自分を褒めたい

2022.12.03(土) 2 DAYS

チェックポイント

DAY 1
合計時間
3 時間 13
休憩時間
49
距離
5.6 km
上り / 下り
971 / 13 m
DAY 2
合計時間
8 時間 15
休憩時間
2 時間 17
距離
11.2 km
上り / 下り
949 / 1910 m
5 15

活動詳細

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🍌gotoフィリピン 第1週 ミンダナオ島ダバオ3~4日目 アポ山(フィリピン最高峰) 🍌序章「比国の頂点」  "The highest point in Philippi~nes!"  2022年12月4日午前7時半。アポ山(標高2954m)の頂に立つと、ガイドRoyがおどけた調子で声を張り上げた。そして、がっちりと握手してくる。  歓喜の渦に包まれる予定だったが、旅というのも思い通りにならないものだ。  朝から軽い下痢と吐き気があり、標高を上げるにつれて後者が悪化。記念撮影でも作り笑いをするのが精いっぱいだった。  「下山まで持ちこたえられるかな」。ほとんどそれだけ考えていた。 🍌第1章「憂鬱」  石垣島では、出発が近づくにつれてテンションは下がるという日々を送った。  勢いに任せてフライトを取り、フィリピン登山に必要な面倒臭い事務作業をクリアしたものの、最後まで引っ掛かったのは、  ①いい加減そうなガイド  ②衛生状態と風土病  の二つである。  ①については、モーメントでも書いた。  アポ山ツアーには、前泊のホステルが含まれる。出発8日前の11月22日にガイドAlbertに問い合わせメールを送ると、この日も以下のような体たらくだった。  【K】前泊先の名称と住所を教えて下さい。個室をお願い済みです。  【A】〇〇の予定です。←なぜか未来形  【K】個室が重要なのです。なる早で予約して下さい。←キレ気味に返信  【A】ご心配なく。私が保証します。  【K=心の声】「保証」はいいから「予約」をしてよ......  ②は、もっと切実。アジア放浪では度々ひどい下痢に襲われてきたからだ。  「地球の歩き方」には「トイレの後に手を洗う習慣はありません」とか書いてある。山中のキャンプで、どんな状態で飲み食いをさせられるのか。不安で仕方なかった。  石垣島のドラッグストアで薬剤師に相談したら「正露丸」を勧められたが、いったん襲われたら、何を飲んでも無駄だ。  所詮は気休めの正露丸、ついでに蚊よけスプレー(マラリア&デング熱対策)、バンドエイド、消毒液を買った。A型肝炎と破傷風については、ワクチンで予防済み。  なんでフィリピンで山登りなんかすることになったんだろ......  過去最低レベルのテンションを引きずったまま、関空からマニラを経て計8時間後、眼下にダバオの街明かりが見えてきた。東の空は、赤く染まり始めている。  12月1日午前5時12分、着陸。gotoフィリピンが始動した。    📌ダバオ(Davao)とアポ山(Apo)——  ダバオは、北部ルソン島の次に大きい南部ミンダナオ島(北海道の1.1倍)の中心都市。人口163万人。  ミンダナオ島は、ほぼ年じゅう真夏日。1日1回スコールあり。大半が熱帯雨林に覆われ、絶滅危惧種・固有種の国鳥フィリピンワシ(別名サル食いワシ)が生息する。  ダバオの西にそびえるアポ山は、フィリピン最高峰(標高2954m)の休眠成層火山。ふもとは、太平洋戦争の日米激戦地。  —————————————————— 🍌第2章「Albert見参」  ダバオ中心部のホテルにはタクシーで難なく着いたが、ほぼ徹夜状態。「1時間100㌷(240円)で早期チェックインできます」という甘言には抗えず、5時間分を支払った。  その最上階からは、アポ山を初めて拝めた。期待感...というより緊張感。   とにかく、下痢で登るわけにはいかない。当地1発目の食事では、卓上のスプーンを除菌シートで拭く自分に苦笑した。  初日は、休息と街の探検にとどめた。  蒸し暑く、日なたの最高体感温度35℃という熱帯。若者が多く、活気にあふれ、雑然としていて、たまに異臭が漂ってくる。  基本的なテイストは「東南アジア」だが、走り回る無数のジープニー(乗合バス)とトライシクル(三輪車)、いい感じに訛る英語(公用語)がフィリピンらしさを演出していた。  翌2日午前5時(日本6時)ごろ目を覚ますと、「日本、スペインに逆転勝ち」の速報見出しの意味を飲み込めず、我に返った後、録画予約しなかったのを悔いた。  アポ山の天気予報に目を移すと、まずまず。午後の定例スコールがハイカー泣かせで、山頂の気温は10℃くらいのようだ。  午前はホテルで時間を潰した後、ツアー前泊のため、Albert「保証」つきのホステルまで10分ほど歩いて引っ越した。午後5時半に顔合わせする約束だった。  注目の「個室」は、注文通り予約されていて、前日のホテルと比べても遜色がない。これで心証が少し良くなった。  ついに現れたAlbertは、握手を交わしたまま、ちょこんと和風のお辞儀をしてみせた。  第一印象は、精悍&色黒。「本田圭佑と新庄監督を足して二で割った感じだな」。ツアーの説明中、そんなことばかり考えていた。  飲み水のことだけ質問すると、「先週のシンガポール人は沢水でも大丈夫だった」。  それって、安心材料なのだろうか? ザックにミネラルウォーター2.7ℓを詰めた上で、それ以外はなるべく飲まないことにした。  Albertは当日、別のパーティーに付くといい、「キャンプ場で会いましょう」と言い残して去った。  「一緒に登れないのは残念だな」と思うほど心証は良くなっていたのに。別のガイドというのは、大丈夫かしらん?  📌アポ山ツアー概要———  2泊3日のピストンを選択。ダバオ前泊、登山口送迎、ガイド、ポーター、テント泊、入山料を合わせて1万6500㌷(4万円)。8~12人なら1人7500㌷(1万8000円)まで下がる。  【Day1】ダバオ→Baruring登山口(標高1140m)→Tinikaranキャンプ場(2100m)  【Day2】キャンプ場→山頂(2954m)→キャンプ場  【Day3】キャンプ場→登山口→ダバオ  —————————————————— 🍌第3章「Day1:スーパーサイヤ人たち」  3日午前5時半、送迎車が来て、アポ山ふもとの村でAlbertの部下のガイドRoy、登山口ではポーターArielが合流した。  Royは、珍しいロン毛で(ロック愛好家と後に判明)、サッカー元ブラジル代表ロナウジーニョそっくり。Arielは、柳沢慎吾をイケメンにした、ボクサーのような風貌だった。   Arielは、オートバイが走れるダートで距離・標高差を稼ぐというので、Royと2人で本来の登山道を歩き始めた。  すぐに思い知らされたのは、彼の恐るべき健脚と猛烈な蒸し暑さだった。  蒸し暑さなら夏の石垣島で慣れているが、長距離サウナは未経験。前代未聞の発汗になり、途中の集落で水を追加購入した。  この状態でRoyの快足を追うのだから、もはや罰ゲームである。妙なプライドが邪魔して「待って~」とは言い出せなかった。  この日の目的地Tinikaranキャンプ場に着くと、まず、標高2000m超なのに「普通にジャングル」な雰囲気に息をのんだ。  おまけに、ウェアは土砂降りに遭ったかのようなズブ濡れ。「ここにシャワーなしで2泊は厳しいな......」と早くも嫌気が差した。  1時間20分後、ポーターArielが着いた。この日の、いや、このツアーのクライマックスを、ここで迎えるとは思いもよらなかった。  ビーサンなのである。📷衝撃①参照  「ビーサン登山」の噂は聞いていたが、この距離と標高差の登山道を、しかも2泊3日3人分の荷物を背負って歩くのに、ビーサン?  ここからは、スーパーサイヤ人たちに畳みかけられる展開になった。  テント設営が始まったが、RoyとArielのスペースには雨よけシートしかない。そのまま寝袋を敷くという。📷衝撃②参照  天気予報によれば、これくらいの標高では体感気温は10℃くらいまで下がる。「夜は冷えるよ⁈」と仰天すると、彼らは「テントは重いから」と事も無げに笑った。  それから2時間半後、ボスAlbertと米国人夫婦が追いついた。そのポーターは、なんと裸足だった。📷衝撃③参照  理由は「シューズを傷めたくないから」。岩場では履くという。「開いた口が塞がらない」とは、まさに、こういう状況を言う。  「西表島の登山では沢靴が要る」とお友達に助言したり、アポ山に正露丸やビオレu全身すっきりシート(徳用)を持ち込んだりする自分が間違っているとは思わない。  しかし、当地でスーパーサイヤ人たちを目の当たりにして、常識がガタガタと崩れていく轟音を聞いた。この常識なり価値観なりの相対化は、地球放浪の「肝」である。  人間って、こんなに強かったんだ...... 🍌第4章「Day2:胃腸ピンチ」  2泊3日を1泊2日に縮めることにした。初日のペースでRoyに旅程を見積もってもらい、お墨付きをゲット。2日目は、登頂後に一気に登山口まで下り、ダバオに帰る。  キャンプ場の衛生状態や山行の発汗レベルからして、連泊は厳しいと確信していたし、この判断は後に「大吉」と出た。  その2日日は、午前4時に起床したあたりから胃腸が不調だった。  まず軽い下痢。行動不能レベルのものを数回経験しているので、それらとの比較から何とかなりそうだと心を落ち着かせる。   ところが、脂っこい朝食を特盛で出され、無理に完食しようとしたのがまずかった。午前5時の出発直後からエグい急登が始まったことも災いし、吐き気が続いた。  おまけに、この日もRoyは快足。ガスらない早い時間帯に標高を上げたい気持ちもあって、心身のダメージが増幅した。  さすがに、アポ山も同情したのだろう。  長い岩場"Boulders"を登りながら眺めたフィリピン海の日の出と朝焼けは、眺め部門ではツアーのクライマックスだった。  Royが所要4時間と見積もった登頂は3時間足らずで済んだものの、吐き気が不快で、うごめく感じの腸も不穏だった。  後から来たAlbertが、米国人夫婦と冷や汗を垂らすヘタレ石垣市民のために登頂証明書の授与式を催してくれたのに、記念撮影でも作り笑いをするのが精いっぱい。  「醜態をさらさずにダバオに帰り着く」。それが唯一かつ喫緊の課題になった。  帰路は、かつてない拷問と化した。  筋肉の疲労と発汗に下痢の予兆、吐き気が加わり、終盤は水が切れて強い渇きも覚えた。楽しいことは一つもない。  ふもとでRoy&Arielと別れた後、ダバオ行きの送迎車に乗ったが、今度は吐き気に代わって下痢のほうが黄信号になった。  「トイレを探して下さい」と頼んだが、運悪くドライバーはフィリピン人なのに英語を話せない。翻訳アプリでタガログ語(標準語)を見せても、理解してもらえない。  「マジでヤバい」と緊急措置を検討しているうちに、神様が見かねたのか、症状は治まってきた。九死に一生を得た。  ダバオに着いて用を足し、シャワーを浴びた時、ようやく達成感を覚えた。そして、歓喜の渦に包まれた。 🍌終章「臆面もなく」  アポ山のジャングルキャンプ場で、自分のテントが張られたのを見た時、「あの日」を思い出さずにはいられなかった。  9月30日、トルコの名峰エルジェス山(標高3917m)で、暴風によってテントを吹き飛ばされ、登頂も断念させられた、あの日。  準備に手間暇をかけ、石垣島からわざわざ出かけていって、ゴールを目の前にしておきながら、思いもよらぬトラブルだった。  フィリピン最高峰でも失敗したら、立ち直れないのではないか。この1カ月ほど、そんなネガティヴ思考にさいなまれてきた。  でも、やってみたら、できた。  聞いたこともない熱帯の高峰を一から調べて、その頂まで登って、無事に下りてくる。なかなかできることではない。  よくやった。自分を褒めたい。 🍌付録「初めてのフィリピン」  地球放浪の先駆けは学生時代、行き先はタイだった。  それ以来、東南アジア11カ国のうち辺境の東ティモールまで行ったのに、フィリピンに限って(正確にはブルネイも)スルーし続けていた。その理由を思い浮かべると、  😂「保険金をかけられた日本人が消される国」「犯罪者の人気逃亡先」という印象  😂治安当局が麻薬組織を「超法規的に」バンバン撃ち殺すお国柄  📌フィリピン共和国———  7641の島々から成り、面積は日本の8割。人口1億903万人。首都は北部ルソン島のマニラ。島ごとに言葉があると言われる。公用語はタガログ語と英語。  スペイン植民地だった歴史から(その後アメリカ領→日本軍政)、国民の8割以上がカトリック。  ミンダナオ島ではムスリムが2割以上。日本外務省は、イスラム過激派のテロや身代金目的拉致の恐れがあるとして、同島西部に渡航中止を勧告している。  ちなみに、一般市民でも警察の許可を得れば銃を所持できる。  主食はコメ。先住民族、スペイン、中国など色々な食文化が混ざっているが、基本的には塩辛くて酸味が強い、または甘いらしい。辛い料理はあまりない。  ——————————————————  そんなフィリピンを目指した理由は、  😍近場の東南アジアくらい制覇したい  😍「山派」にも意外と魅力的だと判明  地球放浪を中断させられた2020年春、国内登山旅に切り替えた時、くじゅうの宿泊先で登山アプリというものを知った。  利便性は明らか。SNS機能も面白く、山登りよりも文章を書いたり写真を撮ったりするほうが好きな自分に合っていた。  今年、スコットランドを皮切りに渡航を再開すると、その利便性をますます実感した。  従来の海外トレッキングでは、ガイドブックや現地のアナログ地図を頼りに、人出があるコースを歩くのが精いっぱいだった。  しかし、登山アプリを知ったことで、閑散エリアでもピークハントや長距離トレイルをソロで狙えるようになった。革命的だ。  YAMAPの海外マップは、登山口やコース(赤線)の表示がなくて不十分だが、GPSは普通に機能する。現在地と軌跡を確かめながら歩ける。これが革命的なのだ。  海外トレッキングのハードルが下がったところで、フィリピンを眺めてみた。  ピナツボなど有名な活火山は観光地と化し、アポ山など標高3000m級の登山道もあると分かった。写真を見ると、登りたくなる。  🍌  🍌  🍌  🍌  🍌  問題は、フィリピン独特の面倒臭さだ。  国としての放浪難易度は前回トルコ並み(中級)と思われるが、山登りを絡めようとすると、トルコ以上に面倒臭くなる。  西側先進国では、登山口まで公共交通機関やレンタカーで簡単にアクセスできる。トレイルが閑散としていても、登山アプリさえあればソロでも不安はない。  フィリピンでは、アクセスが難しいのはもちろん、規制がウザい。難易度に関係なくガイドを雇ったり、時には英文の健康診断書を出したり、登山届に結婚(離婚)歴・学歴を書かされるのに耐えたりする必要がある。   一番面倒臭かったのは、Albertとのやり取りそのものだった。  仕事が(日本人基準では)いい加減なので、いちいちツッコミを入れるのだが、一発では解決せず、彼が悪びれることもない。←きょうの本文や最近のモーメントに詳述  それでも、フィリピンで「海」を無視し、ひたすら「山」と格闘する旅は、恐らくレアである。その分、やり甲斐もある。  無事コンプリートできれば、我が地球放浪の新境地になるだろう。  📌おことわり———  日本とフィリピンの時差は1時間。レスが遅れる場合、それは時差のせいではなく、筆者の怠慢か疲労のためです。  ——————————————————

アポ山  【12月1日】gotoフィリピン1発目の関門は、やはり、空港からホテルまでのタクシーだろうと見ていた。
 乗り場に並んだ自分に巡ってきたドライバーは、気持ちのいい挨拶をする小柄なお父さん。メーターはルール通り回っていたようで、10km、20分ほどの乗車が220㌷(530円)で済んだ。
 お札で250㌷を渡すと、切なそうな表情を浮かべたので、お釣りをチップとした。だから、600円。

 未確認のウィキペディア情報などによると、ダバオのタクシーはフィリピンでは例外的に行儀がよく、ぼったくりは「消えた」という。
 前大統領ドゥテルテがダバオ市長時代、犯罪者(と見なした人間)を超法規的に抹殺しまくって治安をよくした「成果」らしい。
 【12月1日】gotoフィリピン1発目の関門は、やはり、空港からホテルまでのタクシーだろうと見ていた。  乗り場に並んだ自分に巡ってきたドライバーは、気持ちのいい挨拶をする小柄なお父さん。メーターはルール通り回っていたようで、10km、20分ほどの乗車が220㌷(530円)で済んだ。  お札で250㌷を渡すと、切なそうな表情を浮かべたので、お釣りをチップとした。だから、600円。  未確認のウィキペディア情報などによると、ダバオのタクシーはフィリピンでは例外的に行儀がよく、ぼったくりは「消えた」という。  前大統領ドゥテルテがダバオ市長時代、犯罪者(と見なした人間)を超法規的に抹殺しまくって治安をよくした「成果」らしい。
アポ山  ダバオ中心部のホテルに入った後、近所を探検してみた。
 目に留まるもの多すぎ。中でも、むき出しの電線がぐちゃぐちゃ過ぎて、セブン-イレブンの看板が見えづらくなっているのには衝撃を受けた。
 こうした電線は、まれに垂れ下がったり切れたりしていて、感電するリスクがあるらしい。
 ダバオ中心部のホテルに入った後、近所を探検してみた。  目に留まるもの多すぎ。中でも、むき出しの電線がぐちゃぐちゃ過ぎて、セブン-イレブンの看板が見えづらくなっているのには衝撃を受けた。  こうした電線は、まれに垂れ下がったり切れたりしていて、感電するリスクがあるらしい。
アポ山  フィリピン名物トライシクル(Tricycle=三輪車)の乗り場と思われる。
 正確には、バイクにサイドカーを付けたものをトライシクル、この写真のような人力型はペディキャブ(Pedicab)と区別するらしい。
 見ていると、タクシー代わりとしてだけではなく、家庭用、屋台用などなど用途は幅広い。どこに目を向けても、必ず走っている。

 なお、市街地でも信号機は少なく、なぜか動いていないこともある。道路の横断は緊張を強いられる。
 ただ、少なくともダバオでは歩行者に対して車が止まってくれるケースが多く、暴走車も目立たず、トルコよりは百万倍マシ。
 フィリピン名物トライシクル(Tricycle=三輪車)の乗り場と思われる。  正確には、バイクにサイドカーを付けたものをトライシクル、この写真のような人力型はペディキャブ(Pedicab)と区別するらしい。  見ていると、タクシー代わりとしてだけではなく、家庭用、屋台用などなど用途は幅広い。どこに目を向けても、必ず走っている。  なお、市街地でも信号機は少なく、なぜか動いていないこともある。道路の横断は緊張を強いられる。  ただ、少なくともダバオでは歩行者に対して車が止まってくれるケースが多く、暴走車も目立たず、トルコよりは百万倍マシ。
アポ山  そのトライシクル乗り場の近くに食堂があり、お父さんが元気よく「Good morning!」と挨拶してきたので、ここで朝食をとることにした。
 英語も公用語なので、タガログ(フィリピノ)語ネイティブの人たちとも最低限の会話は成り立つ。看板などの表記も分かりやすいので、とても便利。
 そのトライシクル乗り場の近くに食堂があり、お父さんが元気よく「Good morning!」と挨拶してきたので、ここで朝食をとることにした。  英語も公用語なので、タガログ(フィリピノ)語ネイティブの人たちとも最低限の会話は成り立つ。看板などの表記も分かりやすいので、とても便利。
アポ山  ご飯に野菜炒め、塩辛い目玉焼き1個をトッピングしたら、驚きの47㌷(110円)。
 セブン-イレブンのコーラ500mlボトルは40㌷(100円)、ビッグマックのポテトSセットは183㌷(440円)など日本と大差なかったが、大衆食堂は世界が違うようだ。

 ただし、衛生面では相応のリスクがある。火を通したものはOKだが、大衆食堂や屋台では食器類が汚染されていても文句は言えない。地元住民は大丈夫でも、過保護に育てられた胃腸では耐えられない。生ものは美味しそうに見えても厳禁と肝に銘じている。
 この食堂の卓上では、水を注いだコップに客用スプーンが浸されていた。ザックから取り出した除菌シートで拭いてしまった。
 ご飯に野菜炒め、塩辛い目玉焼き1個をトッピングしたら、驚きの47㌷(110円)。  セブン-イレブンのコーラ500mlボトルは40㌷(100円)、ビッグマックのポテトSセットは183㌷(440円)など日本と大差なかったが、大衆食堂は世界が違うようだ。  ただし、衛生面では相応のリスクがある。火を通したものはOKだが、大衆食堂や屋台では食器類が汚染されていても文句は言えない。地元住民は大丈夫でも、過保護に育てられた胃腸では耐えられない。生ものは美味しそうに見えても厳禁と肝に銘じている。  この食堂の卓上では、水を注いだコップに客用スプーンが浸されていた。ザックから取り出した除菌シートで拭いてしまった。
アポ山 野良猫、野良犬は、トライシクル並みに多数生息している。
野良猫、野良犬は、トライシクル並みに多数生息している。
アポ山 Farmers Market Center
Farmers Market Center
アポ山  【ここから12月2日】フルーツのトライシクル屋台。その場でカットしたものを並べる。まな板もナイフも清潔とは限らないので、買うにしても登山後にしようと思う。
 ご飯タイムになると、フルーツに限らず、ありとあらゆる屋台が通りに集結する。一つひとつウオッチングしていたら、それだけで日が暮れる。
 【ここから12月2日】フルーツのトライシクル屋台。その場でカットしたものを並べる。まな板もナイフも清潔とは限らないので、買うにしても登山後にしようと思う。  ご飯タイムになると、フルーツに限らず、ありとあらゆる屋台が通りに集結する。一つひとつウオッチングしていたら、それだけで日が暮れる。
アポ山  ダバオ市街では、洗濯屋がセルフ式も含めて充実していた。
 ここはフルサービスで、洗濯&乾燥165㌷(400円)、1時間半くらいで仕上がり、午後8時まで営業とのことだった。
 こういう一般市民でも、基本的な英語は普通に通じるから、とても便利。 
 ダバオ市街では、洗濯屋がセルフ式も含めて充実していた。  ここはフルサービスで、洗濯&乾燥165㌷(400円)、1時間半くらいで仕上がり、午後8時まで営業とのことだった。  こういう一般市民でも、基本的な英語は普通に通じるから、とても便利。 
アポ山 路上に平然と捨てられた車(ジープニー)と木の間にハンモックを吊って昼寝する兄貴。
路上に平然と捨てられた車(ジープニー)と木の間にハンモックを吊って昼寝する兄貴。
アポ山  アポ山ツアーに含まれていたダバオの前泊ホステル(左)に引っ越した。
 Albertへの注文通り、個室が予約されていた。
 アポ山ツアーに含まれていたダバオの前泊ホステル(左)に引っ越した。  Albertへの注文通り、個室が予約されていた。
アポ山  近くの大衆食堂でランチ。大皿から豚の角煮、鶏肉の野菜炒め、豚ミンチ炒めを選び、ご飯と水1ℓボトル合わせても170㌷(410円)。
 今のところ、聞かされていたほどには塩辛くなく、日本人の口に合い、日本の下手な学食より美味い。
 近くの大衆食堂でランチ。大皿から豚の角煮、鶏肉の野菜炒め、豚ミンチ炒めを選び、ご飯と水1ℓボトル合わせても170㌷(410円)。  今のところ、聞かされていたほどには塩辛くなく、日本人の口に合い、日本の下手な学食より美味い。
アポ山  店内の様子。主の兄貴は、こちらを見るなり中国語でも朝鮮語でもなく日本語を話し出した。「いくら?」「ひゃく・ななじゅう・ペソ」という具合に、普通に会話できた。
 初日のホテルのレセプションのお母さんも、日本語を少し話した。ライフル銃を装備した警備の兵士に突然「じゃぱにーず!」と挨拶されたこともあった。
 ダバオと日本の関係は深い。20世紀初めに日本人が麻栽培のために移住し、東南アジア最大の日本人街(2万人)が出来た。敗戦によって、子孫はシビアな運命をたどったらしい。
 街では日本料理店、日本語学校、日本での就職をアレンジする業者(?)の看板が目立つ。世界各地で最もパワフルな中華系をしのぐ様は、かなりレア。
 店内の様子。主の兄貴は、こちらを見るなり中国語でも朝鮮語でもなく日本語を話し出した。「いくら?」「ひゃく・ななじゅう・ペソ」という具合に、普通に会話できた。  初日のホテルのレセプションのお母さんも、日本語を少し話した。ライフル銃を装備した警備の兵士に突然「じゃぱにーず!」と挨拶されたこともあった。  ダバオと日本の関係は深い。20世紀初めに日本人が麻栽培のために移住し、東南アジア最大の日本人街(2万人)が出来た。敗戦によって、子孫はシビアな運命をたどったらしい。  街では日本料理店、日本語学校、日本での就職をアレンジする業者(?)の看板が目立つ。世界各地で最もパワフルな中華系をしのぐ様は、かなりレア。
アポ山  トライシクルと並ぶフィリピン庶民の足ジープニー(Jeepney=乗合バス)。
 これも様々な路線で無数に走っていて、乗り降り自由なので、使いこなせば便利だろうが、ジモティーじゃないと無理だろう。
 米軍が使っていたジープを乗合バスに改造したものと聞いていたが、現地に来てみると、軽トラ改造型、わりと新型のRV改造型などバリエーション豊富だった。
 トライシクルと並ぶフィリピン庶民の足ジープニー(Jeepney=乗合バス)。  これも様々な路線で無数に走っていて、乗り降り自由なので、使いこなせば便利だろうが、ジモティーじゃないと無理だろう。  米軍が使っていたジープを乗合バスに改造したものと聞いていたが、現地に来てみると、軽トラ改造型、わりと新型のRV改造型などバリエーション豊富だった。
アポ山  ホステルの個室にチェックインすると、予想をはるかに上回る快適さだった。バス・トイレとエアコン(重要)つき。ツアー代金に含まれている。
 普通に利用すると、この部屋の料金は1000㌷(2400円)。
 ホステルの個室にチェックインすると、予想をはるかに上回る快適さだった。バス・トイレとエアコン(重要)つき。ツアー代金に含まれている。  普通に利用すると、この部屋の料金は1000㌷(2400円)。
アポ山  【ここから12月3日】アポ山ツアーでは、まずダバオ市街からふもとのKapatagan村まで送迎車で移動した。77km、2時間。
 この日はよく晴れ、フィリピン最高峰をクッキリ拝めた。
 ただし、午後からは雲が増え、スコールが降るというのが、この地域の日々のパターン。「午前中の登頂」が、アポ登山の鉄則だろう。
 ガイドRoyによると、山頂部の気温は氷点下まで下がる日もあるものの、雪は降らないという。山肌の白く見える部分は、火山由来の鉱物(硫黄?)と後で分かった。
 翌日の帰路は、曇って何も見えなかった。
 【ここから12月3日】アポ山ツアーでは、まずダバオ市街からふもとのKapatagan村まで送迎車で移動した。77km、2時間。  この日はよく晴れ、フィリピン最高峰をクッキリ拝めた。  ただし、午後からは雲が増え、スコールが降るというのが、この地域の日々のパターン。「午前中の登頂」が、アポ登山の鉄則だろう。  ガイドRoyによると、山頂部の気温は氷点下まで下がる日もあるものの、雪は降らないという。山肌の白く見える部分は、火山由来の鉱物(硫黄?)と後で分かった。  翌日の帰路は、曇って何も見えなかった。
アポ山  アポ山ふもとのKapatagan村。ここでガイドRoyが合流した。
 食堂で朝食休憩した後、ランチの買い物をするよう指示された。
 アポ山ふもとのKapatagan村。ここでガイドRoyが合流した。  食堂で朝食休憩した後、ランチの買い物をするよう指示された。
アポ山 村の市場をのぞいたらバナナがぶら下がっていたが、ランチには多すぎるので、おばあにカットしてもらった。
村の市場をのぞいたらバナナがぶら下がっていたが、ランチには多すぎるので、おばあにカットしてもらった。
アポ山  Kapataganの少し奥、Baroringという集落の外れが登山口(看板も何もない)。
 今度はポーターAriel(24歳)がオートバイで合流した。左はAlbertの部下のガイドRoy(37歳)。
 Arielは単独行動。2泊3日分のテント泊装備を背負い、オートバイで走れる別ルート(車は入れない山道)で距離を稼ぐ。
 Kapataganの少し奥、Baroringという集落の外れが登山口(看板も何もない)。  今度はポーターAriel(24歳)がオートバイで合流した。左はAlbertの部下のガイドRoy(37歳)。  Arielは単独行動。2泊3日分のテント泊装備を背負い、オートバイで走れる別ルート(車は入れない山道)で距離を稼ぐ。
アポ山  歩き始めて間もなく集落Culanを通過。この広場が中心部らしく、いくつかの売店とバスケットコート(写真右の木がゴール)があった。
 このあたりの集落は車ではアクセスできず、住民はオートバイか馬でボコボコのダートを移動する。
 RoyもArielも地元住民。Royは、週1回程度のアポ山ガイドを本業としているが、それだけでは子供を養えないので、バナナ農園でも働いているという。
 Arielのお家は野菜農家。ポーターからガイドに昇格すれば、稼ぎがよくなるだろう。
 歩き始めて間もなく集落Culanを通過。この広場が中心部らしく、いくつかの売店とバスケットコート(写真右の木がゴール)があった。  このあたりの集落は車ではアクセスできず、住民はオートバイか馬でボコボコのダートを移動する。  RoyもArielも地元住民。Royは、週1回程度のアポ山ガイドを本業としているが、それだけでは子供を養えないので、バナナ農園でも働いているという。  Arielのお家は野菜農家。ポーターからガイドに昇格すれば、稼ぎがよくなるだろう。
アポ山  山村・農村というと、日本では「過疎」のイメージが強いが、フィリピン(というか新興国)では妙に人出が多い。しかも、若者と子供が多い。
 民家は極めて質素だが、電気は通っていて、幼児がスマホで遊んでいた。水浴びする子供、木登りする子供、一丁前にオートバイを転がす子供、とにかく賑やかだ。
 山村・農村というと、日本では「過疎」のイメージが強いが、フィリピン(というか新興国)では妙に人出が多い。しかも、若者と子供が多い。  民家は極めて質素だが、電気は通っていて、幼児がスマホで遊んでいた。水浴びする子供、木登りする子供、一丁前にオートバイを転がす子供、とにかく賑やかだ。
アポ山  集落Culanを過ぎると、アポ山に向かって開墾地帯の緩やかな上りが続き、途中にも集落が点在している。トレイルというより生活道路そのもの(バイクと馬しか通れないダート)。写真右下は、手を振るRoy。
 風景はのどかだが、ジャングルの野放図な開発(開墾)には当然、自然保護の観点から批判的な意見がある。
 その開墾のメインはバナナ農園。Royは「収穫の6割が日本に輸出されている」と言った。
 集落Culanを過ぎると、アポ山に向かって開墾地帯の緩やかな上りが続き、途中にも集落が点在している。トレイルというより生活道路そのもの(バイクと馬しか通れないダート)。写真右下は、手を振るRoy。  風景はのどかだが、ジャングルの野放図な開発(開墾)には当然、自然保護の観点から批判的な意見がある。  その開墾のメインはバナナ農園。Royは「収穫の6割が日本に輸出されている」と言った。
アポ山  Culanの近くには、旧日本軍の基地跡(写真奥の丘)がある。=帰路に撮影
 アポ山のふもとは太平洋戦争の激戦地。このあたりかもしれない。
 Royによると、今はフィリピン軍が使っているという。外敵に備えるというよりは、ミンダナオ島に多いイスラム過激派に睨みを利かせていると思われる。
 Culanの近くには、旧日本軍の基地跡(写真奥の丘)がある。=帰路に撮影  アポ山のふもとは太平洋戦争の激戦地。このあたりかもしれない。  Royによると、今はフィリピン軍が使っているという。外敵に備えるというよりは、ミンダナオ島に多いイスラム過激派に睨みを利かせていると思われる。
アポ山  開墾地帯を過ぎると、いよいよ熱帯ジャングル登山道に入る。猛烈に蒸し暑い。
 写真を撮っていたら、前を行くRoyを見失いかけた場面がコレ。写真中央下にRoyの人影がある。

 ジャングル登山道は鮮明で、難易度も高くないが、終始ぬかるんでいて、シューズは瞬く間にドロドロになる。そして、特に根っこが滑る。
 鬱蒼としていて眺望も得られないので、特に帰りは完全なる拷問区間と化す。
 開墾地帯を過ぎると、いよいよ熱帯ジャングル登山道に入る。猛烈に蒸し暑い。  写真を撮っていたら、前を行くRoyを見失いかけた場面がコレ。写真中央下にRoyの人影がある。  ジャングル登山道は鮮明で、難易度も高くないが、終始ぬかるんでいて、シューズは瞬く間にドロドロになる。そして、特に根っこが滑る。  鬱蒼としていて眺望も得られないので、特に帰りは完全なる拷問区間と化す。
アポ山  八重山諸島でもよく見る「オオタニワタリ」が巨木にへばり付いていた。
 熱帯ジャングルのオーラは強烈だが、ガイドがいるし、他のハイカーにも意外とちょくちょく出会うし、ヒルもいないし、この標高には風土病を媒介する蚊もいないので、気楽だった。
 西表島の最深部「マヤグスクの滝」まで独りでピストンした時のほうが、はるかに怖かった。
 ただし、フィリピン登山での発汗は尋常ではない。安全な飲料を飲みたいなら、ザックの増量を覚悟すべし。
 八重山諸島でもよく見る「オオタニワタリ」が巨木にへばり付いていた。  熱帯ジャングルのオーラは強烈だが、ガイドがいるし、他のハイカーにも意外とちょくちょく出会うし、ヒルもいないし、この標高には風土病を媒介する蚊もいないので、気楽だった。  西表島の最深部「マヤグスクの滝」まで独りでピストンした時のほうが、はるかに怖かった。  ただし、フィリピン登山での発汗は尋常ではない。安全な飲料を飲みたいなら、ザックの増量を覚悟すべし。
アポ山  3時間でTinikaranキャンプ場に着いた。
 標高2000mを超えているのに、まだまだ普通にジャングルだった。
 もう少し開けた場所というイメージ(期待)があったので、ここに泊まるんですか......?とドン引きした。
 3時間でTinikaranキャンプ場に着いた。  標高2000mを超えているのに、まだまだ普通にジャングルだった。  もう少し開けた場所というイメージ(期待)があったので、ここに泊まるんですか......?とドン引きした。
アポ山  キャンプ指定地は複数あるが、Tinikaranにはトイレと水場があるので、よく使われるらしい。
 トイレは、かなりホラー。水場は、日本人がそのまま飲んだらタダでは済まない雰囲気だった。
 キャンプ指定地は複数あるが、Tinikaranにはトイレと水場があるので、よく使われるらしい。  トイレは、かなりホラー。水場は、日本人がそのまま飲んだらタダでは済まない雰囲気だった。
アポ山 遅れてポーターArielが単独で到着。何に驚いたかって......
遅れてポーターArielが単独で到着。何に驚いたかって......
アポ山  【衝撃①】この赤いビーサンで、あのジャングル登山道を登ってきたのだった。しかも、2泊3日3人分の食料やテントなどを背負って......
 Royに「信じられない」と話を向けると、「プロフェッショナルなポーターの証し」と笑った。
 ちなみに、Royもポーターからガイドに昇格した身。North Faceのピカピカのローカットを履いていた。
 【衝撃①】この赤いビーサンで、あのジャングル登山道を登ってきたのだった。しかも、2泊3日3人分の食料やテントなどを背負って......  Royに「信じられない」と話を向けると、「プロフェッショナルなポーターの証し」と笑った。  ちなみに、Royもポーターからガイドに昇格した身。North Faceのピカピカのローカットを履いていた。
アポ山 RoyとArielがテントを張ってくれるのを見守るだけでいいゲスト石垣市民。
RoyとArielがテントを張ってくれるのを見守るだけでいいゲスト石垣市民。
アポ山  【衝撃②】RoyとArielの寝床兼炊事場。雨よけシートしかない。「テントは?」と聞くと、この状態で寝袋を敷くという。
 「夜は冷えるよ⁈」と仰天すると、Royは「テントは重いから」「寒くなったら、Arielと抱き合って寝るよ」と事も無げに笑った。
 実際、寒かった。寝袋が薄手だったこともあり、未明からダウンを着込んだ。
 翌朝、Arielは毛布みたいなものにくるまって寒さをしのいでいた。余計な寝具を持ってくるくらいなら、普通にテントを持ってくればいいと思われる。
 【衝撃②】RoyとArielの寝床兼炊事場。雨よけシートしかない。「テントは?」と聞くと、この状態で寝袋を敷くという。  「夜は冷えるよ⁈」と仰天すると、Royは「テントは重いから」「寒くなったら、Arielと抱き合って寝るよ」と事も無げに笑った。  実際、寒かった。寝袋が薄手だったこともあり、未明からダウンを着込んだ。  翌朝、Arielは毛布みたいなものにくるまって寒さをしのいでいた。余計な寝具を持ってくるくらいなら、普通にテントを持ってくればいいと思われる。
アポ山  キャンプ場に着いてしまうと、翌朝の登頂まで何もすることがないので、さっさと夕食を取って早寝することになった。
 ばっちい手を洗いもせずに調理するのをマジマジと見つつ、「火を通せば大丈夫だ」と自分に言い聞かせた石垣市民。
 キャンプ場に着いてしまうと、翌朝の登頂まで何もすることがないので、さっさと夕食を取って早寝することになった。  ばっちい手を洗いもせずに調理するのをマジマジと見つつ、「火を通せば大丈夫だ」と自分に言い聞かせた石垣市民。
アポ山  【衝撃③】ボスAlbert率いるパーティーが後から到着したが、そのポーターは裸足なのだった。
 彼のザックにはシューズがぶら下がっている。壊れたのかな? 可哀そうに。
 事情を聞くと「シューズを傷めたくないんで、履きません」。足を傷めたら元も子もないと思われるんですけど。
 【衝撃③】ボスAlbert率いるパーティーが後から到着したが、そのポーターは裸足なのだった。  彼のザックにはシューズがぶら下がっている。壊れたのかな? 可哀そうに。  事情を聞くと「シューズを傷めたくないんで、履きません」。足を傷めたら元も子もないと思われるんですけど。
アポ山  噂のボスAlbert、本邦初公開。
 スイスに山登りに出かけるというから、フィリピンでは裕福なほうなのだろう。ポーターたちがシューズを買えるよう、賃上げしてあげて下さい。
 この日は、フロリダからやって来た夫婦とフィリピン人カップルのガイドを務めていた。
 ここで野営したのは、計3組だった。
 噂のボスAlbert、本邦初公開。  スイスに山登りに出かけるというから、フィリピンでは裕福なほうなのだろう。ポーターたちがシューズを買えるよう、賃上げしてあげて下さい。  この日は、フロリダからやって来た夫婦とフィリピン人カップルのガイドを務めていた。  ここで野営したのは、計3組だった。
アポ山  夕食は豚バラ鍋。ショウガ、ニンニク、レモングラスが効いていて、塩加減も確かめさせてくれたので、大満足。
 鍋とご飯を好きなように食べてよく、残りをRoyとArielが食べる。
 豚バラをどの程度残しておくか悩んだ。このあたりは、ゲストの国民性が表れそうだ。
 夕食は豚バラ鍋。ショウガ、ニンニク、レモングラスが効いていて、塩加減も確かめさせてくれたので、大満足。  鍋とご飯を好きなように食べてよく、残りをRoyとArielが食べる。  豚バラをどの程度残しておくか悩んだ。このあたりは、ゲストの国民性が表れそうだ。
アポ山  【ここから12月4日】キャンプ場からは突然、急登になる。空気も薄く、体力をゴリゴリ削られる。登頂した日に下山する旅程だと、技術は要らないものの、相当の体力を求められる。

 序盤のジャングルを抜けると、まず涸れ沢(?)の岩場に出た(写真)。
 右に写っているのはRoy。荷物をキャンプ場にデポした際、彼は水のペットボトルとリンゴだけ持った。
 片手が塞がるから、ザックに入れたほうがいいと思われる。
 というか、一応ガイドなので、ファーストエイドくらい持っていてほしい。
 というか、当局がガイド雇用を義務づけるのは、建前としては安全対策だが、本音は地元の景気対策と思われる。
 【ここから12月4日】キャンプ場からは突然、急登になる。空気も薄く、体力をゴリゴリ削られる。登頂した日に下山する旅程だと、技術は要らないものの、相当の体力を求められる。  序盤のジャングルを抜けると、まず涸れ沢(?)の岩場に出た(写真)。  右に写っているのはRoy。荷物をキャンプ場にデポした際、彼は水のペットボトルとリンゴだけ持った。  片手が塞がるから、ザックに入れたほうがいいと思われる。  というか、一応ガイドなので、ファーストエイドくらい持っていてほしい。  というか、当局がガイド雇用を義務づけるのは、建前としては安全対策だが、本音は地元の景気対策と思われる。
アポ山  涸れ沢が終わると"Boulders"と名づけられた長い岩場に入る。
 1時間早い午前4時に出発していたAlbert隊に追いついた。前日は裸足だったポーター(左)は、シューズを履いていた。途中でゲストに軽食を提供するため、ポーターは荷物をあまりデポできない。
 涸れ沢が終わると"Boulders"と名づけられた長い岩場に入る。  1時間早い午前4時に出発していたAlbert隊に追いついた。前日は裸足だったポーター(左)は、シューズを履いていた。途中でゲストに軽食を提供するため、ポーターは荷物をあまりデポできない。
アポ山 Bouldersからフィリピン海(太平洋)と朝焼け。
Bouldersからフィリピン海(太平洋)と朝焼け。
アポ山  Bouldersの最もBouldersらしいエリア。左側の白い谷間では硫黄の臭いが強く、噴煙(蒸気?)も上がっている。
 このあたりまではよく晴れていたが、次第にガスが出てきた。アポ山の天候は毎日午後になると崩れる(スコール)ので、時間との勝負になる。
 Bouldersの最もBouldersらしいエリア。左側の白い谷間では硫黄の臭いが強く、噴煙(蒸気?)も上がっている。  このあたりまではよく晴れていたが、次第にガスが出てきた。アポ山の天候は毎日午後になると崩れる(スコール)ので、時間との勝負になる。
アポ山  山頂部は台地で、いくつかの偽(?)ピークが点在していた。
 この写真のピークがフィリピン最高地点、アポ山の山頂とのこと。
 強風で一気に汗冷えした。とはいえ、持ってきたダウンまでは要らず、雨具だけでしのげた。
 山頂部は台地で、いくつかの偽(?)ピークが点在していた。  この写真のピークがフィリピン最高地点、アポ山の山頂とのこと。  強風で一気に汗冷えした。とはいえ、持ってきたダウンまでは要らず、雨具だけでしのげた。
アポ山  半信半疑だったアポ山登頂を果たし、歓喜の雄叫びをあげる石垣市民。
 ......のように見えるが、胃腸のコンディションが要注意レベルだった。下山まで持ちこたえられるかどうか、ほとんどそれだけ考えていた。
 半信半疑だったアポ山登頂を果たし、歓喜の雄叫びをあげる石垣市民。  ......のように見えるが、胃腸のコンディションが要注意レベルだった。下山まで持ちこたえられるかどうか、ほとんどそれだけ考えていた。
アポ山 Bouldersをビーサンでガンガン下りていくAriel。追いつけないくらいに速い。体力もあるのだろうが、すごいテクニックだ。
Bouldersをビーサンでガンガン下りていくAriel。追いつけないくらいに速い。体力もあるのだろうが、すごいテクニックだ。
アポ山 キャンプ場に戻ると、残飯を狙ってサルの群れが来ていた。
キャンプ場に戻ると、残飯を狙ってサルの群れが来ていた。
アポ山  ふもとの集落に戻ってきた。生活道路はボコボコのダートで、オートバイと馬しか通れない。
 オートバイの乗り方は日本ではあり得ないもので、まず、子供が普通に運転している。基本的にノーヘル。3人乗りなど当たり前。いずれも、法令や取り締まりの実態は不明。
 この日は「子供だけの5人乗り」も目撃した。シャッターチャンスを逃したのが痛い。
 ふもとの集落に戻ってきた。生活道路はボコボコのダートで、オートバイと馬しか通れない。  オートバイの乗り方は日本ではあり得ないもので、まず、子供が普通に運転している。基本的にノーヘル。3人乗りなど当たり前。いずれも、法令や取り締まりの実態は不明。  この日は「子供だけの5人乗り」も目撃した。シャッターチャンスを逃したのが痛い。
アポ山  帰路は、深刻な水不足と疲労、胃腸不調で、経験したことがないヘロヘロ状態になった。
 ふもとの集落で売店(写真)に駆け込んだが、ぬるいコーラ、しかも195mlのミニボトルしかなかった。次に見つけた売店で冷えた水を追加購入。
 キャンプ場に水場はあるものの、沸騰させたものでも何だか怖い。
 1泊2日に短縮したので、ダバオから持ってきたボトルでしのげるはずだったが、発汗が想定外だった。

 左に写っているRoyは、ピンピンしている。週1で登っていれば、こんなふうになれるのだろう。
 集落に入ると、彼もビーサンになった。フィリピン人は沖縄県民と同じく「靴」というものが性に合わないらしい。

 なお、ロン毛のRoyは登山中に気分が乗るとAerosmithを熱唱する癖があるので、好きなバンドを聞いてみた。
 案の定、AerosmithとGuns N' Rosesと答えた。お気に入りがこれほどまで一致するのは珍しい。何かのご縁だったのだろう。
 帰路は、深刻な水不足と疲労、胃腸不調で、経験したことがないヘロヘロ状態になった。  ふもとの集落で売店(写真)に駆け込んだが、ぬるいコーラ、しかも195mlのミニボトルしかなかった。次に見つけた売店で冷えた水を追加購入。  キャンプ場に水場はあるものの、沸騰させたものでも何だか怖い。  1泊2日に短縮したので、ダバオから持ってきたボトルでしのげるはずだったが、発汗が想定外だった。  左に写っているRoyは、ピンピンしている。週1で登っていれば、こんなふうになれるのだろう。  集落に入ると、彼もビーサンになった。フィリピン人は沖縄県民と同じく「靴」というものが性に合わないらしい。  なお、ロン毛のRoyは登山中に気分が乗るとAerosmithを熱唱する癖があるので、好きなバンドを聞いてみた。  案の定、AerosmithとGuns N' Rosesと答えた。お気に入りがこれほどまで一致するのは珍しい。何かのご縁だったのだろう。

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