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悲願の水晶岳登頂 2泊3日の写真

2023.05.24(水) 08:12

ヤリ

この写真を含む活動日記

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34:23

45.2 km

3903 m

悲願の水晶岳登頂 2泊3日

槍ヶ岳・穂高岳・上高地 (長野, 岐阜, 富山)

2023.05.23(火) 3 DAYS

かねてより目指していた水晶岳にこの度登頂することができました。 DAY1 AM2時、小雨、靴ズレ防止クリームを塗り出発。 雨は日中も降り続き、修行のような気持ちでひたすら登る。予報だとお昼から晴れるハズが、山の天気はなんとやらです。しかし雨のおかげでいつもの登り始めの暑くなりすぎるのは抑えられたので良かったかと思います。 大ノマ乗越から稜線に出るはずが、向かってひとつ右の斜面から登ってしまい、急で怖かったです。 稜線に出てからは歩くのがだいぶ楽になり、双六小屋でテントを張ってひと休み。今日は三俣山荘まで行かないと明日からがキツイから小休止して出発しないと、、、 寝不足なのもあり、うっかり3時間ほど爆睡してしまい、双六小屋を出たのが15時。日の入りが18:55。 なんとか明るいうちに着けるかな? 稜線ルートで行けばそうそう迷うこともないと思うし、頑張って歩こう。 しかし、雨と霧と風であたりが全然見えなくて何度もYAMAPの地図を見てルートを確認、果たして明るいうちに着けるのか、、、 三俣蓮華岳から下に降りる斜面がとても急で、おまけに雪がシャーベットのようになっていて、視界も悪いし、ここが今回の山行で1番緊張したポイントでした。 無事に稜線巻き道分岐まで降りてくると三俣山荘はもうすぐです。この頃にはあたりも薄暗くなり雨は雪になり、なるべくなら明るいうちにテントを張りたい思いも虚しく山荘に着く頃には日は暮れてしまい、さっさとテントを張り明日に備えて寝ました。 靴ズレで足が痛い。 軽量化の為に持ってきた3シーズン用寝袋がキャパ不足で足が冷たいのと、風雪が強くてうるさいので1時間半に1度目が覚める。 DAY2 AM3時起床、水晶岳アタックの日。雪も風も強い。 鷲羽岳山頂で朝日を見ようと早起きするも、雪と風は止んでいないのでどうしようか悩み(寒いし、おまけに外は強風で雪も降っているので出たく無いだけ、、、)大事をとって明るくなってから出発することに、5時出発。出発の時間を悩んでいて靴ズレ防止クリームを塗り忘れる致命的ミスをおかす。 鷲羽岳山頂まで来るとまるで台風のような風が吹いていて、いつも風が強い水晶岳エリアかと思いますが、ちょっと心が折れそうになる。いや、ここまで来たんだからと自分で自分を励まして先へ進む。 朝早い時間帯なのでアイゼンが効くし、いらない荷物はテントに置いてきたのでとても歩きやすく水晶小屋までサクサク進む。だが風はまだ強い。 水晶小屋で小休止、YouTubeで見たように鐘を鳴らす、ソロなのでこうゆう瞬間はちょっと照れる。 ここからは1番の目的地、水晶岳登頂を残すのみ。 気を引き締めて進みます。雪の壁に阻まれてここまで来て撤退したこともありました。でも今は装備もちゃんと持ってきてるし、数ヶ月前の自分とは違い、行けるはず。 緊張するポイントは2箇所ほどありましたが、なんとか水晶岳に登頂。 やった、おれはやったぞー、とひとりで叫ぶ。 本当に嬉しかったです。この頃には空も晴れて風も弱くなってきて、山の神様ありがとう! と同時にここから帰らないといけないと思うと、どっと疲労が。 ガスが抜けるのを待って写真を撮ったりして山頂を後にして三俣山荘にスタコラ戻る。帰りは黒部源流ルートから行ってみよう、時間も短縮できそうだし。しかしこれが失敗。この頃には足の痛みが激痛に変わり、源流の沢の斜面を単調な足運びで下るのが靴ズレの同じ部分に力がかかりとてもつらく、激しくペースダウン。ヒーコラ言いながらなんとか山荘に着いたのが13時。この日は双六小屋まで戻るのを諦めてここにもう一泊することに。まぁいいさ、ここで午後の時間をゆっくり過ごしたり夕方はアーベントロートを見たりしてひとり優雅に過ごそう。 しかし日中の夏のような暑さも3時過ぎには急に寒くなり、5時過ぎには気温が1℃ほどで、とても外で手袋無しで景色を眺めていられずテントに撤退😂 そして楽しみにしていた夕陽も焼けず、槍ヶ岳のアーベントロート見れず😂 この足の痛みが明日には治ってますようにと祈りながらケータイメモに、靴ズレクリーム朝塗る、と入力して今日の失敗を明日繰り返さぬよう就寝。 今夜も足が寒くて1時間半毎に目が覚めるも、12時以降は起床までは目が覚めなかった。 DAY3 AM4時起床、起きてすぐに靴ズレクリームを忘れずに塗る(薄い膜を8時間持続するすぐれもの)、天気は晴れ、5時出発 スタートから足は痛い。なので足に負担をかけないように静かにゆっくり歩く。大丈夫、今日は来た道を帰るだけだし、下りが多いから楽勝さ。 朝の時間でアイゼンが良く効いて歩きやすい、ザクザク言うけど沈まなくて気持ちいい。 三俣蓮華岳稜線ルート巻き道ルート分岐まで来て、DAY1に視界不良の中降りてきたトレースを見て迷わず巻き道ルートで帰ることに。あんな急なとこ、朝から登ったら足がやられてしまうわ、、、 しかし巻き道ルートもこれはこれで、夏道がほとんど雪で埋もれているのでトラバースの連続でまたしても足の痛い所に力がかかり続ける罰ゲームのような歩きでトホホな気分で先に進む😅 双六岳巻き道ルート分岐に着く頃には、朝頑張って稜線ルートから行ったほうが楽だったな、と思い知らされる。 双六小屋を過ぎると、冬季避難小屋の方からオーイと声が。これまでも、ハードシェルがスレる音やストックが雪を突く音が人が話しかけたような幻聴に聞こえて少し怖い思いはしてたけど、オーイは初めてだぞと思いそっちを向くと、知っている方は分かる話だと思いますが、避難小屋の小窓みたいな出入り口から髪の毛もじゃもじゃの人が何か叫んでいるので、一旦通り過ぎた道を戻りそちらへ行くことに。 顔が見えて来る頃には人に会えたことが嬉しくて、 「今回の山で初めて人に会いましたー」 と叫んだら、なにやらゴニョゴニョ言っているからさらに近づいて行くと、どうやら外国の方で、 This place is very good. 「ここめっちゃええで」 と言うので、今回の山行3日目でヘロヘロな上にいきなりの英語で面食らってしまい、 イ、イェース!😅👍 しか言えず。その後も拙い英語で話はしましたが、もっと英語を勉強しとくんだったと後悔しました。 彼の名前はクリス、アメリカ人、登山歴18年、日本には旅行で3週間ほど来ていて、3日前まで富士山に登っていて、きのうは双六小屋に泊まって今日は槍ヶ岳を目指すそうな。 世の中凄い人はたくさん居ますね。 クリスと楽しい会話を終えると、ずいぶん雪も緩んで大ノマ乗越からの下りは大丈夫かなと心配しながら慎重に先を急ぐ。 肝心の大ノマ乗越からの下りは、アイゼンも効かずにザーっと滑る場面もあり、雪がある山での行動の時間帯の難しさを感じました。 シシドヶ原まで降りてきたらあとはひたすらに歩くだけだ。今回の山も終わりは近いので足は痛いが残りも気を引き締めて行こう。 ここら辺でアイゼンも外してしまい、たまにあるデブリの山を越える時に滑って転ぶこと数回。雪で勢いよく転ぶので、たまたま石がある所に転んで骨折ったりすることもあるんだろうなと思いました。 新穂高登山口周辺まで来るとまるで夏かのような暑さで今回の山行は終わりです。 無事に帰ってこれて良かった。 なにより撤退続きだった水晶岳に初めて登れて良かった、本当に嬉しいです。 大切なのは、装備、経験、知識はもちろんですが、登りたいという強い気持ちだなと再確認できた水晶岳でした。 超長文になりましたが、読んで頂いてありがとうございました🙇‍♂️