活動データ
タイム
09:51
距離
18.0km
のぼり
1629m
くだり
1630m
チェックポイント
活動詳細
すべて見る今年は諸々の事情が重なり北アルプス行きを諦めたが、せめてこの夏の間に初めての山小屋泊を経験しようと南アルプス入門山・鳳凰三山を考えていた。人気の山なので比較的空いているであろう平日を狙い例年より1週間速く夏休みを取った。8/6,7,8の中の2日間で行こうと思っていたが、台風13号の接近で天気が悪そうだ。雨マークがついていない日もあるが2日続けて晴れる日も無い。しょうがないので鳳凰三山は諦め、その期間2日続けて天気が良い、又は日帰りで行ける高い山を考えた。谷川岳~仙ノ倉岳は天気悪い、日光方面もダメ、関東近辺はダメかと諦めかけたが、そういえば八ヶ岳は周辺の山と天気が違う事よくあるなーとダメもとで赤岳を調べると比較的天気は良さげ、6日は晴れ予報。赤岳ならアルペン号の日帰りプランがあるしもう赤岳しかない!と4日の夜に滑り込みで5日深夜発便の予約をブッ込む。 当日。自分はバスや電車では眠れないので、不眠登山を避けるべく出発前までの数時間で仮眠を取ろうとしたが寝付けず。そのまま22時頃集合場所の竹橋の毎日新聞へ向かう。ちなみに竹橋の毎日新聞周辺のコンビニは休日はやってないので、食料は自宅近くで買っていった方が良いだろう。毎日新聞のロビーが受付場所だが、出発ピッタリ15分前まで受付してくれないので冷房無しの蒸し暑いロビーで時間まで待機。電気も必要最低限しかつけていない薄暗く蒸し暑いロビーでのこの時間が今回の山行で一番辛かったかもしれない。 ピッタリ15分前から受付を開始(腕時計を見て本当に時間ピッタリに始める笑)。が、締切直前に予約したからか私の名前は搭乗名簿に載っておらず確認等でバタバタする。こういう不足も事態もあるから、15分前ピッタリに拘らず来た人から受付作業すれば良いのになとシラーっと見守る。確認は取れないけどとりあえずバスまで行ってくれと言われたのでイラっとしたがバスへ。バスへ行くとこちらでも当然名前はないと言われ待たされる。出発直前で受付の人から搭乗OKが出たので無事バスへ乗る事ができた。出発前から疲れた。 この日は翌日が月曜日という事で乗客は8人、乗車率40%程度で1人で2座席使えた。快適な旅になるぞと期待したのも束の間、ワンカップ片手に乗ってきた泥酔した老人ソロハイカーがわけの分からない妄言を終始大声でしゃべり周囲を苛立たせた。誰が見ても泥酔しているので搭乗拒否しろよと思った。その上、弱冷房を超える弱冷房で車内は蒸し暑く発狂しそうだった。そんな感じで眠れた人はいなかったのではないだろうか。。。 5時間ものヌルい地獄を耐え疲労困憊で美濃戸口へ到着。8人の内1人は甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根、2人は観音平で下りた。泥酔した爺さんは観音平で下りたから編笠山・権現岳だろうが、あの状態で無事登れるのだろうか。。。 バスを出ると最近感じたことのない天然のヒンヤリした空気、涼しい!バスでの疲労も一気に吹っ飛ぶ。八ヶ岳山荘前でちゃっちゃと身支度を済ませ出発。今回は日帰りで赤岳・阿弥陀岳を登ろうと思っているのでとにかく時間が無いのである。 まずは美濃戸口~美濃戸山荘、日が昇る前の薄暗い林道を黙々と歩く。この林道は悪路だが車で通行でき美濃戸まで行く事ができる、途中3台の車に追い抜かされた。悔しいです。40分程黙々と歩き美濃戸小屋へ到着。ここまでで体が温まったので軽くストレッチをして、水場で顔を洗ってさっぱりしたところで再出発。次の目的地は行者小屋である。美濃戸山荘を少し進むと北沢と南沢の分岐がある。赤岳鉱泉へは北沢、行者小屋へは南沢である。よって私は南沢へ進む。 南沢ルートは苔生した森の中に流れる美しい沢を登っていく。まだ昇りきらない弱い日光が射す誰も居ない緑の森の中はとても幻想的な空間だった。もうここで眠りたい。眠りに眠ってそのまま土に還ってもかまわない!と思うぐらい沢の冷気が心地良かった。風景は素晴らしいが道は石だらけでけっこう歩きにくく、地味に足を削られるので注意。それとこのルート上には道標は皆無、ビニールテープの目印も少なく、ちょいちょいルートを外れる事があったので踏み跡は気にしながら歩いた方が良いかも。 沢に沿って森の中を1時間程歩くと徐々に沢から離れ、急に枯れた沢の様な開けた場所に出る。遠くに八ヶ岳の主稜線が見えテンション爆上がり。ようやく太陽も昇ってきた。この岩でゴツゴツした枯れた沢を登っていくと行者小屋に到着。森の中を歩いているという感覚だったのであまり意識はしていなかったが、出発地点の美濃戸口の標高が1,502mで行者小屋が2,350mなので800m強を2時間半かけて登ってきた事になる。流石に少し疲れたので山頂アタックに備え長めの休憩を取る。行者小屋は周囲を硫黄岳、横岳、赤岳、阿弥陀岳という巨大な石嶺に囲まれており山からのプレッシャーが半端ない。その風景をおかずにおにぎりを食べる。何個でもいけそう。水場で飲料水の補給ができるのもありがたい。 30分程ゆっくり休憩して赤岳に向け出発。行者小屋から赤岳へは、地蔵尾根、文三郎尾根、阿弥陀岳直下の中岳のコルに出るルートがあるが、とりあえず赤岳に登って余裕があれば阿弥陀岳に登るプランなので登りは地蔵尾根ルートをチョイス。 地蔵尾根は主稜線にある地蔵の頭までの350mを一気に登るルートで中々の急登。序盤はちょっとキツめの傾斜の普通の山道を登る。最初の階段が現れるとそこから一気に傾斜がキツくなり、それ以後は階段・梯子・鎖場の連発の楽しいルートだった。傾斜はキツいが身の危険を感じるレベルの箇所は無かったと思う。岩場の練習のためほとんど鎖も使わなかったぐらいだし。そして後半は左手に横岳の迫力の岩壁、右手には阿弥陀岳、後ろには日本アルプスの絶景を眺めながら登る事ができ最高だった。登りに登って行者小屋から約1時間、地蔵の頭へ到着。地蔵尾根という割には地蔵の頭とその直下の2体しか地蔵は居なかったな。主稜線に出た瞬間に広がる佐久方面の景色が素晴らしかった。雲も自分より随分と下にあるし、本当に高い場所に来たんだな思った。周りを見渡すと横岳の荒々しい稜線、これ登れるの?と思う程に巨大な赤岳、そこから続く阿弥陀岳への稜線、振り返れば日本アルプスがほぼ全て顔を出していて、ここに人さえ居なければフルテンションのヤッホーをブッ放すのもやぶさかではない感情の高まりを感じた。 絶景の中でもやはり隣の横岳に一番惹かれた。何かが隣にあっての横岳ですっていう名前自体の奥ゆかしさ、悪く言えば主張の無さ、サブ感、故に何も期待していなかったが何だこの凶悪な面構え。俺なら名前に鬼とか、何か地獄的な一文字を入れて命名すると思った。とにかく次は横岳・硫黄岳縦走だな。 地蔵の頭で景色を楽しんだ後、隣の赤岳展望荘で休憩。展望荘、基地感あって超カッコいい。山荘前のベンチに座っていたおっさん二人組がカントリーマアムを頬張りながら、♪カントリ~マ~ムとカントリーロードの替え歌を歌っていた。何故おっさんは歌詞の一語でも言葉が符合すれば、それを替え歌にしていいと思うのか。その隣で苦笑いしながら準備を整え赤岳山頂アタック開始。 赤岳への登りは下から見ると超傾斜で本当に登れるのかと思ったが、取り付いてみると見た目程では無く、下から上まで鎖が付いているので危険個所は無かったと思う。ここもできるだけ鎖は使わずに登った。浮石も多かったのでこれは体重掛けても大丈夫orダメの判断、石を落とさず歩く練習になって良かった。しかし、ここまで体力・技術的には問題はなくむしろ楽勝ムードだったが、地蔵尾根後半から酸素の薄さを実感し始め、赤岳直下では10歩以上は続けて歩けなくなっていた。足は元気なのだが、とにかく息苦しい。これかー!まじで高いところって空気薄いわー!と苦しいながらもシンプルに感動。 展望荘から30分ちょっとかけて赤岳頂上山荘に到着。展望荘に比べると随分と質素な小屋だがどうせなら頂上に泊まってみたいと思った。山頂は山荘のすぐ横である。9時43分登頂、予定より30分遅延。この時点で阿弥陀岳行きは黄色信号。残念だが今日はこれだけの景色が見られたから良しとしようと気持ちを切り替え山頂を楽しむことにした。周りに赤岳以上に高いものは無く天気は晴天、どの山にも雲は少ない。故に360°どこを見ても絶景である。登山は早立ち、早着きの原則を守るとこんないい目が見られるのかと思い知らされた。どうしても登り始めが遅くなる私のような公共機関ハイカーには難しいが、たまには前泊登山などもしてみるべきだなー。 山頂から権現岳から赤岳の稜線を見ると縦走してみたい欲がむくむくと湧いてくる。八ヶ岳はどこに登っても隣の山に行ってみたくなるな。来年の夏は2泊3日で網笠山~硫黄岳まで縦走するしかないな。 普段自分入りの写真は撮らないが、高い山と雪山へ登った時だけは山頂標識と一緒に写真を撮ってもらう事にしている。なので撮影しているパーティの後ろにならんで最後の人に写真をお願いした。帰って写真を見ると、また少し太ってる気がした。決して薄くはない布地のシャツなのに乳首も浮いてるように見えるし。ショックや。。。 15分ほど山頂を楽しんで下山開始。中岳側の斜面は登ってきた展望荘側の斜面とはまた違った感じの岩場。傾斜も緩く、あまりザレてなく歩きやすいのでサクサク下る。下りながら時々山頂を見上げると、今まで自分があそこにいたというのが信じられないぐらいのごっつごつの岩壁でビビる。しばらく下ると権現岳のキレット方面との分岐があり、赤岳の山頂から続くギザギザの痩せ尾根は巻くのねと一安心(今回は行かないけど)。 30分程下って中岳の下に到着。この時点で10時半を回っており、この時間に阿弥陀岳直下の中岳のコルに着いていないとタイムアップだったので完全に阿弥陀岳を諦める。このまま文三郎尾根を下ろうかと思ったが階段が急だというし、中岳のコルから行者小屋への道が見るからに楽チンな感じでだったので面倒だが中岳を登ってコルから下りることにした。中岳、近くで見ると結構デカい。酸欠にうんざりしながら15分ほどで登頂。山頂は質素ながら、赤岳・阿弥陀岳に挟まれ眺望はとても良かった。 中岳からコルまでを数分程でサクっと下る。ここで1人のハイカーに話しかけられしばらく立ち話。この人も別山に行こうとしてたけど天気を見て赤岳にやってきた人だった。行こうとしていたのが剱岳だったので私より遥かにレベルが高いっぽい。テント泊装備でゆっくり来てたからスタートが遅くなったが今から阿弥陀岳・赤岳に登って行者小屋のテン場に戻り、明日の天気が良ければ他の山にも登ってみるとの事。さっき硫黄岳山荘に泊まった人に昨晩の八ヶ岳は台風並みの風雨と雷で大荒れだったという話を聞いたので、今晩は何もなければ良いですねーと言って別れた。しかし、正午を過ぎた山の上には明らかに色の濃い雲が増えていた。まじで早立ち、早着きは間違いないな。 中岳のコルから行者小屋までは30分程で下れた。もう来た道を帰るだけなので行者小屋前で休憩&水の補給をして帰路へ就く。ここから美濃戸までは緩いとはいえ下りなのだが、往路と比べて10分しか時間を短縮できなかったな。疲労を加味しても意外。しかしこの南沢ルート、帰りは若干ルート見失いやすいし、疲れた足に岩道がトドメを刺しに来るし、長いしでストレスフルだった。 14時前に森を抜け美濃戸小屋に到着。八ヶ岳小屋で風呂に入って食事もしたいので、休まず美濃戸口までの林道を歩く。暑い、長い。このくそ暑い中、何もない田舎道を歩く俺。今最高に夏休みしているなぁと思った瞬間、山頂で聴いたおっさんの糞みたいな替歌♪カントリ~マアムが無意識に口を突いて出た。屈辱だった。 しかし、この美濃戸口~美濃戸小屋への林道歩きは怠すぎるのでレンタサイクルでもやってほしい。あればバスアクセスのハイカーはみんな使うだろうに。そして、この区間の往復80分さえなければ、阿弥陀岳に登れていたのにと思うと更に悔しい。 14時半頃、美濃戸口の八ヶ岳山荘に帰着。腹ペコ&カラカラの体をキーマカレーとスーパードライで労う。はぁぁぁん。食後、まだ時間に余裕があったのでお風呂を借りて汗を流し、着替えてさっぱり。ちなみにお風呂は500円でとても良心的。お風呂を出るとちょうど帰りのバスが来ていたので汗をかかない内に搭乗手続きをすまして帰路へ就く。帰り道は天気がどんどん悪くなり、遂にはけっこうな勢いで雨が降り出した。阿弥陀岳直下で話した人は無事だろうか。 土砂降りや渋滞に逢いながらも19時半頃新宿に帰着。今回はスタートこそ最悪だったが、まぁそれ以外は最高だったので良い一日だったと言えよう。それと八ヶ岳は人気山だけあって素晴らしい山だった。縦走欲をかなり刺激されたので次は権現岳~赤岳、または赤岳~硫黄岳、もしくは全縦走をやってみたいと思う。 それと赤岳ってギリギリ私でも登れそうな雪山かなと思ってて、冬に向けての偵察も兼ねていたんだけど、赤岳登ってる時も下ってる時も死のイメージしか沸かず、これは絶対に無理やぞと思いました笑
活動の装備
- グラナイトギア(GRANITE GEAR)VIRGATE 26
- パタゴニア(patagonia)メンズ・バギーズ・パンツ(レギュラー)
- ワコール(Wacoal)CW-X スポーツタイツ スタイルフリーボトム (ロング丈) 吸汗速乾 UVカット VCO509 BU S [メンズ]
- モンベル(mont-bell)ジオライン M.W. ラウンドネックシャツ Men's
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