笑っちゃうほどの崩落っぷり。 戻る 次へ

大山バリエーション(大月尾根・北尾根・屏風尾根)の写真

2024.04.20(土) 09:31

笑っちゃうほどの崩落っぷり。

この写真を含む活動日記

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08:15

18.9 km

1950 m

大山バリエーション(大月尾根・北尾根・屏風尾根)

大山 (神奈川)

2024.04.20(土) 日帰り

そろそろヒルが本格的に活動を始める時期だ。 大山は標高も比較的低いのでヒルの脅威に晒されやすいと思っているので、晴れが続いたタイミングで大山に行ってきた。今回ももちろんバリエーションだ。 今回の大月尾根のルートはsorakaraさんの日記を参考にさせていただいた。 https://yamap.com/activities/21066766 なにしろ守屋地図にも尾根の名称はあるもののルートが載っていないというマイナーっぷりだったので、山行記録を利用させてもらえたのは大変ありがたい。 だいぶ久々に今日は本厚木からスタート。煤ヶ谷までバスで移動し歩き始める。この間まで寒々しい枯れ枝ばかりだったのに、山が緑に染まっていて確実な季節の変化を感じた。少しだけヒルが心配だったが足早に進むことで取り付かせないようにする。 まず物見峠を目指す。以前と同様、崩落のひどいトラバースルートを選んだ。こちらの方が景色がよいのが理由だが、そろそろ崩落で完全に通行止めになる時期が近い気がする。前回歩いたときは初冬だったので山は灰色だった。今回は眩しいほどの緑色で、ところどころに山桜か豆桜か、白い広がりが見えた。 物見峠で一息ついて、唐沢林道に降りようとするも最初は道を間違え廃道に入り込んでしまった。あまりにも地面が斜めになっていて踏み跡が少なかったので、すぐに気づけたからよかったものの、そのまま行っていたらどうなっていたことか。 立入禁止の看板がある場所からほんの数メートル三峰側に移動したところに唐沢林道への降下点がある。整備されているとは言えないが、十分歩ける道になっている。朽ちかけた急な階段の下りには要注意だ。最後の最後、林道にかかる木橋もだいぶ朽ちているので、安全を確認してから踏み出した方がよい。 唐沢林道に降り立ったら、物見隧道を抜けて反対側に寄り道をしてみる。何か面白いルートがあるかもしれないからだ。 結果的には何も見つけられなかったが、林道始点のバリーションルートは作れてもよさそうだ。 ここから丸渕あたりまで未知の林道歩きになる。とっくにクマが冬眠から目覚めているはずなので熊鈴を鳴らしながらブラブラと歩く。何事もなく気楽なものだ。途中、自転車で走る親子連れに追い抜かされたのを除いて誰にも会わなかった。 この林道は比較的標高が高く、谷の上を横切るように走っているので実は展望がよい。塔ノ岳から丹沢山への稜線、日高東尾根、天王寺尾根、丹沢三峰を正面に見ながら歩けるのだ。実に気分がよい。三峰から北西に伸びる緩やかな尾根の取り付きもこの辺りにあるはずなので、いずれ歩いてみたい。 一昨年のクリスマスイブに鍋嵐から腹摺に向かい、そこから降り立ったあたりに丸渕があった。 今日はどんな様子かと林道から窺っていると、なにやら前回と雰囲気が違う。河原まで下りてみると、驚いたことに土砂でだいぶ埋もれていた丸渕が碧の深淵を取り戻しているではないか。 丸渕復活!!!!!!!! 誰かが砂をかき出したのか? 見事な深淵だった。 見た目でも、だいぶ深い。深さは1.5~2mほどだろうか? ちょっとした深いプールといった趣なので夏にここで遊んだら楽しそうだ。まあ、ヒルがすごくてそれどころじゃない山域だけど......。 興奮冷めやらぬも先に進まなければいけないので長居はできず林道に復帰し再びブラブラと歩き出す。大月尾根に取り受けそうな場所は何ヶ所か見つけたので、次回は別のルートで登ってみようと思い、写真を撮って記録した。 いよいよ大月尾根の取り付きに達する。保安林の看板を目印に、尾根に忠実にひたすら上がっていく。急登もあるが長くは続かない。そのうち平坦な歩きやすい尾根になった。踏み跡は薄い。 最初は植林帯で、そのあとはモミが多い自然林になった。ただ、しっかり手入れされているようで、自然林のところも伐採の跡があり、光が入って明るくしてあった。 途中、まだ4月だというのにギンリョウソウが咲いているのを見つけてしまった。なぜこんなに早いのだろう? かなりのレアな現象に出くわした気がする。 あっという間に18号鉄塔に出る。ここは開けていて、それでいて静かでいい場所だ。左手に三峰が迫るように聳え、正面に大山北尾根、右手に丹沢主脈が遠く見える。非常に気に入った。 正面に見える2本の鉄塔のうち、右側が今日目指す鉄塔(16号)だ。17号鉄塔も行ってみたいが道があるのか分からないので今回は準備不足。パスする。巡視路があるだろうから道がないわけないのだが、この山域は崩落して道がなくなることは日常茶飯事である。 巡視路用の黒いプラスチック階段を降りてから、この尾根は一気に厳しい尾根になる。 左右は切れているし、尾根が細いのに石を乗り越えていかないといけない箇所がいくつもあり神経がすり減る。木の根も心もとなく、体重を預ける先に悩むことしばしだ。 細尾根を突破すると、だんだん植林帯に移っていきあたりが暗くなる。同時に斜度が増していき、北尾根と合流する直前は手足を使って登るような有り様だ。これは尾根ではない。 北尾根に合流しても急登は続く。記憶にあるよりも細く、しかも急登で驚いてしまった。こんなに大変だったっけ? 境沢ノ頭を過ぎ、16号鉄塔に出たときは心底ホッとした。 このスポットも絶景である。誰かの忘れ物のテルモスが、いい味を出していた。 この日の昼飯はパンとおにぎり。鉄塔のコンクリートブロックの上で足をブラブラさせながら、表尾根方面を見て大休止をとる。カモシカあたりがひょっこり顔を出してくれると面白いのだが。 朝は暑かったのに、昼過ぎはそれほど暑くなく、風が強いので寒いくらいになった。曇り空が広がっていて雲行きが怪しいかもしれない。 16号鉄塔を辞去して、ミズヒノ頭まで我慢の急登だ。そこかしこで紫のツツジが咲いていて綺麗だった。標高を上げるにつれて、小さな桜も姿を見せるようになっていった。 ミズヒノ頭をいつの間にか通り過ぎ、いつも通り素敵な雰囲気の北尾根を歩く。西沢ノ頭まで平坦で、時々桜のアーチのある小道を歩く。何度来てもいい尾根だと思う。西沢ノ頭を過ぎると道は若干険しくなり、細い尾根もちらほら顔を出す。記憶だと北尾根はずっと平坦だった気がするのだが、前回は鍋嵐縦走の後で記憶が朦朧としていたのかもしれない。 モノレール分岐、つまりネクタイ尾根(石尊沢左岸尾根)に差し掛かる頃には幅広な尾根になり歩きやすくなる。 すると、ネクタイ尾根の入り口にネクタイが! 丸渕に続きネクタイ尾根のネクタイも復活したようだ。 この尾根ではネクタイをかける人と取り除く人の戦いが静かに行われていて、ネクタイはあったりなかったりするらしい。自身、ネクタイを見るのは初めてだ。丸渕に続き感動してしまった。 富士山が右手にうっすら見えていたことに驚きつつ、脚立を乗り越えれば大山の裏手に出る。 ここで初めて本日人に会う。 山頂標識まで登り、さてどう下山したものか考える。 ヤビツ峠に下るのは速いのだが、今日は大山の人出も少ないようだし、あまり急ぐのももったいない気がする。少し歩行距離を延長して、日向薬師の方に下りよう。里に近い方が春らしさを感じられる風景に出会えるだろう。 大山の東側に向かって下降開始。 だが途中で、何度も歩いている雷ノ峰尾根にいくのではなく、屏風尾根から下ってみようと思い直し、唐沢峠へ向かう尾根に進路を変えた。この方面はさらに人が少ない。 崩落して完全に浮いてしまった木の階段を補修してくださる方たちがいた。 屏風尾根の下降点で、以前、ウクレレの弾き語りをするおじさんを見たことがある。 今日は残念ながらいないようだった。屏風尾根にはモノレールが走っており、今日はモノレールのトロッコがあった。おそらく補修のための道具や資材運搬に使われたのだろう。ありがたいことである。 大山のバリエーション有数の激下りを開始。淡々と下っていく。急なだけあって下りるのは非常に速い。寿岳からキュウハ沢出合まで下ったときよりも急な気がする。 驚くべきことに、途中でこの尾根を登る人に出会った。この尾根をどこまで歩けるか(ヤブや崖に遮られないか)試していた最中だったそうだ。天晴れな冒険心である。 急登尾根に共通する、取り付き部の難しさをなんとかして日向キャンプ場に降り立つ。あとは日向薬師バス停まで舗装路を歩くだけだ。 キャンプ場には人がいなかったものの、その下のマス釣り場やクアハウスは繁盛しているようだった。川遊びができる時期になったのだ。 暑くもなく寒くもない、快適な散歩をしているうちにバス停に着く。バスまで時間があったので辺りを彷徨いたらバスがやってきた。そのまま乗り込んで伊勢原駅へ向かい、本日の山行終了。 やはり大山のバリエーションは程よい冒険っぽさと、新しい発見があって面白い。 丸渕の復活、早すぎるギンリョウソウ、ネクタイ尾根のネクタイという発見に加え、未知ながらギリギリ歩ける尾根(大月尾根)、気分によって変えられる登山道(屏風尾根にするかイタツミ尾根にするか、など)など勝手に気ままに歩けるのが魅力的である。 大月尾根は上部がなかなか渋いが、下部の18号鉄塔までを見れば登りやすく、自然林の気持ち良い尾根で楽しめた。 これでまた一つ大山に足跡を残せた。次は17号鉄塔の辺りを歩いてみたい。