鬼ヶ城(D・E中間ルンゼ)登攀

2018.09.28(金) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
6 時間 53
休憩時間
1 時間
距離
15.8 km
のぼり / くだり
1352 / 1350 m
5 40
34

活動詳細

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鬼ヶ城は岩手山の西火口の火口壁で、その岩尾根は通常ルートとして歩くことができる。が、『日本登山大系』には、この鬼ヶ城を火口から登る登攀ルートがいくつか記されている。このバリェーションのうち、最も優しいルートが鬼ヶ城フェースと呼ばれる壁にある東カンテルートである。今年の目標の1つは、そのルートをソロで登ることだった。そのためにこの数ヶ月、山行を減らし、外岩やボルダリングジムに行って練習を重ねてきた、というのに…😫 フェースの取り付きに向かうお花畑からの藪漕ぎで迷ってしまった💦 基部になかなかたどり着けず。それでもなんとかDルンゼと思われるところまで修正し、そのままルンゼ沿いに登攀することに。これが結果的にはD・E中間ルンゼであった。 まあ、どっちにしたってソロで鬼ヶ城の壁を登ったんだから、我ながらあっぱれだ😆 鬼フェースはまたいつか👹✨ 〜以下、記録(読まなくてもいいです!)〜 ①網張からリフトに乗る(1600円)。七滝から登るつもりだったが、網張リフト終了点からお花畑まで2時間弱と時間が節約できるし、こちらのほうが標高差がないから足も節約できる。 ②予想通りお花畑まで2時間弱。鬼ヶ城フェースを目の前にして、そのデカさにビビる。右側の鬼ヶ城本峰バットレスを見て、さらにビビる。お花畑で休憩してる方たちがいて、藪への突入をためらうが、意を決して突入。後ろから、おい、大丈夫か?という声が聞こえた。 ③藪、とにかく熊の気配が怖い。なるべく早く高度をあげて、熊がいない壁まで行きたいと焦る。霧と藪で目標のフェースが見えない。コンパスで確認。少し右にずれてる。しばらくしてもう一度確認。かなりずれてる。左に向かうが、熊が怖いから高度もあげたい。この中途半端な軌道修正のせいで、本峰方向に。 ④ようやくYAMAPの存在を思い出し、現在地確認。なんとかトラバースしてゴルジュっぽい沢に出る。すでにまあまあな斜度のため気が抜けない。この沢のテラスで遅まきながらハーネスなどの本ちゃん装備。もう引き返すのも難しい。かなり弱気になる。岩は雨のためか、そもそもルンゼで日当たりが悪いのか、苔でとにかくすべる。確実なホールドと、信頼できる木の根を手がかりに恐る恐る登りはじめる。 ⑤岩壁と草付きのミックスをしばらく登ると、核心と思われる壁。ちょっと見、無理。ハーケンを手の届きそうなところぎりぎりに打って、スリングをあぶみとして人工登攀を考えたが、ハーケンを打っても完全に入るところがない。ナッツかカムがあったほうがよかったかもしれない。人工登攀を諦める。しばし考えて、ザックを下ろしてなら登れるかもしれないと思い、岩にへばりつくように、足が滑る前に足を伸ばしたら、上部にちょうどいいクラックがあって、手がはいる。それを手がかりに登りきる。落ちたら終わりの場所だったが、ちょっとした賭けに勝った感じ。ザックを上げる。 ⑥この核心を超えて以降は、ほぼ草付き&藪漕ぎ。特に上部はハイマツやトドマツなどの猛烈な藪で痛い。が、つかむところはいくらでもあるので高度感はない。腕で登っていく感じ。 ⑦上部から人の声が聞こえてくる。鬼ヶ城の尾根が近い。藪も低くなって、一安心。記念の自撮り。嬉しさよりも、ほっとした。ずっとひりひりしてた。命がむき出しという感じ。 ⑧気が抜けてぼんやりと下山してると、じわじわと鬼ヶ城に登った実感が湧いてくる。帰りのリフト乗り場に着いたとき、ふと、必死こいて岩壁登ったあとに、リフトを使うということの背理に悩む。が、もちろんリフト乗った。とにかく腹が減っていたのだった。 〜記録、終わり(最後まで読んでくれた方、ありがとうございました)〜

岩手山・黒倉山・鞍掛山 リフトで向かう。テンションは低い。できれば行きたくない、のに向かってる。
リフトで向かう。テンションは低い。できれば行きたくない、のに向かってる。
岩手山・黒倉山・鞍掛山 紅葉の季節ですもんね。
紅葉の季節ですもんね。
岩手山・黒倉山・鞍掛山 姥倉分岐。ここの稜線大好き。
姥倉分岐。ここの稜線大好き。
岩手山・黒倉山・鞍掛山 大地獄谷。霧が晴れない。
大地獄谷。霧が晴れない。
岩手山・黒倉山・鞍掛山 向かう鬼ヶ城。
向かう鬼ヶ城。
岩手山・黒倉山・鞍掛山 出た。あれが鬼ヶ城フェース。
出た。あれが鬼ヶ城フェース。
岩手山・黒倉山・鞍掛山 高さは130メートル。あれに登るのか。
高さは130メートル。あれに登るのか。
岩手山・黒倉山・鞍掛山 東カンテルートは向かって左側。だから、左脇のEルンゼから取り付くことになる。
東カンテルートは向かって左側。だから、左脇のEルンゼから取り付くことになる。
岩手山・黒倉山・鞍掛山 お花畑へ。
お花畑へ。
岩手山・黒倉山・鞍掛山 鬼ヶ城本峰バットレス…。高さは300メートルあるという。あれにも登攀ルートがあるらしい。
鬼ヶ城本峰バットレス…。高さは300メートルあるという。あれにも登攀ルートがあるらしい。
岩手山・黒倉山・鞍掛山 突っ込みました!
突っ込みました!
岩手山・黒倉山・鞍掛山 左にルートを修正して歩いていると、岩場に出た。
左にルートを修正して歩いていると、岩場に出た。
岩手山・黒倉山・鞍掛山 お花畑があんなに遠い。
お花畑があんなに遠い。
岩手山・黒倉山・鞍掛山 このままだと鬼ヶ城本峰に行ってしまうので、怖いがここからトラバースをする。
このままだと鬼ヶ城本峰に行ってしまうので、怖いがここからトラバースをする。
岩手山・黒倉山・鞍掛山 沢に出た。おそらくこの沢がD・E中間ルンゼと思われる。
沢に出た。おそらくこの沢がD・E中間ルンゼと思われる。
岩手山・黒倉山・鞍掛山 ここから本格的に登攀開始。
ここから本格的に登攀開始。
岩手山・黒倉山・鞍掛山 草付きはあるが、草はつかんでもすぐ抜ける。慎重にホールドを探して登る。
草付きはあるが、草はつかんでもすぐ抜ける。慎重にホールドを探して登る。
岩手山・黒倉山・鞍掛山 本峰の方向。チムニーのようになっていて、向こうのほうが登りやすそうだが、先が見えないので遠慮する。
本峰の方向。チムニーのようになっていて、向こうのほうが登りやすそうだが、先が見えないので遠慮する。
岩手山・黒倉山・鞍掛山 本日の核心部。ほぼ滝になってる。写ってないが、写真の右側から登ることができた。
本日の核心部。ほぼ滝になってる。写ってないが、写真の右側から登ることができた。
岩手山・黒倉山・鞍掛山 尾根らしきところにあがる。三石の紅葉を見飽きた人のために、めずらしい鬼ヶ城中腹の紅葉写真🍁
尾根らしきところにあがる。三石の紅葉を見飽きた人のために、めずらしい鬼ヶ城中腹の紅葉写真🍁
岩手山・黒倉山・鞍掛山 木の枝や根をつかんでグイグイあがる。
木の枝や根をつかんでグイグイあがる。
岩手山・黒倉山・鞍掛山 まだときどきこんな岩場があったりする。
まだときどきこんな岩場があったりする。
岩手山・黒倉山・鞍掛山 ようやく少し広めのテラスに出る。
ようやく少し広めのテラスに出る。
岩手山・黒倉山・鞍掛山 あっちが鬼ヶ城本峰バットレスだ。いつか行きたいな。行けるかな。
あっちが鬼ヶ城本峰バットレスだ。いつか行きたいな。行けるかな。
岩手山・黒倉山・鞍掛山 最後の藪こぎ。
最後の藪こぎ。
岩手山・黒倉山・鞍掛山 きたぁぁぁ!!鬼ヶ城フリーソロ!一撃だぁ!!
きたぁぁぁ!!鬼ヶ城フリーソロ!一撃だぁ!!
岩手山・黒倉山・鞍掛山 久々の人工物。ほっとする。
久々の人工物。ほっとする。
岩手山・黒倉山・鞍掛山 あー、今更晴れて、屏風もきれいですこと。
あー、今更晴れて、屏風もきれいですこと。
岩手山・黒倉山・鞍掛山 あれもいつかは登るつもり。
あれもいつかは登るつもり。
岩手山・黒倉山・鞍掛山 さらば!
さらば!
岩手山・黒倉山・鞍掛山 あ、こっちが、フェースだ。
あ、こっちが、フェースだ。
岩手山・黒倉山・鞍掛山 すげー疲れた、帰り道。今日は燃え尽きた。
すげー疲れた、帰り道。今日は燃え尽きた。

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