黒糖のちチョコ、そして冷や汗 沓掛山・星生山・中岳

2023.03.04(土) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
6 時間 8
休憩時間
1 時間 13
距離
10.2 km
のぼり / くだり
788 / 786 m
1 9
31
13
44
13
20

活動詳細

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 数日前に息子(20歳)が自動車学校を卒業して仮免許を取得した。乗りたくてうずうずしているので、それを餌に週末の山に付き合わせることになった。それまでに免許を取れと言うが躊躇っている。裸眼で0・6らしいから、一発勝負でやってみろとけしかけるが、誰に似たのか真面目な性格で視力がひっかかるかもしれないので、念のため眼鏡を買うので月曜日に行くという。仮免許で車に乗るのはいいが、保険は効かないし、事故、違反でもしたら大変。  4時に出立。まだ暗いので行きはオッサンが運転。7時過ぎに牧ノ戸に到着すると、第一駐車場に空きがあった。天気予報は上々なので、満杯状態だと思っていたが拍子抜け。  息子と登るのは、コロナ禍初期の2020年4月の阿蘇の冠岳に登って以来3年ぶり。小学校1年生の時に地元の十坊(とんぼう)に連れていったのを皮切りに一緒によく登った。今回のコースは小学生の頃に高校同期生たちをご来光登山して以来だ。中学生くらいになると、次第に山の誘いに乗らなくなって、3年前の山行はレアケース。  コースは、今年未踏の星生(ほっしょう)と天狗ヶ城、中岳を歩く予定だ。薄曇りで遠くは少々霞んでいる。由布岳の双耳峰は見えたが、阿蘇五岳は雲の中。  沓掛あたりから泥が凍結している。まるで「黒糖」だ。深く刻まれた足跡は踏んでも崩れない。踏まれた白い霜柱の小径も所々に。帰りは溶けるだろうから、あのチョコレート道路になるだろうなあと覚悟した。  扇ヶ鼻分岐で休息して分かれから星生の取り付きに入った。ここを歩くのは一昨年以来だ。しばらくすると、急登が始まった。今年はすでにこれで10回目の山行。寄る年波には勝てないのか、それとも減量が上手くいっていないのか、少しきつい。精神的なものもあるかもしれない。後ろにピッタリくっ付いて歩いている息子の息遣いがオッサンのそれと比べて何と穏やかなことか。40歳以上離れているから仕方がないかもしれないが、嬉しくもあり悔しくもあり、情けなくもあり、沈黙のプレッシャーを感じる。雪は所々残っていてチェーンスパイクを履いていないので慎重に足を下ろす。  稜線に出ると、風が強くなってきた。予報では微風だったのだが、風速は5m前後あるのではないか。頂上には数名の先客がいた。風が強いが、先客との距離を空けるためにしばらく待機。星生崎の岩場を下る。少しルートを左に取ったのだが、こちらは雪が残っていて、左を結構危険な崖を見下ろしながら、踏み抜きや滑らないように用心して下った。  避難小屋前で休憩。天狗ヶ城経由で中岳に行く予定だったが、疲れていたので、パスして御池(みいけ)迂回路から中岳に向かうことにした。池はまだ凍結していたが、所々溶けているようだ。数名が池の上を歩いていた。ショートカットになるが、スパイク履いていないので周縁部を迂回する。  天狗と中岳の分岐に到着。すると、真新しい標識。見ると、佐世保のグループが設置してくれたようだ。感謝。  中岳頂上に着く頃には晴れてきた。祖母山の姿も霞んでいたが見える。帰路は天狗に登って避難小屋で山飯を考えていたが、疲れと空腹で断念し、池のほとりで摂ることにした。  さて、下山。やはり溶け始めてきている。西千里の正面道は見るからにチョコ状態。脇の小径を歩いて避けた。すると、県外の人たちなのかグループの人に「久住はどれですか?」と尋ねられ、後ろを振り向いて「あれです」と答え、真ん中の道だとどろどろなので、左の側道を歩いた方がいいと思います」とアドバイスした。いずれにしても、帰りは避けられないだろうが、少しでも気持ちよく歩いてもらいたい。  扇ヶ鼻分岐くらいからいよいよ始まった。最初は石を伝って下りていたが、もう最後は諦めた。これからしばらくはこの状態が続く。このコースはこれを覚悟して登るしかない。一種の名物だと思って諦めるしかないだろう。それを避けたいのなら、大曲から北千里経由のピストンルートを選択すればいいと思う。  無事に下山。ペースはゆっくりだったが、これはオッサンの疲労のせい。靴やズボンにこびりついた泥を持ってきたタオルで拭き取る。  さて、今日の目的の一つ、息子の試運転。牧ノ戸から一気に300mくらいを瀬の本高原へ下りるコースで、ヘアピンカーブもあって初心者には厳しいかもしれない。それでもハンドルを握りたいというので、仕方なく承諾。息子も初体験なら親父のオッサンも息子の運転する車に乗るのは初めて。手書きの「仮免許練習中」の紙を前後に貼っていざ出発…駐車場を出るところからオタオタ。たまたま入ってこようとしていた観光バスが待っている。焦るな!右から来る車に気を付けろと言うと、その確認の仕方がなっていない…  ようやく道路に出ると、早くも後続車が近づいてきた。下りだから80キロは出る道路なのだが、60キロ出すのが精一杯。おまけにセンターラインに近すぎる。「センターラインをはみ出しちゃダメだ。左に」と言うと、ハンドルを切り過ぎる…これはまずいと思っても後の祭り。左のスペースに入らせて後続車をやり過ごすこと3回。カーブは「スローインファーストアウトだぞ」と言うと、かなり手前からブレーキを踏み始めて、カーブ半ばでもアクセルを踏めない。直線でスピードを出すように指示するが、まだ安心できない。  ようやく、瀬の本の四つ角に着いた。右折車線。幸い対向車がいなかった。ここからは下りだが比較的直線コースが続く。黒川温泉までと決めていたので、あと少し。しかし、遠く離れていたトラックが気が付けば、近くまで寄ってきている。黒川温泉近くに差し掛かって左のスペースを探すが、なかなかない。ようやく、見つけて選手交代。冷や汗びっしょり、喉がからからになっていた。  誰でも通る初心者の道。息子に練習方法を教えようと思うが、オッサンの取り立ての頃を思い出そうとしてもなかなか思い出せない。週末に恐怖の助手席に乗ることになるんだろうなあ。 令和5年の山行はこれで10回目。ピーク数は17(重複なし)  

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