活動データ
タイム
04:36
距離
7.7km
のぼり
787m
くだり
788m
チェックポイント
活動詳細
すべて見る♪この木なんの木、気になる木(挨拶) (所感) 蕪山の見どころは麓にある異形の株杉と、中間温帯と冷温帯が交差する森林帯。白いかぶら、赤いかぶら、いろいろあるけれど、緑葉期のあおいかぶらもいいんじゃない? 登山口で対面の山肌を見ると、萌葱色と濃紺の幾何学模様が息を呑むほど美しい。これは落葉広葉樹林とスギ人工林のコントラスト、人間の営みが築いた生々しい文様だ。 はじめに株杉コースに向かう。話には聞いていた。この異形は、度重なる雪上伐採に耐え、スギが脈々と息づいてきた姿、というか、なれの果て。雪上伐採をしたのは、その方が麓に運び出しやすかったから。これは生活の知恵。幹が林立するのは、日本海側のスギが萌芽や伏条の性質を持っていて、土台となる株部分が普通のスギより腐りにくかったから。これは雪の重みに耐えるための植物の適応。でも実際に見るそれは、そんな生半可な知識では処理しきれない迫力があった。ほぉー、とかはぁーとか以外は何も言葉が出てこない。例によって先に進めない。 渓流沿いの登山コースはとても瑞々しく、岩々しい。足元に注意しながら、良く踏まれた登山道を行く。頂上稜線に取り付くと、ヒノキ植林地から温帯性の常緑針葉樹林に変わり、コウヤマキやモミ、ツガの林が続く。条件が良いところでは、落葉広葉樹林に取って代わるから、コウヤマキの林がまとまって残っているところは珍しい(わたしが知っているのは南木曽岳の南麓)。 初めてのブナが出てくると、冷温帯域に突入する。仰ぎ見ると、広葉樹の新葉を通過した光がやさしく林内を包み込む。あおいかぶらを満喫する。 植物は土地条件に対応しながらせめぎ合い、さらに長期的な視点でみれば、気候条件が大きく変動し、それにあわせて森林帯が上下する。途中3基の炭焼き窯の跡があり、人がこのあたりの広葉樹林を利用した歴史も垣間見える。植生史に人間の営みまで絡んでくるから森林観察は面白い。 蕪山は周囲の山域から抜きん出た標高ではないから、眺望は山頂までお預け。伐り開きにより森林が切れ、頂上のシンボルツリーが飛び込んでくる。気になる木は、ヒノキであった。 360度の眺望と見渡す限りの緑。遠くの山並み。林道に山腹を切り刻まれた滝波山と白い白山。笠のてっぺんと槍~穂高の稜線。乗鞍や御嶽は、ここ数日の雨でずいぶん雪解けが進んでいる。中央アルプス~南アルプス~恵那山は、霞みながらも何とか確認できる。南側には堂々たる高賀山の山塊。西には釜ヶ谷山や舟伏山が近い。 帰りは旧奥牧谷コースの明瞭な踏み跡を涙ながらにスルーして、自然観察道を経由する。こちらは早々にスギの人工林になり、単調ながらも安全安心な登山道である。植林地の中には、朽ち果てた株杉の名残が点在している。昭和30年代まで行われてきた株杉の伝統的な利用も、効率的な人工造林に取って代わられた。地域の自然と一体となって育まれた文化は、文化を形作ってきたパーツが脱落するとともに、急速に廃れていく(お気楽な冒頭との落差が酷い)。 (登山記録) ■アクセス R256を岐阜または美濃市内から北上するか、郡上市内から西進する。前者は信号機が全くない快適な(眠くなる)ドライブが楽しめる。後者は距離は短いが道が狭隘。関市板取の21世紀の森公園を目指す。全線舗装路。公園の駐車場は広く、きれいなトイレあり。携帯可。片隅には電子基準点(点名:板取)もある。 ■登山道 株杉は必見。周遊歩道で株杉だけを見るのもオススメ。この山域はヒルが多いので、増水期や夏場のおヒル時には、自然観察道(時計回り)を利用した方が良さそうだ。旧奥牧谷コースは利用が禁止されている。 (メモ) 鳥:ヒヨドリ、シジュウカラ、ヤマガラ、ウグイス(sg)、センダイムシクイ(sg)、ツツドリ(sg)、コルリ(sg)、カケス 植物(木本種):ヒノキ(植栽)、ヒノキ(天然)、スギ(植栽)、コウヤマキ(780m~)、ツガ、モミ、植物(木本種):アカマツ、イヌガヤ、ブナ(830m~)イヌブナ、コナラ、ミズナラ(600m~)、シラカシ、ミズメ、アカシデ、イヌシデ、クマシデ、タムシバ、ホオノキ、トチノキ、ヤマザクラ、ウワミズザクラ、ウラジロノキ、アズキナシ、ナナカマド、モミジイチゴ、オオモミジ、ウリハダカエデ、ウリカエデ、イタヤカエデ、オオイタヤメイゲツ、コハウチワカエデ、ヒトツバカエデ、チドリノキ、マンサク、マルバノキ、ヤブニッケイ、シロモジ、クロモジ(オオバクロモジか?;花)、カナクギノキ、ニシキギ属sp、マルバアオダモ、アワブキ、ミヤマハハソ、ツノハシバミ、オトコヨウゾメ(花)、ガマズミ、ミヤマガマズミ、オオカメノキ、ウグイスカグラ、ヒサカキ、ウリノキ、アオハダ、サカキ、ヒサカキ、シキミ、ハリギリ、コシアブラ、タカノツメ、サワフタギ、ユズリハ、サンショウ、コアジサイ、ハナイカダ、ネジキ、シロヤシオ、ドウダンツツジ、ミツバツツジ、リョウブ 植物(その他):ミヤコザサ(~700m)、チシマザサ、ユキザサ(蕾)、チゴユリ(花)、ホトトギス属sp(植物の方)、ウマノアシガタ(花)、ツボスミレ(花)、キランソウ(花)、イタドリ、ミカエリソウ、ヤマブキショウマ、ヤブレガサ、ヒトリシズカ(蕾)、イワタバコ、チャルメルソウ、ウスバサイシン、ヤマルリソウ、オタネニンジン、シハイスミレ、ヤマボクチ属sp、イワカガミ 土壌:700m:溶脱層が認められない、950m:溶脱層あり、乾性ポドゾル 地質:流紋岩類+砂岩 水分:3L携行→1.5L消費
活動の装備
- その他(Other)ICIオリジナル ガッシャブルム5
- モンベル(mont-bell)ガレナパック 30
- コロンビア(Columbia)ナイオベⅥ
- カリマー(karrimor)TC ヒップベルトポーチ
- その他(Other)熊撃退スプレー
- その他(Other)南部熊除け鈴 2連
- その他(Other)SABRE フロンティアーズマン ベアホーン
- その他(Other)登山ゲイター
- ニコン(Nikon)D5300 /w TAMRON AF18-270mm F/3.5-6.3 Di II VC LD
- ソニー(SONY)ソニー SONY DSC-RX100M6 [コンパクトデジタルカメラ Cyber-shot(サイバーショット) RX100VI ブラック]
- その他(Other)iPhone 13 mini
- ガーミン(Garmin)eTrex 30x
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