活動データ
タイム
07:37
距離
21.9km
のぼり
1837m
くだり
1697m
活動詳細
すべて見る飯能アルプスに挑むにあたり、やはり始発電車で行動を開始しなければ伊豆ヶ岳まで歩くことは難しいことが分かった。子の権現で偵察山行を打ち切った(実際はタイムアップリタイヤ)。 多峯主山の山頂で出会った白髪白髭の爺さんがそこから見渡せる山の名を懇切丁寧に解説してくれた。百名山五座、男体山、筑波山、丹沢山、富士山、大菩薩嶺。これらすべて見えるのはとても運が良い。遠くは房総の鋸山まで見通すことが出来た。なかなか話し好きと見え、先を急ぐので。と先手を打つように礼を言うと、また次の話し相手を捕まえていた。空にはただひと掴みの雲もない青一色であった。 天覚山は静かな陽だまりの中にあった。風は凪ぎだった。賑わっていたら大岩で、と思っていたお昼休憩をそこでとることにした。眠くなるような閑な暖かさだった。団体客が到着したのでいそいそと席を譲り再び歩き出したが、もし誰も来なかったら縦走はまたの機会にしてしばらく昼寝をぶっていたかも知れない。けちな低山縦走など早く卒業してそんな贅沢な山行がしてみたい。 大岩に到着し靴紐を結び直した。電車に合わせて家を飛び出たときから簡易的に結んだままの状態で足首には多分なゆとりがあった。なんとなく右足首に嫌な違和感が持ち上がっていた。これが後に痛みに変わることとなり、終盤は苦々しい足取りとなった。お昼時分の大高山山頂を団体客のおしゃべりが埋めていた。素通りして急斜面を下り、なおもアップダウンを繰り返しながらなんとか吾野駅と子の権現の分岐である前坂に達した。ここから先は初めてのルートであった。ようやくここまで来たか、そしてここからだという期待感とここからまだ行くのかという精神的疲労、身体的不安があった。時計を確認するとまだ吾野駅に下る時間としては早すぎた。 地図では破線となっていたが実際はハイキングコースの看板がいくつか立っていた。吾野鉱業の石灰石、砂岩採掘は環境破壊には違いないが、目を見張る大パノラマの恩恵が与えられた。ここを吾野キャニオンと名付けた。息子の好きな働く黄色い車達を遠くからしばらく眺めていた。 栃屋ノ頭は岩の瘦せ尾根上あり、両側には真新しいロープが何本も張られていた。コース上における悪場と言えばこの場所だけであったように思う。偵察がてら大反山や堂平山、久久戸山などのマイナーピークにも分け入った。久久戸山からの下りではルートを誤り登り返す羽目になった。この時点で大分消耗し、右足首痛だけでなく右膝にも違和感が忍び寄ってきていた。下山の潮時だった。 子の権現の茶屋でいつものしゃくし菜漬けを土産にすると例の爺が話しかけてくる。甘酒と焼き芋をよばれて、ありがたく平らげるまで爺の話に付き合った。話す内容は毎回同じである。
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