活動データ
タイム
06:36
距離
16.0km
のぼり
2073m
くだり
1965m
活動詳細
すべて見る自分が山登りとするようになった、きっかけになった話です。 6〜7年前の5月、学生時代からの友達でもあり同僚でもある奴にいつも通りに電話して仕事の話をしようとしました。 すると微妙に様子がおかしく、 お前には伝えておくと言われました。 内心ではまた失恋したのか?としか 思いませんでした。 奴は失恋すると職場の隅の柱の陰に潜む癖があったのです。 次の瞬間衝撃を受けました。 親父が北アルプスで遭難したみたいだ はじめは冗談としか思いませんでした。 そもそも北アルプスってどこだ? 当時の僕は山登りにまったく興味がなく 世界の海辺でビール飲んだり サーフィン、SUP、スノボ、スケボーしかやってなかったのです。 でも話を聞くうちにそうじゃなさそうと感じました。 4〜5日前に家に帰る予定だったけど、帰ってこなくて連絡もない。 警察に連絡して捜索してもらってるけど 北アルプスってところは5月の今でも雪がたくさんあって、これだけ日数が経つと非常に厳しいかもしれない。と 僕は山形の豪雪地帯生まれで5歳からラッセルしてるような子供でしたが、東北以南で5月になっても雪がある山が日本にあるんだと知りませんでした。 親父さんは亡くなって発見されました。 場所は槍ヶ岳(正確には南岳、当時は友達も僕も区別がつきませんでした) 朝、山荘を出発して南岳付近で滑落し 凍死されたようです。 穂高に遺体を迎えにいって 親父を見たとき誰だか分からなかった。 干からびて、ししゃもかと思った。と… 頼むからその表現はやめてくれ 不謹慎ながら笑いを堪えるのに苦労しました… 今になれば分かりますが5月の北アルプスは夜マイナス5度以上の日もあり、そこに風が吹けば怪我した状態で一晩でさえ持ち堪えることは厳しいでしょう。 数日後、告別式のあと2人で飲みにいった時に こんな話を友達から聞きました。 告別式のときに親父の会社の部下から初対面でこんな事を言われたと。 「お前○○さんの事何も知らないだろ!?」 「全然喋ってなかっただろ!?」 初対面で、しかも告別式のときに言われたから そーとーむかっ腹が立ったそうです。 でも言い返せなかった 図星だったのです。 親父さんの仕事は、とある大企業の宇宙開発部門で 国の機密にも深く関わっているので家族にも多くを話せなかったそうです。 そんなこともあって仕事の話をしないし 毎週末八ヶ岳や北アルプスに行き、会う時間もなく 必然的に会話がなくなったのかもしれない。 でも、それでも話しておけばよかったと 友達は泣いてました。 僕はそれを聞いて、数年後北アルプスに行きました。 どんなところか見てやろうと思ったのです。 そして手を合わせようと。 それから何度か北アルプスに行きましたが まだ槍ヶ岳には登ってません。 いつしか手を合わせる対象になったようです。 いつか僕は槍ヶ岳に登ることができるのだろうか⁇ どこから安全で、どこから危険なのか? どこから挑戦で、どこから無謀なのか?
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