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燕岳(テント泊)の写真

2019.05.04(土) 04:48

この写真を含む活動日記

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燕岳(テント泊)

燕岳・餓鬼岳・唐沢岳 (長野, 岐阜, 富山)

2019.05.03(金) 日帰り

〜前回までのあらすじ〜 福岡から長野の燕岳登山口駐車場まで車でたどり着いたのだった 中房駐車場にて5時起床、6時〜登山開始 北アルプス稜線での雪上テント泊 なんと夢のある響き ザックの重量は測ってないけど、たぶん20kgくらいかな さらに冬靴+12本爪アイゼンで片足で1.5kg近い 燕岳合戦尾根ルートは北アルプス3大急登と言われている 体力ギリギリでヘロヘロだと足さばきが疎かになり、アイゼンひっかけたりするので話にならないし、 雪山で行動不能になるのは致命的、人で溢れたGWのメジャルートなんで行動不能になっても変な時間帯でなければ死ぬことはないかもしれんが、 そんなんでレスキューのお世話になるとか絶対無理なんで 考えてみる、、 脊振山系全山縦走で18kg担いで毎日10時間以上安定して歩けた経験から、余裕だという確信があった 九州の峰々が僕の中に生きている そしてそれを根拠に北アルプスでも臆さず向かっていける ありがとう脊振山系ちゃん、、、 そんなことを考えつつ、スタート 上はメリノウールのベースに薄手のアクティブインシュレーション、天気良かったのでテン場以外は最初から最後までこの2枚のレイヤリングで事足りた ハードシェルジャケットの出番はなかった 樹林帯はベース一枚、朝一の登り始めと稜線辺りからもう一枚着る感じだった、僕の場合は。 下は万一天気が崩れた時の為にハードシェルパンツは穿きっぱなし、春山だと雨になるかもだしね メジャールートなんで流石に人が多い 駐車場から中房温泉登山口まで少しコンクリートの車道を歩く 前を歩く年季の入ったザックの、 見るからに達人のおっちゃんが大袈裟な程ゆっくりゆっくりガニ股で歩いており、 洒落たハイカー達にガンガン抜かれていく しかし、僕は思った これぞ雪山登山における歩行技術(まだコンクリート道だけど)、、、 サクサク歩くと体力消耗するし、汗かくし、アイゼンひっかけたりスリップするリスクも高まるし、、ゆっくりゆっくり、ガニ股歩きが大事ですよね、 師匠! 師匠「、、、、」 魔ジュニア「シュッ、シュッ、シュッ」 師匠「、、、、」 魔ジュニア「シュッ、シュッ、シュッ」 はっ!! しまった、、、 師匠はガニ股で忍者のようにほぼ無音(師匠も下だけハードシェル) 僕はといえばハードシェルパンツの内股が擦れて歩くたびにシュッと音が出ていることに気づく 師匠もきっとこの音に気づいているはず! 師匠が背中で語る 「後ろのお若いの、そんな歩行技術で雪山にきてはいくら命があっても足りませんよ」(注 実際には声を発してません)」 師匠ーーー😭 師匠の歩き方を真似て同じようにガニ股でゆっくりゆっくりとコンクリート道を2人で歩く どんどん洒落たハイカー達に抜かれていく僕達 師匠「、、、、」 魔ジュニア「、、、、」 師匠「、、、、」 魔ジュニア「、、、、」 まだ、、、コンクリート道だし、、アイゼンもつけてないし、、ちょっとくらいスピードあげてもいいよね、、スマン、、師匠、、 シュシュシュシュシューっと師匠を光の速さで千切り、登山口へ 登山届を記入し、提出 届を出すとこにいかにも屈強な山男って感じの人が常駐しててビビる、 たぶん遭対協の人かな しかし、届を出すと「はいっ、いってらっしゃい!」と勢いよく言われ、なんだか頼もしかった 登山開始からさっそくの急登、、、 この度はー、 魔ジュニア電鉄をご利用いただきー、 まことにありがとうございますー、 この電車はー、 燕山荘行きー、 急行ですー、 途中止まります駅はー、 急登ー、 急登ー、 急登ー、 急登ー、 急登ー、 終点はー、急登にー止まりますー、、、、 失礼しました、終点はー、 燕山荘にー止まりますー、 ご乗車の際はお足元にご注意くださいー 。・゜・(ノД`)・゜・。 見事なまでの急登に次ぐ急登💦 しかし!この程度の距離、脊振の70kmに比べれば!なんの!! ゆっくりゆっくり歩き、合戦小屋へ 小屋は閉まっているものの外で飲み物やカップラーメンなどを販売してた、名物のスイカは売ってなかったが この合戦小屋のスタッフさんも笑顔で「いってらっしゃい!!」と声をかけてくださり、大変頼もしい🙂 ここから雪の急登、 ブログなどではピッケルなくても大丈夫、ポールの方が歩きやすいなどと書いてるものもあり、 確かにポールの方がバランス取りやすくこけにくいと思う しかしながらくだりで万一こけたら雪質にもよるがポールじゃ止まらないのではないだろうか ピッケル装備率は9割くらいだった、もちろん使えなければ意味ないし返って危険だが、装備はしておくべきだと思うね、僕は ここを登りきるとなだらかな雪の稜線 大絶景が広がり、槍も見える ドローンを飛ばしている人もいた なだらかな稜線を歩き、ついに燕山荘へ! 延々と急登でなかなか大変だったが、 まあこれくらいならまだまだ僕は大丈夫だ テント泊の受付をすませ、設営開始 整地されたスペースが空いていたのでほとんど整地する必要はなかった スノーペグなどは持っていないんで、通常のペグをクロスして埋める 実はこのペグダウンが今回の山行で一番心配してたことだ 今まで夏の北アルプス稜線でのテント泊は天気良くても毎回夜はテントの壁が迫ってくるような強風、今回は雪上なのでペグダウンがまずいと山頂アタック時やトイレに行っている間にテントが飛ばされてしまうかも、ってのが心配だった、 あんまり深く埋めすぎると朝凍ってからの回収が大変そうだし、、 天気が良かったので雪が緩く、しかもそこそこ風もあったので少し心配だったが、深めにペグを埋め、山頂アタック 大絶景を眺めながら、雪と土と岩のミックスルートを歩き、登頂! ピークはすごく狭くてギュウギュウだった 山荘まで戻るとテントは無事だった🙂 しかし風に煽られ、一部ペグが少しだけ雪から飛び出しているとこがあった、あぶねー😨 再度ペグを深く埋めなおし、燕山荘でビール🍺 テントに戻り、昼ごはんを食べ、シュラフに入り昼寝 起きると夕方 外に出ると寝る前は緩々だった雪がカチカチに凍ってる、おかげでテントが飛ばされる心配はなくなったが、朝のペグの回収が大変だろうなあ それにしても、 ほんの数時間で雪質は全く変わってしまう、 だから雪山は難しい 夕方まで待ってると、山荘からサンセットを観るべく、続々と人が出てくる 天気も良く、見事なサンセットを拝めた 日が沈むと寒さからあっという間にみんな山荘に消えていったが、僕はもう少し、霞んでいく地平線を眺めていた 夜は、シュラフは使いこんでヘタれ気味のモンベルの化繊#3に新調したダウンハガー #5の2枚重ね+アルパインダウンパーカー、ナンガのダウンパンツ、モンベルの化繊テントシューズ、マットはZライトソル180㎝とプロモンテの120㎝エアーマット2枚重ね、そしてネックウォーマー これでも朝方少しだけ寒さを感じ、目が覚めたが、ホッカイロを貼ったら寒さは感じなくなった 同じ日に行った人の日記によると朝方はマイナス12℃まで落ちたらしい、寒いはずだ 朝は起きると人だかりが! 天気も良く見事な御来光を拝むことができた テント回収は、雪がカチカチに凍っててペグの回収が難しく思われたが、 うちのエアーテックエヴォリューション様っ! T規格の重みのある頑丈なブレードで凍をガンガンかち割り、あっさりペグを回収!またまた大活躍!(氷が飛ぶかもしれないのでお隣に声をかけての作業です) 下山開始 登りの途中から下山までテントが隣のご夫婦とずっと一緒だった🙂 無事下山 安曇野で温泉に入り、名古屋あたりまで下道でのんびり走る 途中高速に乗り、眠くなった辺りのSAで仮眠 翌朝ゆっくり高速を走り、ところどころSAに寄ったり仮眠をとったりしながら、 夕方頃、ようやく福岡県に入った 新しくなった古賀SAで休憩しようと車を止め、SA内を歩いていると、、 なっっっつがっっくっるぅぅーー!!!!!!! きっとなっっつわっっくっるぅーーー!!!!!! ゴールデンウィークの人気サービスエリアにいた数百人の利用客が一斉に一点を注目する 革ジャンを着たデカいハーレーに乗ったオッさんが大黒摩季の「夏が来る」を信じられないほど大爆音でスピーカーから流しながらサービスエリアに入場 出で立ち、選曲、全てがパーフェクト これほどのパンクスは見たことない ここまで突き抜けてると迷惑だとかそんな次元は超越してもはや痛快 負けた、、 なんだかよくわからないが僕は負けた気がした 雪のアルプスの大絶景もなにもかも 僕のゴールデンウィークは全てこのオッさんにかっさらわれた気がした、、 古賀サービスエリアを後に残り僅かの帰路を駆ける 夏がくる そう、、もうすぐ夏山シーズンがやってくるのだ 僕の中で小さな灯りが灯る 往復2000kmの旅はもうすぐ終わる しかし、これはより大きな山旅の始まりに過ぎないのかもしれない 夏がくる この時、僕は少しだけ微笑んでいたような気がする 〜完〜