活動データ
タイム
04:20
距離
8.5km
のぼり
428m
くだり
426m
活動詳細
すべて見る今回は冬の「近すぎてなかなか足が向かなかった山」シリーズ! 京都府乙訓郡大山崎町にやってきました。山崎と言えば天下分け目の天王山! 1582年に羽柴秀吉軍と明智光秀軍が天王山の麓で戦った山崎の戦いです。この一戦に勝利した秀吉は織田信長の後継者としての地位を固め、天下人への道を歩み始める。 この山崎の地は摂津国と山城国を結ぶ交通の要衝なんですね。この辺りは山(天王山)と川(淀川)の間の平地が極端に狭いんです。ここに西国街道が通っていて、京への玄関口になっている。この地を手中に収めた者は、経済的にも防衛的にも優位に立つことができるのです。 現在もこの狭い平地に東海道新幹線、JR東海道本線、阪急京都線、名神高速道路、国道171号線がひしめいている。昔も今もここは交通の重要ポイントだったんです。 実際の山崎の戦いは天王山ではなく麓の湿地帯で行われたようですが、秀吉は天王山を占拠し、進軍する兵を鼓舞したと伝わります。 秀吉の天下統一のきっかけとなったこの戦は天下分け目の一戦と言われ、現在でも例えばスポーツなどで雌雄を決する大事な一戦のことを「天王山」と呼ぶのは、この山崎の戦いが行われた天王山が語源となっています。 それからもう一つ、天王山と言えば名神高速天王山トンネルです。古くから渋滞の名所として有名だった天王山トンネル。一昔前は「天王山トンネルを先頭に◯◯kmの渋滞」なんてアナウンスをよく聞いたものです。それで渋滞緩和のために上下線ともに右ルート、左ルートとルートを拡幅し、それに伴って上下2つだったトンネルを4つに増やしたんですね。 1998年に新トンネルが完成した時に、開通前に天王山トンネルを歩こう!というイベントが開催されました。私の前職はイベント・放送・音楽関係の裏方(音響技術)。その天王山トンネルウォークのイベントにも仕事で携わったんです。 真新しい天王山トンネルを歩きましたよ!その頃は全くアウトドアに興味のなかった私。まさか25年後にトンネルの上の山を歩くなんて思ってもみなかったな(^-^) さらにさらに!山崎と言えば…サントリーに決まってるでしょ! この山崎にはサントリーの山崎蒸溜所があります。山崎の名水が日本が世界に誇るシングルモルトウイスキー「山崎」を生んだわけです。 サントリーは山崎の象徴と言っても過言ではない!…ですが、私はビールしか飲まないのでウイスキーのことはわかりません! 随分前置きが長くなってしまいました。天王山や山崎の予習が終わったところで、いよいよ山歩きへと出発しましょう! 今日の駐車場はJR山崎駅近くの有料駐車場。24時間¥800。可もなく不可もなく。買い出しを含めても自宅から車移動で50分。日常の行動範囲内です。 山崎聖天までは住宅地を歩く。大山崎瓦窯跡は興味深かったですね!平安京造営に伴う瓦工房なんですが、10基の瓦窯(有畦式平窯)が整然とL字形に並んでいる。 平安京造営となるとかなりの数の瓦が必要だったでしょう。平城京だと大寺院や、平城宮でも主要な建物は瓦葺きでしたが、そうでない建物に関しては瓦葺きでないものも多かった。でも平安京だとほとんど瓦葺きでしょうから、この瓦工房も連日フル稼働だったことでしょう。昔の人は働き者だなぁ、なんて(^^) 私は現在物流の仕事に携わっていますから、物流も気になる。出来上がった瓦をどうやって平安京まで運んだのか?淀川の水運か、山崎からだと陸送も可能かな?1日がかりになりそうですけど。 山崎聖天からようやく登山道に入ります。標高の低いところは京都らしい竹林を歩く。ほどよい斜面が続きますが、基本的には階段が整備されていますので難しいことはありません。 道幅が広く岩を踏んで歩くことも可能ですが、この日は気温が低く岩が凍っていて滑りやすかったので、階段と岩をミックスで歩きました(^^) 酒解神社の大鳥居の辺りは開けていて開放的。旗立松展望台は数少ないビューポイント。天気がよくて空気が澄んでていい眺めです(^^) 山崎の戦いの巨大な壁画を眺めながら、天下分け目の一戦に思いを馳せる。…まあ、私の歴史好きは古代史に特化してるので、戦国時代はちんぷんかんぷんなんですけど、やはり交通の要衝を押さえることは今も昔も大事なことだったんでしょうね。 信長を討った光秀を破ったことで、秀吉は天下人への地位を高めていった。まさにこの一戦は天下分け目…勝った方が天下人となる権利を得る大事な戦いであったことは、無知な私でも容易に想像がつきます。 十七烈士の墓も考えさせられる。 幕末の公武合体派と尊王攘夷派との抗争…きっと誰もが今こそ時代を変えるのだと、高い意志を持って戦っていたんでしょうけど…時代の変革期には必ず争いがあって、必ず人が死ぬ…なんて人間は崇高で、そして愚かなんだろう(T-T) 禁門の変に敗れ天王山に立てこもった尊王攘夷派の真木和泉守以下17人は、火薬に火をつけ爆死するという壮絶な最期を遂げた…切ないなぁ… せめて今は天王山から変わりゆく日本の姿を見守ってほしいと願うばかりです。 酒解神社を過ぎてからは、もう上りらしい上りはありません。道もほぼフラット。息も切れないし疲れることもありません。ただ道がガッチガチのツルッツルに凍ってます(~_~;) 道はほぼ平坦なのに何度も滑ってバランスを崩す。 ザックの中には冬の緊急避難用の軽アイゼンが入っています。このような凍った地面では、流行りのチェーンスパイクなんかより軽アイゼンの方が断然威力を発揮するんですが…付けるの面倒臭いし斜面でもないので、注意しながらそのまま歩くことにします(^_^;) 天王山山頂には山崎城があったということで、かなり広い平坦地になっていますが、残念ながら展望はそれほどでもありません。 ここから先、サントリー山、小倉山、十方山と辿りますが、ほとんど大したアップダウンはありません。 冬独特の凛とした冷たい空気の中、氷をザクザクと踏みしめながら歩きます。冬の低山ハイクの醍醐味ですね!(^^) 常緑樹が多いですね。高木は落葉してますが、意外と緑が多いです。気温は低い。でもいい天気ですし風もないので、歩くと体がぽかぽかと温まってくる。冷たい空気が気持ちいい(^-^) 十方山を過ぎて少し下った所にある、見晴らしのいい岩場で休憩。しばらく座っていても体が冷えることはありません。それくらいいい天気☆ 今日はどら焼きで糖分補給(^^)実は無類のあんこ好きなんです!チョコより断然あんこ派。一番好きなあんこはもちろん赤福!でも奈良県の當麻寺近くで売ってる中将餅もめちゃウマで大好き!日本人なら黙ってあんこ!です。 下山路もほとんど急斜面はありません。穏やかに下るだけ。 街が近づいてくると名神高速が目に飛び込んできます。4本の道路。そのうちの1本は私が立っている真下に吸い込まれて行く。まさに今私は天王山トンネルの真上に立っている。 数多くの歴史の舞台となった天王山に、4本もトンネルを通しちゃうなんて…人間てのはスゴいもんだな。。。 水無瀬の滝を見て、春日神社に寄って、住宅地を抜けて駅を目指す。巨大な建物が見えてきました!サントリー山崎蒸溜所です。 この山崎の地に湧き出る水は本当にいい水らしいですね。この山崎の水と気候がウイスキー作りに適しているのだそうです。霧が多いので。 山崎蒸溜所では無料で工場見学ができるんですが、コロナの影響で完全予約制になっているようです。興味のある方はサイトから予約をしてください。ウイスキーの試飲もあるみたいですよ(^^) 西国街道を歩き関大明神へ。この場所には摂津国と山城国の関があったそうです。なので道行きの神を祀っていたんでしょうね。現在の祭神はオオナムチとアメノコヤネですが、おそらく関が廃止されてから後に祀られたのでしょう。 そして離宮八幡宮へ。 元々は石清水八幡宮であったこの神社は、淀川の対岸にある男山に遷宮された後も存続し、嵯峨天皇の離宮跡のあったため離宮八幡宮と呼ばれるようになりました。 立派な神社ですよ。摂末社も多いですし。それとこの神社は製油発祥の地としても知られています。 この離宮八幡宮で長木という道具が発明され、荏胡麻の種子からの搾油が行われるようになったのがその由来とされています。 離宮八幡宮からJR山崎駅は目と鼻の先。12:30、無事に駐車場へと戻ってきました*\(^o^)/* 見所が多くていろんな所に引っ掛かりながらゆっくり歩いて4時間20分。8.5kmで累積標高400mとちょっと、実高低差は300m弱ですから、山登りというよりは贅沢な散歩(^_^;)疲れもなく、心身のリフレッシュにはちょうどよかったです。 何しろ今週は酷い雪でしたから。普段あまり積もらない地域までガッツリと雪が積もる。トラックで会社(大阪府茨木市)を出発したら、山を越えて京都の亀岡に抜けるのが通常なんですが、その道がいきなり雪で通行止め!(>_<) R9もダメ、R173もダメ、京都縦貫もダメ、舞鶴道もダメ、そこらじゅうどこもかしこも通行止め!…もうみな担当エリアに向かうことすらままならない。 ひたすら雪と氷の一般道をゆっくりと走り続ける…こんなことが3日も続いたらクタクタですよ(~_~;) そんな疲れ切った心と身体を癒すには、この天王山ハイクはピッタリでした(^^) 晴れ渡った青空!風もなく穏やかないい天気。空気は冷え切って凛とした冷たさ。でも陽の光が降り注ぎ、歩いていると体は暖かい。冷えた空気がちょうどいい!道は雪と氷。澄んだ空気で景色も鮮やか!まさに冬の低山ハイクの気持ちよさを存分に味わえた一日でした(^-^) さあ、天気は一体どうなるのでしょう?春の訪れはまだ先かな? 早朝の路面凍結が怖くてまだまだ遠出はできません。しばらくは「近すぎてなかなか足が向かなかった山」を徘徊しそうな予感。でもまたそれも楽しかったりするものです。 結局、近くても遠くても、高くても低くても、山がそこにあることだけで幸せなんです☆(^-^)
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