つ、つ、つ、つ、着いた......。赤岳山頂。
 行きは、ゆっくりペース。登山口から5時間かけた。 戻る 次へ

エルジェスの無念 八ヶ岳で晴らすの写真

2022.10.13(木) 11:55

 つ、つ、つ、つ、着いた......。赤岳山頂。  行きは、ゆっくりペース。登山口から5時間かけた。

この写真を含む活動日記

17
350

08:10

11.7 km

1254 m

エルジェスの無念 八ヶ岳で晴らす

八ヶ岳(赤岳・硫黄岳・天狗岳) (山梨, 長野)

2022.10.13(木) 日帰り

 🕌gotoトルコ 第3週(帰国編) 長野県茅野市3日目 八ヶ岳  11日午後1時、成田空港に着いた。  日本と中華圏以外では絶滅危惧種の防護服マン(ウーマン)に今回も迎えられ、萎えた。  すでに日本人同士で感染させまくった中、「異国から来た」というだけで殊更バイ菌扱いする神経、ぼちぼち治しません?  成田エクスプレスで新宿に出て、特急あずさ松本行きに乗り換えた。  目的地は茅野(ちの)。時差つきフライトからのJR3時間40分は、なかなかの拷問だった。  トルコへ出発する時、帰路に石垣島に乗り継ぐフライトを取っていなかった。  エルジェス登山のための冬装備、トレッキングポールに携帯トイレまで持ち、高度順応もした状態で亜熱帯のお家に直帰するなんて、冗談みたいな話だからである。  折しも、トルコでYAMAPERの投稿を拝見していると、内地は紅葉で盛り上がっている。帰国当日から数日は晴れそうだ。  イスタンブール3日目、ホテルのベッドで寝そべりながらPCを叩き、茅野市街のホテルと車、石垣島行きフライトを一気に予約した。  🕌  🕌  🕌  🕌  🕌  午後6時過ぎ、茅野駅に着き、ホテルにチェックインした後、近くの居酒屋に入った。  枝豆、焼きナス、ブリの刺身、肉豆腐、コロッケ、そして締めにおにぎりを食した。  成田空港で萎えたテンションが、力強く復活した。日本の白いご飯は、本当に美味い。  おばあちゃんとお母さんが営む家庭料理系のお店なのに、その名は「おやじ」。  テーブル席で絶品料理に舌鼓を打っていると、制服姿の息子たちが帰ってきた。そして、カウンター席で夕食を取り始めた。  それを見ていたら、地球放浪が帰国後も続いているような気持ちになり、テンションがさらに復活した。  イスタンブールから26時間かけて茅野市に寄り道した理由は八ヶ岳。昨夏の「gotoアルプス」で登り損ねていた。  当時、瑞牆(みずがき)山と金峰(きんぷ)山に1日で連登したら全身筋肉痛になり、翌日は快晴だったのに茅野市のホテルで仮死状態のまま過ごした。  翌々日も八ヶ岳を諦め、負荷が小さい木曽駒ヶ岳に差し替えたのだった。  再挑戦である。  📌八ヶ岳———  長野県東部~山梨県北部の火山群。天狗岳、硫黄岳、横岳、阿弥陀岳、権現岳などから成り、最高峰は赤岳(標高2899m)。  ——————————————————  当座の心配事は、アクセス林道だった。  最短ルートとみられる美濃戸登山口(標高1724m)まで車でワープできるものの、かなりの悪路だと、トルコで知った。  グーグルマップの口コミを見ると、普通車でもギリOK、いやヤバいとバラバラ。  それでも「悪材料はイスタンブールで出尽くした」と信じ、13日朝、軽(三菱eKクロス)で突入した。  で、ギリOKだった。  のっけから、徒歩並みの速度に落とさないと走れない悪路。一部では、尖った石がタケノコのように「生えて」いる。  雨で荒れた時はどうなるか不明。対向車が現れた時どうなるかも不明だった。  🕌  🕌  🕌  🕌  🕌  通称「赤岳・地蔵ノ頭周回コース」の逆回り(?)で歩くことにした。     行者小屋までの樹林帯アプローチは単調&退屈で、往路でも長く感じる。  小屋に着くと、眼前に峰々がそそり立っていて、稜線をぐるりと見渡せた。「こんな疲れた状態で登らされるのか?」と思いきり不安になる「そそり立ち方」だった。  尾根の「地蔵ノ頭」に至る急登(直登)は、登るというより這い上がるという様相。時差ボケ&睡眠絶不調の身体には、とりわけ厳しく感じられた。八ヶ岳って、こんなん?  とはいえ、距離は短いし、標高を上げれば上げるほど、稜線が生き物(というか怪獣?)のように生々しく見えてくる。  近くに蓼科山、はるか遠くに北アルプスを眺められるくらいの標高になると、肉体的にはともかく精神的には回復した。  🕌  🕌  🕌  🕌  🕌  赤岳山頂へのラスト急登を耐え抜くと、北アルプスのみならず、視界を遮られていた中央アルプス、南アルプス、富士山が、ことごとく雲海の上に全容をくっきり現した。  眺めは言うに及ばず、達成感も上質。日本アルプスの名峰に対し、やや格下だと思い込んでいたが、「ナメていて申し訳ございませんでした」と平伏したくなった。  赤岳山頂からは、登ってきた方向の反対側に下り、阿弥陀岳を経由できるかも?と目論んでいたものの、体力・気力・時間すべてにおいて明らかに不足だった。  所どころ身の危険を感じる急峻な岩場もあったが、下山中に見た「阿弥陀岳への稜線」は、この日のベストショットになった。  🕌  🕌  🕌  🕌  🕌  エルジェス山(標高3916m)のベースキャンプ(標高3000m)でテントを吹き飛ばされ、登頂を断念させられてから2週間。  「濃厚な思い出にはなったけど、ただただ悔しい」というモヤモヤが、八ヶ岳で晴れた。「登頂」という結果は、やはり重要だと思った。天候と眺めにも恵まれた。  エルジェス山は独立峰。眺めと言っても荒涼とした大地が広がっているだけじゃん?  八ヶ岳のほうが絶対いいよね? ね?  と自分に言い聞かせつつ、明日15日にお家に帰る石垣市民。  実際、そんなふうに八ヶ岳を褒めても、そんなに過言ではないだろう。