活動データ
タイム
28:38
距離
52.6km
のぼり
4578m
くだり
4575m
チェックポイント
活動詳細
すべて見る双六小屋2泊3日の山旅。感動、感謝、学びの多い3日間となった。 10/20、21が晴れるとの予報を受け、雨天予報の10/19は雨中登山の我慢を覚悟して、双六小屋入りを計画。 18日に安曇野穂高入り前泊。 19日は朝4時起きで移動、新穂高着は6時前。 新穂高では降雨なかったが、左俣林道を進むにつれ徐々に降りだし、わさび平小屋前で上下レインウェア着用。 このあたりから徐々に紅葉が見え始め、登るにつれ、鮮やかさが増す。林道歩きの終点、小池新道入り口からが、この時の紅葉最盛エリア。 小池新道は噂に違わず、穴太衆か!と言いたくなる出来栄えの石段積み。想像するだけでもたいへんな労力、すごい。 心配していた秩父沢はまだ橋も架かっており、雨のわりには増水もなく問題なく通過。 チボ岩を過ぎると落葉が目立ち始め、雨も本降りになり、風も吹き始める。クマの踊り場付近では登山道が小さな沢状態。 ここで、小屋締めを終えた鏡平山荘スタッフとすれ違い、「小屋は完全閉鎖し、トイレも使えない」とだけ告げられた。「承知しました。お気をつけて。」と返した。 悪意はないのだろうが、それだけかい、といい感じはしなかった。 鏡平山荘に着くころには、なお一層、風雨が強く、汗と浸水により、上下ともレインウェアの内側に冷たさを感じるようになっていた。着替えはザックにあるが、鏡平山荘も閉まっており、雨をしのぐ場所がない。 歩いていても、風が強く寒い。とても休む気になれず、かといって、エネルギーを切らすわけにもいかず、ザックから菓子パンを取り出し、食べながら弓折乗越に登っていく。 弓折乗越から先は、更に風雨強まり、暴風雨状態。アップダウンも少ないので、スピードを上げたいが、いつもと違い乳酸がたまり、ペースが上がらない。身体が冷えてるせいなのか? 何とか双六小屋に到着。スタッフの女性が『まず乾燥室で着替えてください。受付はその後にしましょう。』と、ありがたい言葉。 着替え、物干し、受付を済ませ談話室へ。嬉しいことに、談話室はストーブでガンガンに暖められていた。前日から小屋泊し、その日は荒天のため、停滞されていた女性と、ストーブのそばで、ビール片手に談笑。ほっとしたひとときだった。 その後、宿泊室で昼寝し、5時から夕食。食堂は小屋締め準備中で談話室で夕食。小屋締め前ということもあるのだろうが、メインは揚げ物3種に鍋料理。ご飯おかわりできないほどのおかずの量。味も量も申し分なし。夕食後はしばらく他の方々と談笑。7時半にはふとんに入った。この日の宿泊は、たぶん14名。 <2日目> 4時起きで、5時発。今日は水晶岳までピストン。 ヘッドライトを付け三俣山荘方面へ巻き道を進む。徐々に東の空が橙色を増し、槍から北鎌尾根にかけてのシルエットが浮かび上がる。写真を撮ってばかりで進みが遅い。しかも、この巻き道、地味に登り下りが連続し、思っていたほど楽ではない。 ようやく三俣蓮華岳直下の巻き道分岐に到着。そこから、三俣山荘までは背丈を越えるハイマツのトンネルを下りて行く。ハイマツが切れると、正面に鷲羽岳と三俣山荘が現れる。これはなかなか感動の景色。 三俣山荘は先週で営業を終え、人気はない。沢水で水分補給。そして、ようやくここで朝食。小屋弁は炊き込みご飯と昨晩の揚げ物。これも味はなかなかのもの。ただ、風が強く、寒い。建家の陰に回っても風を避けられず。座る気にならず、小屋の周辺をうろうろ歩きながらの朝食にした。 ここまでで、自身の想定時間を30分オーバー。写真撮り過ぎ、巻き道舐め過ぎだった。水晶に着くまでに取り戻さなければ。 鷲羽の登りは想定どおりしんどい。そして、想定外に風が強い。黒部源流側、すなわち西側の谷から冷たい風が吹き上がってくる。身体を煽られるほどではないが、呼吸がしにくく感じるほどの風。 鷲羽山頂は好天で、360度遠くの山まで全部見えたが、相変わらず風が強く、ゆっくりする気にならない。一通り写真を撮り、喫煙したあと、早々に水晶に向け出発。 ワリモ岳は山頂直下で稜線上から西側斜面にトラバース気味に岩を越えていく。この岩を越える手前が、数少ない風を避けられる場所なので、休むならそこで。 ワリモ北分岐を過ぎると、幾分風が弱まった。登山道が黒部源流の谷に面しなくなり、そこからの吹き上げがなくなったから。 ワリモ乗越は広々としたなだらかな草原、池塘も2~3ある。赤岳のなだらかな斜面を登っていくとすぐに水晶小屋に着く。ここももう営業は終えて無人。小屋は東側に展望が開けており、野口五郎、真砂、餓鬼、燕、大天井の展望好地にある。 さらに水晶に向けて北上、山頂直下に着く。ここから軽い岩場になるので、少し気を引き締める。多少高度感あるが、さほど危険ではない。一歩一歩を確実に進めば大丈夫。水晶(二酸化ケイ素結晶)も、簡単に見つかる(でも採収禁止!)。 水晶岳山頂に到着。ここまで双六小屋から5時間。自身の設定タイムに10分遅れ。今日はここまでまだ誰にも会っていない、見かけてもいない。山頂にも誰もいない。山頂独り占めの景色は360度全部見え。充実感、幸福感が最高潮。家族はじめすべてに感謝。 ここから来た道を折り返す。水晶小屋から水晶岳への稜線で熊の足跡発見。同じように三俣山荘近くの伊藤新道入り口付近でも足跡発見。三俣蓮華岳下の巻道分岐から双六小屋方面に少し進んだところでも発見。すべて登山道を横切っていた。前日の大雨で地面が湿り、均され、人も少なく、足跡が残っていた。 鷲羽岳を登り返し、山頂で昼食。山頂の東側の岩陰に隠れると、風は当らず、日が当たってポッカポカ、最高。 できれば、三俣蓮華岳と双六岳山頂経由で帰るつもりだった、三俣蓮華岳直下の巻道分岐に着いたのが14:10。ここから三俣蓮華と双六を巡れば小屋着が16時をまわるのは確実。次回の楽しみにした。後から考えると、時刻以上に、ザックで肩(僧帽筋)のコリがひどく、一刻もはやく解放されたかったからかもしれない。 双六小屋着は15:30。朝5時からの10.5時間の行動となった。水晶からの復路、3組4人としかすれ違わない最奥部独り占めの一日だった。 <3日目> 今日は、西鎌尾根を進み、槍に登頂し、飛騨沢を下り新穂高まで下る計画。 当初は槍ヶ岳山荘に泊まり、翌日、大喰岳→中岳→南岳と巡り、新穂高へ降りる計画だったが、翌日が荒天しかも雪の可能性もありとのことで、急遽、今日中の下山に変更。 双六小屋発は4:40。今日もヘッデン付きスタート。 昨日までの疲れかペースが上がらず、自身想定タイムより遅れ気味。気合を入れ、ペースを上げる。 硫黄乗越手前で、北鎌尾根の背後が赤く染まったが、しばらくすると曇天(高曇りだが)のせいで、鮮やかさを失った。 硫黄乗越過ぎたところで、硫黄尾根を間近に眺めながら、朝食。菓子パンと干しフルーツミックス。 ここから先は右手に左俣谷、左手に千丈沢をみながら進む。 左俣谷側は、初日に通過した小池新道入り口付近や、鏡平から弓折乗越までの登山道がよく見える。紅葉が谷を下りている様子もよくわかる。 千丈沢もスケールが大きく、見ていて飽きない。 千丈乗越の手前15分ほどのところから、岩稜の尾根道に変わる。足元はガレザレで多少の浮石あり。いくつか鎖も設置してあり、慎重に進む。 千丈乗越から先、山荘までの標高差350mは急登。ときどき立ち止まり呼吸を整えながら登る。 槍ヶ岳山荘には8:50着。想定時間に10分遅れ。山荘前にザックデポし、ヘルメット着用し穂先に向かう。穂先へのルートは高度感はあるが、細かくルート表示があり、それに従えば難なく登れる。 15分ほどで槍ヶ岳山頂。ここでも他に人がおらず独り占め。曇天だが、高曇のため遠く富士山まで見える。北鎌尾根を眺め、怖さを再確認し、自分には無理だと念押し(行きたい気持ちに蓋をする)。 穂先からの下りは、意外に全然怖くない。登りのほうがちょっと緊張した。 山荘でカップラーメンを食し、飛騨乗越へ。 飛騨乗越からの飛騨沢の下りは、激下り。ガンガン標高を落としていく。 千丈乗越への分岐をすぎると、奥丸山への尾根に守られ、風がなくなり、穏やかな晩秋の登山道の趣。癒される。 槍平小屋に近づくにつれ、紅葉が始まり、滝谷あたりまで続く。 槍平小屋から先、林道までは傾斜は少ないが、意外に歩くのはたいへん。登山道は狭く、湿った岩に落ち葉が落ちており、ぬかるみもある。何度かコケかけた。 滝谷は難なく沢を渡れた(明日は渡れなくなるのだろうと思いつつ)。 白出沢を越えると林道歩き。この林道、意外にも気温が低く、寒さを感じる。しかも長い。 最後の我慢。無料駐車場へは16:30着。今日は12時間足らずの行動となった。 平湯温泉でコリをほぐし、ストレッチしつつゆっくり入浴。 京都まで運転する気力がわかず、安曇野の別荘に帰還。 その夜は一晩中豪雨でときどき目を覚ましたが、夜8時から翌朝9時半まで13時間半も寝ていた。 疲れ切っていたのだろう。 翌日、中央道を名古屋方面に進むなか、南アルプス北岳、仙丈ケ岳は山頂付近が真っ白。北アルプスも雪が降ったに違いない。雪景色を見たかった気持ちもあるが、初日のような雨中行動は避けたかったので、昨日の下山をよしとした。 おしまい
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