インドシナ最高峰への死闘

2023.03.17(金) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
5 時間 49
休憩時間
16
距離
27.8 km
のぼり / くだり
1575 / 1575 m

活動詳細

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 「第5回バンナ耐久®」の開催を報せるDMを受け取った時、少し躊躇したのだった。  伝統も権威もある大会をリスペクトしたいものの、「またアレやらされるの?」という感情が先に立つ。  それでも、出場を決意した。プチ移住シリーズ第2弾「🌾live in サパ」の出発が近づいてきたからである。  このシリーズでは、ベトナム北西部、ホアンリエンソン山脈の山里Sapaに長居する。  メインイベントは、ファンシーパン山(標高3143m)。インドシナ半島(ミャンマー、タイ、カンボジア、ラオス、ベトナム)の最高峰で「インドシナの屋根」の異名をとる。  ここに登るには少し面倒臭いハードルがあるのだが、それについては後日、現地からリポートする。  いずれにしても、事前のトレーニングとしてバンナ耐久に勝るものは石垣島にはない。  登山筋を目覚めさせるべく、17日朝、決戦の舞台に向かった。  📌バンナ耐久®───  石垣市街を望むバンナ岳(標高230m)の周回レース。日本山岳会石垣島エセ支部主催。  修行僧もドン引きするという天然サウナ無限ループで選手を振るい落とし、最後の一人を勝者とする。天然サウナにならない12~3月は、冬季参考記録とされる。  ——————————————————  🌴過去の戦績  【第1回】  2021年8月17日  ☀のち☁ 28.1ー31.7℃  6周で優勝。4時間57分  【第2回】  2021年10月5日  ☀ 27.7ー32.7℃  6周で2連覇。4時間51分  【第3回】  2021年12月24日  ☀のち☁ 19.8ー26.8℃  8周(冬季参考)で3連覇。5時間36分  【第4回】  2022年7月5日  ☁ 26.9ー31.9℃  6周で4連覇。4時間25分  (※第1~4回大会とも参加選手1名)  🌴第5回バンナ耐久  3月の石垣島は、好天が続いている。16日までに☀マークが14回付き、気温も冷房を入れずに過ごせるレベル。  17日は南風が吹いてしまい、最低22.0℃、最高26.4℃。暖かいというより蒸し暑い。前夜は冷房ON。冬季バンナ耐久のコンディションとしては良くない。  大会記録は6周。累積標高差1200mにとどまるが、天然サウナで身の危険を感じるので、7周目のハードルは極めて高い。  一方、冬季参考記録の8周は同1500mを超えるものの、更新のチャンスがあるのは、むしろこちらだ。  体力的には行ける。問題は精神力。10分でお家に帰れる、シャワーを浴びられる、ビールを飲める。そーゆー環境で歩き続けるのは思いのほか難しい。  さて、1周目。前日の雨でしっとりしたジャングル遊歩道を味わいながら上った。  下りの観光道路(バンナスカイライン)では、ヒーヒー上ってくるロードバイクの兄貴に出くわした。  どちらからともなく、笑顔で「ういーっす」と挨拶を交わす。レンタカーが妙に増えたスカイラインを自力で上り下りする者同士の親近感とでも言おうか。  2周目。同じ下りで、同じ兄貴にまたまた出くわした。今度は、お互いに苦笑(?)。「バンナ岳を周回しているらしい変態が、俺のほかにもおるのね......」というニュアンスの。  4周目。想定より1周分ほど早く心が折れ始め、ドーピング(ウォークマンによるBGM)に手を出した。テンションを上げてなんぼのバンナ耐久。Guns N' RosesやAerosmithがマッチする。  累積標高差が1000mに達する5周目になると、遊歩道の階段の上りで足が止まり始める。6周目からはウォークマンを外し、気分をリフレッシュさせた。  しかし、7周目。「ぽき」と心が折れる音を聞いた。冬季タイ記録の8周を踏破するのが精いっぱいになり、更新はならず。  【第5回戦績】  8周(冬季タイ)で5連覇。5時間49分(冬季2位)  (※参加選手1名)  冬季にしては蒸し暑かった。真冬の最低15℃以下、最高20℃以下の日を選ばないと、記録更新は厳しいかもしれない。  でも、やり切った。充実感は得られた。インドシナ最高峰も乗り切れるだろう。  🚀石垣島メモ㉚「節目」  陸上自衛隊の「石垣駐屯地」が、16日に開設された。本当に「ミサイル基地の島」になるとは。  ちょうど10年前、2013年3月の新空港オープンに匹敵する節目だ。ご来島にあたっては、このターニングポイントを頭の片隅でもいいから入れておいてほしい。  防衛省によると、石垣駐屯地は定員570人。  〇八重山警備隊(多目的ミサイルと迫撃砲)  〇地対艦ミサイル中隊  〇高射中隊(地対空ミサイル)  から成る。  今月5日、石垣港から車両150台が運び込まれた。  ぶざま岳まで自転車を漕ぐ途中、その車列に遭遇した。沿道には様子を撮影する人たち(反対派?)が見られ、上空では警戒監視(?)のヘリが飛んでいた。  あす18日には、弾薬(ミサイルそのもの)が運び込まれる。開設作業のクライマックスだ。4月2日には記念行事がある。  当面、沖縄本島はもちろん全国から反対派(賛成派も?)が集まり、警備陣、報道陣もやって来て、それなりの騒ぎになる。  🚀  🚀  🚀  🚀  🚀  開設当初の騒ぎは、これまでの同種事例からして、すぐに収まるだろう。  石垣市民としてよっぽど気になるのは、中長期的な住み心地である。  まず、人口が非連続的に増える。2月現在、4万9485人。隊員570人と家族260人が九州から引っ越してくるから、一気に初めての5万人台に乗る。  元はと言えば、新空港オープンで内地直行便や中型機(B787など)が発着できるようになり、観光客が71万人(12年)→147万人(19年)と倍増。人口も増えていた。  のほほんとした掘っ立て小屋ターミナル時代から一転、ファミマ、ドンキなど全国チェーンの進出が相次いだ。ホテルやマンションの建設ラッシュも続く。  さらに、石垣島には日本最大の海上保安部(定員693人)もある。尖閣諸島の警備が忙しくなり、これまた年々増強されている。  かくして、南部の市街地は賑やかに便利になり、同時に没個性的にもなっていく。この流れは、駐屯地の開設で加速しそうだ。  経済効果は間違いないにしても、いざという時、この国が八重山諸島を守り抜くという感じは全くしない。相手が手ごわ過ぎる。  「引っ越すなら、どこ?」。以前よりさらに具体的に考えるようになった今日この頃。  「成田空港の近くがいいな。国内にも海外にも放浪しやすいから」。のん気に言っていられるのも、今のうちかもしれない。  🌾おしらせ───  次回は4月、ベトナム北西部サパからお届けする予定です。  ——————————————————

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