活動データ
タイム
65:06
距離
156.0km
のぼり
6763m
くだり
6765m
チェックポイント
活動詳細
すべて見る大型連休を利用して、カミさんと二人で阿蘇外輪山を一周してきました。 今回は外輪山を回るとともに「七鼻」に立ち寄ることを目的としました。 昔から阿蘇では「阿蘇谷に七鼻八石あり」と言われていて、「鼻」とは外輪山の内側に突出したところが 7か所あるという意味です。 因みにその7鼻とは…東から北に向かって… *「獅子ヶ鼻」、または「左右が鼻」(さいしがはな) *「尾ヶ鼻」(おがはな)、または「卯ヶ鼻」(うがはな) *「古城ヶ鼻」 *「蹴落ヶ鼻」(けおとしがはな)、または「象ヶ鼻」、「木落ヶ鼻」(きおとしがはな) *「遠見ヶ鼻」、または「大観峰」 *「松ヶ鼻」 *「妻子ヶ鼻」または「制子ヶ鼻」(せいしがはな) 6か所はすぐに分かったのですが、松ヶ鼻だけは何処をさしているのか分かりません。 大観峰の鼻の先に「松ヶ鼻」のバス停があることから、そこが松ヶ鼻という方もおられますが、 地元のおばあちゃんにお聞きすると、象ケ鼻→遠見ヶ鼻(大観峰)→松ヶ鼻の順にあるそうなのです。 でも、立体地図で見ても分からない。結局現地で聞き込みしながら歩いても分かりませんでした。 現在、地図では「獅子ヶ鼻」の場所が「妻子ヶ鼻」と表記されていますが、昔の文献を調べた方によりますと 本当の妻子ヶ鼻は兜岩のあたりが正しいようです。 いつの日か左右が鼻(さいしがはな)が妻子ヶ鼻に置き換わったのかもしれません。 4月27日 移動距離 16.9㎞ 西鉄天神高速バス(ひのくに号) 06:10 → 07:46 武蔵ヶ丘下車 JR武蔵塚(豊肥本線) 08:10 → 08:24 JR肥後大津駅 09:00 南阿蘇ゆるっとバス → 09:18 立野駅 立野駅 → 岩戸神社 → 北向山 → 俵山峠 → 俵山 → 護王峠と冠ヶ岳の中間地点にテント泊 -------------------------------------------------------------------------------------------------------- 岩戸渓谷からの登山道は地震で崩落しているので、開拓ルートで北向山まで到着。 当初の計画では「地蔵峠」まで行く予定にしていましたが、思った以上に体力を消耗したのか、 カミさんのペースが明らかに遅くなったので、護王峠を過ぎたところで幕営することにしました。 この日の夜はやたらと冷え込み、恐らく氷点下になっていたと思います。 4月28日 移動距離 26.3㎞ 冠ヶ岳 → 地蔵峠 → 復興の水場(峠から3㎞先)→ 駒返峠 → 高千穂野 → 清水峠 →中坂峠 → 中坂峠より少し歩いたところにテント泊 --------------------------------------------------------------------------------------------------------- 二日目は距離を取り戻すべく早朝に出発。 復興の水場での給水を当てにしていましたが、パイプからの水汲みは点滴状態の濁った水で 給水不能でした。 水場にはペットボトルしか持っていかなかったので、横のわずかに流れる溜水をすくいましたが 水深が浅く1リットル汲むのが精一杯でした。 それでも何とかなるだろうと再出発しましたが、この日は昼間に気温が上がり、予想以上に行動の水を 消費してしまい、清水峠で残りの水が1リットルに… 一旦下山するかどうか迷っていたところに、その時たまたま清水峠に車を止めて登山されていた方が下山して 来られたので、余った水をお持ちだったら、譲っていただけませんかとダメ元でお聞きしたところ、 「1リットルだけですが、水道水で良ければどうぞ」との事。 助かった~。 これで二人で2リットルになるので、取りあえずはテント泊できる! お水を譲っていただいた方に何度もお辞儀して、再出発。 計画当初は高森峠まで行く予定でしたが、高森は牧草地でほとんど平らなところがないので、 中坂峠を過ぎたところで、二日目を終えることにしました。 4月29日 移動距離 13.4㎞ 高森峠 → 清栄山 → 休暇村南阿蘇(昼食)→ 温泉 → キャンプ場にテント泊 ------------------------------------------------------------------------------------------------------- 昨夜の夕食と朝食で1リットル消費したので、残りの1リットルを500㎖ずつ分け合って再出発。 今日と明日は前線通過で大雨になる予報。持っている水も恐らく昼には底をついてしまうので、給水のために 一旦下山を決断。休暇村南阿蘇のキャンプ場に予約の電話を入れてみると空きがあるとのこと。 大雨の予報でキャンセルが出た様子。 私たちにとっても嫌な雨ですが、ある意味ラッキーだったと思います。 清栄山を通過して、休暇村に向けて下山開始。 予定通りにお昼前に休暇村に到着。 残りの水は、二人合わせてコップ1杯分。 ギリギリ足りました。 すぐにホテルの食堂へ直行して喉を潤します。 昼食はもちろん赤牛。 久しぶりのたんぱく質を摂取して、温泉へ。 雨が降っているので、ホテルの談話室でギリギリまでマッタリと過ごして、キャンプ場に移動。 好きなだけ水を自由に使えることに感謝。 外は大雨でしたが、テント内でグッスリ眠ることができました。 4月30日 大雨のため、休養かねてこの日も休暇村南阿蘇に連泊。 午前中はホテルの談話室でマッタリと過ごし、お昼は赤牛。 午後からは溜まった洗濯物を洗って、乾燥機で乾かします。 全てがリセットできたところで、今度は高森田楽村まで合羽を着て歩いて行ってきました。 ここのご主人はとても面白い方で、いろんなお話をお聞きすることができました。 私の当初の計画では、一旦下りてきた道を戻って、高森ゴルフ場の中を突っ切って、高尾牧場まで 歩く予定にしていましたが、ご主人から話を伺うと根子岳は阿蘇五岳といわれているが、実は 外輪山に属するそうなんです。 根子岳と隣の高岳・中岳とは地質が全く違っていて、根子岳と外輪山の地質が同じことから、 遠い昔に噴火で外輪山が形成されたときには根子岳は存在していて、そのあとの阿蘇の噴火で 今の形が出来上がったそうなんです。 そういうお話をお聞きすると、外輪山一周を目指している私にとって根子岳を外すことができなくなったので、 急遽予定を変更して明朝は根子岳から箱石峠を目指すことにしました。 5月01日 移動距離 29.4㎞ 休暇村南阿蘇キャンプ場 → (大戸尾根)根子岳 ( 釣井尾根) → 箱石峠 → 妻子ヶ鼻 → 卯の鼻 → 某牧場施設内に許可を得てテント泊 ------------------------------------------------------------------------------------------------------- 前線は通過しましたが、朝、目を覚ますとこの日もず~っと雨。 雨の中を歩きたくはないのですが、もうこれ以上日程を延ばすことができないので、渋々出発。 雨とガスで景色なんてありません。 ご存知の方も多いと思いますが、根子岳は黒土の急登のため、足元はツルッツルで全然登れません。 なんとか苦労しながら登っても天狗のコルがどっちにあるのかさえ分かりません。 登ったというYAMAPの軌跡だけを残して下山します。 根子岳を下山したあと、ようやく雨が上がりました。 箱石峠から見えるガスった草原の風景に感動しながら、今回の目的のひとつでもある「七鼻」を目指します。 まずは最初に獅子が鼻。 車でも行けますが、あまり眺望はありませんでした。 次に卯ヶ鼻。 ここはゲートに鍵が掛かっているので、車では入れません。 その為かあまり人が来ていないようでしたが、それはそれは素晴らしい眺望でした。 帰り道にここの管理者の方とお会いしました。勝手に入ったので怒られるかな?と思ったら、「卯の鼻良かったでしょう。ゲートのカギは閉めて帰るのでゲートの間をくぐって出てね」と言っていただきました。 5月02日 移動距離 35.5㎞ 城山展望所 → 古城ヶ鼻 →象ケ鼻 → 大観峰(遠見ヶ鼻) → オートキャンプ場遊牧民 にテント泊 ------------------------------------------------------------------------------------------------------- テントを張った農場から城山展望所までは最短ルートで行けるのですが、朝からボーっとしていたのか かなり遠回りをしてしまいました。 城山展望所で朝食をとっていると、作業をする方が建物の中に入っていきます。 お聞きすると地震でお休みしていたお店を近々再開させるそうなんです。 ここのオーナーにも話をお伺いできました。 古城ヶ鼻は、オーナーの90歳のおばあちゃんの話では、昔は運動場として使っていたそうなんです。 でも、木を切ったことにより麓の村に災いが起きて多くの人が亡くなったので、今では手を加えないように しているらしいのです。 登山口もお聞きできましたので、早速行ってきました。 あまり人が通っていない登山道でしたが、古城ヶ鼻に着くと、そこは確かに広く平らになっていた形跡はありました。 今では松が生い茂り、全く景色を望むことができません。 次は象ヶ鼻。ミルクロード(県道)からは一番距離がありますが、ここからの眺望は絶景です。車でも行けます。 歩いてきた山や、これから行く先がず~っと見渡せます。 そして、大観峰。鼻で言うと遠見ヶ鼻。 観光地で、しかも連休中日とあって、渋滞と人が半端なかったです。 パラグライダーがいっぱい飛んでいて、とても賑わっていました。 この日は「鼻」巡りに結構時間を要してしまったので、大観峰の先にあるオートキャンプ場遊牧民 に予約を入れてテント泊することにしました。 少し早い時間に到着したことと晴れて気温も高かったこともあり、今回の縦走で初めてゆっくりと キャンプを楽しめました。 5月03日 移動距離 28.3㎞ オートキャンプ場遊牧民 → 兜岩展望所 → 妻子ヶ鼻 → 二重ノ峠 → 瀬田裏原野 → 立野駅 立野駅 14:43南阿蘇ゆるっとバス → 15:01 JR肥後大津駅 15:14 → 15:47 JR熊本駅 → 16:46JR大牟田駅 → 西鉄「大牟田駅」 16:53 → 福岡 -------------------------------------------------------------------------------------------------------- いよいよ最終日です。 この日は夜半から天気も良く、清々しい朝を迎えました。 早々にキャンプ場を発ち、兜岩展望所で朝食をとります。 兜岩展望所は、日の出を待ちわびる方でいっぱいでした。 残念ながら綺麗な朝日は拝めませんでしたが、眼下の雲海がとても神秘的で、いつまでも見ていたい とても美しい光景でした。 雲海が消えないうちに妻子ヶ鼻へ向かいます。 妻子ヶ鼻もすばらしい眺望です。 ここにテントを張って一日中過ごしていたいと思うほど、気持ちが良いところでした。車も入れます。 この場から離れたくなかったのですが、この日は14時目途に立野駅へ着かないといけないので、 あまりゆっくりもできません。 後ろ髪をひかれながら的野源野へ向かいます。 天気が良い日の草原は、どこを見ても美しく、とても気持ちよく歩けました。 二重の峠からは風力発電の真下を通過して立野へ。 立野は今でも地震の被害が甚大です。 立野へ下りる農道は完全に崩落していて車は通れません。 歩く道を開拓しながら進みました。 あの危険な個所をよく私の後ろをついてこられたものだと、カミさんにはつくづく感心しました。 そしてようやく一週間ぶりに立野駅に戻ってきました。 一周するのに7日間もかかってしまいましたが、一週間が1日のように感じられるほど素晴らしい旅でした。 今回の縦走を終えて・・・ とても素晴らしいロング・ルートでした。 またいつか歩いてみたいと思っています。 ただ、立野周辺はまだ地震の影響が色濃く残っており、登山道や農道が寸断されたままです。 今回のルートでもかなり危険な個所がありました。 いつの日か、誰もが普通に歩けるルートになることを願ってやみません。
もしも不適切なコンテンツをお見かけした場合はお知らせください。