「黄葉を求めて」シリーズ第3回は、去年の黄葉シーズンに歩いていちばんキレイだった房小山~鋸尾根コースです。 去年のレポ:https://yamap.com/activities/2606056 去年は10月28日に歩いてタイミングはドンピシャだったのですが、今年は黄葉が遅れ気味ということで11月4日、3連休最終日(自分は1日に有休を取って殺生尾根を歩いたので4連休でしたがw)に登ってきました。 あと、今回は去年のルートに加えて寄りたいところがありました。それが千石平。ここには自分が今まで見た中でいちばん枝ぶりがリッパなブナ(たぶんブナ。個人的に「ユグドラシル」と呼んでいます)があるのです。今年の5月に見てぜひ黄葉の季節にも訪れたいと思っていたのでした。 今年(2019年)5月のレポ、シロヤシオの鋸尾根:https://yamap.com/activities/3820795 [登山道・眺望] まぁ基本的には去年のレポをご参照下さい。去年はヘッドランプを忘れたので明るくなってから登山道を歩き始めましたが、今年はちゃんとヘッドランプを持ってきたので20分早めにスタートすることができ、去年より体力が付いたのもあって房小山には1時間早く到着することができました。おかげで去年は寄れなかった千石平でゆっくりした上で去年とほぼ同じ時間にスタート地点に戻ってこれました。 眺望については、今年は東側にガスが多くて大無間山や富士山などを眺めることはできませんでした。西側の恵那山・中央アルプス・御嶽や、近くの灰縄山・京丸山は、今年も変わらずいい眺めでした。 [黄葉・紅葉] 行きも帰りも標高1500mくらいで美しい黄葉が見られました。もう少し標高の高い房小山~鋸尾根の稜線では、もう黄葉は終わりかけでしたねー。そういう訳で千石平のブナもすっかり茶色くなってしまっていました。残念。 [気温・服装] Garmin温度センサによるとスタート時の気温は10℃。稜線に到達する直前には7℃くらいまで下がりましたが、稜線上では日が当たったからか再度気温が上昇し、房小山頂上で9℃、千石平で10℃、ゴール時の気温は12℃でした。服装はミレーのメッシュアンダーウェアにバートンの半袖T、ペンドルトンのメリノウールシャツ。下は歩いているうちにズレるのがイヤでCW-Xはオミット、ヒザ用にザムストのJKバンドだけ巻いてその上に春・秋用の3/4カーゴパンツにしてみました。が、ズボンが汗をかいた足に張り付いて非常に歩きにくかったので、以降、ズレるにしてもCW-Xは必ず履くようにしています。 [本日の山行まとめ] 去年はいちばん美しい黄葉だった鋸尾根ですが、今年は日が陰りがちなこともあってちょっと残念な眺めでした。それでも都沢山~三本栃山の稜線は今年もたいへんキレイな黄葉・紅葉だった上、5月の時と違って(でも去年の秋と同じく)誰にも会わず稜線全体を独り占めできました。来年はどうしようかなー、来年こそ黄色い葉っぱのユグドラシルを見てみたい気もします。が、シャウヅ山とか、同じような標高の別の山域にも行きたいしな~。ま、来年(もう今年だけど)悩みたいと思います。 [ご参考・今年の「黄葉を求めて」シリーズ] 第1回はバラ谷・黒法師間の「黒バラ平」:https://yamap.com/activities/4820321 第2回は殺生尾根・小笹平・日影沢崩れ:https://yamap.com/activities/4908376 [described on Jan.26,2020]
てんくらによる蕎麦粒山の天気予報。あれ?もう少し曇る予報だったけどな…。もちろんこうなれば願ったり叶ったりだけど。
2時11分に浜松の自宅を出発。国道362号から県道水窪森線で門桁まで。ゲート手前の広場にバイクを停めます。標高は555m。水窪森線、今までにないくらい道が荒れていました。
朝食は後にして靴だけを履き替え、このアホみたいに小さい穴を抜けてゲートを通ります。リュックを降ろさないと通れません。3時15分出発予定だったので、すでに45分遅れ…。
ゲートから6.5km、スタートから1時間15分ほどで房小山登山口に到着。とりあえず朝食を頂きます。今回はちゃんとヘッドライトを持ってきました。標高は712m。
林道によるウォームアップ終了。5時24分、登山道を登り始めます。灌木だらけで道はよく分かりませんが、植林帯なので割とどうとでも歩ける感じ。それにしても崖みたいな急登、こんなにタイヘンだっけ?
いったん急斜面は一段落。左手に門桁山(1375m)が。その後また斜度は上がります。
標高1163m、明るくなってきましたね。倒木だらけ…。ここに登り詰めたところで、周りが植林帯ではなくなりました。
ところどころに紅葉が…と言っても、まだ陽も当たらない状態ですが。もう少し登ればブナも黄葉してるかなー。
倒木を巻くように付けられた道を登り切ると、地図上の1327m地点に到着。ブナとヒメシャラがそこはかとなく黄葉しています。この先で水だけ頂きました。ちょっと肌寒いけど、静かでいいところです。鳥も鳴いていませんねー。
標高1370m、くすんだ緑色みたいな葉っぱがあったりして、やっぱりここらあたりも黄葉は遅いのかな。
相変わらず倒木が多いですが、ここは素晴らしい場所です。標高1409m、本日の自分的日の出ポイント。
だんだんと陽が射してきました。
右手に鋸山が見えます。本日あとで登頂予定。
標高1489m、ここからしばらく黄葉が美しいエリアが続きました。
標高1536m、とりあえずメチャ美しいエリアはここまで。去年の山行でもここは素晴らしい黄葉でしたね~。
地図上の1553m地点を越えると、東の主稜線でいったん陽が陰りがちになりました。ここは標高1647m、再び陽が当たるように。
標高1657m、もうしばらくすると目の前に見上げるような急登が💦
標高1700mを超えると登山道にササが現れました。
踏み跡もなく、引き続きエライ急登。つかむほどのササの丈もありません。
標高1754m、ササ原登りの途中に展望ポイントが。左手にはバラ谷の頭(2010m)の左奥に隠れるように不動岳(2172m)、さらに奥に光岳(2591m)、聖岳(3013m)。
光岳のアップ。左奥には中盛丸山(2807m)・大沢岳(2820m)、右奥に聖岳、聖岳の手前はイザルガ岳(2540m)。
左から池口岳(2392m)、加加森山(2419m)、大沢岳、中盛丸山。加加森山の手前に合地山(2149m)。池口・加加森の鞍部の手前で日を浴びている山が六呂場山(1748m)。
前黒法師山(1782m)とシャウヅ山(1836m)の間の奥に中央アルプス。このあと休憩して一本満足バーを頂きました。
房小山からの稜線に乗りました!標高は1804m。見えているのは左から黒沢山(2123m)、中ノ尾根山(2296m)、池口岳。
あらー、ガスが上がってきましたね~。
主稜線に乗ればちゃんと踏み跡があります。
もう、どこまでもササ原。ここのササは丈も高くなくて歩きやすいです。
中央アルプスのアップ。左の越百山(2614m)から南駒ヶ岳(2841m)、赤梛岳(2798m)、空木岳(2864m)、木曽駒ヶ岳(2956m)、宝剣岳(2931m)、伊那前岳(2884m)、将棊頭山(2730m)のあたりまで見えます。
すっかり雲が多くなってしまいましたが、
たまに陽が射すと暖かくて本当に気持ちいいです。房小山の南斜面、獣道が縦横に刻まれています。
小さな池、通称「フサコの瞳」の奥には、ホーキ薙を抱える八丁段の頭(1562m)。
深南部ではおなじみ、ササの登りです。ここは黒法師とかと違ってそれほど急登ではないからラク、不動岳に近いイメージ。
もうすぐ山頂。去年は倒れていた標識が復活していました。
去年より1時間程度短い時間で房小山頂上(1868.7m)に到着!ガスってますなぁ。気温は12℃、風速は3m/sってとこかな。そよ風です。
山頂でシュークリームを頂きましたが、昼食には早いので先へ進みます。ガスが流れてきたり、
たまに晴れたり、
でもどっちかと言うと曇りがち。
稜線が主にガスっているのか、斜面を見下ろすと美しい紅葉に陽が当たっています。
沢口山(1425m)の上空に、まるで噴火があったかのような雲。
沢口山の右はてっぺんの見えない天水(1521m)、板取山(1513m)、八丁段の頭。奥の七ツ峰や突先山は雲のせいで見えません。
南斜面が黄葉に彩られた房小山。
ドウダンツツジかな?キレイな紅葉なのに残念ながら日陰…。
地図上の1725m小ピークに着きました。ガスっていて少々肌寒いですが、なかなか雰囲気のあるところです。
少し早いですが、ここから先が黄葉エリアなので晴れることを期待しつつお弁当タイムにします。本日は門桁なのでローソン天竜山東店で購入した和風幕の内弁当。
晴れるどころかさらに曇ってしまい(笑)、止まっていると寒いので弁当を食べ終わり次第歩き始めました。が、広尾根の下りでいきなりルートを間違えてリカバリー。
やっぱり下の方の斜面はキレイです…。こちらは東側。
こちらは西側の景色。折り重なるように、奥から常光寺山(1439m)、ナダクマシロ山(1418m)、五丁坂頭山(1369m)、門桁山(1375m)。最奥には碁盤石山(1190m)や段戸山(1153m)。
茶臼山(右・1416m)と萩太郎山(1359m)。
左が碁盤石山、真ん中左の風車が立つ山が井山(1195m)、真ん中右が天狗棚(1240m)、右が1200高地(1230m)。
左から大川入山(1908m)、恩田大川入山(1921m)、恵那山(2191m)。
去年は日も射して非常に黄葉がキレイだったエリアなのですが、今年はなかなかにツライ状況。
地図上の1572m地点は鞍部にあたります。
ササじゃない落ち葉の道は日が射さないのもそれはそれでいい雰囲気のような気がします。そういうことにしとこ。
間もなく門桁に向かう尾根とのジャンクション。相変わらず日は陰ってますが、やはりここは気持ちのいいササ原です。
左後ろには前黒法師岳(1944m)。
ジャンクションに到着しました。標高は1632m。ガレから南側を望むと黄葉が美しい鋸山と右奥に高塚山(1621m)。
同じくガレから京丸山(左・1470m)、灰縄山(1437m)。灰縄山の奥には竜頭山(1352m)。
黄葉の斜面をアップで。
こちらは後で下る稜線。右端に三本栃山、その稜線の先にイロウ山、画栃山が見えます。
とりあえず今は降りないのでジャンクションはスルーし、ヤセ尾根を越えて鋸山(1668m)に到着。カエデが淋しく黄葉していますが、なかなか風情のある山頂です。
次に向かう千石平。
引き続きササの道を進んで行くと、
千石平(1674m)に到着。予定通り本日はここを折り返し地点にします。
東へ伸びる広尾根をノンビリと歩いているとだんだん晴れてきました!
ちょっと茶色っぽいけど黄葉したカエデを発見。陽が当たるとなかなかキレイ。
見つけましたー!個人的に「ユグドラシル」と呼んでいる美しい枝ぶりの、たぶんブナ…。黄葉しているかと期待してきましたが、茶色くなっちゃってますね~。
相変わらず力強い姿で素晴らしいです。
また日が射してきました!やっぱり茶色いけど、ちょっと黄金色。癒やされました~。ここまで足を延ばしてきてよかったです。
千石平にもガレがあって、京丸山、灰縄山、竜頭山、そして右端に井戸口山(1335m)が見えます。
京丸山の左奥に浜松のアクトタワー。霞んでますね~。
いつも通り名残惜しいですが、千石平を後にします。
やっぱり茶色いなぁ、今年は黄葉が遅れ気味とは言え、ちょっと遅すぎたみたいですねー。
なるほど、こりゃ晴れたり曇ったりするはずだ。シマシマ状に流れる雲。
行きのときと違い、黄金色…ちょっとくすんだ黄金色(笑)に輝く鋸山。
こちらは熊伏山(1654m)。
深南部brothers and a sister、左から房小山、バラ谷の頭、黒法師岳(2068m)。この辺で尾根でも何でもないヘンな急坂を下っていきそうになりました。危ない危ない。
黒法師岳の右にはフタコブラクダのような二ツ山(1810m)。
二ツ山の右に前黒法師岳。ホントは奥に大無間山がいるはずなんですが、見えないですねー。
鋸山から門桁ジャンクションまでは、途中に怖いヤセ尾根上の立木があったりしますが、距離としてはほんのちょっぴり。
行きにも同じアングルで写真を撮りましたが、高塚山に日が当たったのでもう1枚。
門桁ジャンクション。
あら、また日が陰ってしまいました。ホントにコロコロ変わる天気ですね~。まぁとにかくこの稜線を下って帰ります。
薄日が射して、
ちょっと明るくなって、
また陰っちゃう。
憮然として歩いていたら、
このあと、本日最高の景色が見られました!
去年も結局このあたりがいちばんキレイだったな。
去年と比べると、やっぱり少し遅かったみたいでちょっと茶色っぽいんですが、
陽が射すと美しいことには変わりなし。
ではしばし遅めの黄葉をご堪能下さい。
都沢山(1532m)に到着。
さて、ここから次の山までが本日のクライマックス。
赤いカエデが増えてきました!では引き続き黄葉&紅葉をお楽しみ下さい。
倒木が多いですが、美しい道です。
三本栃山(現在は1533.6m)に到着!
山頂近くからは北側の山々が見えます。左が麻布山(1685m)、右が前黒法師山。
黒沢山、中ノ尾根山、池口岳。
御嶽(3067m)です!これらの山々を見ながら「一粒栗まんじゅう」を頂きます。
さらに下り、次の山に向かいます。
また陰ったりするようになりました。計画した時刻より少し遅れ気味。このままだと日没ギリなので少し急がないと。
キレイですねー、なんだか信号機みたいだけど(笑)。
鋸尾根。稜線は陰ってしまっているけど、斜面は美しいです。
間もなくイロウ山…というあたり。いい純林帯ですなぁ。
例によって倒木多めだったりしますけど、また日が照ったこともあって、気持ちのいい広尾根です。
ブナとヒメシャラが目立つイロウ山(1301m)に到着。落ち葉の素晴らしい山頂です。今はまだちょっと早いけど、黄葉もよさそう。
イロウ山はステキな山頂なんですが、残念ながら時間に余裕がないので次へ向かいます。が、広尾根すぎてルートがサッパリ分かりません…。
左半分植林帯の道を下っていきます。
最後の山、画栃山(1136.7m)に到着。ここもほぼスルーで。
微妙に紅葉混じり。
灰縄山です。
こちらは左隣、京丸山。
標高1056m、ヤセ尾根区間に入ります。ここらへんでようやく踏み跡もハッキリしてきました。
エライ急降下ですが、日が傾くとたとえ植林帯であっても美しい木漏れ日が射し込んできます。標高は853m。
その後、太陽も山の向こうに隠れてしまい微妙に暗くなる中、時々岩場も現れる急坂を下ってきました。無事林道に生還。日没まであと13分!
伊老沢橋より。ナダクマシロ山のあたりが見えているようです。
同じく伊老沢橋より。手前から伊老沢、右奥から気田川…の合流点。これまた美しい清流。
例の門桁ゲート、「トムとジェリー」のジェリーの家みたいな通り穴に到着。
無事帰ってこれました、ありがとうございました。
また荒れた水窪森線を通って帰ります。18:52自宅着。