しながら剥がれて散らばる岩を避け静かに登る。 ピークに立ちそっと振り返ると、眼下に広がる森と将監峠越しの大菩薩嶺、そしてその奥に鎮座する霊峰の富士の山。目線を左に向けると奥多摩の主峰「雲取山」から主脈稜線が流れるように続き背後の森へ。 振り返ると奥秩父の山並みが広がり、その奥の峰々までもが一望できた。 暖かな日差しの中に居ると、もう此処でいいんじゃね!って気になる程に心休まる瞬間だ!と本当は言いたいが、残念ながら今日はガスが深く覆い尽くし、我々を避けるかの様に周囲の山々を遠ざけていた。😭😭😭残念! 東仙波へと向かう。 西仙波から急なザレ場を慎重に下ると目の前に広がる一面緑の笹薮が霞むガスの切れ間に一瞬現れ、その先を緩やかに上り詰めた所が東仙波の山頂だ。 標高2000mを超えるこの山は、周囲の山々からは浮き立つ程に輝く笹薮が一面に広がり、舳先にカバアノ頭を従え際立つ緑の山。 斜面は一気に谷深く落ち込み、包み込む笹薮には幾重にも獣道が刻まれていて、時折りピィーと鳴く鹿の鳴き声が静かの森に轟き、我々を歓迎しているかのようだ。 この山の山頂からの景観も、晴れの日に望むことができれば、西仙波と同様に座布団一枚!それ程に素晴らしい! どうして日本人は富士に憧れを持つのだろうか?どこの山に登っても何故か富士を探し求めている。( ̄▽ ̄) さて、ここからが本番だ! 和名倉山への道は、山頂から北面へ続く森の中を歩くことから始まる。 特段大きな起伏は無いが、小刻みに登り返すのは結構体には応える。 ボクシングで例えると🥊、小まめなジャブにボディブローか?じんわりと応えてくるいやらしさがこのルートには確かに有り、追い討ちをかける様に濡れて滑りやすい落ち葉に隠された粘土質の登山路が続く。 至る所で目に付く道しるべの様々な色のテープ。台風の影響か多くの倒木が道を塞ぎ、辿るのも分かりづらく迷い込みそうなところもしばしば。帰りのことを考え新しいピンクのテープを要所要所の木々に取り付けながら先に進むと、やや登り加減の森の中、川又分岐の標示が有り目指す和名倉山を示す二瀬分岐の道標がその先を少し登った所にあった。 ここが、時折霞む向こうに広がり見えた和名倉山山塊の左端になり、山裾を右に移動しながら山頂へ向かう。 和名倉山の山頂は、途中一旦下り直ぐに登り返した木々が密集した森の中に有った。 山頂の狭い空間奥、木の板に山名が記され立木に括り付けられていて、中央に三角点も有る。 埼玉県人には景観の無いこの山頂が好きだ!と云う登山者が多いそうだが、我々はまだその境地には至らず、ただ見渡してそそくさと下山に掛かる。 後で知ることとなったが、和名倉山は秩父側の和名倉沢の源頭部に有り、地元大滝村の人達からは和名倉山と親しみを込めて呼ばれているらしい。 因みに、山梨県側からの呼称は白石山だそうで、両県が仲違いでもしているのだろうかと少し心配してしまう。 ( ̄▽ ̄;) さて少し急ごうか! 道すがら、歩く脳裏にふと浮かぶ事柄がふたつ有った。近年の話。 ひとつは将監小屋にテン泊して和名倉山に向かった犬連れの登山者。未だ帰らぬ人となったが、不明から数日が経ち犬だけが発見されたらしい。こんな所でと何をか思う。 もう一つは今年の3月、痛む足のリハビリに雪深いこの山域を選び、無謀にも入り込んだ事が有った。腰上まで潜り込む新雪に思うように足を進めず撤退を余儀なくされて下山中の時。 驚く事に我々がトレースして来た雪の道を1人のトレラン中の若者が近づいてきた。 聞くと和名倉山へ行こうかと地図を頼りに将監峠から牛王院平まで来たが深い雪に翻弄されていたところに新しいトレースを見つけ辿ってきたそうだ。しかし、よく聞くとまだ諦めきれずに躊躇しているとのことも。 自分は人より体力が有り早く歩く事ができるので絶対に問題がない筈だと強がっていたが、軽装に濡れ鼠の足元を見て「生きていて良かったね!」と心で呟き、そして思う。 絶対は無いんだ!と。 陽が落ちる手前、計画通り無事下山。9時間43分を掛けて20.1kmを歩き通し和名倉山を身近に強く感じて来た一日でした。 手合わせて 巡る思いと 荼毘の火と 揺れる想いに 柚ひとつ喰む 今日も、おつかれ山〜ッス 参考までに ①今回の登山での道路事情。 一ノ瀬方面へおいらん淵側からのアクセスは道路崩落の為絶望的な状況。 落合側から笠取山への登山口の作場平や中島川橋方面も道路崩落の為ゲートが閉じているが、修復が進み開放も時間の問題かと。 現在唯一通れる落合側から犬切峠を抜けて二ノ瀬方面に行く甲州市道は、これからの時期、降雪や凍結で危険な為状況を見ての通行を! 道路は道幅が狭くガードレールも無い急な坂道で、滑り出すと止まらずに崖下へ行っちゃいます。😱 ②登山道については、投稿画像を参考に!山ノ神土からは笹藪が深く登山道を見失う事が多く、足元も見えにくい為障害物による転倒の危険性があり、谷側は切れ落ちていて、足を踏み外すことも多く、滑りやすい難路。 また、東仙波から二瀬分岐間は登山路を見失う事も多いなど中級者以上の経験を要するコースと判断して欲しい。 一部不明瞭で長いコースが待ち構えているので、時間に余裕が無ければお勧めしません。 参考標準コースタイム (三ノ瀬の将監峠登山口→牛王院下→牛王院平→山ノ神土→和名倉山ピストンの場合/休憩を含まず) 行き : 335分(5時間35分) 帰り : 275分(4時間35分) 往復 : 610分(10時間10分)
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