飯豊山・大日岳・御西岳-2019-08-12

飯豊川本流。今夏は越百、黒桂河内下部に続き三本目。黒桂河内もかなりキていたが、飯豊は桁違いの迫力だった。流れは強く、側壁は聳え立ち、時折崩壊する雪渓は雷のような轟音を立てている。 “命を守る行動を。” テレビで聞いたような言葉が頭に浮かんで消えた。夕暮れに不気味に落ちる滝を目前に岩の上で眠り、雪渓を眼下に、不安定な崖で夜を明かした。花も咲かない谷底でクマさんに出会った日もあった。ただその分、稜線に出た時の安堵と達成感は一入で、カップラーメンは死ぬほど美味かった。厳しい高巻きのルーファイや、ビバークの判断など、一緒に遡行した先輩の気力、体力、経験値には尊敬しかない。普段は下ネタばかりのその人が、沢にいる間は少しトムクルーズに似ている気がした。