活動データ
タイム
09:52
距離
21.0km
のぼり
657m
くだり
664m
チェックポイント
活動詳細
すべて見る一言で言えば、「尾瀬っていいよ」という日記です(汗) 7文字で済むことを、想い出しながら書き重ねたら長くなっていまいました。。。 ---- 二座の百名山はもとより、広大な湿原の散策は数多くの観光客を惹きつけ、多くの日本人が夏が来れば思い出す、尾瀬。畏れ多くも、これまで、いったいどこにあるのかも、あまり意識した事がありませんでした。 3年前に山歩きをするようになってから日本地図にぽちぽちと付いた足跡がだいぶ増えてきました。が、関越道・群馬周辺はこれまで足が向かないまま、足跡空白地帯になっていました。なんとなく遠い印象があるっていうだけのことなんですけれど。尾瀬が、群馬、福島、新潟の交わるあたりにある、と言われても、どうもピンとこず。諸先輩の活動日記や、地図を見ているうちに、ようやく位置関係がわかってきました。 大きく進路を変えた台風が、三連休には日本海を北上するとの予報を横目で見ながら、どうしたものかと悩みました。天気と暮らす、をみると風がかなり強そうですが、A基調に一つ二つBCがあるだけで大丈夫そうな気配。せっかくなんでテント泊でと思うものの、台風に起因する風の中でテントを張るなんて無理ではないか?とビクつきながら、小屋の予約が空かないかと日々チェックしたりで、なかなか計画が定まりません。金曜夜に現地前泊、翌日テント泊で行くことに決めたのは出発2日前でした。 金曜日は時間をやりくりして夕方早めに移動を開始、小雨の降る中、関越沼田ICを目指します。途中一部渋滞、関越に乗ってから結構な土砂降りに見舞われて極端に視界が悪くなったりしましたが、21時前には沼田ICに到着。街道沿のお店で食事をして、戸倉温泉には22時過ぎに到着。前泊の宿で温泉でゆっくりあったまり早々に休みました。 翌朝、雨はすっかり上がって雲の間から青空が覗いてます。宿の女将さんから「3連休ならとっくに駐車場は満車になっている頃合いですが、今日はまだ空きがありますね。おそらく台風の影響を考えて来訪者が少なめなんでしょう。ゆっくり楽しんできてくださいね」と暖かい言葉に見送られて出発です。 戸倉温泉からはシャトルバスか乗り合いタクシーで鳩待峠まで移動します。小ぶりのバスはほぼ満員、なんとか補助席に座ることができました。10分ほど走ると谷合のせまい林道を時々下ってくる乗り合いタクシーとすれ違いながら進みます。朝日に赤く照らされた木々。赤っぽいのは朝日のせいだと思ったら、見事に紅葉しています。思いもしなかった素晴らしい眺めに一気にテンションがあがります。およそ30分ちょっとで鳩待峠の駐車場に到着。広場には準備体操するガイドツアーのグループや、ソロ、数名のグループが思い思いに出発準備をしています。多くの人が山の鼻か至仏山の方向に進んで行きます。 今回、往路はアヤメ平から富士見峠を経て、見晴に回り込むコースを取ります。メインの尾瀬ヶ原を見晴からの帰り道のお楽しみにとっておこうという作戦です。アヤメ平方面への登山口は、ひっそりと休憩所の裏にあり、今日は、そちらに向かう人はほとんどいません。ひっそりした森をあるきだすと、早速、濃い土と木の香りに満ちた、しっとりした空気に包まれます。歩きだして新しい酸素が体にすこまれていく感じは何度味わってもいいものです。横田代まではあっという間でした。森を抜けまると、目の前に広がる青空の下に、茶色い湿原、木道が一筋すっとのびています。これぞ尾瀬、というべき光景ですね。素晴らしい光景です。木道は乾いていてすべることもなくて大変歩き易く、ゆっくり昇っているはずなのですがすいすい進めます。 中原山を超えるとアヤメ平、そこここに池塘を抱えてさらに波打つように広がる湿原が目の前に現れます。森、湿原、山頂、湿原と変化に飛んだ道筋は本当に素晴らしいです。目を上げると、背後にはやわかい姿をした至仏山、正面左手にはきりっとした頂上を持つ燧ヶ岳がクッキリと見えます。木道の途中に出っ張った部分があってベンチがしつらえてあり休憩ができます。日差しが強くて暑いくらいでしたが、渡ってくる風を浴びながら眺める青い空、豊かな湿原の色合い、微かに波打つ池塘の水面、雲を従えて見下してくる二座の百名山、そんな光景の真っ只中にいることが信じられないくらい。素晴らしいのひとことでした。前後に2,3組のグループがいるだけで人が少ないというのは珍しいことなのかもしれません。だってこんなに気持ちいいところ、そうそうないですから。 アヤメ平を過ぎて、暫く行くと富士見平に到着です。朽ち果てた富士見平小屋は、壊れかけた屋根が風に揺られてカタカタと音を立てていて、なんだか西部劇のゴーストタウンの撮影現場の風情が漂います。きれいなトイレとしっかりしたベンチがありこちらで一休み。 ここからは見晴に向かって沢沿いを下っていくばかりです。ここまではほとんどの行程で木道がしっかりと整備されていたのでかなり歩きやすかったということを思い知らされます。小屋を過ぎたあとは、泥の上に石や木の根っこがごろごろとしているいわゆる山道。ランダムな段差のある下りの道ですが、落ち葉が積もっていたりして、足元がよく見えない感じなんです。予想以上に歩くのに気を使います。 途中、段差の大きい岩から下りるところで、ふっ、とバランスを崩して派手に転倒してしまいました。あっ、と思った時には、もう止められず。身体が地面に着地するまでの一瞬がやけに長く感じました。このあと着地の瞬間にがつんと痛さがくると思ったら、意外にもふわっとした感触で着地。幸い頭や手足を強く打ち付けるようなこともなく、痛みもなく、事なきを得ました。たまたま、立ち上がるときに付いた手が泥で汚れたくらいですんだけれど、もし、ここで骨でも折って、動けなくなったりしたら?と思うとゾッとします。先程まで木道をスキップすように進んできて、急に路面が変わったので身体の動きが馴染んでなかったんでしょうか。テン泊装備でザックが重めだったのも遠因かもしれません。せっかくの山歩き、怪我だけはしないように集中して行動しようという思いを強くした出来事でした。 富士見小屋から見晴に下る辺り、周辺は見事な紅葉に囲まれていました。黄緑から紅葉一歩手前のオレンジ色までの、ありとあらゆる黄色が澄みきった空気の中でキラキラとしています。このあたりには木道はなく、いわゆる山道なのでついつい下を見て進むのですが、頭を上げるたびに、違う色合い、違う形の色づいた木々が輝いてます。鳥の声、風の音、落ち葉や折れた枯れ枝が落ちてくる音、そして進むに連れて右方向から水の流れる音、サクサクと枯れ葉を踏みつけながら歩く音、熊鈴のカラコロという熊鈴の音。秋の森は賑やかです。 下り坂がだいぶゆるくなって、いくつかの流れを渡って、富士見小屋から2時間ほど歩いたでしょうか。ふっと目の前にテントが見えました。着きました。見晴のテント場です。木道の両側に広がったテント場にはすでに半分くらいの人がテントを張って、食事をしたり、談笑したりしています。斜面もほとんどないし、無料休憩所ときれいなトイレもそばにあるという申し分のないテント場です。早速、燧小屋で受付をし番号札をもらって、木道から少し離れた木陰に場所を決めてテントを張りました。 気がつけばもう昼をだいぶ過ぎています。行動食だけでちゃん昼食らしきものは食べていなかったので、見晴も小屋でなにかいただくことにしまました。立ち並ぶ小屋でメニューを吟味。尾瀬ヶ原にむかって、手前から、原の小屋、第二長蔵小屋、尾瀬小屋、檜枝岐小屋と進み、弥四郎小屋と見て回ります。結局、弥四郎小屋のカフェで「ピザ」をいただくことに。熱々で、タバスコのすっぱ辛さぴったり。とても美味しかったです。 お腹も落ち着いたのでテントでの自炊用に弥四郎清水を水筒に詰めて戻ります。夕方まで2-3時間、尾瀬沼まではすこし距離があるし、尾瀬ヶ原は明日歩くし、今日はここまで10キロ弱は歩いたし、少し休むか。ということで、テントで昼寝をすることにしました。常念岳(初めてのテン泊(常念岳) https://yamap.co.jp/sp/activity/2127687)でも、瑞牆山(雨の森で熟睡(瑞牆山) https://yamap.co.jp/activity/2352187)でも、そしてここ尾瀬でも、やはりテント泊の醍醐味はこの昼寝にあると確信した瞬間でした。次に目が冷めたのは17時過ぎ。あわてて支度して自炊でご飯をたべ終わったら日が暮れてきました。 台風の影響なのかだいぶ風が強くなってきています。8時前には寝てしまいました。23時過ぎに目がさめて、外を見ると夜空は満点の星。風が一段と強くなり雲がすごいスピードで横切っていきます。この週末は晴れは期待できないだろうとデジカメを持ってこなかったので、撮影できなかったのが残念でした。その後も、夜中に何度か目がさめたのですが、強い風は吹き続け、周囲の木々がごうごうと音を立てて、時おり、キューンと大きな悲鳴の様な声が。あれは鹿の鳴き声でしょうか? 翌朝、起きたのは5時半過ぎでしょうか。朝の尾瀬ヶ原を見ながらコーヒーを頂き、持参したパンで朝ごはん。この後、テントを撤収して出発するところですが、今回は昼過ぎに鳩待峠につけばいいやということで、出発はゆっくりすることに。テントに戻って、贅沢にも二度寝をしてから出発することにします。普段は休日で時間があってもこんな寝ることはないんです。不思議ですね、テントでは、ほんとにぐっすりと眠れるものなんですね。山歩きの楽しみって目標達成の喜びを通じて味わうタイプのものだと思ってきました。でも、今シーズン、テントを手に入れて実感したのは、もうひとつの楽しみ方があるといこと。それはテントでの昼寝のように、ただそこにいることをありのままに味わう、というものです。週末という限られた時間での行動がほとんどなので制約はありますが、この2つの楽しみ方のバランスを上手くとって行きたいものだなと思いました。 贅沢な二度寝の後、雨が降り出しました。せっかく持ってきているので、ひさびさにレインウエアの上下を着込んで出発です。尾瀬ヶ原はひたすら木道を進みます。雨の木道、味わいがあります。が、滑ります。特に板と板の継ぎ目、微妙な段差があったりするところに足を引っ掛けたりするし、木道だからといっても歩幅を広めにとるとてきめんに滑ります。竜宮小屋を過ぎたあたりから、観光客の人がちらほら。尾瀬ヶ原の広さはアヤメ平の比ではないですね。だんだん人が増えてきて、木道を一列に進んでいく感じになってきます。あっという間に山ノ鼻に到着。こちらで昼食をいただき休憩した後で、鳩待峠に戻ることにします。山ノ鼻から鳩待峠の間も紅葉が素晴らしかったですが、その話はまたの機会に。 今回、とても充実した2日間を過ごせました。でも、尾瀬のほんのさわりをなぞっただけです。まだまだ見所はたくさんあります。帰ったらさっそく誰かを捕まえて「いいよ、尾瀬。行ったことないの?」って誘うことにします。 ◾︎おまけ 木道の刻印、帰ってきてからちょっと調べてみました。東京電力さんによると「木道の上を歩いていると、右上には木道施工者の焼印が押してあります。当社のほか、環境省、群馬県や福島県、南会津村、桧枝岐村等がそれぞれ管理をしています」 http://www.tepco.co.jp/oze/mamoru/report/index-j.html
動画
活動の装備
- ナンガ(NANGA)オーロラライト 350 DX
- その他(Other)コンフィライトマットレス120グリーン203602
- ニーモ・イクイップメント(NEMO Equipment)obi 2p
- ソト(SOTO)パワーガス105トリプルミックス
- ソト(SOTO)マイクロレギュレーターストーブウインドマスター
- カリマー(karrimor)トレックキャリー フロントバッグ
- パタゴニア(patagonia)メンズ・RPS ロック・パンツ
- スント(SUUNTO)SUUNTO AMBIT3 VERTICAL
- スノーピーク(snow peak)チタンシングルマグ300
- ローバー(LOWA)メリーナGTX 「メンズ」(7.5)
- グレゴリー(GREGORY)コントゥア50
- ブラックダイヤモンド(Black Diamond)コズモ
もしも不適切なコンテンツをお見かけした場合はお知らせください。