厳冬期立山2023

2023.12.27(水) 2 DAYS

活動データ

タイム

24:48

距離

36.7km

のぼり

1865m

くだり

2119m

チェックポイント

DAY 1
合計時間
8 時間 42
休憩時間
43
距離
10.7 km
のぼり / くだり
861 / 19 m
16
1 39
5 7
1 22
DAY 2
合計時間
16 時間 5
休憩時間
4 時間 54
距離
26.0 km
のぼり / くだり
1004 / 2098 m

活動詳細

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【長いのでお暇な時にどうぞ】 . . . 厳冬期の立山がどういうところか。 それはまさに「忍耐と衝動」です。 丸々二日間、スキーを履いてラッセルし、とても重たく脚にまとわりつく湿雪との激闘の末、衝動をビシビシと掻き立てたあの頂に立ちました。 今回のパートナーは、僕と志を同じにする山を愛する旅ランナー「いっちー」。 これはいっちーと僕の、果てしなき頂を目指す「忍耐と衝動」の物語なのです。 . . . ▶︎出発2週間前 どこから聞きつけたのか、いっちーから 「やまちゃん、僕を冬の立山に連れてってください」 とオファーを受けた。 1人で行く予定だったので正直悩んだ。 でも昨年同時期、ラッセルに屈して敗退した記憶から、交代要員が居た方が良いことは火を見るより明らかなので、承諾した。 いっちーはスキー初心者。山スキーも始めたばかり。 しかし体力がある。フィジカルも強い。 いざとなれば、スキーを捨てでも帰って来られるよう、ワカンを持ってくるように伝えた。 滑ることが目的ではなく、あくまでも立山登拝が目的なので。 . . 行程は一泊二日。 一日目は行けるところまで、あわよくば立山室堂ぐらいまで行ければ御の字かな。 . . ▶︎DAY1 いっちーがレインウェアを忘れて少しスタートが遅れたが、ノープロブレム。今日はゆるハイクなのだ。 美女平までは雪が少なく、さくさくハイクアップ。 ちなみにYAMAPの起動を忘れて中途半端なところからスタート。 美女平から先には、風の噂で聞いていた某活動中の某氏のトレース(本人希望により伏せる)があり、 「しばらく楽できるなーこれはワンチャン日帰り行けるかもなー」 なんて淡い期待を抱かされたが、すぐに追いつきラッセルを交代することに。 . . ここから僕たちは、暖冬少雪と言われながらも、来るものを全力で拒んでくる「立山のホンキ」を見ることになる。 . . どういうわけか、昨年より積雪量は明らかに少ないけど、ラッセルがキツイ。死ぬほどキツイ。 スキーでも30センチぐらいは埋まっている。 僕たちが歩いた後にはボブスレーコースのような深い溝が刻まれる。ボブスレーといえば、クールランニングを思い出す(古い) それでも淡々と、ときに他愛のない話をしながら、ゆっくり一歩ずつ前へと歩みを進める。 弘法までは基本的にアルペンルート上をトレース。 下山時は雪が深い上に斜度が無さすぎて、トレース上以外はスキー板が滑れないので、滑走ルートを考慮しながらトレースを刻む。 弘法から先は七曲りなどのカーブが多いので、追分までズドーンと直進ルートを取る。 積もりが浅くて少し藪っぽいが、何とか直進ルートを取れた。 弥陀ヶ原では見事なホワイトアウト。 冬の立山の恐ろしさは、このホワイトアウトにある。天も地も見分けがつかなくなり、登ってるのか降ってるのかさえ分からなくなる。ただ歩いてるだけなのに、三半規管がバグって酔いそうになる。 この時点で予定時間を大幅に過ぎていたので、目的地を下方修正し関西学院大ヒュッテまでとした。 出発から約12時間半、幕営地にてビバーク。 今日は朝も早かったので、ご飯を食べて一瞬で寝落ちた。 . . . ▶︎DAY2 朝というか夜中、1時半に起床して朝ごはんにどん兵衛を食べる。 月明かりが眩しいほどで、肉眼でもテントの外に広がる宇宙のような世界に、期待が膨らむ。 外気温はマイナス10℃。 風が穏やかでそれほど寒くない。 テントをデポして、少し身軽にして2時50分出発。 天狗平まではくねくねのアルペンルートを避け、直進ルートの尾根をトラバース。 まだラッセルは深いけど、尾根をやっつけて天狗平山荘を越えたら、雪質が締まり多少歩きやすくなった。 そして、立山室堂と雄山山頂を眼前にロックオン。 ラッセルが楽になったのでペースを上げようと思ったが、なんだか脚がめっちゃ疲れてるので淡々とペースを刻み室堂へ。 ここで、厳冬期立山を目指す者の至上命題 「立山室堂ライブカメラに映り込む」 というミッションを実行へ移す。 無事にインフレーム。 ミッション終了し、いさ山頂へ。 一ノ越の手前までは深いラッセルをこなす。 振り返れば室堂平、地獄谷、雷鳥沢、そして大日連山がズドーンでもう最高。ほんと最高(語彙力) 一ノ越のすぐ下でカリカリのバーンになったので、板を脱いで歩く。 日の出とともに一ノ越到着。 この絶景があるから、やめられないんだよなぁ。 なんて言いながら、板をデポしてアイゼンに換装。 ピッケルを準備して最後の登りへ。 雪が飛ばされて岩が露出し、カチカチに凍ってテクニカルなバーティカルへ。 すべてを凍らせる3000m峰は、爆風も手伝って本当に寒いけど、一歩ずつゆっくりと標高を上げ、とうとう。とうとう。追い求めていた頂に立った。 . . . 午前9時、立山登拝。感無量。 試練と憧れならぬ、「忍耐と衝動」の果てにたどり着いた神の住まう頂に、五感がビシビシと震えた。 いっちーと感動を分かち合う。 山頂の社に行こうと思ったけど、これ以上ラッセルしたくなくて「帰ろっか」で意見が一致して下山開始。 もう大満足なので、安全に下山します。 . . 一ノ越まで一気に標高を下げてから、ひと休みして滑走モードにチェンジ。 ここからいっちーの「試練」が始まる。 . . スキー初心者のいっちーは、10m滑るごとにコケる。 みたいな感じだった。室堂までもだいぶコケた。 元々トラバースラインをだいぶ下に引いてきたので、最後はシール歩行で室堂へカムバック。 もう一度ライブカメラにフレームイン。 そうそう。「冬の室堂は電波入らないなぁ」と思ってたら、なぜか「TOYAMA FREE Wi-Fi」が繋がるというビックリ体験。厳冬期の立山で思わぬ文明に触れることに。 天狗平まで緩やかに滑り、そこから樹林帯のトラバースラインを下る。試練のいっちーに、がんばれがんばれと声を掛ける。コケる。励ます。コケる。 . . 後続の某氏とすれ違い。 某氏はスノーシューで、今日は天狗平までだそう。 某氏の取組みについては、いつか明るみに出る日まで温めておこう。 . . 七転八倒で雪まみれになるいっちーを励ましながら、デポ地までカムバック。弥陀ヶ原までは斜度が緩いし板が滑らないので、いっちーはシール歩行に、自分は腕筋をフル活用したスケーティングに。 弥陀ヶ原からは板がよく滑るが、スピードが出過ぎて怖いと思うので、少し進んで止まって先を確認する!というアドバイスをしながら、ゆっくり進む。 テン泊装備が重くてバランスが取りにくいのもあるし、コケるとリカバリーが大変なので、極力コケないようにアドバイス。 苦戦しながらも七曲りの直進ラインを越え、弘法からはすべてアルペンルート上をトレースする。 ボブスレーコースで快調に飛ばすが、何箇所か斜度がなくて腕筋スケーティングもしばしば。 あとは、ほぼ板に乗っかって白目剥いてるだけの自動運転だったけど、美女平までめちゃくちゃ遠くて「こんなにラッセルしたんだ」と苦労を実感。 . . 美女平で板を脱ぎ、歩いて立山駅まで下山。 長い長い長い長い道のりだったが、自分もいっちーも怪我なく無事に下山ができた。 疲労困憊だったが、達成感はひとしおだった。 . . いっちーは、足の親指の爪が死んでた。 僕は足の人差し指が長いので、その爪が死んでた。 「ブーツがキツイんですかね?」と質問されたが、そもそもスキーブーツなんて滑るためのプラスチックだから、こんな長時間歩行して脚がどうもならない方がおかしい☝️ そんなことを言いながら、長い旅を終えてお互いを称えあった。 ありがとういっちー。 ありがとう立山。 ありがとう2023。 ※この山行につきましては、事前の調査、登山届出やココヘリ、GPSトラッキング端末(https://fieldconnect.jp/)の携行、アバランチギアの装備など、考えうる安全対策を最大限に実行しております。

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