活動データ
タイム
30:33
距離
44.5km
のぼり
5215m
くだり
5375m
チェックポイント
活動詳細
すべて見る4月末から登山を始めて早4ヶ月強。集大成とも言える「南アルプス 南部縦走」を行いました! 正直言って初心者にはタフな山域・・・。天候的にも大満足とは言えない状況でしたが、何とか無事に帰って来れたことに感謝! 【登った山】 悪沢岳(東岳)|3141m/日本百名山/日本百高山(No.6) 荒川岳(中岳)|3084m/日本百高山(No.13) 荒川岳(前岳)|3068m 千枚岳|2880m 丸 山|3032m 赤石岳|3120m/日本百名山/新日本百名山/日本百高山(No.7) 大沢岳|2820m/日本百高山(No.55) 中盛丸山|2807m/日本百高山(No.61) 兎岳|2818m/日本百高山(No.56) 聖岳|3013m/日本百名山/新日本百名山/日本百高山(No.21) 南岳|2702m 上河内岳|2803m/日本二百名山/日本百高山(No.63) 茶臼岳|2604m/日本三百名山 【難易度】 13D(データから算定。Dは赤石岳周辺のグレーディングから) ⇒本来は「10(2~3泊以上が適当)」までのグレーディングしかない 【駐車場】 ・畑薙第一ダム臨時駐車場(無料・トイレ有) 【総括】 前回「富士登山」を行い、強く感じたのは「南アルプス」の美しい樹林帯の素晴らしさ。 北岳を中心とする南アルプス北部の山々の素晴らしさは堪能したが、「南部」についてはアクセスの悪さもあり、未踏の山域であることがずっと気になっていました。 更にチャレンジへ至らない要因に「難易度D」という壁があった。 登山を開始した当初、危ないことは行いたく無いという信念の基、難易度は「C」までと決めていたが、色々と調べると不安もあるが「行けそう?」だと判断。 実際に山行をして感じたのは、この山域(静岡県管理)はクサリなどの補助が最低限しか無いことが難易度を上げているのだと理解。下りは神経を使いますが、登りは大して気にならないレベル。 但し、難易度に含まれる要素かは不明だが、やたらと切れ落ちたトラバース道が多く、また、崩壊したガケの横を通る尾根歩きも執拗に発生する。正直「落ちたらただでは済まない」緊張する場面の回数は、北部ではまったく無いと感じてしまう程であった。 天候は、赤石岳、聖岳と強風およびガスで最悪のコンディションでしたが、全日、富士山を望むことが出来、最終日は美しい稜線歩きも堪能できたので良しとします。 【ふと感じたこと】 山小屋宿泊で毎回出会うのが「日本百名山ハンター」の方。一つの目標を持ち、そして実行する力はとても素晴らしいのですが、一部には遠くから来られ、「私には無理!」と思うような、かなりタフな日程を組んでいる方も居られます。 疲労や焦りによる事故に遭わないか?、毎回心配してしまいますが、無事乗り越えているようなので、百名山を達成された後は、景色を堪能するような登山を続けて欲しいものです。 今回、茶臼小屋から畑薙大吊橋までの下山ルートはとてもタフで、私の下山後にはどしゃ降りの雨へ天候が急変しました。そこを下りる計画だった方が、無事下山出来ていることを祈るばかりです。 【山小屋情報】 今回は3泊、3件の山小屋へお世話になったので、僭越ながら評価させて頂きます。 総合的には北部の山小屋に対し、食事のレベルは概ね高評価でした。 ■千枚小屋(食事〇|トイレ〇|接客△|寝室◎|眺望〇) 食事は朝夕共に、可もなく不可もなくバランスは良い。トイレは臭気対策含め離れとなっていますが、割と近いため使用上の問題は無し。接客は愛想が良いとは言えない人も居り、また、皆さん寒がっているにも係わらず暖房は入れてくれなかった。 寝室は蚕式も、左右のスペースは確保され窮屈館は無し。但し、布団はコールマンのシェラフと毛布のみ。富士山の眺望は素晴らしい。 ■百閒洞山の家(食事◎|トイレ△|接客〇|寝室〇|眺望×) 夕食の「トンカツ」は◎ですが、朝食が野菜ばかりで△。但し、高所では「ごはん」がべったりするので、その対策としてお櫃を使用しているのは◎でした。ロケーション的には前後の登山道は最悪の歩き難さ。アクセスは悪い。 トイレは少し古いタイプの和式で少し使いづらいが清潔。接客も真摯な受け答え。寝室は少し狭く使いにくいが、温度調整はしっかり行っていた。布団は同じくシェラフと変な枕。眺望は残念ながら隣の沢だけ。15時くらいに到着した人は熊を見たという。 ■聖平小屋(食事〇|トイレ△|接客△|寝室×|眺望-) 夕食はおでんも付いてボリュームあり。朝食もバランス的には〇。トイレ設備は洋式ありの最も良い内容でしたが、何しろ小屋から遠い。夜はヘッデンマスト!接客はタメ口調でビックリ!山なんだから~、という言い訳はなし。お里が知れるのであえてここに書留めます。 有名なウェルカムフルーツポンチは、缶詰の寄せ集めとは言え嬉しい。寝室については、同じくシェラフだがモンベル製で高品質。但し枕がありません。隣が不在も、それでも近すぎるスペースは満室の場合はどうなるのだろう? 天気が悪く、残念ながら眺望は不明。靴の脱ぎ履きは狭く不便。 【山行詳細】 YAMAPの登山地図が使い難いこともあって、ざっくりCTを計算する場合は山渓オンラインを普段使用しています。その後、綿密な計算時にYAMAPのCTも比較するのですが、今回のルート、特にDay2以降のCTが大きく相違しており困惑。 過去の山行記録を探すも、メジャーでありながら訪れる人が意外と少ないこのルート、なかなか参考となる記録がありません。取りあえず短めの山渓CTを基準に、若干の予備時間を加算しましたが、最終日は結局、時間との闘いとなってしまいました。 ■Day1(9/1-San) 臨時駐車場発(7:30)~椹島ロッヂ着(8:35)~登山開始(8:46)~千枚小屋着(14:29) 5時間43分(YAMAP CT 6:45[0.85])(山渓Web CT 6:25[0.89]) 静岡県から業務委託されている特殊東海フォレストという会社、まったく上手く出来ており、千枚小屋か椹島ロッヂに宿泊しなくてはならないような時間設定のバスしかありません。また、このバスは「宿泊者」の送迎用で、営利バスではないので関連施設への宿泊が必要です。 バスに乗る際、宿泊施設で使用する金券を3,000円で購入しないと乗車出来ないのです。海に比べ観光客が特殊(少ない)山側には、公営のバスなど通すつもりが無いのが静岡らしいですね。山梨、長野は必至なのに(笑)。 何れにせよ、新東名の新静岡ICからアクセスに2時間~3時間もかかる僻地まで来て、更に1時間かけてやっと登山道入口というのが、この山域の特徴なのです。 一番のバスに乗って登山開始が「7:45」頃。赤石岳方面から来て下山前の宿泊者、椹島から登って縦走する登山者。これらの関所である千枚小屋はハイシーズンとなれば人で一杯でしょう。 椹島から千枚小屋までの行程は、距離は約10km、標準CTは7時間弱、高低差1,500mに及ぶロングコース。急登、岩場、気持ち良い道と、南アルプスの全てを詰め込んだような登山道が延々と続くのでした。 はっきり言ってキツイですが、今回下山に使用した茶臼岳登山道と比較すれば、まだまだ優しい登山道です。しかし、一日かけて一山も登れないなんて初めての経験(笑)。取りあえず到着したらビールしか楽しみはありません! ■Day2(9/2-Mon) 登山開始(5:08)~千枚岳(5:36-5:48)~丸山(6:17-6:25)~悪沢岳(6:44-7:00)~荒川中岳(7:52-7:59)~前岳(8:04-8:12)~赤石岳(11:25-11:47)~百閒洞着(14:09) 9時間01分(YAMAP CT 10:40[0.85])(山渓Web CT 9:00[1.00]) 暗い登山道が怖いビビりな私は、最も遅い出発で先へ進みます。 この日は3000m峰を二座登るメインディッシュ。天気が良いことを祈りましたが、悪沢岳山頂へ至る頃にはガスがかかり、その後の赤石岳はガスの中を進む修行登山となりました。 とは言え、千枚岳、丸山と富士山の眺望には恵まれ、ガスがかかる前の荒川三山も見えたので良しとしますが、何しろ風が強く、写真を撮るのも一苦労。向かい風の登りは息をするのも大変です(笑)。 千枚岳~悪沢岳間は岩登り、岩下りが多く、一部緊張する場所もあるので注意! そして、このルート。アップダウンの深さが半端なく、荒川小屋から赤石岳は標高差500mを再登しなくてはなりません。 気になる難易度「D」ですが、ガスガスでどこがどうなのか良く分かりませんでした。確かに、通常ならクサリ場だろう場所も多く、狭いトラバース道や山頂直下の急登は少し大変なのかもしれません。 この日の天気は「曇り後晴れ」。テンクラでも終日「晴れ」でしたが、赤石岳周辺は終日ガス。おまけに百閒洞山の家手前1時間の所でいきなりの雨。急いで雨具を着て、カメラも収納したため、百閒平周辺から山小屋までの写真は撮れませんでした。 正直、難易度「D」とかよりも、この百閒平から山小屋へ向かう道のガレザレが酷く、こちらの方が疲れたということを申し添えます。 到着したらもちろんビール。他の滞在者とお話しつつ夕食のトンカツを待ちます。せっかくのトンカツなんで、夕食時も缶チューハイを購入し晩酌をしてしまいました(笑)。噂通り、夕食は大満足の山小屋です! ■Day3(9/3-Tue) 登山開始(6:00)~大沢岳(6:58-7:09)~中盛丸山(7:29-7:46)~兎岳(9:02-9:16)~聖岳(11:20-11:41)~聖平小屋(13:23) 7時間23分(YAMAP CT 8:05[0.91])(山渓Web CT 7:10[1.03]) 三日目の行程は余裕があるため6時頃に出発。しかし天気は相変わらず冴えない。 それでも大沢岳を登る途中で二匹の雷鳥に遭遇。ガスガスの山頂から降り、次へ向かう途中でも四匹の雷鳥に遭遇出来ました。前日、逆ルートの登山者からの情報に感謝! 大沢岳は小屋の近くから登るルートもありますが、両側の切れた狭い稜線が危険なため、ビビりとしては逆側からピストンしたことを白状します。 本日のメインイベント「聖岳」へのルートは、可愛らしい名前の「兎岳」を経由しますが、このアップダウンが容赦ない!途中、小兎岳なる更に可愛らしい名前の場所も経由しますが、何度も200m前後のアップダウンを繰り返し、最後に300m程登って聖岳山頂へ到着。 正直、眺望の無いガスガスの山行に飽き、途中からは全くペースが上がりませんでした。 それでも、本日も富士山が望め、前日ガスの山頂を味わった赤石岳も姿を見せ、雷鳥に会えたことだけで一日頑張れたのでしょう。 それと、時折ガスが晴れ、姿を見せる「兎岳」の姿はちょっと可愛かったかな? 眺望の無い聖岳(前聖)から奥聖岳へ行こうとチャレンジしましたが、この日も風が強く、狭い稜線に凄まじい勢いで流れる雲の流れを見てビビって戻って来てしまったことも、ここだけの話として内緒にしておいて下さいね。 心和ますことがもう一つ。 聖岳から聖平小屋へ向かう下山道は、お花畑で緑が一杯で一服の清涼感を味わえ、また、聖平の広々とした解放感は何とも言えない風景でした。 もっとも、聖岳山頂直下はガレザレの荒涼とした風景にガスがかかり最悪だったので、その先のお話です。 聖平小屋は多くの人で賑わっていました。しかし、ここ数日の悪天候でヘリが飛べず、夕方にはビールも売切れという有様。早めに到着して、先ずは1本買っておいて良かった! 小屋内は人の多さと服を乾かす汗の臭いが充満。おまけに寝床には枕が無いので要注意!トイレも遥か50m以上先にあるので、眠る前には必ず済ませておきましょう。 ■Day4(9/4-Wed) 登山開始(5:05)~南岳(6:18-6:28)~上河内岳(6:54-7:12)~茶臼岳(8:29-8:39)~茶臼小屋(8:58-9:21)~畑薙大吊橋着(13:07) 8時間02分(YAMAP CT 9:20[0.86])(山渓Web CT 7:30[1.07]) 時間的に最も心配だったのが最終日。 標準CTの設定がバラバラで、その差何と「1時間50分」! 聖平小屋は予約時に井川観光組合?の1日2便のバスが利用出来る。初日、千枚小屋へ向かう途中、携帯が入る場所でこっそりと予約の電話を入れていたが、最終バスの時間は畑薙大吊橋に13時40分。 下山が苦手な身故に、茶臼小屋に果たして何時に着けるかが大きなカギとなる。ところが、ビビりなので明るくならなければ行動出来ないというのに、5時でもガスがかかり薄暗い状態が続いている。 仕方が無いので、初めてヘッデンを付けて山へ向かう。最終日は下山道を含め樹林帯が多いため、更に熊ベルも装着。標高差500m以上の上河内岳への道は険しい。途中、何度も何度も片側が切れた稜線を歩かされて緊張が続く道だ。 出発時、天候が悪かったせいもあり、足取りは前日同様に重い。 それでも暫く歩くと昨日拝めなかった「聖岳」の雄姿が目の前に現れた!残念ながら山頂には雲が若干かかっていたが、天気は良い方へ向かっているのかもしれない。 「晴れのち雨」が本日の予想。 午後から雨になる可能性があるため、なるべく計画を巻きたい処だが、南岳、上河内岳と怖い場所もあり少し遅れ気味。 上河内岳山頂ではガスっていたが、暫くすると眺望が開け、これが逆に足を止める原因にもなった。ピークハントじゃないから眺望を楽しみたい!というのが本音だが、今日は時間を優先せざるを得ない。 上河内岳から茶臼岳へ向かう稜線は美しかった!鞍部も美しい緑が広がり、やはり天気が良いことが一番!と感じる瞬間である。前日、無理をして茶臼小屋を目指すことも出来たであろうが、ガスの中、この美しい景色を見落としていたとしたら大きな損失だったとホッとした。 茶臼岳分岐へ到着した時は予定より10分程遅れていた。天気が良い。茶臼岳へピストンするか迷うことなく空身で登り始め、5分後にスマホをまた忘れたことに気づく。急いで戻って再度出発だ(笑)。 空身なら速い。往復40分を30分以内で済ませればOKなのだ。 茶臼岳の山頂は思った通り良い眺望。往復30分の任務なのになかなか下山できない。ホント、山での時間管理は難しいね。 結局、茶臼小屋には計画通りの時間に到着。即ち「休むな」と言うこと。 そんな訳には行かないので、コーラを購入し、聖平小屋の弁当を食す。茶臼小屋では今までの小屋では500円のコーラが何と300円!聖平小屋の弁当も500円と市価(山小屋の)の半額! 聖平小屋と茶臼小屋は経営母体が違うため安いらしい。 さあ、休憩が終われば出発だ。時間は約20分のオーバー。果たして下山が苦手な人間が取り戻せるのか? 茶臼小屋からの標高差は約1500m、当然かなりの急登を下ることになるのは覚悟の上。実際に降りてみて分かったことだが、登山道の大半は細く切れたトラバース道。しかし、その他は沢の横を通ったり、5ヶ所の橋を渡ったりと変化に富んでいて意外と飽きさせない。 笹山(黒河内岳)からの下りの方が、精神的にも肉体的にもキツかった。 とは言え、予定の時間はなかなか取り戻せず、畑薙大吊橋手前、最後のチェックポイントである「ヤレヤレ峠」に到着した時点でイーブン。イーブンでバスの時間までには25分の余裕だったので、ギリギリを覚悟し、ここでエネルギー補給。再びビハインド状態に。 畑薙大吊橋までのYAMAP CTは40分。計画では35分。 さあ、ラストスパート!と何も考えずに降りて行ったら直ぐに橋が見えた。時間にして20分程度だったので「何かの罠」?と勘ぐってしまった。 ここにはカラクリがあり、この橋を渡るだけで5分以上かかるのだ! CTは「橋を渡り終える」までの時間なのです。 噂には聞いていた高度感が半端なく、長さも半端の無い大吊橋。橋の真ん中まで規則正しい揺れが、真ん中を過ぎると逆方向となり複雑な動きへ変わった。遥か下に見える流木は、距離があり過ぎて現実感が無い。まさに高すぎる場所であった。 橋を渡り切った時の時刻は「13:00」過ぎ。バスの時間まで30分以上の余裕を持って、今回の山行は終焉を迎えた。達成感と安堵感、そして巡って来た道を思い出すと背筋が凍った。 これからは身の丈に合った山行を当分行おう。と誓うのでした。 でも、あと塩見岳を登れば南アルプスの3000m峰は全て達成なんだよな~っと、直ぐに邪な気持ちになっていたことは言うまでもない。 バスを待つ間、上着を着替えたり荷物整理を行った。その間にパラパラと雨が落ちてきたが、降っているという状態では無かった。バスは時刻通り到着し、一緒に乗った人と軽話をしていると間もなく臨時駐車場へ到着。雨は本降りとなり、どしゃ降り寸前の状態。 取りあえず登山計画の提出場所で雨宿りをしつつ、カメラを収納し雨具を着て車へ向かった。 帰りの車中、雨はいよいよどしゃ降り状態となり、この後下山予定の人が大丈夫か心配になる。そんな浮ついた気持ちで運転していたら、見事に道を間違え1時間以上ロスしてしまった。でも、下山道で間違えなくてホントに良かった。 毎回、きちんと計画通りに行かない山行。それでも無事下山出来たことに感謝。 4日分の備忘録。毎度、毎度、長くて申し訳ありません。 誰かの参考となれば幸いです。 お疲れ様でした。
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