エルジェスの無念 八ヶ岳で晴らす

2022.10.13(木) 日帰り

 🕌gotoトルコ 第3週(帰国編) 長野県茅野市3日目 八ヶ岳  11日午後1時、成田空港に着いた。  日本と中華圏以外では絶滅危惧種の防護服マン(ウーマン)に今回も迎えられ、萎えた。  すでに日本人同士で感染させまくった中、「異国から来た」というだけで殊更バイ菌扱いする神経、ぼちぼち治しません?  成田エクスプレスで新宿に出て、特急あずさ松本行きに乗り換えた。  目的地は茅野(ちの)。時差つきフライトからのJR3時間40分は、なかなかの拷問だった。  トルコへ出発する時、帰路に石垣島に乗り継ぐフライトを取っていなかった。  エルジェス登山のための冬装備、トレッキングポールに携帯トイレまで持ち、高度順応もした状態で亜熱帯のお家に直帰するなんて、冗談みたいな話だからである。  折しも、トルコでYAMAPERの投稿を拝見していると、内地は紅葉で盛り上がっている。帰国当日から数日は晴れそうだ。  イスタンブール3日目、ホテルのベッドで寝そべりながらPCを叩き、茅野市街のホテルと車、石垣島行きフライトを一気に予約した。  🕌  🕌  🕌  🕌  🕌  午後6時過ぎ、茅野駅に着き、ホテルにチェックインした後、近くの居酒屋に入った。  枝豆、焼きナス、ブリの刺身、肉豆腐、コロッケ、そして締めにおにぎりを食した。  成田空港で萎えたテンションが、力強く復活した。日本の白いご飯は、本当に美味い。  おばあちゃんとお母さんが営む家庭料理系のお店なのに、その名は「おやじ」。  テーブル席で絶品料理に舌鼓を打っていると、制服姿の息子たちが帰ってきた。そして、カウンター席で夕食を取り始めた。  それを見ていたら、地球放浪が帰国後も続いているような気持ちになり、テンションがさらに復活した。  イスタンブールから26時間かけて茅野市に寄り道した理由は八ヶ岳。昨夏の「gotoアルプス」で登り損ねていた。  当時、瑞牆(みずがき)山と金峰(きんぷ)山に1日で連登したら全身筋肉痛になり、翌日は快晴だったのに茅野市のホテルで仮死状態のまま過ごした。  翌々日も八ヶ岳を諦め、負荷が小さい木曽駒ヶ岳に差し替えたのだった。  再挑戦である。  📌八ヶ岳———  長野県東部~山梨県北部の火山群。天狗岳、硫黄岳、横岳、阿弥陀岳、権現岳などから成り、最高峰は赤岳(標高2899m)。  ——————————————————  当座の心配事は、アクセス林道だった。  最短ルートとみられる美濃戸登山口(標高1724m)まで車でワープできるものの、かなりの悪路だと、トルコで知った。  グーグルマップの口コミを見ると、普通車でもギリOK、いやヤバいとバラバラ。  それでも「悪材料はイスタンブールで出尽くした」と信じ、13日朝、軽(三菱eKクロス)で突入した。  で、ギリOKだった。  のっけから、徒歩並みの速度に落とさないと走れない悪路。一部では、尖った石がタケノコのように「生えて」いる。  雨で荒れた時はどうなるか不明。対向車が現れた時どうなるかも不明だった。  🕌  🕌  🕌  🕌  🕌  通称「赤岳・地蔵ノ頭周回コース」の逆回り(?)で歩くことにした。     行者小屋までの樹林帯アプローチは単調&退屈で、往路でも長く感じる。  小屋に着くと、眼前に峰々がそそり立っていて、稜線をぐるりと見渡せた。「こんな疲れた状態で登らされるのか?」と思いきり不安になる「そそり立ち方」だった。  尾根の「地蔵ノ頭」に至る急登(直登)は、登るというより這い上がるという様相。時差ボケ&睡眠絶不調の身体には、とりわけ厳しく感じられた。八ヶ岳って、こんなん?  とはいえ、距離は短いし、標高を上げれば上げるほど、稜線が生き物(というか怪獣?)のように生々しく見えてくる。  近くに蓼科山、はるか遠くに北アルプスを眺められるくらいの標高になると、肉体的にはともかく精神的には回復した。  🕌  🕌  🕌  🕌  🕌  赤岳山頂へのラスト急登を耐え抜くと、北アルプスのみならず、視界を遮られていた中央アルプス、南アルプス、富士山が、ことごとく雲海の上に全容をくっきり現した。  眺めは言うに及ばず、達成感も上質。日本アルプスの名峰に対し、やや格下だと思い込んでいたが、「ナメていて申し訳ございませんでした」と平伏したくなった。  赤岳山頂からは、登ってきた方向の反対側に下り、阿弥陀岳を経由できるかも?と目論んでいたものの、体力・気力・時間すべてにおいて明らかに不足だった。  所どころ身の危険を感じる急峻な岩場もあったが、下山中に見た「阿弥陀岳への稜線」は、この日のベストショットになった。  🕌  🕌  🕌  🕌  🕌  エルジェス山(標高3916m)のベースキャンプ(標高3000m)でテントを吹き飛ばされ、登頂を断念させられてから2週間。  「濃厚な思い出にはなったけど、ただただ悔しい」というモヤモヤが、八ヶ岳で晴れた。「登頂」という結果は、やはり重要だと思った。天候と眺めにも恵まれた。  エルジェス山は独立峰。眺めと言っても荒涼とした大地が広がっているだけじゃん?  八ヶ岳のほうが絶対いいよね? ね?  と自分に言い聞かせつつ、明日15日にお家に帰る石垣市民。  実際、そんなふうに八ヶ岳を褒めても、そんなに過言ではないだろう。

 赤岳山頂(標高2899m)まで最短で登れるとみられる美濃戸登山口(標高1724m)。
 赤岳山荘駐車場に1日1000円で止められるものの、そこに至るダートは、最初の最初から最後の最後まで、なかなかの悪路。
 紅葉シーズンの平日の八ヶ岳の混み具合は想像できなかったが、午前7時ごろの赤岳山荘駐車場は半分も埋まっていなかった。

 赤岳山頂(標高2899m)まで最短で登れるとみられる美濃戸登山口(標高1724m)。  赤岳山荘駐車場に1日1000円で止められるものの、そこに至るダートは、最初の最初から最後の最後まで、なかなかの悪路。  紅葉シーズンの平日の八ヶ岳の混み具合は想像できなかったが、午前7時ごろの赤岳山荘駐車場は半分も埋まっていなかった。

 赤岳山頂(標高2899m)まで最短で登れるとみられる美濃戸登山口(標高1724m)。  赤岳山荘駐車場に1日1000円で止められるものの、そこに至るダートは、最初の最初から最後の最後まで、なかなかの悪路。  紅葉シーズンの平日の八ヶ岳の混み具合は想像できなかったが、午前7時ごろの赤岳山荘駐車場は半分も埋まっていなかった。

 登山口から行者小屋までの4kmほどは、苔苔岩岩の樹林帯。
 緩やか&単調な上りで、早々に飽きる。帰路は、それなりの拷問区間と化す。

 登山口から行者小屋までの4kmほどは、苔苔岩岩の樹林帯。  緩やか&単調な上りで、早々に飽きる。帰路は、それなりの拷問区間と化す。

 登山口から行者小屋までの4kmほどは、苔苔岩岩の樹林帯。  緩やか&単調な上りで、早々に飽きる。帰路は、それなりの拷問区間と化す。

紅葉には早かったのか、基本的にこんな色づき。

紅葉には早かったのか、基本的にこんな色づき。

紅葉には早かったのか、基本的にこんな色づき。

行者小屋。どの小屋にも100円トイレがあって、便利だった。

行者小屋。どの小屋にも100円トイレがあって、便利だった。

行者小屋。どの小屋にも100円トイレがあって、便利だった。

行者小屋から、八ヶ岳最高峰・赤岳(左)。これ、登る(登らされる)の?

行者小屋から、八ヶ岳最高峰・赤岳(左)。これ、登る(登らされる)の?

行者小屋から、八ヶ岳最高峰・赤岳(左)。これ、登る(登らされる)の?

 行者小屋から尾根の地蔵ノ頭(標高2716m)までの急登区間の途中。
 雲海のはるか向こうに、北アルプスの皆様が勢ぞろい。槍ヶ岳も、すぐに分かった。

 行者小屋から尾根の地蔵ノ頭(標高2716m)までの急登区間の途中。  雲海のはるか向こうに、北アルプスの皆様が勢ぞろい。槍ヶ岳も、すぐに分かった。

 行者小屋から尾根の地蔵ノ頭(標高2716m)までの急登区間の途中。  雲海のはるか向こうに、北アルプスの皆様が勢ぞろい。槍ヶ岳も、すぐに分かった。

 その尾根までのえげつない急登(完全なる直登)区間。
 右奥に同じく百名山・蓼科山がひょっこり。
 奥は先ほどの北アルプスの皆様。

 その尾根までのえげつない急登(完全なる直登)区間。  右奥に同じく百名山・蓼科山がひょっこり。  奥は先ほどの北アルプスの皆様。

 その尾根までのえげつない急登(完全なる直登)区間。  右奥に同じく百名山・蓼科山がひょっこり。  奥は先ほどの北アルプスの皆様。

 赤岳山頂に至る尾根道のラストアタックも、えげつない急登。一度コケたら、下まで転がり落ちていきそうだ。
 奥に見えるのは、赤岳天望荘。山頂には別の山荘がある。

 赤岳山頂に至る尾根道のラストアタックも、えげつない急登。一度コケたら、下まで転がり落ちていきそうだ。  奥に見えるのは、赤岳天望荘。山頂には別の山荘がある。

 赤岳山頂に至る尾根道のラストアタックも、えげつない急登。一度コケたら、下まで転がり落ちていきそうだ。  奥に見えるのは、赤岳天望荘。山頂には別の山荘がある。

赤岳山頂付近から、横岳、硫黄岳に連なる稜線。左奥は蓼科山。

赤岳山頂付近から、横岳、硫黄岳に連なる稜線。左奥は蓼科山。

赤岳山頂付近から、横岳、硫黄岳に連なる稜線。左奥は蓼科山。

赤岳山頂付近から富士山

赤岳山頂付近から富士山

赤岳山頂付近から富士山

 つ、つ、つ、つ、着いた......。赤岳山頂。
 行きは、ゆっくりペース。登山口から5時間かけた。

 つ、つ、つ、つ、着いた......。赤岳山頂。  行きは、ゆっくりペース。登山口から5時間かけた。

 つ、つ、つ、つ、着いた......。赤岳山頂。  行きは、ゆっくりペース。登山口から5時間かけた。

山頂にいた子。どなた?

山頂にいた子。どなた?

山頂にいた子。どなた?

赤岳山頂から、赤岳山頂山荘方向の稜線。

赤岳山頂から、赤岳山頂山荘方向の稜線。

赤岳山頂から、赤岳山頂山荘方向の稜線。

赤岳山頂から、南アルプスの皆様。

赤岳山頂から、南アルプスの皆様。

赤岳山頂から、南アルプスの皆様。

 さっきの子、ジャンプ・スタンバイ。ハイカーがこぼした食べ物をハイテンションでつついていた。
 ボディはスズメ風の装いなのに、頭からグレーのフードを被っている感じ。

 さっきの子、ジャンプ・スタンバイ。ハイカーがこぼした食べ物をハイテンションでつついていた。  ボディはスズメ風の装いなのに、頭からグレーのフードを被っている感じ。

 さっきの子、ジャンプ・スタンバイ。ハイカーがこぼした食べ物をハイテンションでつついていた。  ボディはスズメ風の装いなのに、頭からグレーのフードを被っている感じ。

 通称「赤岳・地蔵ノ頭周回コース」の逆回り(?)で下山中。
 この日見た中では、この阿弥陀岳の稜線が一番イケメンだと思った。

 通称「赤岳・地蔵ノ頭周回コース」の逆回り(?)で下山中。  この日見た中では、この阿弥陀岳の稜線が一番イケメンだと思った。

 通称「赤岳・地蔵ノ頭周回コース」の逆回り(?)で下山中。  この日見た中では、この阿弥陀岳の稜線が一番イケメンだと思った。

この日、一番「秋」だったところ。

この日、一番「秋」だったところ。

この日、一番「秋」だったところ。

 赤岳山頂(標高2899m)まで最短で登れるとみられる美濃戸登山口(標高1724m)。  赤岳山荘駐車場に1日1000円で止められるものの、そこに至るダートは、最初の最初から最後の最後まで、なかなかの悪路。  紅葉シーズンの平日の八ヶ岳の混み具合は想像できなかったが、午前7時ごろの赤岳山荘駐車場は半分も埋まっていなかった。

 登山口から行者小屋までの4kmほどは、苔苔岩岩の樹林帯。  緩やか&単調な上りで、早々に飽きる。帰路は、それなりの拷問区間と化す。

紅葉には早かったのか、基本的にこんな色づき。

行者小屋。どの小屋にも100円トイレがあって、便利だった。

行者小屋から、八ヶ岳最高峰・赤岳(左)。これ、登る(登らされる)の?

 行者小屋から尾根の地蔵ノ頭(標高2716m)までの急登区間の途中。  雲海のはるか向こうに、北アルプスの皆様が勢ぞろい。槍ヶ岳も、すぐに分かった。

 その尾根までのえげつない急登(完全なる直登)区間。  右奥に同じく百名山・蓼科山がひょっこり。  奥は先ほどの北アルプスの皆様。

 赤岳山頂に至る尾根道のラストアタックも、えげつない急登。一度コケたら、下まで転がり落ちていきそうだ。  奥に見えるのは、赤岳天望荘。山頂には別の山荘がある。

赤岳山頂付近から、横岳、硫黄岳に連なる稜線。左奥は蓼科山。

赤岳山頂付近から富士山

 つ、つ、つ、つ、着いた......。赤岳山頂。  行きは、ゆっくりペース。登山口から5時間かけた。

山頂にいた子。どなた?

赤岳山頂から、赤岳山頂山荘方向の稜線。

赤岳山頂から、南アルプスの皆様。

 さっきの子、ジャンプ・スタンバイ。ハイカーがこぼした食べ物をハイテンションでつついていた。  ボディはスズメ風の装いなのに、頭からグレーのフードを被っている感じ。

 通称「赤岳・地蔵ノ頭周回コース」の逆回り(?)で下山中。  この日見た中では、この阿弥陀岳の稜線が一番イケメンだと思った。

この日、一番「秋」だったところ。

この活動日記で通ったコース