渋き塩見岳

前夜の鳥倉駐車場は8割の車で意外と暑く熟睡できずにぼーっとしたまま4時半スタートしたら林道40分がいいウォーミングアップとなり登山口から1.5時間で三伏峠に着くいいペース 朝食取りながら荒川岳方面へ縦走する方と会話したあと塩見小屋までは八ヶ岳の樹林帯を歩くような軽いアップダウンの遊歩道が続き「なんや楽勝やん」と休憩もせず一気に山頂へと向かったが「ここからが本当の塩見岳です」と空耳聞こえ岩稜帯の急登にペースダウンし花の健気さと雷鳥サプライズへの期待を糧に約5時間で到着した山頂はあいにくうっすらガスの中だったけど仙丈や甲斐駒でも同じだったので「南アはこんなもん」と割り切ってカメラ離さず1時間ほど粘っていると時々ガスがなくなる瞬間があり深い南アの山々につながる幾つもの縦走路を眺めながらよく知らない名前の山にも「君ら他のとこ行ったら即レギュラーやから」と大阪桐蔭の2軍のように声をかけて撮り高OKということで下山するわけだが「下山の上りは倍返し」短い上りの繰り返しが体力配分を狂わし登山口まで降りてきたときは向いの山の間に見える駐車場が幻に見えて そばに止めてある自転車の「どうぞ乗ってください」というささやきが聞こえ 「ではお借りします」と言おうとした寸前でアサギマダラが横切り我に返り 代わりに今年初の渡り蝶を追いかけることに気持ちを切り替えなんとかゴールした 渋さ満点な百名山