【愛知】大沼山(1180m)袖山(1187m)で緊急オペ

2019.06.02(日) 日帰り

活動データ

タイム

04:43

距離

6.2km

のぼり

690m

くだり

693m

チェックポイント

DAY 1
合計時間
4 時間 43
休憩時間
47
距離
6.2 km
のぼり / くだり
690 / 693 m
2 29
1 47

活動詳細

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現地に近づくと「通行止め箇所」という案内板。しかも、登山口ピンポイントじゃないか!そわそわしながら車を進める。果たして・・・よっしゃー大丈夫!通れるぞ!!ほっと胸をなで下ろしました。 27.5kmポスト近くには、沢が二本流れ込んでいます。西よりの沢に登路を求めます。なりゆきで二本の沢の中間尾根に乗りました。ここはかつて、大規模な営林作業が入っていたエリア。その当時の作業路が利用できるんです。尾根上は、アセビの低木がアクセントになったスギの疎林です。 やがてアセビのブッシュがうるさくなってきました。やせ尾根が太り始めました。いい具合に杣道が右手の谷に寄り添いながらトラバースしていきます。それをたどってみますが、崩壊地に飲み込まれてしまいました。踏み跡があまりに沢と仲良くしすぎるのも問題です。 作戦変更。尾根芯を狙って本来のラインに復帰します。やがて下生えのない植林尾根になりました。その後は苦労もなく大沼山山頂へ誘われます。かつて山トモが苦労した大沼山攻略。この山の大変さは、登路をどこに求めるかではないでしょうか。 ここから、袖山までは難なく歩けました。植林がちですが、ブナやモミ、二次林の美しさは格別です。そしてここは小鳥たちの楽園。ジュウイチやツツドリ、アカゲラ、オオルリ、修行中のコマドリさえ登場。 ここでは下界の夏日予想も異世界の話。気温は15℃。高原のさわやかさがありました。吹き上げてくるそよ風も涼感を誘います。 袖山は残念ながら展望に恵まれません。樹間を透かして日本ヶ塚山が顔をのぞかせます。一息ついて帰途につきました。南尾根をたどりつつ、どう歩けば登山口案内のある堰堤脇に飛び出すのかを思案します。 あれ?ちょっと待てよ。左の二の腕がちくちくするじゃないか。腕をまくり上げてみてたまげた。うわ!マダニだぜ。前回、取り付かれた時はひどかったな。左足のふくらはぎに吸血したやつが、気づけばデカい血豆状にふくれあがり、緊急事態。 皮膚科に飛び込んだら、看護師さんが「ちょっと見せてください」だって。いやー、大丈夫か、この可愛らしい看護師さん。「ほんとイイんですか?」と気遣いつつ、患部を見せたところ、その看護師さんは「きゃーっ!!」と叫んで飛び上がった! マダニ話はそれにとどまりません。あれは生まれて初めてダニに吸血された時でした。医師はただちに看護師を処置室に全員招集させました。さらに「これがマダニだよ」と得意げに看護師にレクチャーを始めたじゃないですか。いい加減にしろー(怒)。 ところで、オレの柔肌に取りついたマダニ野郎。しっかり頭を埋め込んでモゾモゾしているじゃないか。ヤバいぞ。慌ててザックを下ろし、救急キットを取り出す。さっそくオペだよ。私は名医だが(意味不明)自分で自分をオペするほど器用ではない。他人の皮膚からマダニを摘出したことはある。だが、セルフ・オペとはね。でも、他に選択肢はない。 まずはピンセットを取り出す。ダニの口器が残らないよう、慎重を期してマダニをずりずり引き出していく。う~ん、気色悪いぞ。そいつを丁寧に葬ってから自分の処置に移った。 患部を消毒。ポイズン・リムーバーで数回、体液を吸い出す。いつもながら、やな感じだよ。ふ~。 長居は無用。下山、下山。耳をすませばアカショウビンの鳴き声が響いてきて、気を取り直します。 尾根型が分かれるたびごと、地図とにらめっこ。う~ん、よくわからなくなってきた。最後は「ままよ」とばかり、頭を使わずにテープを追う。やがて山肌が尾根型を失ってベタッとしてきました。折しも道型だよ。そいつはそのまま、沢に降りていく。なるほど、こいつが地形図にある破線路か! ラストは擁壁のすき間、沢の出口から林道に降り立ちました。さて、ここから林道をひと登り。車をピックアップしないとだ。 山肌にはいくつかミツバチの巣箱がありました。すれ違ったバイクと挨拶。そして僕は車の回収。山装備を解いて車のハンドルを握りました。 下山してカーブミラーが二本立つ袖山登山口に車を回します。そこには、先ほどのバイカーがカップ麺を食べていました。傍らには友人にもらったとかの山菜。 彼はかつて、娘さんの住民票を移し、富山村に山村留学させたことがあったらしい。豊かな自然に囲まれて豊かな毎日を送った一年間。高校では水産高校に進学。山と海の違いこそあれ、自然大好き少女に育ったそうだ。「もうすぐ、遠洋漁業の実習が控えているんです」とオヤジは目を細めた。 さて、今日はあと一山。次の山に向かっていざGO!である(笑)。オペ後の癒えていない身体なのに、まったく懲りない男である(笑)。

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