活動データ
タイム
03:15
距離
10.8km
のぼり
601m
くだり
600m
活動詳細
すべて見る鷹狩山へいってまいりました。 二月の乾いた日差しをあびてカチカチに凍った路面を大町山岳博物館駐車場から歩いていきます。 ガードレール沿いを競馬でいう内ラチ沿いをムダ無く進んでいきます。そのコース取りをしているうちに昔僕が大好きだったサイレンススズカになったような気持ちになりハイペースで歩いていきました。その頃僕は競馬に明け暮れていました。 第118回天皇賞秋 僕は友人と13万人の大観衆に包まれた東京府中競馬場の正面スタンドのなかに居ました。 武豊騎手とのコンビ結成から他馬を一切寄せつけない圧倒的な大逃げ戦法に変更し破竹の6連勝でこの大舞台に駒を進めてきました。 不思議なことにそのレースが始まる頃からモヤが酷く発生し向正面一帯が真っ白にモヤで包まれてしまい夢の中にいるような光景でした。 府中競馬場の大ケヤキには魔物が潜んでいるとの都市伝説があります。僕は不吉な予感からか友人に大ケヤキの向こう側の話を冗談を交え笑い話に変えてふたりで盛り上がりました。 秋晴れの府中の空に『すぎやまこういち』のG1ファンファーレの生演奏が高らかに鳴り響き大歓声に包まれながら一斉にスタート。 サイレンススズカと武豊はポーンとスタートを決めるとそこからはいつもの超ハイペースの単騎大逃げを打ちます。 そして大ケヤキの向こう側を通った瞬間に悲劇は起きてしまいました。左前足粉砕骨折。予後不良。 競馬場の雰囲気は一変し悲鳴と響めきに包まれました。痛がるサイレンススズカを必死になだめる武豊。小さくなってしまったサイレンススズカと武豊が悲しく泣いて見えました。僕は人目もはばからずその場で大泣きしました。そこからはまるで時間が止まってしまったかのようでした。 今から25年も前のことです。 そんなことを考えているうちに山頂に着きました。そして驚くことにそこにはお馬さんの銅像がありました。それは両耳をピーンと立て研ぎ澄まされた緊張感のある時のサイレンススズカでした。僕はヨシヨシと首筋辺りを撫でながら当時の自分の思いを彼に伝えました。 そして最後に隣の祠の前で少し長めの黙とうを捧げました。
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