石鎚山

2018.07.21(土) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
7 時間 22
休憩時間
1 時間 49
距離
11.7 km
のぼり / くだり
1245 / 2107 m
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活動詳細

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四国にある百名山。 別に百名山の登頂を目指している訳ではない。 単独行なので、なるべく人の多い山を狙っている。 行きはロープウェイとリフトを使った。 成就社まではリフトを使わなくても時間的に変わらなかったので、帰りはリフトに乗らなかった。 鎖場は正直言って大変だった。 一つひとつが長くて、湿って滑るし、足場を探すのにとても苦労した。 途中までよじ登ると、毎回巻き道にしておけば良かったと後悔した。 最初の試しの鎖では、大阪の団体が先に登った。 しばらく行くと、最後尾のオバちゃんに、お兄ちゃん先行って良いよと言われ、エッ!こんな所でと思った。 まぁそう言うのならと追い越し、しばらくすると、一人残されたオバちゃんが、パニックになったのか「どこに足かけるか分からへん」「ここ滑んねん」「もうアカン」「どないしよ」と騒ぎ出し、ズルズルともがき出した。 まだまだ先がある。こりゃまずいなぁと思ってオバちゃんのいる所まで戻り、下に回り込んだ。 「慌てずにゆっくり行きましょう」と言って、オバちゃんの靴を下から足掛かりに誘導し、支え、一緒に鎖場をクリアした。 本当は、自分のことで精一杯なのに…、でもホッとした。 この鎖場は下りもある。 このオバちゃん、「今度はお兄さんが後ろにいるから大丈夫や!」と言ったが、下りで後ろにいてもしょうがないだろと、皆に笑われていた。 大阪人のボケ・ツッコミはテンポが良く、とても面白かった。 石鎚山山頂はガスってて、天狗岳は見えなかった。 そもそも私は高所恐怖症。 勇気なんてそう簡単には絞り出せない。 妄想癖があるので、恐いイメージが次から次へと湧き出し、足が震え、行動不能になる。 「こんな天気で、よく皆んな天狗岳に行きますね」と戻ってくる人達に聞いた。 「下が見えないから行くんだ、天気が良ければ行けないよ」「慣れれば怖くない」とのことで、騙されたと思って行ってみた。 ナイフリッジを皆平気に歩いている中、私は殆ど三点支持、と言うか、ほぼハイハイ状態。 そんなに直ぐ慣れるわけがないのである。 帰りの前社ケ森小屋で「冷やしあめゆ」なる飲み物を頂いた。名物だそうだ。 レシピは、生姜と水あめ、片栗粉が少々。 これまでの心身の疲れが癒されるようだった。 本当に疲れた。また今度登ると思うけど、多分その時は鎖場は登らないし、天狗岳も行かないだろう。 小屋の主人曰く、先日NHKが取材に来て、8月26日の小さな旅で放送されるとのこと。楽しみだ。 話し込んでしまったので、小屋を出るとペースを上げた。 だいぶ下り、汗をかいたので髪をかきあげると、帽子が無いことに気づいた。あの小屋かもしれない。 帰りのロープウェイの時間があるので、急いで引き返した。 「あめゆ」のお陰か、汗だくでヘロヘロになっていても力が湧いてくる感じがした。 途中すれ違う人は、これまでに会話した人ばかり。 「えっどうした。また登るの?」 「いえ、帽子を忘れたので。小屋で忘れたのでなければ諦めます」 しばらく登ると「ひょっとして、帽子忘れた?」 「はい」 「小屋にあったよ」 さらに戻ると「椅子の上に帽子あるよ」 「あぁ、良かった」 そしてついに「これ忘れ物! 途中で会えると思ったので持ってきたの」 「あぁ〜、ありがとうございます」 帰り道、成就社への登り返しに着くと10人程が休憩していた。 「帽子見つかった?」 「はい。途中まで持って来てくれた方がいたので、助かりました」 大阪から兄弟で旅してる方とは行きも帰りもよく出会い、この時にお兄さんから頂いた「塩レモンあめ」がとても美味しく涙が出そうになった。 車に乗り込み松山市内へ戻る途中、ロープウェイ駅に着いても別の人から「帽子見つかりました?」と尋ねられたことを思い出し、まるで伝言ゲームのようで、可笑しくなった。 この帽子は、今後山行のお守りにします。 皆さんの温かい声かけ、本当にありがとうございました。

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