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平成の伊勢から令和の熊野まで 家族で越えし峠と時代 ~熊野古道伊勢路、200キロ参詣の旅~の写真

2019.05.02(木) 09:08

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平成の伊勢から令和の熊野まで 家族で越えし峠と時代 ~熊野古道伊勢路、200キロ参詣の旅~

熊野古道 伊勢路③ (三重)

2019.04.27(土) 7 DAYS

【キャンペーン応募の歌の説明】 そのまんまです。10連休だからこそ出来る山行をしよう!と挑んだのは 熊野古道伊勢路。 家族全員で7日間歩き続け、いくつも峠を越えながら供養塔や石畳に先人を思い 時代の節目も越えました。 伊勢神宮内宮では「平成感謝の記帳」に参加し、熊野本宮大社では大筆で揮毫された「令和」の文字に迎えられ 最高のタイミングで伊勢路を歩けたと感じました。 道程はすごくしんどかったけど、家族皆の大事な思い出となりました。 【前文】 待ちに待った10連休。普段なかなか出来ないことをしようということで、テントを背負って6泊7日、熊野古道伊勢路をフルで歩いてきました。 伊勢神宮で平成感謝のお参りをし、熊野で令和の初詣をするという、時代を繋ぐ巡礼の旅です。 当初は花の窟神社の先から内陸に入って本宮道を歩き、熊野本宮をゴールにする計画を立てていました。しかし、家族がロードを歩くスピードが予想以上に遅く、また地面の固さに足をやられてしまったため、途中で相対的に近い熊野速玉大社にゴールを変更(伊勢路はこっちのほうがメジャーらしい)。それでも結局7日間で200km歩きました。 伊勢路は全体を通していい道が多かったです。石畳が残り熊野古道の雰囲気が味わえる峠道は勿論のこと、当時の面影をしのばせる旧街道沿いの街並みや、茶畑や水田が広がる田園風景、花が咲き乱れる長閑な田舎道、潮風を感じながら歩く海辺の道など、癒されながら歩くことができます(一部つまらない国道歩きもありますが)。 この道がこの先も多くの人に歩かれ、廃れずに残り続けてくれることを願います。 【雑多な情報・メモ】 ・テント泊装備でのロード歩きはとにかく足に負担がかかることがわかりました。ストックがあれば荷重が分散されて多少はマシだったろうと思います。今回に限って忘れたことが悔やまれました。 ・テント泊の野営地について。キャンプ場は泊まるにも安心だしゴミも捨てられるので、できるだけキャンプ場に宿泊しました。キャンプ場がないときは河川敷か海辺で野営をしました。河川敷や海辺は自由使用の原則というのがあり、管理者(国交省の事務所又は委託された地方自治体)が特に禁止してない限りは、少人数での野営などに申請の必要はないそうです(例:https://www.kkr.mlit.go.jp/yodogawa/qa/qakasennoriyou-camp.html)。 確認のため、2日目野営予定の大内山川を管理する三重県伊勢建設事務所に問い合わせたところ、やはり少人数での野営は自由使用の範囲なので申請の必要はないとのことでした。 ・現地での食料調達について。行程中にところどころスーパーや個人商店などがあり食料調達ができます。ただし、長い間店のない区間もあるので、事前に調べておくことをお勧めします。今回食料調達をした主な店は以下の通り。 グッディ玉城店、マックスバリュ大台店、ミルクランド(大紀町)、オークワ紀伊長島店、主婦の店相賀店、主婦の店せぎやま店(尾鷲市)、清七屋ストアー(熊野市新鹿町)、道の駅パーク七里御浜 ・ザック重量について。現地調達ができるため、水食料担当の私のザックは出発前の軽量で17キロといつもより軽く済みました。現地で水食糧を買い込んだ後も20キロを少し超える程度だったと思われます。逆にとろつまはいつもより衣類が多い分重かったそう。私が持ってみたところ、いつもより1,2キロ重い13,4キロくらいに感じられました。 ・今回はもともと行程的にナイトハイクの必要な日がありましたが、それが予定よりも多くなってしまいました。宿泊地への到着が遅くなると翌日の早出が出来なくなり、負のサイクルにはまってしまいます。到着が遅くなりそうなら諦めて、緊急的に山の中で野営するなどしてもよかったかもしれません。また、あと1日あればもう少し余裕のある日程が組めたかもしれません(今回は用事があって無理でしたが)。 ・今回一番苦労したのはスマホのバッテリー。モバイルバッテリーは合計で30000mAh分近く持っていきましたが、大容量バッテリーの故障と私のスマホの水濡発熱による電池消費(一応防水スマホ)で予定が狂いました。途中のコンビニで買った乾電池式充電器は使い物にならず、追加で買った7000mAhも最初は半分以下しかチャージされておらず。とろつまのスマホを温存し、最後はそれでログを取りました。紀伊田辺でバスのモバイル乗車券を見せた直後、とろつまのスマホも力尽きました。 ・我々と同じように伊勢から熊野まで歩く方々には2組お会いしました(うち1人は本宮へ)。それ以外に馬越峠などでは古道歩きの方々を見かけましたが、10連休にも関わらず全体的に人が少なくて静かな歩き旅でした。 ・今回使った地図は、熊野古道世界遺産登録10周年事業実行委員会発行の「熊野古道伊勢路図絵」(http://www.kodo.pref.mie.lg.jp/download/)。 伊勢路は峠越えの山中で迷うことはあまりないと思いますが、町中は分かりにくいところが結構あります。この地図は、何を目印に曲がるなど分かりやすく書かれており、伊勢路を歩くなら必携です。 【歩きレポ】 ※歩行距離はYAMAPによるGPS測定値。ただし、4日目と6日目は未測定分の推定値を加えたもの。 ※峠のカッコ内は、YAMAPのGPS測定による標高 ◆1日目 平成31年4月27日  伊勢神宮内宮~栃原の手前(野遊び村キャンプ場) 歩行距離:34.3 km 峠:女鬼峠(120 m) 神戸を始発で出て電車とバスを乗り継ぎ、9時半頃伊勢神宮内宮に到着。 私ととろつまは前日の睡眠が1時間(電車では寝ましたが)で歩き始める前から疲弊状態。 初日は伊勢神宮のお参りもあるので短い距離にしたかったのですが、 宿泊予定の野遊びキャンプ場までは30㎞。 もう少し手前のベストな位置にある五桂池ふるさとキャンプ場はバンガローのみのテント泊不可で、唯一河原で野営ができそうな宮川は指定場所以外夜間キャンプ禁止(大台町内)だったため、このような選択になりました。 昼過ぎに外宮を立ったあと、初日から地獄の行軍が始まりました。 ロードだと家族が地図のコースタイムで歩けないことが判明し、みるみる遅れる行程(登山道では逆に余裕あり)。伊勢路を外れてキャンプ場へ行く際に、間違えて一本隣の道を登って引き返したこともあり、キャンプ場に着いたのは21時半頃...(当初の予定は19時着)。 初日から借金生活になりました。 ◆2日目 4月28日 栃原の手前(野遊び村キャンプ場)~阿曽 歩行距離:32.6 km 峠:三瀬坂峠(265 m) 出発前の寝不足と前日遅くなったことで、出発は9時頃。 この日もほぼロード歩き。みんな足の裏に豆がいくつも出来てさらにペースダウン。 これではとても本宮まで行けないと、目的地を新宮に変更することにしました。 目当ての阿曽温泉に着いたのは20時前。汗を流した後少し歩いて、大内山川のほとりで野営しました。 ◆3日目 4月29日 阿曽~古里 歩行距離:34.9 km 峠:ツヅラト峠(359 m)、一石峠(88 m) この日はツヅラト峠という長めの峠があり、それがみんなの心の拠り所。 とにかく固いロードが辛すぎて、道が未舗装の山道になった途端、「足が楽~」と言いながら軽快に登りました。 ところで、行き先を新宮に変更したはいいものの、花の窟神社から新宮までの地図は荷物軽量化のため家に置いてきていました。スマホにPDFは入っていたので、どこかのコンビニで印刷しようと思っていたところ、ツヅラト峠で追いつかれた同じく新宮を目指す若いご夫婦が同じ地図を持っていることが判明。 この日は紀伊長島に泊まるとのことだったので、そこで地図をお借りしてコピーさせてもらえないかと(とろつまが)お願いしたところ、有り難くも快諾して頂きました。ご夫婦の宿の側にあったスーパーで無事コピーを済ますことができて本当に助かりました。(この御夫婦とは2日後の相賀と天狗倉でもお会いすることができました。) 紀伊長島で雨が降り始め、時間も予定より遅くなったため、近くの浜辺で野営することも考えましたが、Googleの航空写真で適当な野営地が見つけられず...。 ナイトハイクで峠を一つ越え、予定通り古里海岸キャンプ場まで歩きました。 ◆4日目 4月30日 晴れ 古里~相賀 歩行距離:約20.5 ㎞(未測定分の推定値込み) 峠:三浦峠(114 m)、始神峠(157 m) 朝からザーザー降り。 昼から雨が弱くなりそうな予報だったので、 ゆっくり準備して昼前に出発。 短め…と言っても20㎞は歩き、相賀の銚子川のほとりで野営。 夜からまた雨となったため、橋の下の余程の雨量でなければ水が来なさそうなところにテントを張りました。 ◆5日目 令和元年5月1日 相賀~三木里 歩行距離:25.5 km 峠又は山:馬越峠(337 m)、天狗倉山(501 m)、八鬼山(627 m) 令和元年は、山の上で日の出を見て迎えるのが理想でしたが、 ジメジメした橋の下で迎えました。 でも、雨は上がっていて少し空も明るく、今日立ち寄る予定の象の背から熊野灘が展望できるのではないかと少し期待しながら出発します。 いかにも熊野古道といった雰囲気の馬越峠を滑らないよう注意しつつ登り、峠でザックをデポして象の背のある便石山を目指します。 ところが、山容が見えるところまで来てみると山頂はガスの中…。 すぐに諦めて峠まで戻り、反対側の山である天狗倉へ。 天狗倉からも熊野灘は拝めませんでしたが、 山頂に鎮座する迫力のある岩は一見の価値有りでした。 尾鷲へ下りるとその先には伊勢路一番の難所である八鬼山が待ち構えています。 尾鷲で水や食料を買いこんで重くなったザックを背負い、雨の中登る八鬼山は本当に堪えました。 しかも、尾鷲でトラブルがあって時間を食ったため下山中に日没。 闇+雨の石畳は危ないので慎重に下りました。 更に下山後に道を間違え、三木里キャンプ場に着いたときは19時半を過ぎていました。 その日はキャンプ場にテントを張る予定でしたが、 「子供もいるし雨の中大変だろう」と、 関係者の方が自宅に泊めてくださいました (キャンプ場代は支払い)。 風呂にも入って、久々の布団で熟睡することができ、何とお礼を言ってよいのやら。 こういう旅での人の優しさは心に沁みます。 ◆6日目 5月2日 三木里~大泊 歩行距離:約23.5 km(未測定分の推定値込み) 峠:三木峠(121 m)、羽後峠(164 m)、甫母峠(353 m)、仁木島(251 m)・逢神坂峠(287 m)、大吹峠(182 m) 前日の雨が嘘のような快晴。 濡れた道具の片づけに手間取り、8時半ごろの出発…。 この分だと今日も最後の峠はナイトハイクになるだろうと、 思っていたらやっぱりそうなりました。 この日は今までで一番多くの峠を越えましたが、前日の八鬼山に比べれば大したことはありませんでした。 逆にロードが少ない分、足の疲れはいつもよりましでした。 野営は大泊の海岸にて。 ◆7日目 5月3日 大泊~熊野速玉大社 歩行距離:30.1 km 峠:松本峠(146 m) 長かった伊勢路歩きもいよいよ最終日。 松本峠、鬼ヶ城(※)、七里御浜、花の窟神社、みかんの町御浜と見どころ盛り沢山で濃い一日となりました。 最後の最後で道を間違えて坂を登り返したりしつつ、 日暮れも迫る頃ついにゴールの熊野速玉大社に到着。 子供達もとろつまも足の裏にマメを作りながら、よく頑張って歩き続けてくれました。 一週間かかってやっと到達した熊野速玉大社は後光が指すように輝いて見え、とても有難いものに感じました。 この日は熊野川のほとりに野営。 到着が遅くなったので風呂は泣く泣く諦めて、居酒屋でガッツリエネルギーを補給しつつ祝杯を上げました。 ※鬼ヶ城は伊勢路から外れますが、きよちゃんさんからおすすめと聞いて少し回り道をしました。 ◆8日目 5月4日 朝、ゴトビキ岩で有名な神倉神社と、改めて熊野速玉大社に参拝し、その後バスで熊野本宮大社に移動。 大好きな本宮と大斎原でも令和の初詣をしました。 昼過ぎのバスで紀伊田辺に向かい、 予約していた紀伊田辺15:02発の高速バスで大阪へ。 高速道路が渋滞していて到着が大幅に遅れ、 大阪駅前第2ビルで夕飯を食べて帰宅すると23時近くになっていました。 【とろつま口コミ】 ●奥伊勢の森「七保ベース」野あそび村キャンプ場 利用料:3000円(オートキャンプサイト(車1台4人まで)と同料金) 到着が21時30分を過ぎ、とろつまと娘は気力体力限界で半べそ。 秀とろが「テントはてんてんと俺でやるから歯磨きして来ていいよ」と気を遣ってくれて 有り難く水場に向かうと、蛇口のホースがタンクから伸びている。 これは…山小屋で良く見かける感じの…( ̄ω ̄;) 近くにいた人に、キャンプ場の水が飲めるのか尋ねると 「洗うのはいいけど飲めないって聞きました」 ( ̄▽ ̄;)!!ガーン…。 山小屋方式だったかー! キャンプ場で水補給のアテが外れたー ※後日、公式サイトを確認すると「飲料水は、ご用意願います」と、ちゃんと表記有り。 下界のキャンプ場は水が飲める、という思い込みによる我々の確認不足でした。 (;´Д`)トホホ トイレ:汲み取り式簡易トイレが男女各1つのみ。 男子のみ、三角漏斗型の簡易小便器も1つ有り。←秀とろ曰く「放尿しづらい」らしい ゴミ:持ち帰り。 歩いてきて寝るだけの私達は、飲めない水場・少ないトイレに難を感じてしまうけど 車で来てゆっくり滞在するなら オーナー手作りの石窯(有料)や、五右衛門風呂(夫婦は一緒に入浴が必須なんだそうです) など、ワイルドキャンプが満喫できそう。 ●古里海岸キャンプ場 テント持込料(1張5人まで):3000円 トイレ:和式水洗の個室が、男女1つずつしかない。 しかもキャンプ場のトイレというわけではなく、海水浴場のトイレでもあるようなのだ。 私達が泊まった時は悪天候で空いてたけど(それでも数組泊まってた) ハイシーズンは海水浴客もいるから、だいぶ並ぶんじゃないかなぁ…。 水場:屋根、調理台有り。調理台は全体的に汚れ?サビ?まみれ。歯磨きセットを置こうとして躊躇した。流しの三角コーナーは魚の頭がいくつも放置されてて、利用者のマナーも良くない?ゴミ箱あるんだからそっちに捨てて(;´ω`) ゴミ:ゴミ箱あり。 ここで一番良かったのは無料の休憩室(中に更衣室もあり)。 雨を避けての食事、テント片付け、出発準備が出来て助かった。 とにかくトイレを増やして、調理台を清掃してくれれば、3000円でも納得するけどなぁ。 ●三木里キャンプ場 テント1張:2500円 トイレ周辺一帯の排水が非常に悪い。トイレの外から中まで、メダカが泳いで行けそう、と言ったらイメージできるかな…。娘のmon-bellティトンブーツでは心もとなく感じる水位だった。 雨の日は浸水状況を見て、自分が許せる範囲かどうか確かめてからの方が良いかも。 ゴミ箱は蓋のあるちゃんとしたタイプがありました。 ●ふれあい総合施設 阿曽湯の里 阿曽温泉 大人:500円 /小学生:300円 ※我が家は幸い割引券をいただいたので、200円×4=800円でした 廃校になった小学校の建物を利用した立ち寄り温泉。 洗い場も数があるし、シャンプーとリンスは別だし、シャワーの位置も湯量も問題なく 汗を流す意味では不満なし。 浴槽については…加温有り循環有りは仕様なので仕方がないが 投入口からは湯が出ておらず、下から湧いてる感じもない…もしや循環も止まってる? 貯め湯状態? ちなみにこの時、20時過ぎ。営業は21時まで。 まだ新しいお客さん入ってきてますよー。 (っ´ Ι `;)ノ 脱衣所は無料ロッカー有り、ドライヤー3台有り。