活動データ
タイム
03:34
距離
6.2km
のぼり
142m
くだり
139m
チェックポイント
活動詳細
すべて見る奈良、聖武帝時代に左大臣まで出世した橘諸兄(たちばなのもろえ)、その本拠地が平城京を少し離れた地、ここ井手の里であった。 彼のように、生前に正一位に叙された人物は日本史上6人しかいないそうだから凄い。 加茂町の恭仁京へ遷都をしたのも諸兄であった。 更に、大伴の家持を従えて、万葉集の編纂責任者にあたるなど風流人でもあったと言うのだ。 諸兄は、井手の玉川堤に山吹を植えるなどもしたそうで、これが後世まで、詩歌文学に登場する名所となった。「井出の玉川」は六玉川の一つ。 例えば次のような歌。 古今和歌集 かはづ鳴く井出の山吹散りにけり 花のさかりにあわましものを 今日、私は此の地に来たのである。 昔は無かった花の染井吉野が、今は町の花だ。 現在の花の盛りに、ちょうど会えて良かった。 早々と蛙も田んぼで鳴いていた。 昔も今も自然を愛でる心情は同じことであろうか。 橘諸兄の遺跡など、此の地に影響をいまでも残していた。 桜の名所となった今でも、水の色もよくて、美しい桜に負けじと、山吹も咲いていた。 桜は盛りとはいえ、強い風にあおられてはとき折り 吹雪く雪のように落ちる。 ハート形の花びらが、宙で舞っては川面に落ちて渦となっては淀み、また場所によって勢いよく瀬を速め流れに乗る花筏となる。 そんな水と桜の織りなす姿に見とれては、川辺を下る。 川の片側を下り尽くして、もう片方を元へ遡上して戻る形で川辺を廻るように散策した。 時々出てくる対岸を結ぶ橋の中央に立っては、借景のような、三上山を遠眺してみる。 凛とした、いい風が吹く。 まちづくりセンター椿坂で買った筍御飯が美味かった、草餅も。 充分に、この時期の春の気を堪能し尽くした。 清々しい。 私の中では、 思い出と香りは結びついている。しかし昨今の洗濯剤の臭さは閉口する、正に公害だ。 趣も無い。程々がいい。 さつきまつ花橘の香をかげば 昔の人の袖の香ぞする(万葉集) 5月の橘の花のかおりに、昔の恋人の衣に焚き込まれていた香を思い出す。
動画
もしも不適切なコンテンツをお見かけした場合はお知らせください。