活動データ
タイム
11:44
距離
19.4km
のぼり
1862m
くだり
2067m
活動詳細
すべて見る長文です。サマリーあり。 お時間に余裕ございましたら駄文にお付き合いくださいませ。 Prologue 明日であの日から7年 毎日同じ心願を祈り続けて2557日目 魂の救済を求めて静かな信仰の山を目指した。 身延山登拝以来、気になっていた七面山へ。そして希望峰登頂で希望を見出せるように。 Summary あずさ1号で新宿から甲府、甲府からふじかわ4号に乗り換え下部温泉下車、下部温泉からタクシーで羽衣へ 羽衣から七面山表参道を敬慎院まで登り参籠 敬慎院から七面山、希望峰を登頂 希望峰から敬慎院まで戻り、北参道(裏参道)で奥の院を参拝し下山 角瀬からバスで下部温泉へ、往路と同じく電車で帰路 天女伝説 無人駅下部温泉に9:26に着いたが、七面山方面へ行くバスは、11:46まで無かった。 タクシーに乗り、表参道口の羽衣へ向かった。 運転手さんが、七面山の物語を話してくださった。 「日蓮聖人が身延山で説法をしている時に、どこからともなく美しい女性が現れ、沢の水を一滴与えると龍に姿を変え、身延山の鬼門を守ると伝え、七面山へ飛び立っていたということから、七面山には龍の化身である天女が居ると言われています。」 私はその話は知っていたけれども、ついつい「昔の人の言伝えって、"盛っちゃった"話に尾ひれがついていったような話もありそうですよね。現代の僧侶で、化身に会った話聞かないですものね。」などと冷めた反応をしてしまった。 運転手さんは「では現代の私が知っている話をしましょう。」と言い、続けた。 「私の友人が七面山で撮った写真に、龍のような形をした青と黄色の光が写っていました。その話を、七面山へ向かうご婦人を乗せている時に、お話したところ、『その撮影場所に行ってください』と頼まれお送りしました。そして、後日そのご婦人が帰宅し、読経をしていると、天女が現れ『私を感じ取って下さりありがとう』と伝え消えていったそうです。その話を和尚にしたところ『七面大明神様に違いない』とのことでした。」 お話を聞き終わると表参道口である羽衣へ到着した。 白糸の滝~敬慎院 七面山は、古くは女人禁制だったらしく、徳川家康の側室、お萬の方が白糸の滝で身を清め続けてから登拝し、女人が登拝しても災いが起こらないことを証明し、女性に道を開いたとされている。 白糸の滝と雌雄一対とされる滝行の行場、弁天堂雄滝を参拝した。タクシーを降りてから誰とも会わなかったけれども、雄滝に見惚れていると、弁天堂を管理されている奥様が現れ、滝の話や、若い時に南アルプスを登っていた話など沢山お話してくださった。下部温泉駅から未だ二人にしか会っていないのに随分と沢山のお話を聞かせていただくことになり、荒んでいた心が少し穏やかになれた。 表参道から登拝をはじめ、20丁目を過ぎるころに、チェーンスパイクを装着した。誰にも会わず、風の音、鳥の声、踏みしめる雪の音、自分の呼吸を感じながら歩いた。 30丁目付近で、お一人とすれ違っただけだった。49丁目の鐘楼で鐘を突くと、余韻が続く限り体が浄化されるような気持ちになった。 YAMAPの投稿では良くお目にかかる隋身門と富士を眺め、50丁目の敬慎院へ 隋身門は、敬慎院、富士山と一直線になるように作られたらしい。 富士山、身延山、七面山を結ぶレイライン上には、遠く出雲大社もあるらしい。 敬慎院参籠 七面山本社、池大神宮、願満社を参拝し、参籠殿とは別の建物の前に向かった。 「悩み、不安、置いて行かれませんか」と木の板に書かれていた。 何人かが合掌し、私を出迎えてくれた。私が到着する時間を知っていたかのように。 アイゼンや登山靴を炉端に持って行ってくださり、広い部屋に案内された。千人が参籠できるらしいが、今日は、私一人だけだった。 湯で汗を流してから、参籠代を支払い、心願成就祈願を申し込み、17時の食事まで休憩、18時から御開帳と祈願、19時から夕のお勤め、21時消灯だった。 御開帳で、間近にご本尊七面大明神像に向かい合い、その目からは「何もかもわかっていますよ」と言われているような気がしたが、心願を祈り続けた。 夕のお勤めでは、ルビの振られた読経の内容を見ながら参加したが、修行を積んだ僧たちの読経のテンポには入れる筈も無く、心の中で読んだ。読経と大太鼓の響きが、どんどんと自分を浄化してくれるような気分だった。 自宅では勿論、徹夜明けの山小屋ですら眠れない時が多いのに、自然に眠ることができた。 朝4時半起床、身支度、5時に太鼓の音がしたので、慌てて御本堂へ。 6時から6人の僧侶が揃い朝のお勤めが始まる。 私の心願だけでなく、コロナ禍の終息、原発事故の回復、各地の震災の復旧、登拝者の安全、様々な祈祷内容が読み上げられていた。 御来光に合わせ退席させていただき、隋身門前の遥拝所で富士山ごしのご来光を拝んだ。 本社に戻ると僧侶たちが本堂をでて、様々な方角に向かい祈祷をしているところだった。 朝食を終え、身支度を整え、出発の用意をしていると、揃ってお見送りに来ていただけた。 出発し振りむくと、合掌し見送られていた。 眼がしらに熱いものを感じた。 感応~込められた思い 祈願のお札を二つと御朱印を拝受した。御朱印には、「感応」と書かれていた。僧侶に意味を尋ねると、「七面大明神様は、確りと貴方の心願を感じ受け止めました。貴方は、七面大明神様を感じ取ってください。」ということだった。タクシーの運転手さんから聞いた話が頭をよぎった。 天女との出会いと別れ あらためて隋身門から富士遥拝所へ向かい、富士に見惚れていると、いつの間にか、傍に美しい女性が一人立っていた。他には全く人の気配はしない。 行先を尋ねると七面山と希望峰ということだった。気づくと二人で一緒に歩いていた。 人間の踏み跡は無かったが、動物の踏み跡は多種多様に沢山あった。 誰も居ない山を一人で静かに歩きたい筈だったのに、その女性と二人で歩いている時間が心地良かった。 七面山、希望峰を登頂し、敬慎院まで戻り、法華経以前からの山岳信仰の龍神の住処とされる一ノ池に向かった。 前日にも訪れていたが、すぐ隣に居る女性が龍の化身のような気がして、より神聖な気持ちになり、二人で池を眺めていた。 女性に「今日撮った写真を送るので、LINE IDでも交換しますか?」と提案したが、笑顔でスルーされ、彼女は消え去った。 カメラのメモリーを確認すると、彼女を撮ったはずの写真の殆どに彼女の姿は写っていなかった。 奥の院~裏参道 一人になり、裏参道から二ノ池と奥の院を目指した。奥の院で御朱印をお願いすると、本堂に案内された。本堂には、願い石なるものが置かれていた。持ち上げた時に、軽いと感じたら願い事は程なく成就するが、重いと感じたら更なる努力が必要らしい。残念ながら重いと感じてしまった。 裏参道では下山まで、誰にも遭うことはなかった。二ノ池までは、何種類かの動物の踏み跡が確りとあったが、その後は踏み跡無く、枯葉が多くなり、20丁目でチェーンスパイクを外した。北参道とも呼ばれ、北側なので、しまった雪を踏みしめる感触は表参道より気持ち良かった。 角瀬~ゆるキャン△聖地 裏参道口近くの角瀬のバス停に着いたのが13:30頃、次のバスは14:30だったが、目の前の俵屋に「日帰り温泉」の文字があった。俵屋の温泉館も土産売り場も施錠され人気がなかったので旅館に入り声をあげ呼んでみた。ご主人が降りてきて、温泉館の鍵を開けてくれた。700円で貸し切り湯。登山の疲れをとることができた。 バスで下部温泉駅に着き、駅前で食事ができるところを探したが、準備中やお休みだった。電車内で食べるようにお土産屋で、菓子パンと名物の最中を購入した。女将さんに「ゆるキャン△知ってる?」と話しかけられて、タクシーの運転手さんからも聞いていたもののあらためて話をお聞きした。漫画、アニメ、実写版で紹介され、このお土産屋さんは聖地巡礼になっているらしい。アニメのカードもいただいた。 Epilogue 特急ふじかわの車内で菓子パンをついばみながら、この2日間を振り返っている。 一人になりたかった。でも出会った人たちは、凄く少ないのに何故か人懐こい方ばかりだった。野生の鹿まで人懐こかった。荒んだ気持ちが穏やかになったのは確かだった。 確り記録しながら振り返ろうと思い、特急かいじの車内で書き始めた。 参籠メインでやめておけばよかったか、寅太郎のいつもの結末に、尾ひれがついたような話で俗っぽくなり余計だったかもと反省している。 最後まで読んだ奇特な方はいらっしゃるだろうか。くだらない話を読むと、天女様のご利益があるとかないとか。
活動の装備
- カシオ(CASIO)PRO TREK Climber Line PRW-30-5JF
- 山と道(YAMATOMICHI)MINI
- バーグハウス(berghaus)トレッキングポール 125
- キャラバン(caravan)C1_02Sオリーブ
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