【剱岳②】前剱で撤退、脚力不足を痛感

2019.09.16(月) 日帰り

活動データ

タイム

08:15

距離

7.7km

のぼり

992m

くだり

1036m

チェックポイント

DAY 1
合計時間
8 時間 15
休憩時間
1 時間 34
距離
7.7 km
のぼり / くだり
992 / 1036 m
21
32
14
37
16
27
1 11
1 3
19

活動詳細

すべて見る

⦅登山コース⦆ 3:43剣山荘-4:13一服剱-5:12/5:19前剱-7:15/7:44剣山荘-9:27/9:42剱御前小舎-10:44雷鳥沢キャンプ場-11:25/11:46みくりが池温泉(食事)-11:59室堂 ⦅歩行時間⦆ 登り=1時間29分(剣山荘-前剱)、下り=5時間35分(前剱-室堂) 午前3時に携帯のアラームをセットしておいたが、それより早く目が覚めた。そっと布団を抜け出し、音を立てないように廊下で登山の準備をする。ストックは不要と判断し、アタックザックに行動食や飲料などを詰め込む。出発前に食堂で腹ごしらえ。お茶やスープが用意されており、登山者にはまさに至れり尽くせりの心遣いである。 まだ夜明け前。月明かりが足元をぼんやりと照らしてくれる。ヘルメットを被り、3時43分、剣山荘(標高2,470m)をスタート。かなり早く出発したつもりだが、稜線上には先行するパーティーのヘッドランプの光がいくつも見える。 山頂までに設定されている鎖場は9つ。1番目、2番目の鎖場を経由し、4時13分、一服剱(同2,618m)に到達する。暗闇の中にそそり立つのは前剱。剱の切っ先はその背後に隠れている。いったん武蔵のコルへ下り、前剱への急登に取りつく。数日前、一服剱と前剱の間で女性が滑落し死亡する事故があった。注意して登らなければならない。 傾斜は急だが、さほど困難な登攀ではない。それより落石に注意する必要がある。実際、何度か「ラーック!」と声が飛んだ。3番目、4番目の鎖場も難なく通過。振り返ると、大勢の登山者が登ってくるのが見える。 5時12分、前衛峰の前剱(同2,813m)頂上に到着。夜は明けてきたが、いつのまにか周囲は霧に包まれている。剱岳のピークは見えない。幅の狭い鉄橋を怖々渡り、前剱の門と呼ばれる5番目鎖場で岩峰をトラバースしたところで、細かい霧雨が降ってきた。 このまま雨が降り続くかどうかはわからない。もし降り続けば、濡れた岩場を登るのは危ないし、下るのはもっと危険だ。雨の中でカニのヨコバイを下ることを想像しただけでゾッとする。悩んだ末に撤退することを決めた。残念だが、剱岳が消えてなくなるわけではない。また登りに来ればいい。 そのまま登り続ける人もいれば、撤退する人もいる。どちらを選ぶにしても自己責任。しばらくすると霧が晴れ、青空が見えてきた。判断を誤ったかな?と思ったが、後悔しても始まらない。自分で決めたことなのだ。 剣山荘に戻り、帰り支度をする。剣山荘は部屋も布団も清潔だし、何よりシャワーを浴びれるのがうれしい。スタッフも感じのいい人ばかり。心配りの行き届いた山小屋だった。宿泊の記念に紺色のポロシャツを購入する。7時44分、剣山荘に別れを告げ、剱沢を経由して下山する。はっきり見えていた剱岳の山頂は、しばらくすると再び霧に覆われた。 剱沢キャンプ場を通過する頃、富山県警のヘリが飛んできた。事故だろうか。剱御前小舎へのなだらかな登り坂が地味につらい。早朝の登攀の疲れが出たのかも知れない。別山にでも寄り道しようという甘い考えは雲散霧消した。 9時27分、剱御前小舎(同2,750m)に到着。雷鳥沢の長いガレ道を下る。天気も下り坂。立山の山頂は雲に覆われている。山仲間の歩く速さについていけず、遅れがちになる。わずか1時間ほどの下りが足に堪えた。浄土沢の冷たい水で顔を洗い、気力を振り絞って雷鳥荘方面へ登り返す。 みくりが池温泉で食事をし、11時59分、室堂(同2,450m)に帰還。ついに雨が降り始めた。疲労困憊。足が棒になった。もし前剱で撤退しなかったら、どうなっていただろうか。剱岳にはたどり着けても、その後、室堂まで歩けたかどうか。次にチャレンジする際は、脚力を十分鍛えてからにするか、行程を2泊3日に見直さなければならないだろう。

剱岳 朝食のお弁当。
朝食のお弁当。
剱岳 稜線上に先行パーティーのヘッドランプが見える。
稜線上に先行パーティーのヘッドランプが見える。
剱岳 月明かりでほんのりと薄暗い。
月明かりでほんのりと薄暗い。
剱岳 早くも1番目の鎖場。
早くも1番目の鎖場。
剱岳 難易度は高くない。
難易度は高くない。
剱岳 2番目鎖場の標識。
2番目鎖場の標識。
剱岳 3番目鎖場。
3番目鎖場。
剱岳 東の空が明るくなってきた。
東の空が明るくなってきた。
剱岳 4番目鎖場の標識。
4番目鎖場の標識。
剱岳 振り返ると、後続パーティーの光の列。
振り返ると、後続パーティーの光の列。
剱岳 前剱頂上。
前剱頂上。
剱岳 いつのまにか周囲は霧に包まれている。
いつのまにか周囲は霧に包まれている。
剱岳 剱岳のピークは見えない。
剱岳のピークは見えない。
剱岳 眼下に雪渓。
眼下に雪渓。
剱岳 ↑剱岳頂上(登り専用)の標識。
↑剱岳頂上(登り専用)の標識。
剱岳 前剱の先へ進む。
前剱の先へ進む。
剱岳 5番目鎖場の手前にある鉄橋を怖々渡る。
5番目鎖場の手前にある鉄橋を怖々渡る。
剱岳 岩峰をトラバースする5番目鎖場。
岩峰をトラバースする5番目鎖場。
剱岳 霧雨が降り始め、撤退を決断。
霧雨が降り始め、撤退を決断。
剱岳 登り続ける人もいる。判断は人それぞれ。
登り続ける人もいる。判断は人それぞれ。
剱岳 あ、晴れてきた…
あ、晴れてきた…
剱岳 登りでは気づかなかった3番目鎖場の標識。
登りでは気づかなかった3番目鎖場の標識。
剱岳 一服剱を見下ろす。
一服剱を見下ろす。
剱岳 後立山連峰の山々。
後立山連峰の山々。
剱岳 武蔵のコルを見下ろす。抜群の高度感。
武蔵のコルを見下ろす。抜群の高度感。
剱岳 武蔵のコルと一服剱。
武蔵のコルと一服剱。
剱岳 前剱を振り返る。
前剱を振り返る。
剱岳 左奥は鹿島槍ヶ岳か。
左奥は鹿島槍ヶ岳か。
剱岳 ハクサントリカブト。
ハクサントリカブト。
剱岳 キイチゴ?
キイチゴ?
剱岳 一服剱から見た前剱。
一服剱から見た前剱。
剱岳 剣山荘が見えてきた。
剣山荘が見えてきた。
剱岳 2番目鎖場。
2番目鎖場。
剱岳 何のつぼみかな?
何のつぼみかな?
剱岳 剣山荘を出発。天気はすっかり回復。
剣山荘を出発。天気はすっかり回復。
剱岳 やっぱり剱岳は美しい。
やっぱり剱岳は美しい。
剱岳 あれは五竜岳か。
あれは五竜岳か。
剱岳 剣山荘の上空を青いヘリが飛ぶ。
剣山荘の上空を青いヘリが飛ぶ。
剱岳 富山県警のヘリ。
富山県警のヘリ。
剱岳 事故でも起きたのか。
事故でも起きたのか。
剱岳 剱沢キャンプ場から剱岳を望む。
剱沢キャンプ場から剱岳を望む。
剱岳 ここでのんびりテン泊するのもいいなあ。
ここでのんびりテン泊するのもいいなあ。
剱岳 白馬岳が見える。
白馬岳が見える。
剱岳 別山と剱御前の分岐。もう別山に寄り道する気力はない。
別山と剱御前の分岐。もう別山に寄り道する気力はない。
剱岳 剱御前小舎が小さく見える。
剱御前小舎が小さく見える。
剱岳 剱御前小舎に到着。
剱御前小舎に到着。
剱岳 雷鳥沢の長い下り坂。
雷鳥沢の長い下り坂。
剱岳 雲海の彼方に白山が浮かぶ。
雲海の彼方に白山が浮かぶ。
剱岳 すっかり秋の装い。
すっかり秋の装い。
剱岳 足の裏が痛くなってきた。
足の裏が痛くなってきた。
剱岳 まだ終わらない。
まだ終わらない。
剱岳 立山山頂は雲の中。
立山山頂は雲の中。
剱岳 チングルマ。
チングルマ。
剱岳 雷鳥沢キャンプ場までもう少し。
雷鳥沢キャンプ場までもう少し。
剱岳 浄土沢。
浄土沢。
剱岳 雷鳥沢キャンプ場。
雷鳥沢キャンプ場。
剱岳 雷鳥荘方面へ登り返す。
雷鳥荘方面へ登り返す。
剱岳 この階段がつらい。
この階段がつらい。
剱岳 来た道を振り返る。
来た道を振り返る。
剱岳 まだ続く。
まだ続く。
剱岳 みくりが池温泉のテラス。眺望はゼロ。
みくりが池温泉のテラス。眺望はゼロ。
剱岳 みくりが池。
みくりが池。
剱岳 室堂ターミナルに帰還。ついに雨が降ってきた。
室堂ターミナルに帰還。ついに雨が降ってきた。

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