活動データ
タイム
08:16
距離
8.6km
のぼり
878m
くだり
894m
活動詳細
すべて見る3月10日にヒクタ峰に登った時CLのFRさんが「あそこも登らないとダメなんだよな」と言ってたのが定天のⅡ峰とⅢ峰、どちらも札幌150峰だ。 ネットで検索するとⅢ峰の登頂記録はポツポツ上がっているがⅡ峰となるとぐんと減る。 いずれにしても雪があるときでないと厳しい山だ。 ヒクタが終わって早々に山行計画が練られるがCLの体調不良で延期、CLから「ヒマラヤ遠征の帰国後に再計画します」というメールが出国前に届き無事帰国、今日の山行となった。 7:50滑川林道ゲートをスタートする。 軌跡の開始を忘れていたのに気付き、あわてて開始する。 林道は雪がすっかり解けてグチャグチャ、道路脇にはカタクリやエゾエンゴサクが咲いており、うららかな春の陽気で気持ちが良い。 花を愛でながらグングン進む。 コンタ500mあたりから林道が不明瞭になり、林道というより作業道の体を成してくる。 コンタ770mで林道と別れ尾根に取り付く。 なるべく緩やかなところを探したつもりだが、かなりの急斜面。 SLのKGさん先頭でゆっくり高度を上げて行く。 尾根に上がると北西の方向にヒクタ峰が見えてきた。 春の日差しの中、見通しの良い尾根歩きは気持ちが良い。 定天が良く見える場所で記念写真を撮る。 登って来た踏跡を振り返ると烏帽子岳が立派に聳え親の後ろに隠れた恥ずかしがり屋の子供のように神威岳が右側にちょこんと顔を出しているさらに後ろで主役を奪われた百松沢山が控えめに立っている。 SioさんとTDさんが尾根の脇にアイヌネギの群落を見つける。 下山時にわかるようピンテでマーキングしておく。 コンタ850mまで来ると定天がかなり近づいて見える。 予定のルートは尾根上の900mポコの左をトラバースするのだが予想はしていたが雪が少ない。 CLとSLが先行で偵察に向かう、「OK!大丈夫!」の声。 傾斜の緩いところをトラバースしたかったが雪が無い為、ポコの上部をトラバースする。 勾配のキツイ斜面でのポールの使い方で山側に体重をかけて突くようKGさんから指示を受ける。 アドバイス通りに慎重にトラバースし難所を通過、コルまで下ってほっと一息つく。 足元に気を配っていたので視界に入っていなかったがⅢ峰は、もう目の前だった。 緩やかな尾根を上りきり11:20Ⅲ峰山頂到着。 山頂のダケカンバに峰風さんの山頂標識を発見しみんなで記念写真を撮る。 山頂からは南西方向に羊蹄山と尻別岳、東方向に手稲山と遠望に樺戸山地の山並みが白く浮かんで見えた。 予定の時刻より1時間ほど遅れているので休憩をそこそこにⅡ峰へ向かう。 中央ルンゼの上部にあたるⅢ峰とⅡ峰のコルに下る。 急勾配なので斜面の木にザイルを固定、先端をKGさんがもって確保する。 重いのでピッケルを背負ってこなかったが持ってきて滑落停止の練習をすれば良かったと悔やむ。 ザイルが無ければへばりついて下りるしかないがザイルがある安心感、みんな無事にコルに辿り着く。 今度はⅡ峰の上り、こちらも下りに負けず劣らずの急斜面だが、下りと違って上りはみんな不安がらずズンズンのぼる。 上部に行くと雪が解けた露出部があり踏み込んだときに崩れた小石がポロポロ落ちてくる。 上から「落!」の声、身構えると拳ぐらいの石がゴロゴロ転がり落ちた。 CLから少し間隔をあけて登るよう指示が出る。 先頭で上りきったCLがザイルを確保、感謝感謝でザイルを握り12:28急斜面を上りきる。 ここで昼食をとり一息つく、食べ終えてザックをデポし空身でⅡ峰の山頂に向かう。 急峻な斜面とは対照的にⅡ峰の山頂はのっぺりしており、誰の足跡も無い真っ白な雪原を空身で闊歩するのは気分が良い。 12:45Ⅱ峰山頂到着、山頂では荒々しい岩肌をむき出しにした本峰が我々を迎えてくれた。 さすがにⅡ峰には山頂標識は無かった。 山頂から見える山はⅢ峰とはそれほど変わらずで間近に見える迫力ある本峰と眼下に水を湛えるさっぽろ湖、そして特筆すべきは無意根山だ。 アイヌ語で箕を伏せたような山と呼ばれるようにだらりとしたイメージしかない山だが、ここから見える無意根は全くの別人で男っぽく雪を纏った山容が実にかっこよく惚れ惚れする。 ひと通り風景を撮影し本峰をバックにみんなで記念撮影する。 普段とはちょっと違うワイルドな登山だったこともあり達成感からか、みんなどことなく満足げだ。 13:00名残惜しいが下山を開始する。 デポしてたザックを背負い確保しておいたザイルを使って急斜面を下る。 最後尾のCLがザイルを回収して下りてくるのを待ち、Ⅲ峰への上りにかかる。 SLが先行して上りザイルを確保するが、みんなザイルにはそれほど頼らずにガンガン登る。 ここからはもう上りといえる様な上りは無く来た尾根を下るのみになる。 上るときは気が付かなかったが、痩せ尾根とまではいかないが結構左右が切れ落ちていたことに気付く。 下山は定山渓の山並みを眺めながらザックザック下る。 マーキングしたポイントで山から恵みを分けてもらう。 コンタ670mまで下ってきたところで先頭を歩いていた人達が立ち止まっている。 近づいてみると熊の足跡を見つけたとのこと、間違いなく上りのときには無かった足跡で大人の熊の足跡だった。 我々の気配を感じて慌てて逃げたのか滑った足跡も残っている。 KGさんが「熊も滑るんだな」とつぶやくとみんなから笑みがこぼれた。 まだ近くで身を隠してるかもしれない、長居は無用でさっさとその場を後にする。 気温で雪が沈んだ所為でコンタ600mあたりで踏跡が不明瞭になる。 行く先を見失い一旦沢に下りかけたがGPSで軌跡を確認して軌道修正。 尾根側に上がり無事林道に合流、後は道成りズンズン下る。 計画では15:30到着予定の林道ゲートに16:00到着、出発が予定より20分遅れでスタートしているのでほぼ計画通りのコースタイムで下山した。 沢登り以外はあまり温泉に入りたいと感じることは少ないのだが、今日は湯船に浸かりたい気分だ。 定番の湯の花に立ち寄り汗を流し心地よい疲労感で帰路に就いた。
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