活動データ
タイム
14:27
距離
30.7km
のぼり
1976m
くだり
3678m
チェックポイント
活動詳細
すべて見る3度目の正直!無事に甲武信ヶ岳へと行ってきました。 思えば、甲武信小屋を予約すること3回。台風で当日キャンセル、夕立で直前キャンセル(雁坂小屋で一人、ネズミと戯れる)。ようやく、今回無事に泊まることができました。甲武信小屋自体には特に何の愛着もこだわりも無いのですが、いやはやよかったです^^; ■大弛峠からズルコブ出発! 大弛峠までバスと乗り合いタクシーがあるのはよく知られているところですが、もうこのスタート地点がすでに2365m。だいぶズルっ子です。甲武信ヶ岳がそもそも2475mと100mしか差がありません。 大弛峠から金峰山へ行くことを「ズル金」と呼ぶらしいですが、今回はズル金ならぬ「ズルコブ(ずる甲武)」。人生で初めて口にした単語。 念の為Googleで検索しても1ページも出てこない。このご時世、そんな事あるのか!? ズルコブは私のオリジナル日本語ワードとなりました(笑) 『こりゃ、ズルコブ余裕やな』 ということで満員の大垂水峠の駐車場をちょうど10時に後にして、まずは夢の庭園へと進みます。 夢の庭園とは、昔山小屋の管理人さんが「何という良い眺めだろうか」と名付けられたそうです。自然の木と岩が天然の庭園を作っていったとか。今は階段がきれいに整備され、この庭園までは買い物ついでにも立ち寄れそうです。 名前の通り素晴らしい景色。少し遠回りになるのかもしれませんが、このコースを行かれる方は必ず通ることをおすすめします。 ■前国師、北奥千丈岳、国師ヶ岳は、まさに雲上の天国 そこから3つのピークを足早に進んでいきます。 足元はしっかりと整備されており、何の不安もありません。個人的には北奥千丈岳が一番のお気に入りです。 意外に立ち寄る人が少ないようで(もったいない…)、山頂にはカップルが一組しかいませんでした。椅子代わりの手頃な丸っこい岩が沢山あり、ランチには最高です。 山頂自体は尾根を張り出すように突出しており、230度くらいのパノラマが広がっています。ここ最近、天気に恵まれず(先週は大雨2時間@奥多摩)、『登山ってこんなにストイックなスポーツだったっけ』と思う日々でした。 『そうこれ、この風景!』 やっぱり晴れているに越したことはありません。 山頂に備え付けてある案内板で山の位置を確認しながら、『あれが南アルプスか~、あれは五丈岩だな~、あれは~』とひとしきり堪能しました。 ■意外にも足ごたえある、東梓、両門の頭、富士見、水師 YAMAPの過去レポをみると、大弛峠から甲武信小屋まで行かれた方の累積標高は、多い人で1400m(もぼり下りともに)、少ない人で1100mとありました。確かに、それくらいはありそうです。この4つのピークを順番に登っては降りるを繰り返していきます。 国師ヶ岳から先はほぼ樹林帯になりました。標高が100m上がるごとに気温は0.6度下がります。ということは外界より15度くらい低い計算。20度前後の気持ちの良い山道を、ヨイショヨイショと倒木を乗り越え、キノコを踏まないよう足元を見ながら気をつけて歩いていきます。 国師ヶ岳を超えて歩くこと92分。無事に東梓というグラビアアイドルみたいなピークに着きました。山頂にはセクシーな岩場があり、というわけでもなく、普通にこじんまりとした空間でした。特に眺望もないので下ることにします。 55分ほど樹林帯を歩き、ちょっとした急登を登ると一気に視界がひらけてきました。両門ノ頭に到着したようです。時間も13時45分。そういえばお腹もかなり空いてきました。都内のコンビニで購入したおにぎりを2つ食べることにしました。 両門ノ頭からは甲武信ヶ岳から雁坂嶺、はては雲取山まで続く奥秩父主脈が左側に見えます。座るのに手頃な岩もたくさんあり、休憩スポットとしてはかなりいい場所だと思われます。 ちなみに、ここまで出会った登山者はゼロ人でした。 さらにここから30分ほどで富士見というピークに着きます。富士見からは富士山は見えないと多くのレポートに恨みがましく書かれている通りでしたので、私もサクサク先へと進みました。 そして一時間ほど歩くと水師手前の急登に着きました。流石にここまで歩くと疲れも溜まってきました。山頂はこれまた小さなスペースで眺望もありませんが、座るのにちょうどよい岩があります。そこに座り靴紐を結び直します。 今回、珍しくハーフパンツで歩いているのですが、どうにもくるぶしのあたりとかに小枝が入り込んでチクチクしてしまいます。その都度、指で掻き出したりしていたのですが、なんだか手間だなぁと。 皆さん、どんな風にしているのでしょうか。何かあるき方が悪いのだろうか。 ■甲武信ヶ岳は晴天なり さあ、いよいよ甲武信ヶ岳へ向けた最後の上りです。それなりに急です。 ヨイショヨイショと登っていると、本日3組目の登山者が。家族連れのようです。小さなお子さんが座っていました。 『何才?』 「7才」 お、マジですか。7才でも登れるんですね。彼より40才近く年上の私としては負けていられません。 40年のアドバンテージを見せつけるべく、つぶらな瞳に見つめられながら、甲武信ヶ岳山頂へと続く岩場を一気に駆け上がるのでした。いけー。 山頂はそれなりに開けており、2mくらい岩を積み上げて多少標高を盛っているような場所に甲武信ヶ岳という標識が立っていました。 眺望は主に南側が開けており、遠くアルプスも見ることが出来ます。。。と他の人のレポートに書いてありました(笑)。この日は残念ながら雲がかかってきてしまい、さほど遠くまでは見通せませんでした。まあ、雨がふらないだけマシだよね、とパシャパシャ写真を撮っていたところ「撮りましょうか?」とおじさんが。いつもどおり反射的に『あ、大丈夫です』と返事をしてしまう私。撮ってもらえばよかったか^^; 「甲武信小屋に急遽泊まることにしたんですよ」 「ドコモはつながるんだけど、他のは山頂じゃないと電波がつながらないらしく登ってきたんです」 「あ、もしもし。うん、そうそう。泊まることにしたよ~」 このおじさんと小屋で再開し、夕食と朝食を向かい合わせでご一緒するのでした。 ■甲武信小屋の夕食はカレーと茶碗蒸し その後、送れて登ってきた7才の子供連れ家族の写真を5種類のレイアウトで撮影し(なかなかいい写真が取れたと思いますぞ!)、山頂を降りることにしました。多少ザレた急登を下ること5分、いよいよ甲武信小屋に到着です。リュックをテラスのベンチに置いて早速受付です。 管理人さんはご夫婦なのかな?明るい雰囲気のお姉さんに声をかけます。宿泊者カードに記載しながら『今月の初めに夕立にあってキャンセルした者です。その節はすいませんでした』とまずは謝ります。「あ、そうでしたっけ」という感じでしたので迷惑かけていなかったようで、その点は良かったです^^; 甲武信小屋は、1Fが談話室や食堂に、2Fが雑魚寝系大部屋になっています。この日は25名位の人が寝泊まりするようです。私は7番の布団に。布団はやや狭いタイプで『これに二人寝るのは相当きつそう』と思いました。水の日に来なくてよかったです… 軽く着替えてサーモスをもって外にでます。『あれれ、コップが無い』ということで管理人のお兄さんにコップを貸してもらい、テラスへ。テラスには数人の方が談笑していました。早速コップにインスタントコーヒーの元を入れてお湯を注ぎます。『ぷはー、至福』。実は私、山頂(とか山小屋)でホットコーヒーを飲むのが初めて。少しぬるくなったお湯がちょうどよく、お湯が尽きるまでお代わりし飲み続けました。 隣には先程山頂であったおじさんと、丸い眼鏡をかけた30代のお姉さんがいました。 『どちらから登られたんですか~』 「西沢渓谷から徳ちゃん新道です~」 『今日は自炊されるんですね?』 「ええ、来週開かれる歩荷レースの練習で荷物を沢山盛ってきたんですよ」 これまた衝撃な。ストイック! 夕食は噂の甲武信カレーです。お変わり自由の食べ放題。なかなかいい味出していました。ご飯少なめにしたのですが、あまりに美味しくルーをお代わりして食べました。 それと茶碗蒸しが出てきました。ちなみに具なし(笑)。でも茶碗蒸しはタンパク質が多いので、かなり計算されたメニューと見た。運動後のタンパク質は超重要です。寝る前にアミノプロテインを飲んでおこう。 夕食後はビデオ上映会ですw オーナーの徳さんが撮影したという木や花や鳥が映し出されます。もちろんだいぶ眠くなって居眠りをしてしまいましたが、でもこういった取り組みはいいですよね。花の名前とかをよく知らない私のようなガテン系にはとてもありがたいです。もう覚えていませんが、でも次の日下山する際に『あれ、ビデオに写っていた鳥の鳴き声じゃね?』と自然を感じることができました。いつかしっかりと覚えたいところです。 お腹いっぱい。 ■残念!朝日は小屋からは見えません 翌朝、4時40分に周囲の音で目が冷めました。 意外に隣の人の顔が近くに見えました。布団がやや狭い(笑) 甲武信小屋の朝は早い。朝食は5時からです。日の出も5時10分くらいなので、急いで白米を漬物で食べ、味噌汁を飲みます。おかずが無いので早い! 外に出るも、残念ながら曇り。うーん、晴れていても日の出は見えないかな。残念。山頂に登った人はおそらくいなかったと思われます。 朝食後には100円でお湯をもらうことができます。昼食用にサーモスへ補充してもらい準備万端です。 さあ、出発です。 ■森林限界じゃ、ないんだからね.../// せっかくですので、まずは木賊山へと向かいます。 途中、砂地の急登を登る箇所があるのですが、そこは雨の日はかなり滑りそうです。それ以外は問題なくサクッと登ることができました。 山頂は特に眺望があるわけでもなく、ささっと次へと向かいます。 そこから下ること30分ほど、おおっとここで眺望GOODなプレイスを発見です。砂地の急登の坂のその脇に主脈の尾根と富士山を見ることができます。遠近法に軽い疑問を持ちたくなるような山々のコントラストが個人的にとても好きです。 座りやすそうな岩も複数あり、自炊の方はここで朝食を食べても良いかもしれないですね。ひと休憩して次へと向かいます。 少し行くと破風山避難小屋が。立ち寄らずに先へと進みます。 破風山へは結構な急登です。大きなまるっこい花崗岩をヨイヨイという感じで超えていきます。いかんせん座りやすそうな形の岩が多く立ち止まりそうになるのですが、ここはぐっと我慢。しばらくするとすぐに山頂が見えてきます。地図で見るよりずっと登りやすいと感じました。 山頂は木が茂っており、涼しくてGOOD。後ろを振り返ると十文字峠の方から厚い雲が甲武信小屋のあたりに登っていくのが見えました。そういえば雲海は見えなかったなぁと思いながら先へと進みます。次のピークは東破風山です。 私は『まだ森林限界じゃ、ないんだからね...///』という感じの低木の続く道が結構好み。 東破風山へ向かう道はちょうどそんな低木が続き、時折「限界になっちゃいました」という岩場があったりします。 ちなみに、森林限界は標高だけで決まるわけではなく、もともとの土壌やその栄養素により2000m未満のところでもありえるそうです。奥秩父主脈はちょうどよいバランスですね。 東破風山はなかなかの眺望でした。眺望対決は東の勝ちです。森林限界の程度が勝敗を分けました。 ということで、富士山はもうだいぶ見たのでそそくさと先へと進みます。 ■無事、前回ルートに合流 次はいよいよ前回Uターンした雁坂嶺です。 てくてく進むこと38分、さくっと到着です。『こんなに近いんだったら、あの日も先に進んだ方が良かったかな』と一瞬思いましたが、その後の破風山からの下りや木賊山手前の砂地の道を考えると、まあ無理しなくてよかったかな、と思います。 雁坂嶺にはベンチがあり(確認済みよ)、そこに座りランチの準備として、サーモスのお湯をアルファ米に入れます。これを30分後に雁坂峠で食す作戦です。そして、そそくさと雁坂峠へと下ります。 一度歩いた道というのは安心して歩けますね。あっという間に峠へと。 前回は曇っておりましたが、本日は無事に晴れ!誰もいない4つのベンチに荷物を大きく広げ、ランチの開始です。親子丼をお湯に溶かし、アルファ米に入れて食します。 『う、うまい…』 折角なので、先週、雨中登山になってしまった会社の登山部メンバーに『ごめん、今日は本当の登山に来ています』と写真入りのメッセージを送ります。いやー、先週はほんとごめん。あまりにつらすぎてまだレポート上げておりませんm(__)m そうしてお腹が満たされた後に、3回目となる大好きな雁坂小屋へと向かうのでした。 ■雁坂小屋の水は本当に美味しいです 雁坂小屋にはご夫婦がランチを食べているところでした。 水場でおいしい水を補給し、トイレを借り、しばらくのんびりした後出発です。 『今日は黒岩尾根で川又まで向かいますよ』 とテント場の奥へと向かいます。 黒岩尾根は特に危ないところはなく、おそらく雁坂小屋の歩荷のルートになっているのではないかという気もしました(道がとても平ら)。 途中、黒岩展望台というところがあるので、地蔵岩展望台とどちらがすごいかということで登ってみました。いやー、びっくりするほどの急登w 眺めは地蔵の勝ちですな。 その後順調に下っていき、無事に豆焼橋まで時間通り余裕をもっって到着しました。 『バスの時間まで1時間20分、ゆっくり歩いて行こう』 と何気なくGoogleマップを開いてバス停を表示してみたところ「バス停まで1時間36分です」という表示が。 『何ごとーー!?』 オーノー、完全に計算間違いしてました。慌てて靴紐を結び直してジョギングの開始です。目指せ東京オリンピック。途中真っ暗なトンネルがいくつかあるため、サーモス水筒にヘッドライトを巻きつけ点滅モードに。後ろからくる車の皆さん、私を轢かないでね。 そしてトンネルを超え、蕎麦屋を超え、前回の登山口を超え、無事に10分前に川又バス停へと着きました。良かったー。 その後、バスト電車に揺られて1時間、西武秩父駅にたどり着き定番祭りの湯で体を癒すのでした。 久しぶりのしっかりとした途端に大満足。 次は大弛峠から金峰山、瑞牆山山へと向かいたいと思います。軌跡ももう少しで八ヶ岳まで無事につながりそうです。
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