【日本百名山 木曽駒ヶ岳】大荒れ吹雪の初雪山訓練 登頂ならず そりゃそうだ

2022.12.14(水) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
4 時間 48
休憩時間
1 時間 51
距離
2.0 km
のぼり / くだり
238 / 237 m

活動詳細

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山を始めた頃は自分が雪山に登るなんて思いもしなかった。のに、色々な山に登るうちに、冬もやっぱり高くて絶景見えるところにも登りたい。一面白銀の世界を見てみたい。いつのまにかそんな事を思うよに。雪山は通常の山以上に危険が伴うであろう。よし、まずは講習を受けよう!思い立ったら吉日。 講習参加にあたって必要なものリストに載っているギアたちをひとつづつ集める。雪山ギアを全部揃えようとするとかなり費用が嵩む。けれど雪山を登るには必須で、命を守る大切なギア。せめて服は着込めば持っているものでどうにかなるかなと後回しにしていたのだが、前々日にいつものThe North Face Mountain へ行って「これかこれでで行こうと考えてます」と伝えると「それは冬は低山までですね」「それは街で着るように大切に取っておいてもらったほうが良いかな」「それは滑ると止まらなくなるかな」とやんわりNG。「ここの店員さんはガチの山好きさん達が集まっているので、貴重な情報を色々と教えてもらえる。いつも山談義に花が咲き、サッと買って帰るつもりが最低2-3時間話し込むことに。お兄さんたちはバックカントリーをしていたり、スノーシェルターで寝るのが楽しいとか言ってる強者揃いの雪山大先輩なのでアドバイスありがたい。(結果吹雪だったのでお兄さんの言う事聞いて大正解。感謝) パッキングを始めるとノースのお兄さんがアドバイスくれた通り想像よりかなりの大荷物となる。ほとんど行動中に身につけるギアだがさすがにハーネスやアイゼンや冬山登山靴や服を全部身につけて行く訳にも行かず。結果、北アルプス4日間と同じサイズのザックに詰め込む。重さは縦走時より軽い。 数日前から天気予報とにらめっこ。どうもお天気はかなり良くない。中止の連絡が来るのではと思ったがないので実施のようだ。強気。 当日、東京は曇り。バスタ新宿から高速バスで駒ヶ根へ。乗客は少なくガラガラ。途中から場所により雨だったり晴れだったりが混じる。期待するが駒ヶ根は雨。こちらも乗客のまばらな路線バスに乗り換え菅野台バスセンターでスタッドレスタイヤのバスにさらに乗り換えしらび平へ。ここではスタッドレスいるのかなと思うぐらいだったが、外はバスが高度を上げるにつれ、雨から雪へ。雪がどんどんと深くなる。目の前には白銀の世界。きれいだ。しらび平到着。気温がぐんと低くなる。しらび平からロープウェイに乗って千畳敷ホテルへ。ホテルとロープウェイ乗り場は直結していてとても便利。冬季で悪天候さらに改装中という事もありホテルは閑散としている。 講習参加者は私含め女性3人と男性2人の計5人。受付を済ませ、身支度をし、1日目はピッケルとアイゼンワークを2-3時間ほど行う。あっという間に終了。雪山と戯れ楽しかった。この日は曇りであるものの時折晴れ間が見えていて空と山がきれいだった。スマホは持ってちゃダメだったので(壊れるかもだから)写真撮れず残念。大して動いていないのに腹ペコ。ハンバーグカレーをペロリと平らげ、我々で貸切のお風呂に入って、部屋で山談義をして就寝。外では暴風が吹き荒れており、一晩中すごい音が響いていたのと、暖房が強すぎて途中で目が覚めたりあまりよく眠れなかった。気圧が高いと眠りが浅くなるらしい。 朝6時起床。身支度をして、朝ごはんを食べて、集合場所へ。お天気は多少風が弱まったものの相変わらず吹雪いている。いよいよ開催中止かと思ったが、「これくらいならいける」とガイドさん。強気。理想とは違うけどこのために来たからね、うん。 雪山ウェアとギアを身につけ、いざ行かん。他に登っている人は誰もいない。そりゃそうだ。モッフモフの新雪。これはもはやアイゼンの意味はあまりない。逆に、凍っていて滑るような心配は一切ないので怖くはない。ひたすらラッセル大会。全員で交代で先頭に立ち、道を切り開いていく。途中、休憩を挟み、ここでさらに風が強くなるから防寒着を着るように、とガイドさん。でも、これが失敗。途中で防寒着を着るのは大変。雪山の吹雪の中で分厚い手袋をはめた状態では、普段簡単にできているザックの開け閉めすら困難だ。最初から着込むか、上から着れるものを選ぶか我慢できるならそのまま歩き続ける方が良い。 膝上、時々太ももくらいの深さの雪をラッセルラッセルで乗越浄土まで。それまでもかなり吹雪いていたが、ここからは暴風が半端ない。これ映画で見たことある遭難するやつ。ガイドさんも(ようやく)これ以上は危険、ということで下山。駒ヶ岳頂上まで行けなかったが全く悔しいと思わなかった。この悪天候の中、ここまで頑張った自分達を褒めてあげたい。駒ヶ岳、またお天気の良い時にリベンジする。講習中も登山中も全く写真を撮ることができなかったのが残念。データもぽちする機会を失い取れてなかったので、同行者のごんちゃんにいただいた。ごんちゃん、ありがとう! 悪天候の過酷な状況の中での雪山デブーとなったが、誰もいない山、深く降り積もった新雪の上を歩ける機会はそうないであろう。とても貴重な経験となったし、やはり雪山を歩くのはとても楽しかった。今回学んだことを活かして今季は安全に楽しくたくさん雪山に登りたいな。晴れの日に🤣 一緒に登ってくださった皆様ありがとうございました。 ------ ♦︎雪山講習メモ <ピッケル> ・ピッケル名称:尖っている方>ピック 平な方>ブレード 下側の尖ったところ>石突 ・ピッケル持ち方:(歩行時)上からヘッド部分をつかむ ブレードが前  (滑落停止の際)石突を左手で覆い石突が何かに引っかからないようにし、左腰周辺へ、ピックを外側にヘッドを右胸の近くに脇をしめて持つ。 ・お尻から滑落:上記の持ち方でピッケルを持ち斜面側に体を回転させ、体ごとピックを地面に突き刺す。腕だけで刺そうとしない。体ごとピッケルを指す。同時に両足の膝から下を上げる。 ・頭から滑落:体を回転させ頭を上に移動させる。以下、お尻からと同様。 <アイゼン> ・アイゼン履き方:つま先から合わせる。踵は靴より中へ、はみ出ない。踵がカチッと音が鳴るまで合わせる。ベルトはきつめに縛る。余ったベルトは先を斜めに切っておき(ベルトに先が通しやすいように)、ライターで焼く(糸がほつれてこないように)。 ・アイゼン歩き方:とにかくできるだけ多くの爪をしっかりと雪に刺す。足裏全体で雪面をとらえる。足を上げて歩く。 直進:登りはガニ股、下りは平行。 ジグザグ移動:山側の足は進行方向に出し、斜面に沿いフラットに刺す。谷側の足は山側の足の前につま先を外に斜めにクロスするように出す。 <その他> ・服装事前準備:全ての服のポケット、袖口は閉めておく。 ・行動中はグローブを外さない。グローブつけたまま作業できるように練習しておく。 ・耐風姿勢:右手でピッケルのヘッドを持ち左手でピッケルの下部を持ち、風上の地面にピッケルを立て、ピッケルを支点に、両足を大きく広げ、三角形の体制を作り頭を下げ上体を低くする。 ------ ♦︎アクセス:バスタ新宿〜駒ヶ根バスターミナル(高速バス) 駒ヶ根バスターミナル〜しらび平(路線バス 冬季は途中スタッドレスタイヤのバスに乗り換え)しらび平〜千畳敷(ロープウェイ)

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