奇跡の晴れ間の槍ヶ岳

2019.08.16(金) 3 DAYS

活動データ

タイム

19:22

距離

45.1km

のぼり

3271m

くだり

3271m

チェックポイント

DAY 1
合計時間
7 時間 29
休憩時間
28
距離
19.2 km
のぼり / くだり
1625 / 270 m
DAY 2
合計時間
8 時間 35
休憩時間
1 時間 25
距離
14.2 km
のぼり / くだり
1491 / 1692 m
DAY 3
合計時間
3 時間 18
休憩時間
8
距離
11.6 km
のぼり / くだり
154 / 1306 m

活動詳細

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お盆休みにはどこか長距離歩くぞ!!! そう決めた年だったのに…台風!? と、落ち込んでいた最中、天気予報を見るとお盆後半が若干晴れるかも…!?!!? こりゃ台風の中でもなんでも行くしか無い!! 人少ないだろうし、最高じゃないすか!!! そんなこんなで槍ヶ岳に向かうことに。。。 <1日目> 興奮状態で全く眠くない。しかもいつもとは違い、休憩多めにとれる余裕もありました。しかし、なんだこの雨は…深い水溜まりに入ると勝手にブレーキかかるしハンドル取られるし油断する隙は皆無でした(´Д`) 無事到着したけど、始発のバスターミナルには一人…?え?ヤバくない?バス会社さん赤字じゃね?申し訳ない… そんなこんなで上高地到着です。 今回は20kgといつもより少なめの荷物で向かいます。 雨の中でしたが順調に歩き横尾に到着しました。 よくよく考える上高地歩くときはいつも雨だな… 横尾に着いたとき、異変に気付きます。あれ?そろそろ天気予報では雨も止む頃……ん?あれ? 天気予報を見ると…悪化してる…! でもまだ半分だし、まだ行ける行ける!! ちょっとの休憩を挟み今晩のテン場である殺生ヒュッテを目指し歩き出しました。 槍沢ロッジに着いた頃には予報通り天気は悪くなり、そこから先行くのを躊躇してる人が沢山いました。 足も攣り気味でしたが、ちらほら行く人も居て自分の技量でいけると判断しました。 (この時、諦めてババ平で泊まっていれば…) 進んでいくと沢が氾濫しており横断するのも一苦労。下手すれば落下し巻き込まれ…… そんな中、足も攣りかけるし体調も悪く(低体温症)なっていくしであの判断は確実に間違っていたと確信しました。 ですが引き返すにも渡ってきた沢をまた渡ると考えるとゾッ…として進むことに。 登るにつれて雲の中へ。真っ白な景色の中、頭も真っ白になっていく… 「小屋はまだか…あれかな?いや、あれは岩だわ…」 こんな事を10回以上は考えながら、とにかく足を前に進めます。 前に。前に。大丈夫、自分ならいける。 こんなことで挫けてたらいつもと同じだ。 変われ。変われ。 足を止める度に自分に言い聞かせます。 雲の中で残りの距離も分からないままだったので、精神的にもダメージが入ってました。 体力も精神力も底を尽きかけた時、殺生ヒュッテの石階段が見えました。救われた。そう感じました。 当初はテント泊するつもりでしたが、そんな余裕はさらさら無い。テントで寝てたらそのまま死ぬんじゃないかと思うぐらいで、まだ死ぬのは御免なので小屋のお世話になることに。 お盆にも関わらず人数は20人も満たないぐらいで、その中でも単独で来てる方と2人組の方々と仲良くなり、それはもう幸せな時間を過ごさせていただきました。 本当にあの時間、楽しかったな… そんな楽しい時間は一瞬で終わり消灯時間です。 明日は曇ってたら登頂せずにピストンで帰ろう…Zzz <2日目> 朝、目が覚めるとそこそこ体力回復してる…でも脚の疲労はそう簡単には取れませんでした。少し歩くと何度か攣ってた部位が痛い… 上も曇ったままだし、やはりこれはピストンで下山かな。。。 でも諦めず槍ヶ岳の穂先を目指し歩く方は多く、それを見てると諦めるのも勿体ない気がして天気予報と睨めっこする事に。 もうちょっと経ってから出た方が晴れるけど…待ってるとウズウズしてきて、もう我慢できない…!!ザックはデポさせてもらい必要最低限の装備で登ります。 前日の重量と比べると雲泥の差はありますが、全然違う!体が軽い!サクサクッと山頂直下まで登り、いざ雲に隠れて全く見えない穂先へ…! 三点支持しながらゆっくり登っていきます。 こんな天気の中登ってる人は殆ど居ない為、渋滞は皆無で登れました。 その後無事登頂!!よく混雑するこの槍ヶ岳山頂、この時自分を含めて2人でした。その後先人が下り、なんと槍ヶ岳の頂を独り占めに!!!! さすがにテンション爆上がり。 しばらく山頂で居座ることに。 流れる雲の中をぼーっとしていると、明るくなり出した途端サァッと雲が抜けました!! その時の感動は当分忘れることは無いと思います。雲海の中自分だけが槍ヶ岳に立っている。本当に幸せ者だなと思いました。 その後、ちょこちょこ人が登ってきて晴れ間を狙い記念撮影してもらいました。 何となく下を見ると…!!ブロッケン現象が!! もう流石に堪えきれなくなり、涙を流しました。これも今までの過程があってこその物、本当に最高でした。 「今日はなんか良い日になりそう…」 そう思い、風も強くなってきたのでさっさと下ることに。この時、今朝のピストンで下山する事はもう頭にありませんでした。 更に槍ヶ岳からの下山中、雷鳥さんにお会いしました、これも初体験です。どんだけ幸せになっちゃうんだ僕は!! 殺生ヒュッテにデポしてたザックを担ぎ下山開始です。 下りはそこそこ自信があるので、CTの半分と計算。 その後体力、時間があれば涸沢に行ってやろう。 昨日登りでお会いした方々も下ってたようで、追い付いては挨拶をして…ってのをほぼ全員できました。 リミットまでに何とか横尾まで下ることができ、一人で楽しい楽しい作戦会議です。 涸沢に行くか徳澤で泊まるか、それともいっその事蝶ヶ岳登っちゃうか?!? … … 選ばれたのは蝶ヶ岳でした。 決まったからには直ぐ行こう!因みにヤマップでは槍ヶ岳と蝶ヶ岳は別の地図になるのでCTを正確に把握出来てませんでした。 脚の疲労、気温、体力その他諸々と戦いぜぇぜぇ言いながらながらも3時間で登れました。 蝶ヶ岳ヒュッテに着いた頃にはテン場は殆どいっぱい。 そりゃこんなに良い天気だもんな、皆来るわ… 通路ギリギリのとこに一張いけそうだったので、そこに張らせてもらうことに。 テント建てるだけでも一苦労です。足は靴擦れで皮が捲れ、筋肉は疲労の限界で少し動くと攣り、朝からご飯を食べてなかったので頭も回らず、、、 建ててからは時間がほんと一瞬に過ぎていきました。 次第に太陽は沈みだし、外を見るとテント内からブロッケン現象を見ることが出来ました、何という幸運…! カメラを持ってブロッケン現象や夕焼けを撮りに出ます。 槍穂は雲に隠れたり出たりを繰り返していたので、撮影ポイントを変更しテント付近へ。 その頃には丁度マジックアワーの時間で良い写真が撮れました。ここ最近で1番のお気に入りの写真です。 星景写真は満月だった為諦め、ビール、つまみを開けて一人宴会の開始。 同時に明日の下山ルートや出発時間も決めていきます。 最低限の事を決めてからは気絶するように就寝しました。 <3日目> 朝、目が覚めると日の出前で想像以上に気温が低く寒かったのを覚えてます。 日の出までに出来る限りの出発準備を進めます。テントから御来光を拝めることが出来て最後の1日が始まりを告げると、そそくさと周りも片付けだします。 自分も片付けを済ませてると、前日にお話させていただいた方が、先に出るとのことで挨拶に来てくれました。こういうのも含めて「山」って本当に最高ですよね。 自分も片付けを済ませ、蝶ヶ岳にお別れを告げます。 その後はただひたすらに下り、上高地まで帰りました。 【まとめ】 1日目は波瀾万丈で本当に大変でしたが2日目からは幸運に幸運が重なり、もう山行後にでも不幸が訪れるんじゃないかと思うほどでした。 登山を始めてからの自分の経験、技術、体力共に成長を感じれる山行となりました。 まだまだ未熟な部分が殆どでしたが、それでも楽しませてくれる山に感謝してもしきれません。 この経験談が誰かの参考になればと思います。 ここまで読んで下さりありがとうございました。 次は…秋のアルプス…???

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