活動データ
タイム
04:37
距離
13.5km
のぼり
115m
くだり
109m
チェックポイント
活動詳細
すべて見る🍌gotoフィリピン 第1週 ルソン島レガスピ2日目 マヨン火山(のふもと) 「完全な円錐形の世界有数の火山」。フィリピンの山探しをしていて、そう称えられるマヨンを知った。問題は、登れるかどうか。 噴火活動のため、しばしば入山規制されている。現在、ガイドツアーは行われているが、途中までしか登れない模様だった。 石垣島で必死に検索したが、ふもとをバギーで走るツアーが出てくるだけ。登山の情報は十分得られず、ガイドも見つからず、ぶっつけ本番で当たるしかなかった。 ちなみに、2020年にガイドなしで登頂を目指した白人ペア(恐らく違法かつ無謀)のブログは、ドン引きの内容だった。 それによると、トレイルは「ジャングルに食い尽くされていた」。水場も確保できず、テント泊はしたものの、登頂を諦めて撤退したという。 6日夕、ふもとの町レガスピに空路で入る予定だったので、できれば、その日のうちにツアー会社を巡りたかった。 待っていたのは、珍しいタイプのプチ・トラブルだった。 📌マヨン(Mayon)とレガスピ(Legazpi) マヨン火山はルソン島南部、標高2462mの活火山。整った円錐形の山容で、現地でも富士山と並び称される。たびたび噴火していて、2013年には登山中のドイツ人観光客ら5人が巻き込まれて死亡した。 ふもとの州都レガスピは人口20万人。スペイン植民地時代からの古い建物が多い。台風の通り道で、しばしば被災する。 —————————————————— 「ここがレガスピ空港......?」 6日午後4時過ぎ、「マニラ発レガスピ行き」のフィリピン航空2919便が「レガスピ空港」に着陸する時、窓からの風景に違和感を覚えた。見えるはずの町がない。 グーグルマップで確かめると、現在地は「ビコール(Bicol)空港」。見えてきたターミナルにも「Bicol」とある。降りるはずの空港に降りられなかったという初物のトラブルだった。 近場の空港を勘違いして航空券を買った? 行き先変更のアナウンスを聞き逃した? で、レガスピ空港から徒歩圏内の宿をわざわざ予約していたのに、どうすればいい? 後で分かったのだが、市街地のレガスピ空港は昨年10月に閉鎖され、代わりに郊外のビコール空港がオープンしていた。 にもかかわらず、航空券を予約する時も、搭乗券も、空港の案内も、行き先表記は「レガスピ」のままで「ビコール」ではない。 持ってきた「地球の歩き方」は2016~2017年版の古本。グーグルマップも閉鎖空港と分かるようになっていない。こんなトラップ、絶対に引っ掛かるじゃん。 成田ー羽田くらい離れていたら大ピンチに陥るところだったが、幸い、市街地まで10kmほど。シャトルサービスもあった。 しかし、この時間ロスによって、その日のうちにツアー会社に当たって、翌7日のマヨン登山を実現させるのは不可能になった。予備日の8日は、天気予報が悪い。 🍌 🍌 🍌 🍌 🍌 7日の代替プランは、すぐに見つかった。カグサワ(Cagsawa)教会跡。1814年のマヨン大噴火(死者1200人)で埋まった遺跡で、レガスピで最も有名な観光地らしい。 市街地から歩いていく阿保はいないと思われたので、逆に歩くことにした。 その道のりは、標準的な意味での観光の要素こそ皆無だったものの、その分、地元住民の生活臭に満ちあふれていた。 外国人、ましてや旅行者風情が歩く道ではあり得ない。完全アウエーなのだが、この国の人たちは「え?」と反応しながらも、例外なく温かい眼差しを向けてくれる。 こういう気まま&安全ウォークが可能になったのは、GPSアプリのお陰だ。極上の放浪感に陶酔し、気を失いそうになった。 観光客で賑わう教会跡には予想通り大して感動もせず、ランチの後、ちょっと悩んだ。帰りも歩くか、トライシクル(三輪タクシー)などに乗るか。 酷暑なのでワープしたい気持ちもあったが、「いい写真を撮りたいなら歩け」というMy信条が勝り、少し道順を変えてみた。 この日のクライマックスは、その帰路に見つけた廃線跡だった。 沿線には粗末な民家がびっしりと並び、線路のスペースは生活道路&何でも広場&ゴミ捨て場と化していた。 「普通の住宅街ではないかもな」と思いつつ、構わず歩いた。相応の注目は集めたものの、その眼差しはやはり温かく、治安の不安は全く感じられなかったからだ。 途中、ドブ川に架かる線路の橋を渡ると、左手にマヨンが綺麗に見えた。すえた臭いと世界屈指の活火山の偉容。カグサワ教会跡からは味わえない、もう一つのマヨン。 とにもかくにも歩けば、何かを見つけて、撮って、考えるチャンスが向こうからやって来る。My信条が上書き保存されたのだった。
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