活動データ
タイム
05:40
距離
8.5km
のぼり
917m
くだり
888m
活動詳細
すべて見る参加者 中山(単独) 参考文献 YAMAP大菩薩嶺・鶏冠山・大マテイ山 奥多摩渓谷調査団「奥多摩大菩薩高尾の谷123ルート」山と渓谷社,1996 守屋二郎作成、守屋益男監修「奥多摩登山詳細図(西編)」吉備人出版,2014 2020年秋 - 奥多摩・鹿倉山 http://nakayamayu.web.fc2.com/record/2020/201121shishikura/ はじめに ここのところ毎日のように午後雨が降り、大雨注意報もよく発表されている。先週土曜日も仕事になったりしておちおち山に出かけられない。 とはいえこの暑い中はじめから山を諦めるのも嫌なので今週は出かけようと考えた。比較的職場に出やすいよう多摩川沿いの沢を探し、丹波川オオヤマト沢を選んだ。初級でありひとりでも登れそうだ。 下りは隣のサス谷を下ることにした。こちらの初級の沢だ。サス谷を下っても丹波川に出るだけで北岸の青梅街道まで登り返さなければならない。「123ルート」サス谷では保之瀬バス停から丹波川右岸の踏み跡をたどるか丹波川本流を下るか2つの選択肢を紹介している。地図を見ると最寄りのバス停は親川だし、暑いから泳いでもかまわないので親川バス停を目指すことにした。 オオヤマト沢は「123ルート」で「堰堤とボサの多い沢」と紹介される初級、人気度1の沢。PROFILEで「遡行の楽しさは少ない」と書かれ、あまり面白くなさそうだ。 サス谷は「123ルート」で「上流部で小滝の連続する美渓」と紹介される初級、人気度1の沢。 諸畑橋バス停まで 奥多摩駅7:00発鴨沢西行きバスに乗る。バスは1便だけでいくらか立っている人がいた。 ほとんどが鴨沢バス停で下車。私は次の諸畑橋で下車した。降りると目の前に茶色いアーチの諸畑橋がかかっていて間違えることはない。YAMAPの記録を開始して7:38出発。 諸畑橋バス停から標高710m二俣まで 諸畑橋を渡ってすぐ右の坂本橋を渡りオオヤマト沢の左岸に移る。プールのようなものを横目にオオヤマト沢伝いに踏み跡を少し登り、沢に降りる。河原でサンダルから沢たびに履き替える。河原の水量は少なく、上流には倒木が3本も見えて面白くなさそうだ。 1mほどの滝と呼んでいいのか分からない落差を越えていくと第一の堰堤。左岸の道から越える。越えた先で沢を通せんぼする倒木に阻まれる。左岸の道にも倒木が横たわっており河床に下りて藪漕ぎみたいにして越える。 第二、第三、第四の堰堤も左岸から越える。第四の堰堤の先に大岩があり、水の流れが見えないところがある。大岩の上流側は空洞になっていて中を滝が流れていた。滝には木が詰まったりしているが登れる。 第五の堰堤を越えるとトタン板が立てかけられたり散らばっている。また、水溜めらしき石棺のようなコンクリート構造物もあった。「123ルート」で「山仕事用の小屋を通り過ぎ」と書いてあるところだろうか。 第六、第七、第八の堰堤を越えるとようやく堰堤はおしまいになる。標高630m付近の堰堤記号のあるところだ。同じ丹波川のマリコ川も堰堤が多くて辟易したが、オオヤマト沢は比較的堰堤が低いので巻くのが容易だ。 ワサビ田跡を過ぎると滑床が現れる。小さな滝もあって気持ちがいい。このあたりがオオヤマト沢で唯一よかったと思えるところだ。「123ルート」では「送水管が左岸にあり」とあるが、特に見当たらなかった。 正面にとりわけ明るいところが見えてくると日の差す河原で標高710m二俣だった。 標高710m二俣から標高850mワサビ田跡まで 二俣はオオヤマト山に近い右俣を行く。水辺に何本もの木が束ねられたような大木があり、水に洗われていた。 右俣に入るとすぐ堰堤がある。黄色い銘板が特徴的な低い堰堤だ。左から越える。 堰堤の上はこわれたワサビ田と河原が続く。標高820m付近に両岸迫ってゴルジュみたいになったところがあるが、水量は少なく倒木が挟まっていて気持ちよくない。 9:05、標高850mの沢が左に曲がるワサビ田跡でいったん水が涸れるので水汲み休憩とする。 標高850mワサビ田跡からオオヤマト山まで 水を汲んでしばらく歩くと倒木地帯になる。左岸が崩れていて沢を埋めてしまったようだ。 倒木地帯を過ぎるとまたこわれたワサビ田跡があって水流が復活した。それもやがて水が涸れてしまう。 沢は石と土砂の積もったガリーとなり、特に滝はない。見た目より勾配が急で登るのがつらい。意識的にゆっくり歩く。 左手が明るいのでそちらへ向かっていくと9:59伐採帯に出た。黒い網柵で囲われていたため低いところを探してまたいだ。 伐採帯の中を歩き、上部の網柵にぶつかったら右へ曲がり林道に出る。林道はピークを巻いてゲートに出た。YAMAPで地形図を確認すると巻いたピークがオオヤマト山だった。網柵を越えるのが面倒なのでオオヤマト山には登らなかった。しかし、林道はゲートにぶつかり紐でしばったポールを開閉しなければならなかった。ゲートを出て林道を歩く。 オオヤマト山からサス谷源頭まで 林道をしばらく歩くと尾根の南側に明るいところが見える。広くなっていて材木が積み重ねられているところを見ると伐採した木の集積場なのだろうか。 林道が登りになるところで尾根から離れてサス谷へ向かう。10:18広い尾根の端っこで腰を下ろして休む。サス谷は地形図でもわかる通りけっこう急だ。うまく下れるか不安になりながら水を飲む。休んでいるとチリンチリンと熊よけ鈴を鳴る音が聞こえた。鹿倉山へ縦走する人らしい。虫が多くて不快だ。 サス谷源頭から標高740m二俣まで 10:28、サス谷源頭から緩い谷地形を下る。ただの急な斜面で石や倒木が散らばっている。「123ルート」では「膝下くらいのササ」となっているが、下降地点が違うようで笹や草は生えていなかった。 谷筋が近づいてくるとさらに勾配が急になり、ストンと落ちているように見える。足元は土のズルズルの斜面でよくない。ロープを出そうか迷ったが、立っている木に手をかけ、倒木を掴みながら谷底に下りた。結局ロープは出さずになんとか下れた。沢は鹿倉山から水が流れており、私が下ったのは本谷でも枝沢でもなくただの谷地形だ。 サス谷は岩の上に枯れ葉が積もっていて枯れ葉の層がある程度ブレーキになるが、急で小滝が多い。登りだったら快適に登れるだろうと思う滝でも下りだと足場がよく見えず難しい。ちょっと下っては右左と変えたりしながらなんとかクライムダウンで下る。 先の見えない滝に出くわすたびに不安になりながら、この沢は下るより登る方が面白いし安全だなと思う。ときおりYAMAPで現在地確認しても全然進んでいない。 オオヤマト沢よりは水量があって私が踏んだ後は茶色の濁水になって流れ落ちる。喉が渇いても水が飲めないという冥界のタンタロスのような悩みを持ちながら歩いていると標高880m付近で右岸から沢地形のはっきりしない湧水があり喉の渇きを癒す。 壊れたワサビ田を通過すると11:30、標高740m二俣に出た。 標高740m二俣からサス谷丹波川出合まで 標高740m二俣からナメ滝があって気持ちがいい。ただ下りなので足を滑らせないように慎重に下る。 「123ルート」によるとサス谷には保之瀬から山道が通じているようで、小滝下りに疲れた私は山道から帰ろうと左岸に目をこらしながら下ったがずっと急な斜面が続いていて道は見当たらなかった。途中で諦めて丹波川まで出ることにする。 ナメ滝の下は河原で特に面白くない。対岸の青梅街道のバイクや車の音が聞こえてくるようになると出合の滝に出る。まずはF2-6m。左岸から巻いて下る。続いてF1-8m。これは高度感がありしかもヌメっている気がして怖い。同じく左岸から慎重にホールドスタンスを探しながら下る。登りなら難しくないだろうが下りは緊張する。 F1を下ればあとは小滝を下って12:05丹波川に出る。振り返ると暗くて悪そうな谷に見える。 サス谷丹波川出合から鴨沢西バス停まで 丹波川の北岸を青梅街道が走っているが、このあたりは青梅街道がだいぶ上なので上流の保之瀬か下流の親川まで行かないと青梅街道に出られない。 今回は下流の親川に向かう。親川の方が近いし、下りだから水流に逆らう必要がないためだ。 水量の多い河原を股下まで浸かりながら歩く。深いところや白い泡が立っているところは右岸、左岸の岩場を巻いて下った。右岸の岩場を巻くことが多かったように思う。 丹波山村に釣り場があるから逃げてきた魚でもいるかと思ったが見かけなかった。上流に人が住んでいるからか川からなんとなく匂いがする。体は浸かってもいいが顔を洗う気にはならない。 やがて橋のようなものが見えてきて近づいてみると水位計であった。水位計まで下る道が見えここで沢から上がる。出てみると親川バス停であった。12:55着。 12時台の丹波山村役場発のバスには間に合わなかったので鴨沢西バス停まで歩く。約25分歩き、13:20鴨沢西バス停着。14:23発奥多摩駅行きのバスを待ちながらズボンやザックを乾かした。 鴨沢西バス停始発のバスに乗り、奥多摩駅15:14発のホリデー快速に乗って帰った。 おわりに オオヤマト沢は「123ルート」で紹介される通り「堰堤とボサの多い沢」であった。しかも倒木もあるし、詰めは急だし、鹿倉山北岸で最も流程の長い沢としては残念である。顕著な滝がないことを考えると下りにとってもいいと思う。 サス谷も「123ルート」で紹介される通り「上流部で小滝の連続する美渓」であった。ただ下りに取ると小滝1つ1つをクライムダウンするのに手間取るし、水線沿いを攻められないので面白くない。当たり前だが登りに取ったほうが面白い沢だと思う。ただ本谷に行ってないが詰めはかなり急だと思う。 結果的にサス谷を登ってオオヤマト沢を下るのがよかったと思う。オオヤマト沢、サス谷いずれもロープやシュリンゲは使わなかった。 丹波川はおそらく平水で深いところや白い泡の立つところは主に右岸の岩場から巻くことができた。深いところで股下くらいまで濡れながら下った。流れは強いので複数人いたらスクラム渡渉してもいいと思う。釣り人でもいるかと思ったが見かけなかった。
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