羅漢寺山で山ソムリエ

2022.11.06(日) 日帰り

活動データ

タイム

03:58

距離

6.6km

のぼり

844m

くだり

300m

チェックポイント

DAY 1
合計時間
3 時間 58
休憩時間
1 時間 8
距離
6.6 km
のぼり / くだり
844 / 300 m
1 4
32
1 15

活動詳細

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記念すべき異動後初となる職場登山を敢行すべく、昇仙峡に行ってまいりました。 【山ソムリエとして】 前回宮城にいた時も、お客さんと先輩に頼まれて何回か登りました。あの時は少し特殊で、先輩は運動をしたい一般人?でしたが、お客さんはバリバリ雪山を駆ける現役の猟師さん。どういう山が良いのだろうと思いながらも、いわゆる娯楽としての登山はほとんど経験がなかったらしいので、石巻の里山から雪の泉ヶ岳まで、色々歩きましたがどれも楽しんでもらえました。かわって、4月から着任した部署は山好きが不思議と多いのですが、いずれも屈強山岳部出身からインターハイ経験者と、立派すぎる経歴。「山岳性の違い」というものを信じて疑わない私なので、山の選定は大変に緊張しました。いや、私がプランニングしなくてもよかったのですが…私も根っからの山好きな自信があるので、最適な計画を立てようと意気込んだ次第でした。それに、自分の登りたい山というものもありますからね笑 というわけで、山岳性の違いを避けるべく、事前にアンケート。アプローチや適度と思う歩行時間の他、山に求めるものを訊いてみました。「なぜ山に登るのか」という問いに対する答えですから、一様に説明するのは難しいのですが、個人的には「ルートの意義」みたいなものを重視しています。達成感とか眺望とか、もちろんそれは十分条件くらいには重視しているのですが、それ以外にもいろんな要素(縦走という美しいラインを描けること、人の行かないルートに行くこと、限定性の高い自然(紅葉や高山植物)を愛でること…etc)をプラスしていって多面的に山を楽しむことで、満足度を上げるみたいなイメージですね。これは私が偏屈になっているだけかもしれませんが、自分の山の方向性がある程度定まっているので、それにできるだけ沿わせたい(逆に言えば、意向に沿わない山は満足度が下がってしまう)のですよ。つまり、偏屈な人間が集まると、山岳性の違いが浮き彫りになるのです。 今回のメンバーは選山眼に肥えた方々が揃っていますから、苦心しました。意外にも(そりゃそうか笑)、回答は紅葉、眺望、温泉とのこと。プラスで移動時間は2時間程度。公共交通機関。さーてどこに行こう。都心から2時間圏内で、眺望が良い山ってそこそこ限られると思うのですよ。丹沢とか奥多摩とか、皆さん行き尽くしているかもしれませんし…。幸い、日程が確定したので、悩みが少なくてすみました。候補日がいくつもあったら、無限の可能性が広がってしまいますから…。スケジュールがピタリと合ったのが先週日曜日。正確に言えば私が微妙に対応不可(蓼科で用事あり)だったのですが、そこしかなかったので蓼科を軸に予定を組むことができました。 中央線沿線に絞った結果、甲州高尾山とか高川山とかも思い浮かびましたが、甲府ぐらいでないと私が間に合わないという理由で笑(プランナーで良かった笑)、昇仙峡をチョイス。渓谷美は日本有数と讃えられるほどの景勝地ですが、登山ルートもあります。ちょうど紅葉シーズンでもあり、バスでのアクセスも良好(しかも途中に湯村温泉あり!)、眺望もシンプルに山梨中の山が見渡せることに加え花崗岩が織り成す特徴的な景観が広がりますし、ロープウェイやバスを使うことで歩く時間を好きに調整できます。都心から2時間圏内というご要望には若干沿えていない気もしますが、それ以外は天才的と思えるほどの最適解。どんな山に登りたいかを訊いて、条件を言ってもらえばベストプランを提案する、”山ソムリエ“になりたいな~なんて思っているのですが、良い練習になりました。 【ルート概要】 ◇アクセス◇ 甲府駅南口よりバスがそこそこの間隔で出ています。が、やはり人気なのでとても混みます。新宿始発のあずさは8時半に甲府着、9時台のバスが最速ですが、いざ駅に着くとバス停には長蛇の列。臨時便も出してくれていましたが立席でした。なお、車でもアクセス可能ですがとにかく早く行かなければ混む(快適に楽しむには8時前には現地に入りたいところ)ので、行きたい方はご注意を。 下山後、渋滞でバスも遅延、再び立席で下山。この長蛇の列では途中乗車は困難だろう&すでに昇仙峡は日陰だったので、今回はロープウェイで下山後そのまま帰りましたが、案外昇仙峡口のバス停でかなり降車されたので、帰路を昇仙峡口のバス停から取るのも一考です。湯村温泉は昇仙峡からのバス以外にも複数の便が入るので、甲府駅に帰る分は恐らく困ることはないでしょう。 ◇昇仙峡口~白山展望台◇ バス停から少し歩いて、看板に従って入山。少し登ると、一端車道となり、再び山の中へ。ゆるゆる登っていくので難所はありません。倒木注意の投稿もありましたが、通過は容易です。森は二次林ですが、道中昔の炭焼き場?のような人為的な林があって面白かったです。白山展望台は、このルートで一番気持ちの良いスポットでした。少し道から外れますが、マストで訪れたいところです。 ◇白山展望台~白砂山◇ 小さな尾根と谷をトラバース。分岐から少し登ると、展望の良い所に出ます。ここも良い所ですが、白砂山はさらに奥(少し道が細いので、展望が開けたことに気を取られていると分かりづらい)。やや植生が邪魔しますが、羅漢寺山を望むには絶好の場所です。ただ、谷に落ちたら危険な高さの崖でした。 ◇白砂山~羅漢寺山◇ パノラマ台までは特にありません。パノラマ台でドッと人が増えるので面喰います。山から現実に一挙に戻されるこの感覚、ちょっと苦手なのですよ…。でも観光地だけあって紅葉はとても素敵。羅漢寺山はロープウェイから30分足らずで行けるのですが、階段・鎖・梯子と段々牙を剥き始め、山頂直前には四つん這いでないと潜れない松が(戦国時代の茶室かよ笑)行く手を阻みます。正直、観光の延長で行くべき山ではありません。検索すると、その危険性を指摘する記事も多いです。普段からスリリングな山に行っていれば、技術的に困難ではないのですが、いかんせん人が多く(しかも観光客!)、万が一ぶつかったりすると大事故に繋がりかねない(転落防止柵は特に用意されておりません、その方が景観は良いのですが)ので、細心の注意が必要です。 元々昇仙峡は行ってみたいところではありましたが、少し軽めすぎてなかなか機会がありませんでした。今回、たまたまタイミングに恵まれて登ることができましたが、楽しいですね。自分の中でですが、今回は山岳性の違いをすり合わせてみるゲーム性だったり、ある種制約がある中の縛りプレイ的な楽しみ方をしてしまいましたが、地質や歴史も興味深いエリアです。昇仙峡の最奥に構える金櫻神社は、水晶加工発祥の地であり、そして同じく花崗岩の金峰山は金櫻神社の奥宮でもあるそうです。確かに山頂から真正面に金峰山を望むことができたので、もしかしたら関連があるかも~なんて思っていましたがここまでドンピシャだとは笑 言われてみれば、羅漢寺山と金峰山の間には金石沢や水晶峠といった明らかに鉱物と関連性のある地名が残っていますし、御岳古道という気になる道もありますし、地質が歴史を作った様子が伺えます。これは深堀すればもっと面白いかもしれません。 もちろん、シンプルに眺望ヨシ、紅葉ヨシの良い山でした。てかそれで選んだ山ですからね笑 メンバーにも喜んでもらえたので、一安心で今週も働くことができます笑 ちょっとスリリングなところもありますが、山始めたての方にもおススメの良い山でした!

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