楽しすぎる山友さんとの旅 御嶽山・ロープウェイ黒澤口

2023.08.26(土) 日帰り

心待ちにしていた御嶽山への登山。 そしていつか一緒に山へ行きましょうと話をしていた山友さんとの約束が叶い、実現した登山。 初めての3000m超えの登山。 最高に楽しい一日となりました。 折しも当日は御嶽山山頂付近で、噴火災害発生を想定した避難訓練が行われ、黒澤口登山者へ噴火に関する行動調査・アンケートなども行われていました。 御嶽山といえば、甚大な被害をもらたらした噴火災害があった場所です。 私自身は子どものときから地学へ並々ならぬ関心があり、火山噴火の歴史も長らく勉強してきました。 それだけに「御嶽山で噴火」という短いニュース速報がテレビ画面に出たときには驚きを禁じ得ませんでした。何の予兆もなく、登山客も多い山に噴火災害が直撃するとは考えてもいなかったからです。 被災地の真ん中に足を踏み入れることで、火山噴火が遠い世界の話ではないことを痛感しました。 --------------------- ◆総括 ・最高に楽しかったと何度も口にするほどの素晴らしい山行になりました。山が好きな人とグループで登るのは本当に楽しいです。 ・日本の山岳信仰を代表する霊山として独特の歴史を感じられる山であり、山と人の関わりを考える上でも大変興味深い経験ができます。 ・山頂周辺で二ノ池、五ノ池などの寄り道も楽しそうで、また登りたいと考えています。 ・毎日あるぺん号の到着時刻・ロープウェイのスタート時刻がチグハグで、バス往復の方は大変そうでした。 ・それなりに登る高さのある山ですが、登山道が整備されていて自分のような登山歴1年の人間でも非常に登りやすいです。要所要所で山小屋もあり、安全性を高めてくれています。 ・下りはザレているところがあり、筋肉を使います。参加者一同筋肉痛になりました。またザレたところを下る場面で、転びそうになる場面もありました。安全性の高い山とはいえ注意が必要です。 ・ロープウェイ駅直前で雷雨が直撃し、大きな雹がバラバラと落ちてくるなど危ない場面がありました。早めに降りるのが一番ですね。 ・意外と人が少なかったです。登りやすくはありますが、やはり噴火災害は影響しているのかなと感じます。 ・頂上付近では空気が薄くなり、参加メンバーの中には歩行のペースが落ち、苦しんでいる人もいました。 --------------------- ◆装備 ・山頂では雲がかかったこともあり、かなり気温が下がり、下山直前にソフトシェルを取り出し着用をした。それまでは不要であった。 ・山友さんに迷惑をかけるまいと装備の軽量化を推進! カメラを入れてベースウェイト(水・食料なし)は4.5kgほど。かなり快適な山登りとなった。 ◆前泊の宿 ホテル木曽温泉 こがねの湯 ・改装して御嶽山を正面に望む着衣混浴の露天風呂もできた。茶色系の濁り湯が気持ち良い。 ・スタッフさんの対応がよく、気持ちの良いホテルであった。 ・夕食は美味しいが、ボリュームたっぷり。食べきれない炊き込みご飯は、パックに包んでお弁当にしてもらえるので翌日の朝食にした。 ・開田高原側からのルートは道がよく、御嶽山を望む展望台もあるのでおすすめ。 ◆登山後の立ち寄り湯 代山温泉 せせらぎの四季 ・こがねの湯と泉質は似ている。 ・一度外から見たとき、細長い施設だなと思ったが中に入ってみると案外広い。 ・全体にきれい。地元の方も愛用している様子でファミリーが多かった。 --------------------- ◆登山の流れ (登るまで) この日の午後は天気が崩れやすいとの予報を確認していました。 ところが、この日のおんたけロープウェイのスタート時刻は8時30分とやや遅め。 お盆前の週末は7時スタートなのですが、紅葉シーズンとお盆の間は遅めの設定になっています。 そのため、かなり急いで往復しないと雷雨にやられるという危機感がありました。 山友さんは大キレットも踏破している猛者ですが、私たちは登山歴1年の初心者です。 さらに山友さんはバス予定ですが、私たちはレンタカーを利用します。 そのため、いざというときには先に降りていってくださいと懇願し、行動することにしました。 (登山スタート) ロープウェイで登ったあとは身体に余裕もあり、悪くないペースで登っていきます。 この登り道の最中、八合目の女人堂までが今日の重要ポイントではないかと睨んでいました。 序盤でありながらも八合目まではしっかりした傾斜が続きます。ここを標準タイムと比べてどのぐらいのペースで登れるかで、今日の体力が見えてきますし、コースタイムに対する実力も見極められます。結果的に、今日の行動計画がかなり変わってきます。 道のりは大変美しく整備されていて、大きな段差もなく登りやすい道が続きます。 一定の傾斜ですが苦しくはありません。メンバーで楽しく会話もできる程度の負荷です。 女人堂に着いたところでは、ペースは標準より速く、0.7倍程度を示しています。 「このままだと保守的に見積もった想定タイムよりも相当まいてますね!」 と喜びの声が上がります。 7合目から8合目も傾斜は続きますが、登りやすく、無駄な負荷がかかりません。 先日行った双六岳への二泊三日の旅では、各地でこの夏の最高気温を記録するほど暑い日だったのですが、今日は雲が太陽を隠し、暑さでバテる様子もありませんでした。 その後も順調に進むことができ、予定より早く山頂に到達できる目処が立ちました。 気持ちに余裕が出てくると、周囲を見渡す余裕が出てきます。火山マイスターの方ともお話をし、火口周辺の斜面を眺めてみます。 頂上が近づくにつれて、斜面には真新しいグレーの石が増えてきます。2014年の噴火のときの噴石でしょう。表面が風化していません。人の頭よりも大きな石がたくさん落ちているのが見えてきます。 これだけの密度で落ちてきているということは、このあたりに居れば相当な確率で直撃することを意味しています。 山頂はすぐそこに迫ってきますが、その石の密度は高まってきます。 恐怖心がこみ上げてきます。 まさにそのタイミングで、山頂での避難訓練を体験することになったのです。 (山頂にて) 御嶽山の噴火のニュースを聞いたとき、山頂ではとにかく建物に避難しかないと思いましたし、斜面にある登山道では、一秒でも早く噴火口から遠い場所まで駆けていき、直径の大きな噴石が落ちてくる確率を少しでも減らし、火砕流が来ない方向へ回避するしかないと脳内シミュレーションをしていました。 ところが、実際訓練に参加してみると「あれ、ここでいいのかな」と迷う場面もありました。それだけに、参加した価値があったと感じています。 予期せぬ火山噴火を避けるためには火山観測態勢が重要なキーになります。今回の訓練を準備されていた大学、自治体、研究機関の方々に感謝申し上げたいです。 (雷雨に遭遇) 訓練が無ければ山頂に留まる時間は15分もなかったのかなと思っていたのですが、貴重な経験もあり長い時間留まることになりました。 12時30分を過ぎ、訓練も終わるころ、徐々に岐阜県方向に積乱雲が湧いてきます。 午後から崩れるという予報の通り、雷雲の発生は避けられない様子です。 山頂からは一気に下っていきます。 女人堂で軽食を取ったのですが、カレーとお汁粉が出てくるまでちょっと時間がかかったのと、トイレ(きれい)が一つだったため順番で時間をロスし、40分ほど経ってしまいました。 天気はより悪化してきます。 雨は降ってないのですが、急速に暗くなってきました。 焦る気持ちがあるのですが、シューズのソールがやや摩耗していたこともあってか、木段のあたりでツルツル滑り、ペースが上がりません。 下りの技術もまだまだ未熟で、スムーズな体重移動もできていません。 女人堂からの下山途中、大きな雷鳴が轟きます。どうやら雷雲はすぐそこに迫ってきたようです。 七合目行場山荘が見えたところで、ついに雨の音がしてきました。 行場山荘からロープウェイ乗り場まではそう遠くありません。 行きに記憶してきた「ウッドチップの道」までたどり着けば、あとはわずかです。 そう思った矢先、なぜか木々の葉っぱが上から大量に降ってきます。 バチバチと雨音とは違う音が聞こえます。 バチバチという打撃音はやがて大きくなり、木々の合間から、弾丸のようなものが目の前をかすめるのが見えました。 拾い上げてみるとパチンコ玉ぐらいの大きさの雹でした。 そして、頭上近くで響く大きな雷鳴とともに、大量の雹が降ってきたのです。 安全な範囲で急ぎながら、やがて出現した「ウッドチップの道」に安堵し、ロープウェイ乗り場を目指します。 乗り場までは樹林の道で、雨で濡れるというほどでもなかったのですが、乗り場周辺は木々が途切れています。 樹林帯最後で、登りの方とすれ違い、ロープウェイが運行していることを確信し、あとは走って豪雨に濡れながら乗り場に飛び込みました。 YAMAPの終了ボタンを押すのを忘れて……。 (友との別れ) 無事登山を終え、毎日あるぺん号の出発時間となり、友を見送ります。 雷雨の遭遇はありましたが、大満足の山行となり、御嶽山に来た甲斐があったというのが全員一致の意見でした。 そして、毎日あるぺん号の設定時間が、標準よりちょっと遅いと厳しくないかという話をしていたのですが、やはりギリギリになってしまった方はいらっしゃる様子でしたね。 同じタイミングで山を登られた皆さん、火山関係の皆さんもお疲れ様でした。 (余談) 雨で冷えた身体で車を運転したところ、同行者に低体温症のような症状が出てきました。 「代山温泉 せせらぎの四季」さんに飛び込み、温泉で一気に身体を温めました。 短時間での入浴になってしまいましたが本当に気持ちが良かったです。

ゴンドラでスタート
木曽駒ヶ岳のような大行列はなくて良かったねという話をしながら進みます

ゴンドラでスタート 木曽駒ヶ岳のような大行列はなくて良かったねという話をしながら進みます

ゴンドラでスタート 木曽駒ヶ岳のような大行列はなくて良かったねという話をしながら進みます

女人堂から荒々しい外輪山が見えてきます

女人堂から荒々しい外輪山が見えてきます

女人堂から荒々しい外輪山が見えてきます

女人堂の脇に山へ向かう道が見えます。緑が鮮やかで美しいです。

女人堂の脇に山へ向かう道が見えます。緑が鮮やかで美しいです。

女人堂の脇に山へ向かう道が見えます。緑が鮮やかで美しいです。

振り返ると女人堂の建物が小さくなっていくのが分かります。

振り返ると女人堂の建物が小さくなっていくのが分かります。

振り返ると女人堂の建物が小さくなっていくのが分かります。

時折雲がかかり、涼しい空気が立ちこめます。暑さによるダメージがかなり和らぎました。

時折雲がかかり、涼しい空気が立ちこめます。暑さによるダメージがかなり和らぎました。

時折雲がかかり、涼しい空気が立ちこめます。暑さによるダメージがかなり和らぎました。

八合目後半からは尾根状になった道を登ります。かなりザレザレになっていて、下りの際には苦労しました。

八合目後半からは尾根状になった道を登ります。かなりザレザレになっていて、下りの際には苦労しました。

八合目後半からは尾根状になった道を登ります。かなりザレザレになっていて、下りの際には苦労しました。

九合目の石室山荘が見えてきました。岩肌にへばりつくような山小屋です。

九合目の石室山荘が見えてきました。岩肌にへばりつくような山小屋です。

九合目の石室山荘が見えてきました。岩肌にへばりつくような山小屋です。

石室山荘を振り返ります。ガスも上がってきています。

石室山荘を振り返ります。ガスも上がってきています。

石室山荘を振り返ります。ガスも上がってきています。

山岳信仰の歴史を感じる山です。近年も手が加えられており、御嶽講などの長年の信仰を感じます。

山岳信仰の歴史を感じる山です。近年も手が加えられており、御嶽講などの長年の信仰を感じます。

山岳信仰の歴史を感じる山です。近年も手が加えられており、御嶽講などの長年の信仰を感じます。

時折雲の隙間から光が差し、外輪山近くの山肌を照らします。
外輪山の稜線まであとわずかです。

時折雲の隙間から光が差し、外輪山近くの山肌を照らします。 外輪山の稜線まであとわずかです。

時折雲の隙間から光が差し、外輪山近くの山肌を照らします。 外輪山の稜線まであとわずかです。

外輪山のピークを越えると二の池が見え、やっとここまで来たという感動が込み上げてきます。
達成感が半端でない山ですね。

外輪山のピークを越えると二の池が見え、やっとここまで来たという感動が込み上げてきます。 達成感が半端でない山ですね。

外輪山のピークを越えると二の池が見え、やっとここまで来たという感動が込み上げてきます。 達成感が半端でない山ですね。

王滝口ルートの起点も見えます。徐々に八丁ダルミの先を登る登山者の姿が大きくなってきました。

王滝口ルートの起点も見えます。徐々に八丁ダルミの先を登る登山者の姿が大きくなってきました。

王滝口ルートの起点も見えます。徐々に八丁ダルミの先を登る登山者の姿が大きくなってきました。

雲の形が高所にあることを物語ります。

雲の形が高所にあることを物語ります。

雲の形が高所にあることを物語ります。

雲の勢いが増してきました

雲の勢いが増してきました

雲の勢いが増してきました

山頂近くには頑丈な避難シェルターが設置されています。

山頂近くには頑丈な避難シェルターが設置されています。

山頂近くには頑丈な避難シェルターが設置されています。

山頂についに到着!

山頂についに到着!

山頂についに到着!

初の3000メートル峰です。雲の向こうに真っ青な空が広がり、空気の希薄さを感じます。

初の3000メートル峰です。雲の向こうに真っ青な空が広がり、空気の希薄さを感じます。

初の3000メートル峰です。雲の向こうに真っ青な空が広がり、空気の希薄さを感じます。

見上げると飛行機からしか見たことのないようなディープブルーの空が広がっていました。
怪しい雲ではあるのですが、しばし見とれます。

見上げると飛行機からしか見たことのないようなディープブルーの空が広がっていました。 怪しい雲ではあるのですが、しばし見とれます。

見上げると飛行機からしか見たことのないようなディープブルーの空が広がっていました。 怪しい雲ではあるのですが、しばし見とれます。

八合目の女人堂まで降りてきました。のどかで気持ちがいいです。

八合目の女人堂まで降りてきました。のどかで気持ちがいいです。

八合目の女人堂まで降りてきました。のどかで気持ちがいいです。

縁日のカレー風ですが、すっと入ってきます。

縁日のカレー風ですが、すっと入ってきます。

縁日のカレー風ですが、すっと入ってきます。

雷雨で運行が中止される可能性があったため、ゴンドラに駆け乗ります。
無事下山でき、ほっとした瞬間です。

雷雨で運行が中止される可能性があったため、ゴンドラに駆け乗ります。 無事下山でき、ほっとした瞬間です。

雷雨で運行が中止される可能性があったため、ゴンドラに駆け乗ります。 無事下山でき、ほっとした瞬間です。

下山を完了し、ロープウェイ乗り場の駐車場から向こうを眺めると、木曽駒ヶ岳のあたりに巨大な積乱雲が発生しています。

下山を完了し、ロープウェイ乗り場の駐車場から向こうを眺めると、木曽駒ヶ岳のあたりに巨大な積乱雲が発生しています。

下山を完了し、ロープウェイ乗り場の駐車場から向こうを眺めると、木曽駒ヶ岳のあたりに巨大な積乱雲が発生しています。

モクモクと成長する雲に見送られながら、御嶽山をあとにしました。
素晴らしい山でした!

モクモクと成長する雲に見送られながら、御嶽山をあとにしました。 素晴らしい山でした!

モクモクと成長する雲に見送られながら、御嶽山をあとにしました。 素晴らしい山でした!

ゴンドラでスタート 木曽駒ヶ岳のような大行列はなくて良かったねという話をしながら進みます

女人堂から荒々しい外輪山が見えてきます

女人堂の脇に山へ向かう道が見えます。緑が鮮やかで美しいです。

振り返ると女人堂の建物が小さくなっていくのが分かります。

時折雲がかかり、涼しい空気が立ちこめます。暑さによるダメージがかなり和らぎました。

八合目後半からは尾根状になった道を登ります。かなりザレザレになっていて、下りの際には苦労しました。

九合目の石室山荘が見えてきました。岩肌にへばりつくような山小屋です。

石室山荘を振り返ります。ガスも上がってきています。

山岳信仰の歴史を感じる山です。近年も手が加えられており、御嶽講などの長年の信仰を感じます。

時折雲の隙間から光が差し、外輪山近くの山肌を照らします。 外輪山の稜線まであとわずかです。

外輪山のピークを越えると二の池が見え、やっとここまで来たという感動が込み上げてきます。 達成感が半端でない山ですね。

王滝口ルートの起点も見えます。徐々に八丁ダルミの先を登る登山者の姿が大きくなってきました。

雲の形が高所にあることを物語ります。

雲の勢いが増してきました

山頂近くには頑丈な避難シェルターが設置されています。

山頂についに到着!

初の3000メートル峰です。雲の向こうに真っ青な空が広がり、空気の希薄さを感じます。

見上げると飛行機からしか見たことのないようなディープブルーの空が広がっていました。 怪しい雲ではあるのですが、しばし見とれます。

八合目の女人堂まで降りてきました。のどかで気持ちがいいです。

縁日のカレー風ですが、すっと入ってきます。

雷雨で運行が中止される可能性があったため、ゴンドラに駆け乗ります。 無事下山でき、ほっとした瞬間です。

下山を完了し、ロープウェイ乗り場の駐車場から向こうを眺めると、木曽駒ヶ岳のあたりに巨大な積乱雲が発生しています。

モクモクと成長する雲に見送られながら、御嶽山をあとにしました。 素晴らしい山でした!

この活動日記で通ったコース