翔べ!雷鳥 ~ありがとうダケカンバ……~

2018.10.20(土) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
8 時間 32
休憩時間
1 時間 5
距離
19.2 km
のぼり / くだり
2122 / 2147 m
34
23
1
19
49
44
6
1 19
25
58

活動詳細

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八方尾根の天気は雨のち曇り、午後から次第に天気回復する……これを待っていた! 今日僕の目指す被写体は、悪天候からガスが抜ける瞬間の迫力ある白馬三山…… とにかく恐ろしくも偉大な情景をカメラに納める為 だけに…… その一瞬、1枚だけを欲しかった。 10月19日夜、いろいろ考えながら中央道を走る。 頼むから最初から晴れ、っていうのは勘弁して欲しい💦 抜群のタイミングで、その一瞬を捕らえるのだ! 僕には出会えるだろうか…… そんなタイミングに出会える運を僕は持っているのだろうか…… 八方尾根スキー場に到着、パラパラと小雨模様だった。 アダムを乗り継ぎ一路八方池へ…… ガスで周りは見えない。 よし、いいぞ! 多分僕だけがニヤニヤしていただろう。 とにかくとりあえず唐松岳山頂へサクッと行ってこよう! そうしていると次第にガスが晴れて来るだろう! 今日のザックは21kg。 テント泊装備で万全だ。このザック長く持っているがあまり登場する機会がなかった。 グリベル アルパイン40+10、1泊のテント泊の為に買ったが、ドローンを入れたり冬装備を積めると入りきらないのだ。 僕はいつも75バルトロ。 なぜか今日はグリベルを選び、ドローンは車に置いてきた。 今日は写真一本だ! 唐松~五竜テント泊か、八方池あたりでテント泊してやろうか……僕はワクワクしていた。 これから起こる悲劇などもちろん知るよしもなかった。 天気は悪く雪がちらついてきた。 山頂は雪だな…… 軽アイゼンで大丈夫だろう…… 久しぶりの雪だ! 気温は2℃、寒いわけだ。 こんな天気ではもう、誰もいない。 夫婦雷鳥に出会う。 今日は雷鳥に会いそうな予感がしていた。 こんにちは、寒くないのかい?…… 独特な鳴き声で、すぐわかるよ。 一羽がナナカマドの木に飛び移った。 ナナカマドの赤い実を食べていた。 よかったな、こんな寒い山の上でも食べ物があって…… そこから羽ばたこうとしている雷鳥の姿を撮ることができた。 珍しい瞬間だ。とてもいい写真だと思う。 唐松岳山荘はもう営業していない。 山頂は近いのでデポしないで重いザックを担いで山頂まで登った。 吹雪だ! 五竜が見えない。 立山連峰、剱岳が見えない。 仕方がないから五竜は諦めて八方池でテント泊して白馬三山と夜空の星達を撮影しよう! さぁ下ろう。 小さな扇雪渓が見えてきた。 登山道も岩がゴロゴロ……その時、悲劇が起こった。 左足が石につまづき、崖側にヨロヨロと…… ザックの肩ベルトを緩めていたので21kgのザックが右に揺れてそのままバランスを崩して右側崖から滑落した…… ヤバい…… スローモーションのように僕は崖から逆さまに滑落した。 無我夢中で体制を直して、何かに捕まった。 ダケカンバの木が僕を助けてくれた。 上を見たら道から5~6mくらいだろうか。 これが滑落…… 右足と右手か痛い、体の全部が痛い……でも動く。 登山道に戻るのも大変だ。 とりあえずこれ以上滑落はごめんだから、スリングでダケカンバと自分を確保して体制をしっかりと整えようとした。 よかった……ハーネスとスリング装着していて……。 そういえば、唐松岳山荘で出会った二人の方が、ハーネス使うとこあります?と言われたとき僕は、念のためしているんです、カメラのアングル体制とかヤバいところで撮るための自分の確保の為くらいです……って答えてたっけ……💦 まさか自分の滑落の自己確保に使うとは……。 ダケカンバの木に何度もスリングを掛けて安全を確保しながら少しずつ登ってきた。 ダケカンバが無かったら僕はまだまだ下まで滑落していただろう……考えたら怖い。 何とか登山道まで登ってきた。 まるでバリエーションルートを自己確保しながら一歩一歩登っているかのように……💦 誰もいない山の中……僕はいったい何をしているのだろう……。 体中が痛い……歩いているのがやっとでまた次に転んでしまいそうで怖かった。 雪も積もってくるし、吹雪で横殴りの強風だ。 泣きたくなるが自分が悪い。 右太ももはかなりの強打で痙攣している。 右手薬指は多分、ヒビか骨折しているだろう。 今、投稿をスマホで打ち込んでいるが左手で打っている。 滑落の原因はつまづき……もあるが、ザックの肩ベルトをしっかり閉めていれば振られずにバランスを崩すことなく大事に至らなかったかもしれない…… 僕は山をナメていた…… きっと山の神が、おまえ再確認しろ!と、試練を与えてくれたのだ…… いろいろ考えながら少しずつ下山した。 何とか何とか、右手右足に負担をかけないように意識しながら一歩一歩着実に歩いて歩いて……やっと八方池まで着いた。 白馬三山はうっすらと見えてきた。 そろそろチャンスだ! 体中痛いがチャンスかもしれない。 僕は待っていた。 来た! 少しずつガスが晴れてその晴れ間から見えてきた! これだ~✨ 痛みも忘れて、シャッタースピードとF値を調整……ISOも大丈夫か…… ぶれんなよ! 楽しい時間だ。 体は痛いが自分の中で貴重な経験をしたと思う。 装備の確実な装着と足元注意……いつも会社で自分が言っていることではないか……💦 山ではいろいろあるものだ。 安全第一……楽しい山行にしていきたい。

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