天神様との再会(戸沢の出合から塔の岳 周回)

2018.12.09(日) 日帰り

活動データ

タイム

08:21

距離

7.0km

のぼり

995m

くだり

995m

チェックポイント

DAY 1
合計時間
8 時間 21
休憩時間
1 時間 41
距離
7.0 km
のぼり / くだり
995 / 995 m
4
32
9
25
29
1 49

活動詳細

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11月、紅葉狙いの山行をという話が出ていたものの、結局日程が合わないまま12月になってしまった。 ここから年末までは何かと慌しい日が続く。なんとか年内の山行納めをということになった。雪の心配がなく山歩きしたという実感か持てるような場所がないか。山梨はちょっと遠いし、日が短いこともあり行動時間が足らないかもしれない。かと言って手近な鎌倉アルプスも魅力的だが山行納めとしては物足らない。どこかいいところがないか?丹沢がある、と思い至る。 山歩きをはじめて2年が過ぎようとしている2017年3月の塔の岳への周回で、天神尾根の荒れた道に翻弄された記憶は未だに身体に染みついている。(https://yamap.co.jp/activity/721840) 友人、仲間がいっしょならいけるだろうか?と自問してみる。政次郎尾根を登って塔の岳から天神尾根でもどってくるコース。かなり難儀したことは、ともに歩く友人にも伝える。とりわけ天神尾根の下りの荒れ具合は予め過去の記録を見てもらっておくことにした。 当日早朝、二子玉川で合流し東名高速から秦野中井に向かう。厚木に近づくと正面に白い富士山が見えてくる。空の低いところに雲が漂っていて晴れとはいえない。果たして、塔の岳の頂上からの富士山が見えるだろうか。 秦野中井インターからキャンプ場「滝沢園」入口を通り過ぎ、さらに砂利道林道を進んでいく。途中でカーブを曲がったら鹿にばったり出会ったり、龍神の泉という湧き水もある。 その林道の一番奥に戸沢の出合駐車場がある。ここまでの移動には2かかっていない。やっぱり丹沢、近いのがなによりいい。とはいえ時刻は午前8時過ぎ。駐車場は十数台の車がすでに止まっていて、出発準備するグループで賑わっている。 さっそく車から降りて出発準備を始める。キリッと冷たい空気に包まれる。なんといっても12月なのだから寒くて当たり前なんだけれど。歩き出さないでいるとあっという間に身体が冷えてくるのが分かる。登山靴に履き替え、ライトダウンを着込んで歩き始める。 政次郎林道を歩き始めてしばらくたつと、あっという間に身体が温まり汗ばんでくる。ライドタウンは30分ほどで脱いでしまう。むき出しになった木の根が這い回る登山道を黙々と登る。進行方向には覆いかぶさってくるような斜面が立ちはだかる。時々平坦な尾根道になりほっとするものつかの間、再び目の前に上り坂が現れる。真っ直ぐに立ちならぶ杉の木に囲まれた登山道からは周囲の展望が望めるところはあまりない。時おり来た道を振り返るとずいぶん高くなっているのがわかる。重い身体を一歩一歩持ち上げ、だんだんと高いところに進んでいるのが目に見えて分かるのは嬉しいものだ。 それにしても政次郎林道は静かだ。時々、鳥のさえるず声、上空を行き過ぎる飛行機の音がするくらい。僕らのグループ以外に前後には人がほとんどいない。 1時間30分ほど歩くと高い樹木が少なくなり、眺望が一気に良くなる。遠く相模湾に光が指しているのが見える。幻想的な景色。木々の間から見えいてた景色がやがて目の前にいっぱいに広がって見えるようになる。低い雲と遠くに鈍い色に照らされている海面。地図を俯瞰的にみているような光景。肉眼で見ている風景なのに、なんだか水彩かCGででも描いた画像のような感じさえしてくる。 政次郎の頭にでると、ヤビツ峠・三ノ塔から来る人、塔の岳から降りてくる人が一気に増え賑やかになる。政次郎の頭から新大日、木の又小屋のピークを乗り越えて、塔の岳の頂上に到達する。 360度の眺望が楽しめる頂上は多くの人で賑わっている。湯河原あたりから、初島、大島、湘南から江ノ島の海岸線、三浦半島、その向こうには房総半島、東京の高層ビルやスカイツリーなどのパノラマ。冬の澄んだ空気のおかげか周囲の景色がよく見える。残念ながら富士山の方向は厚い雲に覆われたまま。 頂上について5分。なにしろ寒い。身体からあっという間に汗が引いてしんしんと冷えてくる。気温は零度からマイナス1,2度といったところ。気がつけば雪が舞っている。春先の寒さとは全く違う、これから冬本番を迎えようという力強い寒さ。レインウエアもあわせて、持ってきたものを全部着こむ。風が当たりにくい辺りに陣取り、持参したおでんとうどんを温める。もうもうと湯気を立てながらいただいた。温かい汁は身体に染みる。 身体が暖まったうちに下山を始める。大倉尾根から天神尾根を経て戸沢の出合いに戻るコース。途中花立小屋までの大倉尾根は眼の前に開けた展望がすばらしい。延々と海に向かって続く階段は大倉尾根の名物。花立山荘でおしるこを頂いたりしながら30分ほどで天神尾根の分岐にたどり着いた。 さあ、いよいよ天神尾根との再会である。大倉尾根のルートか左にそれた所にある入口。木々が生い茂っているからか暗く陰って見える。あそこに飛び込んでいくのかと身が引き締まる。しかし、前回と違い今回は仲間がいる。道を確かめながら一歩一歩進む。丸太の階段が壊れて道は荒れているし、階段自体も途切れ途切れでコースが分かりづらい。大きな木段は土砂留めで、よく見ると小さな木段が途切れ途切れに続いていく。友人のヤマップには僕が昨年歩いたルートを取り込んでくれていた。大きく道を外れていない事を確かめながら進む。3人で周囲を確認しながら進んで行く。前回のようにあたふたすることが全く無くてすんだ。大きな段差はできるだけ避け、コースを見つけながら進むことができている。仲間がいるってすごい力になると実感。再び訪れて本当によかった。前回の天神尾根で感じた不安や恐れは独りだったからこそのものだったのかも知れない。 12月、曇り空の午後、辺りは思うよりも早くどんよりと暗くなってくる。天神尾根を下り終えて、河原の明るい場所に出た時の開放感は、やはり格別であった。 この日、戸沢の出合の駐車場にたどり着く頃にはすっかり日も陰り辺りが薄暗くなっていた。この時期、行動できる時間には限りがあるのだと再認識した。今日の計画は、珍しくほぼ予定通りの結果となったが、本当はこの時期の計画としては、もう1時間早めのスタートで進めるべきだったのかも知れない。 今回で年内の山行は終了。同道してくれた友人は、距離も負荷もちょうど良い、いい感じだったと好評な山行となった。 1月の鍋割山に始まり12月の塔の岳、今回が仕上げとなった。今年はテント泊に目覚めて、北アルプス、四国、北陸といろいろな山行を楽しむことができて素晴らしい1年となった。 皆様どうぞ良いお年をお迎えください。

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