穂高大キレット縦走2日目:奥穂~北穂~南岳(大キレット)

2018.09.14(金) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
6 時間 51
休憩時間
1 時間 36
距離
3.5 km
のぼり / くだり
638 / 649 m
1 46
1 38
1 17

活動詳細

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※奥穂〜北穂間と、大キレット(飛騨泣き)の様子を360度VR映像で撮影して公開してます! よかったら下部のリンクからどうぞ。 ■1日目:https://yamap.co.jp/activity/2365761 4時半、モソモソ起床すると外は雨。もともと松本観光のつもりだったぐらいのメンタルなので、下りる気70%ぐらいで様子見朝食。昨晩宴会したメンズたちも朝食を済ませ合流、コーヒーをご馳走になります。エアロプレス、初めて知ったのですが今度買いたいぐらい良いです。大胸筋が鍛えられるメリットあり。 そうこうするうち気がつけば雨が止み、窓の外には晴れ間が。これは…大キレット、ゴーサイン出た? 遅くなったので槍ヶ岳山荘まで行けるかわかりませんが、とにかく出発してみることに。重太郎新道に下るというメンズパーティとはここでお別れ。涸沢岳から手を振ります。 涸沢岳からはクサリが連続する怒涛の下り。濡れた岩に若干ビビりますが、クサリ&要所でのセルフビレイの安心感が勝ります。ハーネス持ってきてよかった。 ちょっと登り返して涸沢槍。ここからの下りもクサリの急降下。濡れてるけど岩のグリップは良好。 実は前日涸沢槍付近で滑落事故があったそうで、先ほどのメンズや南岳小屋で一緒になった方々は、その収容作業を目撃したそうです。亡くなった方のご冥福を祈るとともに、気を引き締めます。 涸沢槍を下りるとしばし平穏な道(とはいえ左右絶壁なので要注意)、そして最低コルを過ぎると昨年恐ろしくてしょうがなかった滝谷ドーム側のトラバースが始まります。 奥穂~北穂間は、人によっては大キレットより難しいと言われています。その理由は、クサリなどが最低限しか設置されていないことと浮石が多いこと、そしてこの飛騨側、滝谷の半端ない高度感があると思います。 涸沢槍と涸沢岳の鎖場が難所と言われていますが、個人的にはやっぱり北穂寄りの滝谷上部の通過が怖いですね。気を抜いた瞬間即滑落からの生還率は限りなくゼロに近い的な。切り立った登りなら集中もしますが、トラバースでふと訪れる緩み。それが怖いです。 が、修行の成果あってか昨年ほど怯えず通過できました。やっぱりクライミングやバリエーションの経験って大きいな。ロープがある安心感に勝るものはありませんが、ハーネスつけると気が引き締まるよね、っていう師匠の言葉を思い出します。 北穂高小屋にそのまま泊まりたいぐらいですが我慢して、大キレットへ。ここからは初体験の道、慎重に。 北穂から行くといきなり飛騨泣き、長谷川ピークと難所が続きます。 飛騨泣きはどこじゃー、とドキドキしながら進むと、きた、垂直の鎖場が。でも思ったよりチョロいかも、とか言いつつ(ソロだと独り言で気を紛らわします)下りていくと、最後が短いけど下の見えない絶壁。でも覗き込むとステップがあり親切。表妙義の2段ルンゼに比べたら全然まし。それよりそこから対面の斜面に向かう一瞬のヤセ尾根が綱渡りっぽくて怖かった。 ダダ下りしてA沢のコル。長谷川ピークを目の前にいったん休憩。このあと南岳小屋でも一緒になるメンズ2人組にアンパン(北海道の美味しいやつ)をもらって元気ハツラツ。今回、いろんな方にいろんなものをご馳走になり大変感謝しております。予期せず物乞い山行になってしもた。 長谷川ピークまでの登りが、この3日間で一番緊張しました。予習では飛騨泣きがヤバそうだと思っていたのですが、こっちのほうが危ないんじゃなかろうか。落っこったら冥土行きなほっそい岩場をトラバースしたりまたいだり…。北上と南下だったら、自分の行った北上のほうが難しいって言いますけど、南下ルートでここを下るほうが嫌なかんじじゃないかな。 長谷川ピークに書いてあるHピークの文字を見たらヘンタイピークとしか読めなくなり、下を覗いたら凄まじい高度感。ここで笑いが止まらなくなってよくわかんないテンションに。ヘンタイは自分だ。 大キレット鞍部でしばし平和な道を噛みしめれば、またすぐ難所。ジリジリ岩場を詰めて、そろそろ南岳かしらんと思ったら、目の前に要塞が見えてきて目を疑いました。 垂直の岩場に21段5mと27段7.5mの二連のハシゴ。もう登りたくないよーとブツクサ呟きつつ、最後の絶壁をひとふんばり。 要塞を越えると途端に平和な光景が広がります。南岳小屋はもう目の前。 南岳小屋前で休んでいると先程のアンパンメンズと合流。さて、どうしようか。微妙な時間です。明日は雨の予報。できるだけ進んでおきたいです。でも今から槍ヶ岳山荘に行くと17時ぐらいになってしまうかも。かといって天狗原に降りて槍沢ロッヂに行くのは更に遠い。一番近い槍平小屋に下りるのはどうだろうと電話してみると、翌日雨で増水して滝谷が通れなくなる可能性が高いので、信州側に下りてくださいとのこと。 同様、なるべく早く下りたいというメンズたちとワヤワヤしていたら、小雨がパラついてきました。ここで南岳小屋泊決定。 アンパンを頂戴した彼らは翌日どうしても下りなきゃいけない用事があるそうで、槍沢ロッヂにこれから向かう旨電話していましたが、今から下りるのは無謀だと断られていました。 ここで予備日の大切さを痛感したのでちょっと書きます。他人事じゃないという意味でも。 自分は仕事がフリーランスということもあり、どうしても出社しなきゃという状況はないのですが、猫が留守番しているためあまり予備日を考慮したことはありませんでした。 が、昨年ジャンダルムを同行したひぃさんが今年大キレットを走破した際、予備日を設定していたので余裕をもって行動できたという話を事前に聞いていました。そこで猫のごはんを大量に置いて(万が一滑落して自分が帰らぬ人となる可能性も考慮)、1日ぐらい遅れても大丈夫なようにしてきました。 結果として予定通りに下山できましたが、今回これがかなり心の余裕に繋がったと思います。 南岳小屋でご一緒した方たちもみんな予備日を設定し、停滞覚悟の方もいました。長く縦走すればするほど好天続きとは限らないし、それぐらいの余裕があったほうが安全に登れるのだな、と実感した貴重な機会でもあったと思います。 ■3日目:https://yamap.co.jp/activity/2371303 ■食料メモ 朝:坦々スープ+餅、コーヒー 昼:行動食随時(スポーツようかん等) 夜:棒ラーメン

槍ヶ岳・穂高岳・上高地 冒頭からやる気のない写真ですみません。朝食は賞味期限切れの坦々スープに小粒餅をぶち込んだもの。食欲のない朝にちょうどいい!
冒頭からやる気のない写真ですみません。朝食は賞味期限切れの坦々スープに小粒餅をぶち込んだもの。食欲のない朝にちょうどいい!
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 外に出たら、まだビショ濡れなものの雨は止んだもよう。出発です
外に出たら、まだビショ濡れなものの雨は止んだもよう。出発です
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 まずは涸沢岳へ。ここまでは易しい道
まずは涸沢岳へ。ここまでは易しい道
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 右手の双耳峰・北穂高岳の奥、遠く槍ヶ岳と、本日の目標大キレットも
右手の双耳峰・北穂高岳の奥、遠く槍ヶ岳と、本日の目標大キレットも
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 槍にズーム。実はまだ登ったことがないのです
槍にズーム。実はまだ登ったことがないのです
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 常念岳と、その奥は浅間山方面?
常念岳と、その奥は浅間山方面?
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 笠ヶ岳
笠ヶ岳
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 足元には昨夜の宿、穂高岳山荘とその向こうに奥穂と前穂
足元には昨夜の宿、穂高岳山荘とその向こうに奥穂と前穂
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 麗しのジャン様
麗しのジャン様
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 奥穂山頂もチラリ
奥穂山頂もチラリ
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 ここからは一眼レフをしまってスマホの写真となりますゆえ、品質が劣化します。涸沢岳からの鎖場を下って見上げる
ここからは一眼レフをしまってスマホの写真となりますゆえ、品質が劣化します。涸沢岳からの鎖場を下って見上げる
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 行く手を阻む、荒々しい岩稜。このあたりの詳細は動画のほうが詳しいです
行く手を阻む、荒々しい岩稜。このあたりの詳細は動画のほうが詳しいです
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 スラブちっくなトラバース
スラブちっくなトラバース
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 見下ろして、涸沢。意外とテントいっぱいあります。右手は前穂
見下ろして、涸沢。意外とテントいっぱいあります。右手は前穂
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 反対側。双六とか黒部五郎岳とかそっち方面(説明が雑でスミマセン)
反対側。双六とか黒部五郎岳とかそっち方面(説明が雑でスミマセン)
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 岩岩のアップダウンが続く
岩岩のアップダウンが続く
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 最低コル
最低コル
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 急な岩場の登り
急な岩場の登り
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 相変わらず北穂近くの滝谷上部はデンジャラスビューティー
相変わらず北穂近くの滝谷上部はデンジャラスビューティー
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 長い鎖場の登り。上部はクサリないです。ここも動画のほうが詳しいです
長い鎖場の登り。上部はクサリないです。ここも動画のほうが詳しいです
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 セルフビレイを生かして面白写真を撮るつもりが、斜度が低くて上手くいかなかったパターン。こういうのはクライミングぐらい立ってないとアカン
セルフビレイを生かして面白写真を撮るつもりが、斜度が低くて上手くいかなかったパターン。こういうのはクライミングぐらい立ってないとアカン
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 細い岩尾根を伝えば、北穂はもうちょっと
細い岩尾根を伝えば、北穂はもうちょっと
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 北穂高岳、到着ー!が、期待してた大キレットも槍の展望も、ガスのなか。。
北穂高岳、到着ー!が、期待してた大キレットも槍の展望も、ガスのなか。。
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 この小屋大好き。スタッフさんが、めっちゃ感じいいんですよね
この小屋大好き。スタッフさんが、めっちゃ感じいいんですよね
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 いよいよ大キレットへ。クサリの下り
いよいよ大キレットへ。クサリの下り
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 よく見るペイント。200mは距離じゃなく標高差のことらしいです。それだけダダ下り(登り)ってことですね
よく見るペイント。200mは距離じゃなく標高差のことらしいです。それだけダダ下り(登り)ってことですね
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 長い鎖場。まだ北穂からの下りの途中です
長い鎖場。まだ北穂からの下りの途中です
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 下りてから見上げて。下の方は結構急です
下りてから見上げて。下の方は結構急です
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 細い岩尾根のトラバース
細い岩尾根のトラバース
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 出たー、有名なステップ。でもステップがあるしここはそんなでもない
出たー、有名なステップ。でもステップがあるしここはそんなでもない
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 ただし反対側を見下ろすと…ウヒョーな高度感が貴方をお待ちしてます
ただし反対側を見下ろすと…ウヒョーな高度感が貴方をお待ちしてます
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 更にトラバースが続く
更にトラバースが続く
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 パッと見わかりづらいですが、これは見下ろした写真です。いつの間にやら飛騨泣き最後のクサリにおりました。岩が立っているため下が見えません
パッと見わかりづらいですが、これは見下ろした写真です。いつの間にやら飛騨泣き最後のクサリにおりました。岩が立っているため下が見えません
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 下りきって、反対側から飛騨泣き全貌。難所は最後のクサリだけです。そこもステップがあるので親切です
下りきって、反対側から飛騨泣き全貌。難所は最後のクサリだけです。そこもステップがあるので親切です
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 A沢のコルでひと休み
A沢のコルでひと休み
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 A沢のコル直上の木の橋。橋っぽいものはここだけ
A沢のコル直上の木の橋。橋っぽいものはここだけ
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 ここもヤセた尾根のトラバース。崖っぷちにへばりつくように回り込んで行きます
ここもヤセた尾根のトラバース。崖っぷちにへばりつくように回り込んで行きます
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 登って
登って
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 またぐ!
またぐ!
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 足元がキレッキレでやばいよー
足元がキレッキレでやばいよー
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 ステップ!(「!」をつけたいお年頃)
ステップ!(「!」をつけたいお年頃)
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 長谷川ピークに到着しました。この岩の向こう、すんごい高度感です。ちなみにヘンタイピークとは読みません。ごめんなさい
長谷川ピークに到着しました。この岩の向こう、すんごい高度感です。ちなみにヘンタイピークとは読みません。ごめんなさい
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 このような緩やかで穏やかな箇所もあったりします
このような緩やかで穏やかな箇所もあったりします
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 こういうほっそい岩尾根の上を歩くの一番苦手なんです
こういうほっそい岩尾根の上を歩くの一番苦手なんです
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 ガレ場の向こうに、要塞チックなものが見えてきました
ガレ場の向こうに、要塞チックなものが見えてきました
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 南岳直下は、切り立った垂壁の登りとなります
南岳直下は、切り立った垂壁の登りとなります
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 2段のハシゴの1段目から下を覗いて。このあたりはもう高度感は麻痺してるので、ただひたすら登るのがツライです
2段のハシゴの1段目から下を覗いて。このあたりはもう高度感は麻痺してるので、ただひたすら登るのがツライです
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 登るのツライって言ってるのに
登るのツライって言ってるのに
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 次のハシゴ。ヒーヒーです
次のハシゴ。ヒーヒーです
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 まだ登るのかよ…要塞、おそるべし
まだ登るのかよ…要塞、おそるべし
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 この要塞は登らず左から巻いていきます。ちょっとホッとした
この要塞は登らず左から巻いていきます。ちょっとホッとした
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 南岳小屋が見えたー!周りはガスでなんも見えない!
南岳小屋が見えたー!周りはガスでなんも見えない!
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 逡巡した結果、南岳小屋泊と相成りました。空いていたので飛び込みでも大丈夫でした
逡巡した結果、南岳小屋泊と相成りました。空いていたので飛び込みでも大丈夫でした
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 手描きがかわいいコース案内。いろいろ張られてました
手描きがかわいいコース案内。いろいろ張られてました
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 綺麗な小屋です。受付のまわりはグッズがいっぱい
綺麗な小屋です。受付のまわりはグッズがいっぱい
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 大キレットの思い出が詰まったノート
大キレットの思い出が詰まったノート
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 バラ売りされているお菓子
バラ売りされているお菓子
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 水場。宿泊者は無料で利用できます
水場。宿泊者は無料で利用できます
槍ヶ岳・穂高岳・上高地 部屋は入ると左右がそれぞれ2段になっていて、各4人(6人?)×4で16人寝れる構造。女性のみパーティは自分だけだったので、片側の上段を独占でき快適でした
部屋は入ると左右がそれぞれ2段になっていて、各4人(6人?)×4で16人寝れる構造。女性のみパーティは自分だけだったので、片側の上段を独占でき快適でした

動画

活動の装備

  • その他(Other)
    climbing technology galaxy
  • ブラックダイヤモンド(Black Diamond)
    ウィメンズ プリムローズ
  • プリムス(PRIMUS)
    イージークックNS・ソロセットM
  • ソト(SOTO)
    マイクロレギュレーターストーブウインドマスター
  • カリマー(karrimor)
    イントレピッド40 タイプ3
  • スポルティバ(LA SPORTIVA)
    トラバースX4 MID GTX
  • その他(Other)
    POINT6 HIKING PEAK LIGHT CREW
  • ホグロフス(HAGLOFS)
    LIM III JACKET
  • その他(Other)
    MOUNTAIN EQUIPMENT granite bottom
  • パタゴニア(patagonia)
    キャプリーン・ミッドウェイト・ジップネック
  • ファイントラック(finetrack)
    スキンメッシュロングスリーブ

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