犬越路の武田信玄伝説と由来 避難小屋泊

2018.07.26(木) 2 DAYS

注意情報

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活動データ

タイム

03:56

距離

8.5km

のぼり

763m

くだり

773m

チェックポイント

DAY 1
合計時間
1 時間 57
休憩時間
29
距離
4.2 km
のぼり / くだり
639 / 131 m
1
21
DAY 2
合計時間
1 時間 59
休憩時間
20
距離
4.3 km
のぼり / くだり
123 / 641 m

活動詳細

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往古より相模・甲斐・駿河の国境に接していた丹沢山塊は、歴史に名のある戦いの舞台にもなりました。 最も有名なものは、群雄割拠の戦国時代における武田氏と北条氏の衝突です。 1569年10月。甲斐の武田信玄による小田原攻めの際、難攻不落の小田原城で籠城作戦に徹した北条氏康を攻めあぐねて本国に撤収する信玄の本隊に、血気に逸る北条氏照・氏邦 率いる軍勢が襲いかかり、戦国時代 最大規模の山岳戦とされる【三増峠の戦い】が勃発しました。 北条氏康も小田原から軍勢を率いて武田信玄を挟撃すべく進軍しましたが、到着前に既に三増峠では山岳戦に秀でた武田軍が優勢となっており、北条軍は敗走したといいます。 また、この戦いに付随して、犬越路北麓の青根では北条氏の傘下にあった日向薬師の山伏団と武田軍の戦闘がありました。 さらに、現在 丹沢表尾根縦走の起点となっている「ヤビツ峠」付近でも激しい戦闘があったとの説があります。 一連の戦闘では双方合わせて3000人を越える死者が出たとされ、北条側の被害が甚大だった一方で武田側も侍大将の一人を失うなど手痛い打撃を受けました。 さて、この丹沢山塊に伝わる幾つもの信玄伝説の中で、今なお地名に残るものの代表格は西丹沢の異色の峠「犬越路」ではないでしょうか。 小田原攻めの際、信玄 率いる軍勢が軍犬に先導されてこの峠を越えたといいます。 犬は信玄の愛犬とも、軍勢が峠路を辿るうちにどこからともなく現れ、信玄らを案内して何処かへ消えた山犬とも伝えられています。 この伝説は甲州側の山麓民によって長らく語り継がれ、昭和に入って登山が一般化してからは多くの登山者が伝説に心惹かれてこの峠を訪れました。 しかしこの伝説を裏づける史料は皆無で、一連の戦乱における武田の別働隊もさらに西の城ヶ尾峠を越えたとされる事から、犬越路と武田信玄は直接の関係は無いと考えられます。 しかし、小田原攻めの翌月の11月にも信玄率いる武田軍は駿河・相模に侵攻し、丹沢山塊では犬越路 南麓の中川川沿いにあった中川城・湯ノ沢城・大仏城山などの山城や砦が武田勝頼らの攻撃を受けて陥落、半年近くに亘って占拠されたとの記録があります。 この辺りの山間部から甲斐に抜ける近道は二本杉峠と城ヶ尾峠を越える道ですが、犬越路からも津久井や道志に抜ける事ができます。 犬越路の北麓は当時 北条氏の配下であった津久井衆の領内に接していたものの、武田氏と北条氏が長年に亘って鬩ぎ合いを繰り広げていた地域であり、地元の土豪の中には武田側に心を寄せる者も多かったとされる事から、武田の一部の軍勢が犬越路を越えた可能性も考えられます。 一方で、信玄伝説の他にも狼や猪、犬に関する説、さらに地形語説など、犬越路の峠名由来は諸説紛々としており、大変興味深いものがあります。 今回は峠にある「犬越路避難小屋」に泊まる事を主目的に、【犬越路の伝説と地名由来の検証】と銘打って、半年ぶりに丹沢の山の空気を吸ってきました。 犬越路をめぐる諸説、避難小屋泊の様子については以下の日記に記しています。 山行日記 http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1967918113&owner_id=12844177 犬越路避難小屋泊 信玄伝説を訪ねて 0、半年ぶりの西丹沢へ 1、夏の風景 2、用木沢出合から犬越路へ 3、避難小屋泊 霧の夜 4、犬越路の信玄伝説と峠名考証 5、西丹沢の夏の朝

塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 アリが4匹がかりで何かの幼虫を運んでいました。暫く観察していると、驚きのチームワークが見られました。
アリが4匹がかりで何かの幼虫を運んでいました。暫く観察していると、驚きのチームワークが見られました。
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 大室山・加入道山方面の稜線はやや霞んでいます。
大室山・加入道山方面の稜線はやや霞んでいます。
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 キャンプ場の川には水遊びの人達がいました。夏ですね!
キャンプ場の川には水遊びの人達がいました。夏ですね!
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 山道に入ります。
山道に入ります。
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 大きなトラス橋を渡ります。
大きなトラス橋を渡ります。
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 西丹沢VCのブログで定番の堰堤小滝です。
西丹沢VCのブログで定番の堰堤小滝です。
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 イワタバコの花が咲いていました。
イワタバコの花が咲いていました。
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 濡れた岩場によく見られます。
濡れた岩場によく見られます。
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 源太罠場沢 出合。ルートを誤って150m ほど入り込んでしまいました。
源太罠場沢 出合。ルートを誤って150m ほど入り込んでしまいました。
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 目指す犬越路方面も霞んでいます。
目指す犬越路方面も霞んでいます。
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 一昨年に折れて倒れた大ブナの残りの幹に新たな枝が育っています。
一昨年に折れて倒れた大ブナの残りの幹に新たな枝が育っています。
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 大杉丸南尾根(仮称)(一ノ沢左岸尾根)の取り付きです。今回は素直に用木沢沿いを進みます。
大杉丸南尾根(仮称)(一ノ沢左岸尾根)の取り付きです。今回は素直に用木沢沿いを進みます。
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 尾根末端の大木です。(樅?栂?)
尾根末端の大木です。(樅?栂?)
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 用木沢を離れ、水が涸れた犬越路沢に入ります。
用木沢を離れ、水が涸れた犬越路沢に入ります。
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 この辺りから傾斜のキツい喘登です。
この辺りから傾斜のキツい喘登です。
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 鹿さんがこちらを見ていました。距離は15メートルくらいでしょうか。
鹿さんがこちらを見ていました。距離は15メートルくらいでしょうか。
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 西丹沢の鹿は人を見ればダッシュで逃げるのが定番ですが、この鹿はずいぶん悠長に歩いていました。性格もいろいろですね。
西丹沢の鹿は人を見ればダッシュで逃げるのが定番ですが、この鹿はずいぶん悠長に歩いていました。性格もいろいろですね。
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 避難小屋に泊まります。誰もいない事を願います。
避難小屋に泊まります。誰もいない事を願います。
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 犬越路(1060m )に着きました。
犬越路(1060m )に着きました。
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 神奈川県 設置の「犬越路」説明板。
神奈川県 設置の「犬越路」説明板。
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 ホタルブクロ。花期は終盤のようです。
ホタルブクロ。花期は終盤のようです。
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 右奥にこんもりとした箒沢権現山が見えます。あの麓から登ってきました。
右奥にこんもりとした箒沢権現山が見えます。あの麓から登ってきました。
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 避難小屋の背後には大杉丸(1160)。
避難小屋の背後には大杉丸(1160)。
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 「東海自然歩道」説明板。
「東海自然歩道」説明板。
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 小屋の窓から東には「小笄」(1288)。読みは「ココウゲ」。この山名由来にも諸説あります。
小屋の窓から東には「小笄」(1288)。読みは「ココウゲ」。この山名由来にも諸説あります。
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 奥に霞むは石棚山稜。間もなく夜です。
奥に霞むは石棚山稜。間もなく夜です。
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 丹沢3つ目の避難小屋泊まり、今回も独りです。天井のフックにランタンをぶら下げました。
丹沢3つ目の避難小屋泊まり、今回も独りです。天井のフックにランタンをぶら下げました。
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 電波はほとんどありませんが実家の家族からLINEが来てました。妹、母、弟……。皆、自分の山歩き趣味を誤解してます(笑)。
電波はほとんどありませんが実家の家族からLINEが来てました。妹、母、弟……。皆、自分の山歩き趣味を誤解してます(笑)。
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 月も星も見えず霧に閉ざされた夜が明けました。
月も星も見えず霧に閉ざされた夜が明けました。
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 まだ朝霧に覆われています。
まだ朝霧に覆われています。
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 北風に乗って霧が流れる「霧越路」です。
北風に乗って霧が流れる「霧越路」です。
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 北側斜面にはブナがありました。
北側斜面にはブナがありました。
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 さあ、出発です。
さあ、出発です。
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 ありがとうございました!
ありがとうございました!
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 次回は北の神ノ川方面へ。
次回は北の神ノ川方面へ。
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 南に下るとまさに「雲散霧消」、風も無く穏やかな山路となりました。
南に下るとまさに「雲散霧消」、風も無く穏やかな山路となりました。
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 朝の爽やかな径をゆっくりと下ります。
朝の爽やかな径をゆっくりと下ります。
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 一ノ沢は水流が少なめです。
一ノ沢は水流が少なめです。
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 一昨年に倒壊した用木沢の大ブナ。
一昨年に倒壊した用木沢の大ブナ。
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 残幹は苔蒸し、植物の枝葉も育っています。
残幹は苔蒸し、植物の枝葉も育っています。
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 イワタバコに朝の御挨拶。
イワタバコに朝の御挨拶。
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 仲良しです。
仲良しです。
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 また来年会おう!
また来年会おう!
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 堰堤小滝。
堰堤小滝。
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 樹間から青空が。今日も暑くなりそうです。
樹間から青空が。今日も暑くなりそうです。
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 バウアーハウスのヤギさん。
バウアーハウスのヤギさん。
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 大室山・加入道山方面を振り返ります。
大室山・加入道山方面を振り返ります。
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 箒沢権現山(前権現)。かつては地元の雨乞い山で、古書に雨乞いの様子が載っていました。
箒沢権現山(前権現)。かつては地元の雨乞い山で、古書に雨乞いの様子が載っていました。
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 東沢出合。石棚山稜から檜洞丸に向かう山並みが見えます。
東沢出合。石棚山稜から檜洞丸に向かう山並みが見えます。
塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳 西丹沢VCに到着。計6人の登山者が山に向かっていきました。
西丹沢VCに到着。計6人の登山者が山に向かっていきました。

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