活動データ
タイム
06:53
距離
15.8km
のぼり
1352m
くだり
1350m
活動詳細
すべて見る鬼ヶ城は岩手山の西火口の火口壁で、その岩尾根は通常ルートとして歩くことができる。が、『日本登山大系』には、この鬼ヶ城を火口から登る登攀ルートがいくつか記されている。このバリェーションのうち、最も優しいルートが鬼ヶ城フェースと呼ばれる壁にある東カンテルートである。今年の目標の1つは、そのルートをソロで登ることだった。そのためにこの数ヶ月、山行を減らし、外岩やボルダリングジムに行って練習を重ねてきた、というのに…😫 フェースの取り付きに向かうお花畑からの藪漕ぎで迷ってしまった💦 基部になかなかたどり着けず。それでもなんとかDルンゼと思われるところまで修正し、そのままルンゼ沿いに登攀することに。これが結果的にはD・E中間ルンゼであった。 まあ、どっちにしたってソロで鬼ヶ城の壁を登ったんだから、我ながらあっぱれだ😆 鬼フェースはまたいつか👹✨ 〜以下、記録(読まなくてもいいです!)〜 ①網張からリフトに乗る(1600円)。七滝から登るつもりだったが、網張リフト終了点からお花畑まで2時間弱と時間が節約できるし、こちらのほうが標高差がないから足も節約できる。 ②予想通りお花畑まで2時間弱。鬼ヶ城フェースを目の前にして、そのデカさにビビる。右側の鬼ヶ城本峰バットレスを見て、さらにビビる。お花畑で休憩してる方たちがいて、藪への突入をためらうが、意を決して突入。後ろから、おい、大丈夫か?という声が聞こえた。 ③藪、とにかく熊の気配が怖い。なるべく早く高度をあげて、熊がいない壁まで行きたいと焦る。霧と藪で目標のフェースが見えない。コンパスで確認。少し右にずれてる。しばらくしてもう一度確認。かなりずれてる。左に向かうが、熊が怖いから高度もあげたい。この中途半端な軌道修正のせいで、本峰方向に。 ④ようやくYAMAPの存在を思い出し、現在地確認。なんとかトラバースしてゴルジュっぽい沢に出る。すでにまあまあな斜度のため気が抜けない。この沢のテラスで遅まきながらハーネスなどの本ちゃん装備。もう引き返すのも難しい。かなり弱気になる。岩は雨のためか、そもそもルンゼで日当たりが悪いのか、苔でとにかくすべる。確実なホールドと、信頼できる木の根を手がかりに恐る恐る登りはじめる。 ⑤岩壁と草付きのミックスをしばらく登ると、核心と思われる壁。ちょっと見、無理。ハーケンを手の届きそうなところぎりぎりに打って、スリングをあぶみとして人工登攀を考えたが、ハーケンを打っても完全に入るところがない。ナッツかカムがあったほうがよかったかもしれない。人工登攀を諦める。しばし考えて、ザックを下ろしてなら登れるかもしれないと思い、岩にへばりつくように、足が滑る前に足を伸ばしたら、上部にちょうどいいクラックがあって、手がはいる。それを手がかりに登りきる。落ちたら終わりの場所だったが、ちょっとした賭けに勝った感じ。ザックを上げる。 ⑥この核心を超えて以降は、ほぼ草付き&藪漕ぎ。特に上部はハイマツやトドマツなどの猛烈な藪で痛い。が、つかむところはいくらでもあるので高度感はない。腕で登っていく感じ。 ⑦上部から人の声が聞こえてくる。鬼ヶ城の尾根が近い。藪も低くなって、一安心。記念の自撮り。嬉しさよりも、ほっとした。ずっとひりひりしてた。命がむき出しという感じ。 ⑧気が抜けてぼんやりと下山してると、じわじわと鬼ヶ城に登った実感が湧いてくる。帰りのリフト乗り場に着いたとき、ふと、必死こいて岩壁登ったあとに、リフトを使うということの背理に悩む。が、もちろんリフト乗った。とにかく腹が減っていたのだった。 〜記録、終わり(最後まで読んでくれた方、ありがとうございました)〜
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