【アルパイン修行編9】小同心クラック〜横岳〜硫黄岳縦走(赤岳鉱泉周回)

2023.05.04(木) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
10 時間 15
休憩時間
5 時間 8
距離
14.1 km
のぼり / くだり
1395 / 1395 m
2
25
34
1 36
13
11
17
9
8
44
19
1

活動詳細

すべて見る

今回は、いつものT氏とではなく、山岳医療仲間で遠く西日本から遊びに来てくれた、人生の大先輩、Hさんと。アルパインの修行をしたいとのことで、私自身のリードの修行を兼ねて小同心クラックへ。 トポや写真を見る限り、ルート的には前回の天狗山ダイレクトよりもイージーな印象だが、初ルートだしそこは八ヶ岳、とにかく高度感がすごいのと、岩質がボコボコしていて、怖さは少し上かもしれないな、と考えていた。 ここ1週間位、赤岳鉱泉からの情報やヤマテン、その他情報を収集し続け、小同心には雪がほぼないだろうと踏んで計画。アイゼンやピッケルを使わなければならないようであれば自分の実力ではそもそもムリなので、その時点で大同心基部からリターンするという計画で、滑り止めはチェーンスパイクのみ持参。 雪の状態はほぼ想定通りで、ほぼ問題なく小同心の基部までたどり着けた。 Hさんは前日のうちに赤岳鉱泉inし、鉱泉診療所にいる医師と看護師とお話していたそう。私は小川山にいたので、当日2時起床、2時半すぎ出発して一路赤岳山荘へ向かい、4時過ぎに赤岳山荘到着、4時半に出発して5時半に仲間と合流した。 眼の前で見る小同心は結構立っていたけれども、よく見るとルートはしっかりしていた。岩は小さなコブのようにボコボコと突出していて、妙義の岩質によく似ている。凸の先端部を引っ張り過ぎると外れそうな感じがする(実際に外れるらしい)。 なので、コブに乗るというよりも、コブの根元にそっと乗る、手では掴むというよりも押す、といった、なるべくジワジワとした登り方で距離を稼いだ。ホールドは豊富なので、クライミングシューズでなくても登れそうな感じだった(が、あったほうが楽)。 ひと冬の間に修行した成果か、前回の天狗山ダイレクトよりも更に落ち着いてリードとセカンドビレイをすることができたが、時々手順を誤りそうになったり、ロープの流れの読みが甘くてランナーをかけ直したりするなど、課題はまだまだ多い。夏の本番に向けて、更に修業を続けていく。 【装備】 ダブル50m×2、アルヌン120×3、60×3、その他諸々アルパイン装備(カム、ナッツは不要) 【ルート状況】※5/4時点の情報です ・赤岳山荘~赤岳鉱泉 朝だったので、ルートは一部凍結していたが、ほとんど凍結なし。滑り止めは使用せず。 ・大同心稜 下の樹林帯では凍結があったが、チェンスパを使用するほどではなかった。森林限界に近づくとほぼ雪なし。踏み跡明瞭。 ・大同心基部~小同心基部 大同心基部から右へトラバース。踏み跡明瞭。小同心基部の直前は急傾斜のトラバースで嫌な感じに雪が残っている。チェンスパ+一応ロープで確保して通過。アイゼン&ピッケルであれば安全に通過できそう。 ・小同心クラック(赤い人全リード) つららはいくつかあったが、ルート上には雪、凍結なし。 1P 40m IV- 正面のフェイスを左上し、そこから見えるチムニーに入って右上。最初の支点(ペツル)までかなりランナウトするので、ピナクルで支点を取るが、取り過ぎると屈曲してロープの流れが悪くなるので注意。岩はボコボコしていてホールド豊富だが、外れやすいためよく確認する。 ペツル×2+1とリングボルト×2が打ち込んである狭いテラス上でピッチを切る。 2P 35m IV 核心ピッチ。1P終了点から上がってすぐ右へトラバースするところの足元が切れていて怖い。トラバース後に狭くて深いクラックに入る。体がクラックに近いとかえって登りにくいので、横壁にステミングをしながら登っていくと楽。ペツル×2の狭いテラスを通過すると、岩が飛び出していて登りにくいクラックへ。壁から体を離さないと通れない。メンタル勝負。ステミングが肝。そこを抜けると、平らで広いテラスに出てペツル×2があるので、そこでピッチを切る。そのまま継続して、小同心の頭で切ってもよい。 3P 15m III コンテで小同心の頭まで。途中ペツル×1が2つあるので、ロープが足りるなら2Pと継続しても良い 4P コンテで歩き I 踏み跡明瞭な登山道並みのルート。横岳トップの基部まで歩き。 5P 35m III 若干立っているところもあるが、イージー。長いので支点は適宜取っておく。途中、ハーケンもあるようだが見当たらず、ピナクルで支点。頂上が終了点。 ・横岳~硫黄岳 横岳奥ノ院からのトラバースは残雪あり、溶けてきているが滑りやすいので注意。硫黄岳山荘まではボコボコした浮き石の多い岩場の下り。硫黄岳山荘からは岩が重なった登山道だが登りやすい。 ・硫黄岳~赤岩ノ頭 赤岩ノ頭分岐周辺までは雪なし。 ・赤岩ノ頭~赤岳鉱泉 森林限界下ではところどころ凍結気味の雪があり、斜面も急なところが多いので、チェンスパ大活躍。鉱泉の近くまでところどころ雪が残っている。

八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 前日に先行した同行者と待ち合わせるため、4時半に赤岳山荘まで入って出発。
前日に先行した同行者と待ち合わせるため、4時半に赤岳山荘まで入って出発。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 赤岳鉱泉関係者の車両、ぜーんぶ白。
赤岳鉱泉関係者の車両、ぜーんぶ白。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 堰堤広場から鉱泉へ。
堰堤広場から鉱泉へ。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 天気は期待大。
天気は期待大。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) これから登る小同心、横岳と大同心。ルート上は雪がないようにみえる。
これから登る小同心、横岳と大同心。ルート上は雪がないようにみえる。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 赤岳鉱泉のアイスキャンディはデロデロだがまだ残っている。
赤岳鉱泉のアイスキャンディはデロデロだがまだ残っている。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 赤岳鉱泉から硫黄岳方面へ歩くとすぐに現れる分岐。
赤岳鉱泉から硫黄岳方面へ歩くとすぐに現れる分岐。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) ロープの向こうの大同心沢から大同心稜へ。
ロープの向こうの大同心沢から大同心稜へ。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 踏み跡明瞭だが結構凍っている。登りなので滑り止めは使用せず。
踏み跡明瞭だが結構凍っている。登りなので滑り止めは使用せず。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 急登。次第に残雪が減ってくる、おそらく小同心は雪がないだろう。
急登。次第に残雪が減ってくる、おそらく小同心は雪がないだろう。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 裏同心ルンゼ。初めてのアイスをした思い出の場所。氷はもう殆ど残っていない。
裏同心ルンゼ。初めてのアイスをした思い出の場所。氷はもう殆ど残っていない。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) とにかく急登。
とにかく急登。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 木々の合間から阿弥陀が見える。
木々の合間から阿弥陀が見える。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 漆黒の魔王のような大同心。
漆黒の魔王のような大同心。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 阿弥陀をバックに。長い大同心稜の急登もあと少し。
阿弥陀をバックに。長い大同心稜の急登もあと少し。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 大同心基部から右側の小同心方面へトラバースするが、微妙に雪がありそうで嫌な予感。
大同心基部から右側の小同心方面へトラバースするが、微妙に雪がありそうで嫌な予感。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 大同心はどうやって登るんだろう。
大同心はどうやって登るんだろう。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) つららはあるが雪はない。
つららはあるが雪はない。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) ボロボロのハーケン。これはセルフビレイ用でも使いたくない感じ。
ボロボロのハーケン。これはセルフビレイ用でも使いたくない感じ。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) トラバース路は基本的には雪がないので歩きやすい。
トラバース路は基本的には雪がないので歩きやすい。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 完全無雪なら迷わずトラバース気味に上がっていくが、雪が嫌な付き方をしているので、行き方を考え中。
完全無雪なら迷わずトラバース気味に上がっていくが、雪が嫌な付き方をしているので、行き方を考え中。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 僅かに残る雪が嫌な付き方。
僅かに残る雪が嫌な付き方。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 大同心基部からトラバース気味に来て、小同心の基部まであと少し。
大同心基部からトラバース気味に来て、小同心の基部まであと少し。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 小同心基部からお隣の大同心。立ちっぷりが半端ない。
小同心基部からお隣の大同心。立ちっぷりが半端ない。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 小同心基部から見上げる。左上して左から右上に伸びるチムニーに入っていく。では、クライムオン。
小同心基部から見上げる。左上して左から右上に伸びるチムニーに入っていく。では、クライムオン。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) こんな感じで、いたるところにペツルがあるが、古いハーケンやリングボルトもある。
こんな感じで、いたるところにペツルがあるが、古いハーケンやリングボルトもある。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 1P登攀中、2つ目の支点から基部を見る。
1P登攀中、2つ目の支点から基部を見る。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) すぐ上からチムニーに入る。
すぐ上からチムニーに入る。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 1Pに至る途中のペツル。ランニングビレイにはありがたい。
1Pに至る途中のペツル。ランニングビレイにはありがたい。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) みぎのRCCリングボルトは一体いつ打ち込まれたものか。。。ひだりのペツルでしっかり確保。
みぎのRCCリングボルトは一体いつ打ち込まれたものか。。。ひだりのペツルでしっかり確保。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 1P目終了点。
1P目終了点。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 2P目チムニーの出口。雪は全く無く、つららが数本会った程度。
2P目チムニーの出口。雪は全く無く、つららが数本会った程度。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 股の下から見える世界
股の下から見える世界
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) ロープの屈曲が最小限になるよう色々考える習慣はできてきたけれど、まだまだ。。。
ロープの屈曲が最小限になるよう色々考える習慣はできてきたけれど、まだまだ。。。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 2P目、トップアウト!ここまでくればホッと一息。
2P目、トップアウト!ここまでくればホッと一息。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 3Pはコンテして小同心の頭を通過、そのまま小同心と横岳の間のコルの先までコンテ。横岳頂上にいる方が手を振ってくれました。左から巻けば歩いて登れますが、最後まで直登します。
3Pはコンテして小同心の頭を通過、そのまま小同心と横岳の間のコルの先までコンテ。横岳頂上にいる方が手を振ってくれました。左から巻けば歩いて登れますが、最後まで直登します。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 荒々しい大同心とたおやかな硫黄のコントラスト。
荒々しい大同心とたおやかな硫黄のコントラスト。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 何度も振り返る。あと1ピッチあるよ。油断せず。
何度も振り返る。あと1ピッチあるよ。油断せず。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 大同心のルートがすごく立っている。こんなの登れるのか?
大同心のルートがすごく立っている。こんなの登れるのか?
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 小同心の頭からのルートを見る。T氏以外の人と組んだアルパイン、課題もあったけど安全に完投できて感慨深い。
小同心の頭からのルートを見る。T氏以外の人と組んだアルパイン、課題もあったけど安全に完投できて感慨深い。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 無事登頂!お互いによい修行になりました。
無事登頂!お互いによい修行になりました。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 赤岳からの荒々しい稜線。
赤岳からの荒々しい稜線。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 赤、中、阿弥陀の向こうに先日登った北岳、そして甲斐駒と仙丈。
赤、中、阿弥陀の向こうに先日登った北岳、そして甲斐駒と仙丈。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 中ア、御嶽。
中ア、御嶽。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 北ア全部。
北ア全部。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 大同心のほうが小同心より標高が低い。
大同心のほうが小同心より標高が低い。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 後続パーティが小同心の頭まで到達。
後続パーティが小同心の頭まで到達。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 小同心、バックに御嶽と中ア。
小同心、バックに御嶽と中ア。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 我々の後続パーティが小同心の頭でトップアウト。ナイスクライミングでした!
我々の後続パーティが小同心の頭でトップアウト。ナイスクライミングでした!
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 赤、横、阿弥陀の向こうに南ア。
赤、横、阿弥陀の向こうに南ア。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) たおやかな硫黄へのルート。
たおやかな硫黄へのルート。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 南八ヶ岳の横、赤、中、阿弥陀
南八ヶ岳の横、赤、中、阿弥陀
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 天狗、蓼科。はるか遠くに後立山と雨飾まで一望。
天狗、蓼科。はるか遠くに後立山と雨飾まで一望。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 硫黄の爆裂火口に北ア。
硫黄の爆裂火口に北ア。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 北八ツ、蓼科。
北八ツ、蓼科。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 北八ヶ岳から荒船、両神、奥秩父主脈~横、赤、中、阿弥陀、向こうには南アルプスの甲斐駒、仙丈まで一望!
北八ヶ岳から荒船、両神、奥秩父主脈~横、赤、中、阿弥陀、向こうには南アルプスの甲斐駒、仙丈まで一望!
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) フレディっぽくない?笑
フレディっぽくない?笑
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 赤岩の頭経由で下山する途中。
赤岩の頭経由で下山する途中。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) こんな感じです。
こんな感じです。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 結構凍っており、チェンスパ大活躍。
結構凍っており、チェンスパ大活躍。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 大同心沢の分岐に戻ってきました
大同心沢の分岐に戻ってきました
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 冬の裏同心ルンゼもここから。
冬の裏同心ルンゼもここから。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 鉱泉に降りてきました。診療所にいる看護師と医師が知っている人だったので、挨拶してきました。
鉱泉に降りてきました。診療所にいる看護師と医師が知っている人だったので、挨拶してきました。
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) それでは、一気に下山!
それでは、一気に下山!
八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) 帰還!
帰還!

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