心の目でも見えない紅葉(栗駒山-2019-10-05)

2019.10.05(土) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
2 時間 56
休憩時間
29
距離
4.5 km
のぼり / くだり
369 / 351 m

活動詳細

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バスは東北道を東京に向かって進んでいる。昨夜東京を出発してまだ20時間しかたっていない。 数年前に山歩きを始めた頃、雑誌などで見かけた山の景色の中で目についたものがいくつかあった。唐松岳八方池の鏡のような水面に写った山々、雲ノ平の星空、白山の残雪を交えたエメラルドグリーンの池などなど。なかでも斜面全体が燃えるように色づいた栗駒山の紅葉は、こんな場所があるのかと驚き、いつか行きたいと思った山の筆頭であった。 宮城、秋田、岩手にまたがる栗駒山。関東からのアクセスがしずらい。何度か計画してはボツになりを繰り返してきた。今年、東京からの夜行バスが運行されることになったと友人からの連絡があった。かつて富士山に登った仲間(https://yamap.com/activities/1042190)を中心にメンバーを募り、12名のパーティーでの紅葉狩りとなった。 台風が温帯低気圧に変わったとはいえ、天気予報では10m以上の強風でコンディションは終日C。バスは順調に朝6時にら登山口であるいわかがみ平に到着した。今回の登山バスは、往復同じバス同じ席。帰りは温泉施設に立ち寄ってくれる。入浴用品や着替えはバスに置いて行ける。なんでもかんでも持って歩かなくてもいいというのは大変ありがたい。 車内で準備を始めると、バスがゆらっと揺れる。風が強い。周囲の樹々が細かくちぎれそうに風に吹かれている。簡単に朝食を食べたら出発。中央コースをピストンすることになり歩き始める。 左右を低い灌木で囲われた登山道、足元は石畳。そこかしこに水が流れている。ちょっと油断したら滑りそう。雨は降っていないけれど、風に水しぶきが混じって飛んでくる。レインウェアのフードで顔を覆わずにはいられない。紅葉の季節、人の列が渋滞になるほどの混雑となることもあると聞いたが、さすがにこのコンディションでは人はまばら。下りてくる人はみな「真っ白で見えなかったんで引き返してきた」と言う。 左右の樹々が風を遮ってくれるが、ごうごうと唸りをたてて頭の上をガスが飛ぶように流れていく。所々、樹々の切れ目で風が直接あたる。時折、一段落強い風の塊が吹き付けてくると倒れそうになる。 標高が上がってくると、囲ってくれていた樹々の背が低くなり、だんだんと風を受けながら進むようになってくる。頂上まであと1キロの看板を過ぎると、やがて足元が火山岩のザレ場になってくる。 このまま進むのは止めようと意見が一致。我々の山頂はここだと言うことで記念撮影して下山開始。左右に目をやると所々に赤、オレンジ、黄色、様々に色づいた樹々を味わいながら歩く。あの一面の錦繍はガスと強風の向こうに隠れていてちらりとも姿を見せてくれなかった。今年はまだ、と言うことなんだろうか。また次の機会が待ち遠しい。 紅葉の季節はまだ続く。次はどこで紅葉を楽しめるか、次の計画を考えるのもまた楽しい。

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