活動データ
タイム
14:02
距離
23.4km
のぼり
1896m
くだり
1869m
活動詳細
すべて見るやり残していたルートがあったので、久しぶりに八甲田へ。 【八甲田縦断】 八甲田山系は、最高峰大岳をはじめとし、ロープウェイや酸ヶ湯からの周遊もあって登山者の絶えない北八甲田と、まともな道がほとんど無く雪のシーズンだけバックカントリーでにわかに活気付く南八甲田とがあります。その境目となるのが、酸ヶ湯ー傘松峠ー蔦温泉を結ぶ国道103号線。酸ヶ湯の登山口には「日本山脈縦走起点」という看板こそありますが、実際に北八甲田の大岳から、南八甲田の中央分水嶺である駒ヶ岳まで縦走しようとしても、深い藪に阻まれて無理でしょう。じゃあ残雪期にとなるかもしれませんが、傘松峠は雪の回廊として例年3月下旬には開通してしまうため、登山者目線では縦走路が不通となってしまいます(なにせ数mの雪の壁ですからね…)。ということで、この縦断を敢行するとなると、雪が深まる1月中旬〜3月中旬と約2ヶ月ほど。ただ、雪中行軍が有名すぎるくらい、厳冬期の八甲田は登山の機会をなかなか与えてくれません。少し冬型の気圧配置が緩んで、高気圧がやってくる2月下旬〜3月中旬の1か月にも満たない期間しか、このルートができる機会はないと言えるでしょう。東北時代から密かに狙っていましたが、なかなか条件が揃わず断念。宿題になってしまったな〜と気を揉んでおりましたが、ここにきて高気圧の予報。そしてJR東日本150周年を記念した特別切符(この存在がとても大きかったです笑)…。これは今やらないでいつやる、ということで東京から久方ぶりの青森行きを決めました。 八甲田自体も久しぶりで、前回がコロナの駆け出しだった2020.3月。南八甲田の乗鞍というアクセスに恵まれない山だったこともあり、登山者がほとんどいなかったのを覚えています。ただ、この時南北八甲田を分断する車道を見て、次来る時はここを繋ぎたいと思うようになりました。 本当は傘松峠からさらに足を延ばして、雛岳、高田大岳を経てから大岳という南北W横断する壮大な計画だったのですが、なにぶん初日の条件がなかなか劣悪で、道半ばの山行となってしまいました。それでも南北八甲田の最高峰は踏んでますし、分断国道を越えるという目的が果たせたので御の字ですね。そもそもこの時期の八甲田をW横断するのは相当足が揃ってないと厳しいとも思い知らされました。八甲田の怖さを垣間見ることができたというのも1つの経験です。基本的に天気の良い時しか山は行きたくない(ことリスクの大きい雪山なら尚更)人なので、ここ数年過酷な雪山をやっていなかったのですが…、初日の視界ゼロの中現在地分かるからと強行登山しましたが、かなーり厳しかったです。地形は大丈夫だからとゴリ押ししてましたが、ホワイトアウトするとサッパリですね。今後の糧にしたいと思います。 【ルート概要】 ◇アプローチ◇ 東京20:16の終電で青森駅へ。翌朝の酸ヶ湯行き1便は新青森に停まらないので、青森まで行くことがマストです。JR東日本150周年記念パスのおかげで格安で行くことができました。来週も晴れそうなので、首都圏住まいの方は是非狙ってみてはいかがでしょう。 ◇城ヶ倉温泉〜城ヶ倉大橋◇ 周遊ルートの際若干ネックだったのが、南八甲田横岳登山口(城ヶ倉大橋)までのアプローチ。酸ヶ湯は北八甲田へのアクセスは抜群なのですが、南八甲田にかけては城ヶ倉渓谷が立ちはだかるので、南北縦断するには逆川岳の登山口城ヶ倉大橋が恐らく最も効率が良いです。ただ、大橋にバス停はなく、城ヶ倉温泉が最寄りのバス停となります。ペア登山なら車2台使えばいいんでしょうが…。 ソロ登山者は城ヶ倉温泉から大橋まで悲しく車道を歩くほかないのですが、スキーを担いで路肩なし・交通量そこそこの車道はなかなかシンドイと思ったので森の中をショートカット。森に入る時雪の壁がありますが、人の背丈+αくらいだったので頑張れば突破できます。どちらかというと橋への降り口が面倒くさく、それなりの急斜面を慎重に降りました。降り口から登山口まで、除雪のされていない城ヶ倉大橋の歩道を歩けば再び雪の壁と車道の行き来をせず楽なのですが、万が一転落したら確実に命を落とすので自己判断に委ねます。 ほとんど参考にされる人いないと思いますが、超ニッチな情報として共有いたします。 ◇城ヶ倉大橋〜横岳◇ 森の中を上がっていきます。ここはBCの人気ルートの1つなので、休日ならトレースはあるでしょう。ただ、土曜日は視界不良と強風で山頂まで行かれた方は恐らくゼロ。私も今山行初ピークだからとホワイトアウトの中山頂を探しましたが、無駄に体力を消耗するのも惜しい天候だったので横岳はショートカット。トラバース終盤、地図上の等高線も落ち着いてきたので一安心したところで頭上に雪庇が現れて??となったところ足元が急斜面すぎて若干滑落。大きな地形だと地図どおり穏やかな地形なので事なきを得ましたが、小さな地形の変化はGPSじゃ追えませんね。ホワイトアウトの中何とか行けるだろうと思ってましたがやはり突っ込まないのが正解でした(当たり前)。横岳と似てますが、よりスケールの大きい櫛ヶ峰を今の状態で行くのは危険と判断し、プチ滑落から程なくしたところでイグルー泊。 ◇横岳〜櫛ヶ峰◇ ホワイトアウトに打ち負かされて、計画より全然進めてなかったので日の出の1時間前行動。ホワイトアウトよりマシですが、平坦な地形は方向が分かりづらいのでヘッドライトだと都度都度行き先をGPSで確認する必要がありました。 櫛ヶ峰手前で白んできたので登りやすくなりましたが、今度は風とちょっとしたガスでなかなかハードな登り。条件に恵まれていれば難しいところはありません。ただクトーは欲しいかもしれません、あと樹木の雪波が面倒くさいところもありました。前回来た時はそんな印象なかったので、単に暗くて変なところを歩いていただけなのかもしれません。 ◇櫛ヶ峰〜駒ヶ岳◇ 山頂若干南をドロップ。やや雪崩怖い地形ですが、歩いてた感じ怖い崩れ方はしないと思ったので。駒ヶ岳までは小さなピークが2つありますが巻いています。トラバースが沢の源頭部で、ここも若干雪崩怖い地形です。あと駒ヶ岳の登りで樹木が雪波を形成し面倒でした。 ◇駒ヶ岳〜傘松峠◇ 本日2本目のドロップ。滑り始めはカリカリです。1167点から尾根を行ってますが、多分東側の谷の方が滑りやすいと思います。(前回はそうした記憶)。この区間までルートガイドも出てるのでそちらも参照ください。 ◇傘松峠〜石倉岳◇ 直登は傾斜がきつすぎるので、硫黄岳とのコル経由で行きました。最後コルからの登りが若干急ですが、大して距離もないので問題ないと思います、 ◇石倉岳〜硫黄岳◇ スキーだとなかなかタフな登り。クトー使用。雪波を上手に避ければ登れると思います。 ◇硫黄岳〜仙人岱ヒュッテ◇ 突然爆発的に人が増えて面食らいます。硫黄岳の下りは面倒だったのでシールのまま行きましたがオススメしません(コケました) ◇仙人岱ヒュッテ〜大岳◇ 人が多い!さすが百名山パワー。カリカリなのでスノーシューの方もほとんど途中でアイゼンに切り替えてました。トレースで斜面が均されるので、クトー使えば行けないこともないですが、アイゼンがいいと思います。 ◇大岳〜城ヶ倉温泉◇ 大岳の下りはカリカリ斜面を樹氷を縫って下降するのでかなり面倒でした。 1400mくらいから滑れる斜面になってきて楽しいです。ただ1000mまで来ると地形が平坦になる上雪も重くなるので、スキーだとなかなかしんどい。全トレース酸ヶ湯方面なので、道を拓く必要もありました。城ヶ倉温泉は池があるので間違って降りていかないよう注意です。 城ヶ倉温泉、日帰り入浴14:30までなので入りたい方は急ぎましょう😤 3年前から思い描いていたルートだったので、ちょっと道半ばにはなりましたが、それでも良かったなと思います。大岳は4度目ですが、冬は初めてでしたしね。あとは前述しちゃいましたけど、いろいろ思うところのある山行だったので無事縦断できて良かったです。ちょっと反省も残りましたが、また次の機会に活かしたいと思います。
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