くじゅうで初のお泊り 沓掛山・久住山・白口岳

2023.02.11(土) 2 DAYS

チェックポイント

DAY 1
合計時間
6 時間 39
休憩時間
1 時間 56
距離
9.3 km
のぼり / くだり
740 / 812 m
31
1 14
24
42
11
34
19
DAY 2
合計時間
3 時間 30
休憩時間
29
距離
6.1 km
のぼり / くだり
461 / 403 m

活動詳細

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相棒から「法華院に泊まらないか」と提案された。何十回もくじゅうに登っているが、泊まったことは一度もない。そうだなあ。一度くらいは経験してみるかと提案に乗った。コースは牧ノ戸から久住~稲星~白口~鉾立峠経由で山荘。帰路はすがもり越え~大曲に下りて車道を牧ノ戸へ歩くか、すがもり越えから北千里を歩いて、久住分かれに登り上げて、いつもの牧ノ戸コースを歩くか。行ってみて判断することにした。 Day1 五時半に出立。天気予報はよさそうだが、気温が高めなので霧氷はもう溶けているかもしれない。今季は2回霧氷を見られているので、それはそれで仕方ない。ただ、泥が溶けて名物・チョコレートロードになっていたら難儀しそう。気温が低いうちに登るので問題ないだろう。ただ、帰りは早く出ないと遭遇するかもしれない。  駐車場に着いて準備しようとしていたら、彼の元気な鳴き声が聞こえる。かしゅがる君。今年になってやっと会えた。「早く行こうよ」とおとうさんを急かすように吠えている。8時に出発。コンクリートの急登は滑りやすいので、チェーンスパイクを早速装着した。途中で外せるかと思ったが結局、最後まで履きっ放し。霧氷は辛うじて残っていたが、溶けかけていた。チリンと氷が風鈴のような音を立てて溶け落ちている。これから日が差すと完全に溶けるだろう。これが今季ラストかもしれない。  駐車場の気温はマイナス2度くらいだったが、次第に暑くなってきて、一枚脱いだ。久住山に今年2回目の登拝を済ませた。少し風が出てきたので、山飯は御池で食べようと、まずは稲星を目指す。ここでトラブル発生。スマホを充電しようとチェストバンドに下げているバッテリーを…あれっ?!ない。どこかで落としたか。ザックを下ろした時しか考えられない。登山口から少し登った脇道でチェーンスパイクを装着した時か、避難小屋前で一枚脱いだ時か… 相棒と御池で待ち合わせすることにして避難小屋に戻ったが、ない…とすると牧ノ戸登山口か。帰路はこれで決定。  少し気落ちしながら御池へ。すると、かしゅがる君がソリ犬に変身していた。というかシベリアンハスキーは犬ぞりには欠かせない犬種だから本能なんだろう。近づくとなかなか走らないので、おとうさんがけしかけている。挨拶して池のほとりで山飯。風もなく過ごしやすい。氷はぎりぎり張っていた感じで、これもラストか。  池ノ小屋を過ぎてがれ場を下りるが、雪で覆われてたまにずっぽりはまった。稲星はパスして白口への藪路へ。冬なので繁茂期に比べればましだが、雪で歩きにくい。次第にきつくなってきた。稲星越に着いた時はばて気味。白口に登るのは2020年9月以来。ここから白口への登りはそこまできつくなかった記憶があるが、今回はきつい。雪を見るのも嫌になってきた。  到着。朝、登り始めてしばらくして山荘に電話すると、白口から鉾立峠は環境省が推薦していないルートなので、できれば戻って北千里経由がいいとのアドバイスだが、ここから久住分かれまではそこそこあるし、またあの雪道を歩くのはうんざり。  いざ、鉾立峠を目指して下り始めた。以前、峠から白口を見上げたがかなりの急登だった。それを下るのだからある程度は覚悟していていたが、想像以上の急斜面。雪があったから比較的下りやすくなっていたかもしれない。道が濡れていて滑りやすくなっていたら大苦戦を強いられるだろう。登りになれば、まさに胸突き八丁だ。下りもかかとから足を下ろすしかない。ロープを握らないと下りられない箇所があった。軌道の断面図を見ると、ほぼ垂直… 雪を見るのも嫌状態が延々と続いてようやく峠に到着。見上げると、よくここを下ったなと感慨深い。これまでのくじゅうで最強の下りだった。「いつかここを登ろうか」と相棒。オッサンは即座に首をぶるぶる横に振った。  山荘には3時前に到着。汗冷えしないように早速風呂につかった。湯の華が咲いていている。少しぬるめだ。湯上りにビール。ロング缶で450円。食堂にようやく暖房が入ったので、夕食前にその周りで暖を取りながら飲み始めた。好きなアイリッシュウィスキー「ブッシュミルズ」を水割りでグビグビ。関西から来ていた女性陣と談笑。山岳会に入っているそうだが、今日明日はノーピークだと言う。長者原からのバスに乗り損ねて温泉とグルメに目的に変更したというが、牧ノ戸まで車で行けたのに。それにしても女性客が多いのには驚いた。半数以上占めていたのではないだろうか。  同じ場所で寝る一人客の男性は沖縄から。聞くと、何と東大法学部卒。スピンアウトしていろいろな体験を経て、沖縄で弁護士をやっている。なかなか面白い人生だ  その後は食事してまたストーブの回りで違うグループと談笑したらしい(酔って記憶にない)。寝る場所は大いびきの被害を少しでも軽くしようと、一番外れの場所に布団を移して、マスクを二枚はめて寝た(らしい)。   Day2 目が覚めたら3時だった。トイレに行って外に出て一服。月と星がきれいだ。7時前の朝食まで時間を持て余すので、布団に入る。布団を二枚被っているが少し寒いのでなかなか寝付けない。だだっ広い大部屋だから仕方がない。  6時前に再び床から這い出して、外で一服。坊がつるにはテントが2,3張、大船の稜線にはヘッドライトの灯りがちらちら見える。ご来光を頂上で拝むのだろう。  気になるのは、昨夜のオッサンのいびき。相棒に言わせると「遠くで汽笛を聴きながら」状態だったそうで、そこまで迷惑かけなかったようだ。広くて満室ではなかったのが幸いしたようだ。山小屋に泊まるのはこれで3回目だが、いつも思うのは、「いびき部屋」なるものがあればなと切実に思う。  朝食終えて、準備。小屋の裏側から出発する。チェーンスパイクは北千里から久住分かれの急登の前に装着すればいいだろうと思っていたら、しばらくすると先行組が装着していた、見ると、雪道。今日も重たい思いをするのかと少々うんざり。  この道は30代の頃に数回通ったはずなのだが、記憶があいまい。結構な登りをぜいぜい言いながら登る。「こんなにきつい道だっけ」。記憶は遠い彼方だ。ようやく北千里の平坦な道に出た。青空と日に照らされた山々が美しい。さて、最後の急登が始まった。相変わらずきつい。最近調子がいい相棒の後姿はとっくに見えなくなっている。10歩歩いて一息入れるという体たらくでようやく分かれに取りついた。避難小屋でコーヒーを淹れて一息つく。今日は霞がかかっていて、祖母、阿蘇が白く浮かんでいる。これはこれで風情がある。  さて、あとは一気に下山。西千里は予想通り雪が溶けていたので、脇道を歩く。星生別れからはまた雪が残っていたので、チェーンスパイクは外せない。前日辛うじて残っていた霧氷は完全に消えていた。風も暖かく、これから春めいていくのだろう。何組かのグループとすれ違うが、いつもより少なめ。  沓掛手前でついにチョコレートロードと遭遇。ぐちゃぐちゃ。スパイクに泥が詰まって重たい。最後のコンクリート道にはまだところどころアイスバーンが残っているので、最後まで外せなかった。そして、最後の望みである箇所を探すが、ない…バッテリーとカバーで5000円を山に奉納したと思うことにしよう。  それでも往生際が悪いオッサン。牧ノ戸の売店に落とし物の届けがないか尋ねるが、やはりない。親切な店員さん。万が一届いた時は連絡すると言ってくれるので、電話番号と名前を置いてきた。 くじゅうの初のお泊りは、あっという間に終わった。トラブルもあったし、きつかったが、記憶に残る山行になった。感謝。今度は夏に来ようか。平日が少なくていいかもしれない。今年になって毎週登っているが、寄る年波なのか、回復が遅い。今週末は休もうかな。 令和5年の山行はこれで7回目。ピーク数は10(重複なし)    

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